採用手法のこれからを考える ダイレクト・ソーシング ジャーナル

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2017.02.02

ゼロ秒思考・赤羽氏が教える「熱意・向上心・柔軟性」を持つ人材が活躍する組織づくり

PROFILE

ブレークスルーパートナーズ株式会社

赤羽 雄二

東京大学工学部を1978年に卒業後、小松製作所で建設現場用ダンプトラックの設計開発に携わる。1983年からスタンフォード大学大学院に留学。機械工学修士を修了。1986年にコンサルタントファームのマッキンゼーに入社し、1990年から同社ソウルオフィスにて、韓国大手企業の経営改革コンサルティングに携わる。2002年からは、ブレークスルーパートナーズ株式会社を設立。「日本発の世界的ベンチャー」を1社でも多く生み出すことを使命に活躍している。近著は、「成長思考 心の壁を打ち破る7つのアクション」(日本経済新聞出版社)

ベストセラー「ゼロ秒思考」の著者である赤羽雄二氏による、DODA Recruitersが主催したセミナーの講演内容をお届けします。テーマは、“今の時代を勝ち抜くための「活躍する人材の見抜き方と、成果を出す組織の開発」”。

この記事は、前編・後編の2部構成になっています。前編では、活躍する人材に共通しているのは、熱意・向上心・柔軟性を持っていること。そして、そのような人材を採用するための見極め方を解説しました。後編のこの記事では、熱意・向上心・柔軟性を持った人材に入社してもらった後、活躍してもらうための組織づくりについて解説します。

採用した人材に、期待通りに活躍してもらうための入社後の心得

赤羽雄二氏_プロフィール画像

熱意・向上心・柔軟性を持った人材を見極め、採用できても、そこで安心してはいけません。採用した人材に予定通り活躍してもらうには、採用に掛けるエネルギー以上の努力を採用した人材に傾ける意識を持つことが大切です。

具体的には、採用した社員に対し、6カ月~1年間はソフトランディングを手伝うことです。採用に大変な手間をかけ、何カ月も待ってやっと入社してくれたにも関わらず数カ月でやる気を失わせ、かけた採用コストに見合う貢献を得られず、停滞してしまう例を私はたくさん見てきました。

これを防ぐには、業務に対するサポートだけでなく、入社してみないと分からない組織文化や価値観、独特のコミュニケーションスタイルなどを事前にある程度伝えておくこと、また入社直後に改めて明確に伝えて誤解や被害者意識をなくすとともに、対処法をコーチングすることが大事です。

中途採用の先輩をメンターにつけることが最低現必要ですし、人事・採用担当者からの働きかけにより、経営層はもちろん既存社員全員にも意識してもらう必要があります。

また人事・採用担当者は、

1.入社前の評価
2.入社後の業務内容と活躍状況
3.提供したサポートの内容

の3点の相関を分析し予測精度を上げていく必要があります。
「採用したらそこで終わり。後は配属部門の仕事」というようなことでは会社としての採用スキルは上がりません。

採用した人材が成果を出す組織の作り方とは?

入社してくれたのが熱意・柔軟性・向上心を持つ優秀な人材であるほど、リーダーシップ、人材育成および自主性を重視した組織でないと、力を発揮しきれません。つまり、活かすかどうか、そういう組織を作るかどうかは経営層次第です。

しかし、部下に指示すればできると勘違いしている経営層が非常に多いのが現実で、この意識を変えていくことが出発点です。本当は、採用活動を開始する前の宿題とも言えます。
人事・採用担当者は、社長の右腕でもあります。社内で最もフェアで、問題把握・解決力が必要なポジションであり、人事・採用担当者からの強い働きかけが欠かせません。
さて、採用した人材が活躍するための組織づくりには、どういった点を注意すべきでしょうか。

組織が変わるには、上司が変わる必要がある

組織が変わるには、当然ながら上に立つ上司が変わる必要があります。ところが、多くの上司は、次のような状態に陥っており、それどころではありません。

■ ビジョン・戦略を明確に打ち出せない
■ 課題の優先順位付けがうまくできない
■ 状況把握があまり得意ではない
■ 自分の判断に自信が持てない
■ 複数の問題が生じると混乱する
■ 部下が言うことを聞いてくれないと不安、不満
■ 結果が出るまで不安でしょうがない

これらの課題を解決するのがリーダーシップです。リーダーシップがあれば、状況に応じた新しい方針を立て、次々に成果を出していくことができます。
私が考えるリーダーシップとは次のようなものです。リーダーシップは、人に命令することではありません。「部長の私の言うことが聞けないのか?」みたいなことを言う人は、一方的であり横暴なだけで、リーダーシップがあるとは言えないのです。
優秀なリーダーは、ビジョンを示し、困難に立ち向かう勇気を部下たちの心に湧き立てます。また優先順位付ができるので、沈着冷静に指示が出せて、危機に際しても常に平常心でいられます。それと同時に複数の仕事がこなせる平行処理もできます。

そしてリーダーシップを発揮するのに必要なのが、記事の前編でも紹介した要素である熱意・向上心・柔軟性なのです。
これらの要素を分解すると次のようになります。

熱意があるとは?

  • 絶対に成功させるという断固とした意思、情熱がある
  • 事業ビジョンや、事業構想の明確さがある
  • 顧客について、何時間でも語ることができる
  • 事業への真剣さ、真面目さがある
  • 負けず嫌いで、明るい性格である

向上心があるとは?

  • 成長意欲の強さ、どん欲さがある
  • 誰からも学ぶ謙虚さ、素直さがある
  • 耳に痛い忠告も、頑なにならず聞ける

柔軟性があるとは?

  • 頭の切り替えが早い
  • 心の整理の素早さがある

一方で、これらを身に着けるにはどうするべきなのでしょうか。
そのためには、著書『ゼロ秒思考』で紹介しているA4メモ、アイデアメモが効果的だと私は考えています。

ゼロ秒思考

そして、熱意・向上心・柔軟性を身に着けていきながら、上司は部下への指導スタイルを次のようにすることが必要です。

部下への指導スタイルは、考え方そのものをトレーニングすること

世の中の上司は部下を叱責し、罵倒する人が多いように私は感じます。しかし、これは上司の自己満足以外の何ものでもなく、百害あって一利なしです。もし、思い当たる部分があれば、下記のように変えてみることをお勧めします。

叱責、罵倒ではなく、また粗探しではなく、きめ細かく助言したり、考え方そのものをトレーニングし、問題解決できるようにしてあげることです。叱責、罵倒がなぜまずいかと言えば、自分がなぜ失敗したのか、次はどうすればいいのかよくわからないからです。わかっていて、失敗する部下はほとんどいません。

うっかりして失敗する部下がいるので叱り飛ばさないとだめだと考えている上司が多いかと思いますが、うっかりしない仕組みを作るとか、部下のやる気を高めるとか、叱る以外にできることは多数あります。

コーチングとは、自分がしてほしかったことを部下にすること

コーチングとは、「こうすれば上手くできるという素晴らしいノウハウを伝えること」かつ「こうやったらできるという実際の行動を背中で見せること」です。

そもそも、自分ができないことを要求する上司が多いですが、これは論外だと考えています。部下にはわからないと思っていても、すべて見破られていて、そのズルさがさらに上司への尊敬を傷つけます。

また、コーチングの大前提は、部下に親身になる、関心を持つことです。それがなければ、部下を理解することもなく、コーチングの出発点に立てません。その上で、部下に成長してほしいと本心から思い、自分がしてほしかったことをしてあげることが大切です。

ほとんどの上司が誤解していますが、叱ることも怒ることも同じく部下のやる気を削ぎ、再発防止にも大してなりません。ましてや部下の成長にはほとんど役立ちません。

「叱るのは部下のためだからよいことで、怒るのは上司が感情を抑えきれない状況だから悪いことだ」という言い方をよく聞きますが、これはほとんど言い逃れではないかと考えています。

部下から見たら、今叱られているのか、怒られているのか、区別などつきません。単に怒鳴られているだけ、あるいはいびられているだけで、不愉快さは大差ないと思います。少なくともやる気が出ることはほぼありません。腹が立ってうっぷん晴らしに頑張ることはあると思いますが、会社や上司への尊敬が高まることはあまりなさそうです。

もちろん、上司が感情をぶつけるのは論外です。部下は不愉快になるだけで、決してやる気が出るわけではありません。

上司の方々へのお勧めが1つあります。部下への接し方、性格・仕事へのスタイル・人生観・世代の違い等へのバランス感覚を身につけるため、何でも相談できる相手を同年齢、5歳年上、10歳年上、5歳年下、10歳下で数名ずつ確保しておくことです。

自分一人だとどうしても近視眼的になったり、自分の価値観だけで人に感情をぶつけてしまったりするからです。相談相手を社内外に持っておけば、どうも納得いかないことも感情的にならずに対処することができます。

コーチング方法についてさらに知りたい方は、著書「世界基準の上司」(KADOKAWA/中経出版)、『マンガでわかる! マッキンゼー式リーダー論』(宝島社)、「すごい成果をあげているリーダーが実行している40の習慣」(PHP研究所)の中で詳しく説明していますので、ぜひご一読ください。

リーダーシップを持った上司が、適切に部下をコーチングできるようになることが、採用した社員が力を発揮できる組織をつくることに繋がるのです。

人事・採用担当者から組織を変えていってほしい

事業を成長させる人材を採用し、活躍してもらうには人事・採用担当者から意識を変えていく必要があると思っています。既存の組織を変えていく力も必要です。

また採用する人材だけでなく、組織を動かす上司も熱意・向上心・柔軟性を持ち、リーダーシップを発揮する必要もあると思います。そのための取り組みに、私の知見が少しでも役立てたら嬉しいです。

刻々と社会は変化していきますが、一人ひとりが頑張ればできることは非常に多くあります。一緒に日本を元気にしていきましょう!

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