採用手法のこれからを考える ダイレクト・ソーシング ジャーナル

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2017.03.09

人材研究所曽和氏が語る、ダイレクト・ソーシングを早期に取り入れるメリットとは

PROFILE

株式会社人材研究所

代表取締役社長 曽和 利光

京都大学卒業後、リクルートに入社。人事部のゼネラルマネージャーとして培ったスキル・ノウハウと、2万人の面接経験を融合しワンランク上の人材を採用する独自手法を確立。その後、ライフネット生命、オープンハウスで一貫して人事領域で活躍し、2011年に株式会社人材研究所設立。著書に『就活「後ろ倒し」の衝撃』(東洋経済新聞社)などがある。

人材研究所の曽和利光氏は「人事でもっとも重視したいのは採用」と位置付けています。採用がうまくいくことが、入社後の育成や能力発揮までをスムーズに進められると考えているからです。

今回は、企業の人事・採用担当者が採用をうまく進めるために、ダイレクト・ソーシングの活用手法をテーマにお話を伺いました。

ダイレクト・ソーシングは、広く人材を探索できることがメリット

採用の新しい手法としてダイレクト・ソーシングが注目されています。曽和さんはダイレクト・ソーシングに対して、どのような考えをお持ちですか。

曽和氏:今後、間違いなく採用手法の一つの柱になると考えています。国内ではまだ様子見の企業も多いと思いますが、外資系企業は主要な採用手法として活用している場合が多いですし、国内では新卒採用の領域で活用をはじめている企業が増えています。

現状、中途領域の採用手法として海外ほど広まらない大きな要因は、手間が掛かりそうというイメージのためだと思います。たしかに、人事・採用担当者が自らソーシング(※採用候補者を探し、集めること)からスタートするのは、やるべきことが多く、非効率に見えるかもしれません。

しかし導入すれば、間違いなくこれまでよりも自社にマッチした人材と出会えます。企業側が、自ら求めている人材を探すわけですから当然ですよね。結果としては、採用決定率が高まるので、効率は上がります。

もっともダイレクト・ソーシングを使っても、最初から採用がうまくいく保証はありません。これまで取り組んでいなかったことを行うのですから、うまくいかないほうが当たり前でしょう。
ただ、それを失敗だと考えないことが大事だと思います。うまくいくための途中の過程にあると捉え、トライ&エラーを繰り返してください。そうするうちにノウハウが蓄積されて、採用決定率も高まってくると思います。

できるだけ早くダイレクト・ソーシングを取り入れた方が良いというお考えでしょうか。

曽和氏:そう思っています。労働人口が減り、外資系企業などが積極的にダイレクト・ソーシングを活用している今、これまで通りの採用手法を用いていても採用が難しくなる一方でしょう。

またダイレクト・ソーシングを使うことで、転職市場の今を知ることができます。どんなスキル・経験を持った人材が転職したがっているか、人材データベースで確認できるので新たな発見もあるはずです。

これまで採用候補として考えていなかった人材が、意外に自社とマッチするということも少なくありません。本当に求めている人材と出会うために、1000人分くらいのデータを見て、この人に会ってみようというのがあっていいと思っています。

自社を魅力的に感じてもらうための面接・面談ポイント

インタビューに答える曽和利光氏

ダイレクト・ソーシングを使って、人材と会う際に気を付けたいことはありますか。

曽和氏:ダイレクト・ソーシングは、企業側から会いたいと言って、人材にコンタクトを取ります。それなのに、面接や選考という形を押し出し過ぎると、人材の意欲は低下してしまいます。人材は求人広告などを見て応募しているのではないことを念頭に置いてほしいですね。

「志望動機は何ですか?」などと聞いても、「会いたいというスカウトメールが来たので伺いました」となるのが当然でしょう。そのため、スカウトメールを送る時は「面接」に来てくださいと呼びかけるよりは、まずはお話をしてみたいので「面談」に来ませんか、といったアプローチのほうがいいかもしれません。

会いたい人材にどのようにして来てもらうか。私は“受け皿企画”と呼んでいるのですが、それを考えておくこともお勧めです。
例えば、業界についてのセミナーや勉強会を用意するという手もあります。選考とはまったく関係のない場のほうが、人材も足を運びやすくなるはずです。

従来型の面接という形にこだわり過ぎずに出会い、徐々に入社の意向を高めてもらうことが大事ということでしょうか。

曽和氏:はい。人事や採用担当者が自ら選んでいるのでスキルについてはマッチしているはずです。まずは出会い、そのあとに気持ちを徐々に高めてもらうのです。ダイレクト・ソーシングでは、応募動機を形成するステップを設けたほうが良いでしょう。
そのために人材を魅了するスキルを、人事や採用担当者は身に着けた方が良いと思います。

具体的に、どのようにすれば人材を魅了するスキルは身に付きますか。

曽和氏:面談時のトーク内容のブラッシュアップと、採用候補者である人材の心理に対する理解を深めることが有効だと思います。

面談で人事や採用担当者は採用候補者に対して、次の4つのことを伝えてほしいと思います。
まず「自分自身が入社した時の志望動機」、次に「自社の社会に対する影響や貢献」、そして「組織風土」、最後に「採用候補者の不安解消要素の提示」です。

もっとも、これらを何の準備もなく面談で話そうとしても上手くいかないと思います。
例えば、組織文化を伝えるにしても、「風通しのいい社風です」と伝えても、それは何も言っていないに等しいでしょう。社内でどんな会話が交わされるのか、そこからどんな社風や文化が垣間見られるのか、これらを理解しておくことで、採用候補者に伝えられる内容に具体性が持てると思います。

また「採用候補者の不安解消要素の提示」とは、業界や会社の評判に対して、不安に思われる部分があれば、それを解消する答えです。例えば、「離職率が高いと聞いています」と採用候補者に聞かれたら、「退職と言っても、独立や起業ための退職で、イヤで辞めている人は少ないです」などと、納得してもらえる説明をします。よくある質問に対する回答内容をまとめておくと良いと思います。

心理的なことに関しては、押し一辺倒ではなく、時には引いてみるなどのスキルを身につけるのが重要です。喉から手が出るほど欲しい人材でも、あくまでフラットに話して、どうすれば、魅了できるか冷静に分析するなどします。

とはいえ面談も最初からはうまくいかない場合が多いでしょう。実践ではじめてわかることばかりだからです。やはり面談においても失敗とは思わず、成功の過程にある捉えて、続けることが大切です。

目指すのは「象徴的な一人目」の採用

インタビューに答える曽和利光氏

最後に、ダイレクト・ソーシングのような新しい採用手法を取り入れようと考えても、実行に移しづらいという状況があると考えられます。社内に対しても採用の重要性に対する認知を高めていくことが有効だと思うのですが、まずはどういった取り組みからはじめればいいのでしょうか。

曽和氏:これは、とても難しい問題で、私自身も採用の重要性への認知をもっと広めたいと思っています。まず足掛かりになるのは、象徴的な一人目を採用することではないでしょうか。例えば、ダイレクト・ソーシングを使って、これまでは採用できなかったような人材に入社してもらえれば、社内の理解が一気に広まるはずです。

また、すべてを一度に変えようとしないことも重要です。例えば、一部の部門だけでダイレクト・ソーシングによる採用をしてみてはいかがでしょうか。成果が出始めれば、他の部署でも導入してみよう、となるはずです。あとは他社の成功事例を社内に展開していく方法もあると思います。

今、誰もが知る大手企業でも、採用は簡単にはいかなくなっています。以前と同じことをしていたら、いずれ採用ができなくなり、企業の存続にも響いてきます。今のうちに先手を打ち、採用力を高めておくのが、人事や採用担当者に求められる重要な業務の1つでしょう。

まとめ

曽和氏はダイレクト・ソーシングを行う際、まずは広く人材と会うことが大切だと強調します。その上で、自社にマッチした人材を見つけましょうとのことでした。

また、人事や採用責任者は「人材を魅了」するための準備が大切とも語っており、今後の人事・採用担当者には、これまで以上に専門性が求められていくことを主張されています。新たな採用手法の導入をはじめ、人事や採用担当者の新たな挑戦こそが、自社の採用力を高める重要なポイントだと言えます。

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