知っておきたい求人広告のメリット・デメリットと費用対効果を高める方法

d's JOURNAL
編集部

Webを通して多くの人に自社の求人を知ってもらえる機会を作り、採用を成功させる手法が求人広告です。そんな求人広告を掲載する上でのメリットとデメリットとは。また利用料金の支払い方法や、求人広告を使って採用成功するには、どのようなポイントがあるのか。

ここで求人広告を活用する際に、抑えておきたいポイントやノウハウを人事・採用担当者の方向けに解説します。

求人広告のメリットとデメリット

まずは、採用において求人広告を使うメリット・デメリットを見ていきましょう。

メリット

  • Webを通して多くの人に求人情報を知ってもらえる機会を作れる
  • 情報収集を行う転職潜在層にもアピールできる
  • 複数人数を採用した場合は、採用費用が抑えられる(掲載費のみの場合)

多くの人へ向けて自社の求人情報を知ってもらえることが求人広告の大きなメリットです。企業への応募や面接を積極的に行っている転職希望者はもちろん、「まだ転職をするとは決めていないけれど、なんとなく求人検索をしてみた」というような、情報収集を行っている転職潜在層にもアプローチが可能です。そして、1つの求人広告で複数人を採用できれば、1人当たりの採用費用を抑えることもできます。

デメリット

  • 求人広告の内容によって採用できるか否かが変わる
  • 求人広告の作成に時間がかかる(現場社員の取材調整など)

求人広告の要は内容です。広告を掲載することで、転職希望者に求人していること自体は知ってもらえます。しかし、自社の求める人材から自分に合っている求人だと思ってもらえて、魅力的に感じられる内容でないと求人広告の意味を成しません。

上記ポイントを押さえるためにも、人事・採用担当者は求人サイトの制作担当者から取材という形でヒアリングを受けることになります。取材・撮影対応や求人広告の作成には一定の日数が発生するため(※一般的には、1~2週間程度)、求人広告の作成には時間が掛かることを踏まえ、スケジュールを立てることをオススメします。

求人広告の利用料金について

求人広告を利用する際の料金支払い方法(掲載費の支払い)は大きく分けて2つのタイプがあります。

1つめは求人広告の掲載を開始する前に料金を支払う先行投資タイプ。この場合、掲載期間や表示順位、求人広告に記載できる文字数・写真枚数などによって利用料金が変わることが多いです。

2つめは求人広告の掲載自体は無料で、転職希望者からの応募数や採用人数に応じて利用料金が変わる成功報酬タイプです。

短期間での母集団形成を第一に考えた場合、数百万人規模の登録者数がいる求人サイトに掲載するのが目的達成の近道ですが、登録者数の多い求人サイトは掲載をスタートする前に料金を支払う先行投資タイプがほとんどです。

一方で、応募数や採用人数に応じて料金が変わる成功報酬タイプは、専門職の募集に特化している求人サイトや、転職希望者の登録者人数が少ない転職サイトが多い状況です。そのため、じっくり時間をかけて自社にマッチする転職希望者を採用する場合に向いています。

求人広告の掲載する前に準備したいこと

求人広告を掲載する上での準備

募集したい職種や募集要項が決まったら掲載時期をいつにするかを決め、どんな求人広告を作るかを定める準備に取り掛かります。

掲載時期について

掲載を開始するタイミングの決め方は、まず採用計画から逆算して、いつまでに何人を採用したいか確認します。そして、現職中の転職希望者を採用する場合、一般的に退職交渉には1ヵ月程度はかかると言われているため、掲載期間+選考期間+1ヵ月(内定者の退職交渉期間)といったスケジュールで進めるとよいでしょう。

また、転職市場全体で転職活動が活発になる時期もあれば、職種毎に転職活動が活発になる時期もあります。例えば販売・サービス系の職種の場合、年末年始はセールの時期と重なって忙しいため転職活動をする人材が少なくなる。経理の場合は決算前後がそれに当てはまる。といった傾向です。
もっとも、あまりに意識をし過ぎた場合、採用競合企業が先んじて求人を出すこともあるので、一概にこの時期が最適だと言い切れないのが実状です。そのため掲載開始に最適な時期は求人サイトの営業担当者に確認することも大切です。

各求人サイトがCMなどのプロモーションを行い、転職希望者の登録を促進している時期などは、新たに転職活動を開始した転職希望者と出会える機会も増えます。各求人サイトが行う、プロモーションスケジュールなども確認してみることをお勧めします。

求人広告の作成について

最も大切な求人広告の作成についてです。前提として自社の採用基準に沿った形で、記事の内容を決めます。採用成功に繋がる求人広告を作るうえで大切なのが、採用したい人材をしっかりイメージすること。

「現在、社内で活躍している社員の●●さんみたいな人」と考えてみることが、採用したい人材をイメージする方法の1つです。実際に社員の●●さんに対して、どういった働くモチベーションやどんなキャリアを求めているかなどを聞いてみると、求人広告で打ち出すべきポイントが見えてくるでしょう。

また待遇・福利厚生、職場環境などは転職希望者に採用競合企業と比較される部分。そのため転職サイトに掲載されている採用競合企業の求人広告を確認し、自社の募集との極端な違いが無いかなどを調べてください。大きなかい離がある時は、採用条件の見直しを検討しましょう。

求人広告を作成する基本は、「誰に・何を・どのように伝えるか」といった部分をおさえること。すると、軸がぶれない求人広告ができあがります。

採用成功に繋がる伝え方の工夫

求人広告による訴求

大前提として、求めている人材の志向性に合致した(「誰に・何を・どのように伝えるか」が明確な状態)求人広告になっているかが重要ですが、表現方法を工夫すると自社のことをより深く理解してもらえます。

社内のデータを活用する

求人広告で何かを表現する際に、文字だけで伝えるよりも数字を使った方が、より具体的なイメージがしやすくなります。例えば、「働きやすい」というよりも、「ひと月の残業時間は平均●●時間」と具体的な時間を表記したり、「長く働ける会社です」というよりも、「定着率●●パーセントで、直近3年間の離職者は0人です」など数字やデータを活用した方が、求人広告を見る転職希望者にとって信頼性が増します。

キャッチコピーの工夫

転職希望者にとって、興味が湧く求人広告でないと見落とされてしまうことも多くあります。そのため、一言で魅力が伝わるキャッチコピーを意識しましょう。求人サイトで検索した際に表示される検索結果の画面や、広告の見出しを見ただけでストレートに魅力が伝わる状態を目指してください。

視覚的な情報訴求

視覚情報である写真も、求人広告にっとて大事な要素です。文字だけでは伝えきれない会社の雰囲気や先輩社員の顔を見せることは、働くイメージを持ってもらいやすくなるため自社への入社意向度を高めることに繋がります。入社後のミスマッチを防ぐためにも、「社内の雰囲気が伝わる写真」を意識しましょう。

写真を活用するなかで気を付けたいのは、「求める人材が写真を見たときにどう感じるか」です。例えば、組織構成上、20代・30代を採用したいという場合は採用したい人材と同年代の社員の写真を掲載すると共感を得られやすくなります。それとは逆に、40代・50代の社員ばかりの写真を掲載すると、「自分には合っていないかも?」といった印象を与える可能性があります(安心感を与えるための意図的な場合は別)。転職希望者の目線で考えることが重要です。

求人広告から応募が来たらどうすればいいのか

掲載している求人に応募が来た場合は即座に書類選考を行い、スピーディに面接の日程を案内することが大切です。そのためにも、面接官の面接可能時間をあらかじめ確保しておくとよいでしょう。

また選考を進める上で、応募者の経験・スキルなどを確認していきますが、なかには職務経歴を詳細に書いていない応募者もいます。こういった応募者は、はじめての転職で何を書いたら良いのか分からないといったケースもあるため職務経歴書だけで判断せず、少しでも自社の募集にマッチする可能性を感じた場合は、まず会ってみることをお勧めします。

足りない情報を補うために履歴書や職務経歴書などの送付を依頼する方法もありますが、現職中で忙しい転職希望者も多い現在ではハードルが上がってしまい、対応が後回しになってしまう傾向があります。実際、履歴書や職務経歴書を面接時に必要無いことを伝えるだけで、面接時の来社率が上がったという事例もあるほどです。

選考の見極めは大切です。しかし、あまり形式にこだわり過ぎず、「まずは会ってみる」と柔軟に対応していくことも、採用成功の秘訣と言えます。

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