はたらく障害者の8割が「正社員」を希望も、現実は4割強……希望と現実のギャップが浮き彫りに

パーソルキャリア株式会社

  • はたらく障害者の78.1%が「正社員」を希望しているが、実際に正社員ではたらいている人の割合は45.6%
  • 約7割の人が勤続5年未満で、長期就労や雇用形態に課題がある
  • 障害者雇用枠では在宅勤務の割合が34.8%まで増加し、障害特性に応じた柔軟なはたらき方は比較的進んでいる

パーソルダイバース株式会社は、障害者のための転職・就職支援サービス「dodaチャレンジ」登録者を対象に「はたらく障害者の就業実態・意識調査2025」を実施。障害者雇用が拡大する中、雇用形態や勤続年数において当事者の希望と実際の就業環境との間に大きな乖離(かいり)があることが明らかになりました。

正社員の割合は45%にとどまる

はたらく障害者に今後の希望雇用形態を尋ねたところ、78.1%が「正社員」と回答。しかし、現在の雇用形態で正社員としてはたらいている人の割合は45.6%にとどまり、希望と現実の間に30ポイント以上の大きなギャップが存在することが明らかになりました。

現在の雇用形態/今後希望する雇用形態(出典:パーソルダイバース株式会社のプレスリリース、以下同)

現在の雇用形態/今後希望する雇用形態(出典:パーソルダイバース株式会社のプレスリリース、以下同)

ハローワークに掲載される障害者求人のうち、正社員募集が全体の約10%というデータもあり、障害者の希望に対し、企業の採用枠が追いついていない状況がうかがえます。

勤続年数が「5年未満」の割合は約7割

次に、現在の職場での勤続年数について聞いたところ、「1年未満」が26.8%、「1年以上5年未満」が41.3%と、約7割の人が勤続5年未満であることがわかりました。

勤続年数

勤続年数

パーソルダイバース株式会社の田山 亜綾乃氏は「特に障害者雇用枠において、一定のはたらきやすさはあるものの、長期就労や雇用形態において、まだ課題がある」と指摘。障害者雇用枠ではたらく人に限定した調査結果では、勤続年数5年未満の割合は72%となり、長期的なキャリア形成が難しい状況が読み取れます。

在宅勤務等ではたらく割合は3割強

就業場所に関しては、「主に出社している」と回答した人が69.8%と大半を占める一方、「在宅勤務など会社以外での勤務」(12.6%)とハイブリッド型勤務(出社と在宅勤務の組み合わせ)」(17.6%)を合わせた在宅勤務を取り入れている人の割合は30.2%に上りました。これは、全労働者における在宅勤務実施率(24.6%)を大きく上回っています。

就業場所

就業場所

また、障害者雇用枠では在宅勤務の割合が34.8%まで増加し、障害特性に応じた柔軟なはたらき方が比較的進んでいることが示唆されます。

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筆者:モリタアヤリ