「中途採用との違いは何?」――。成功のコツが5分で分かる、新卒採用戦略のセオリーとは

d’s JOURNAL編集部

取材・データ提供 協力:
株式会社ベネッセi-キャリア

中途採用と新卒採用の違い。3つのフェーズで攻略
採用戦術を検討してKPI設定を明確に
採用計画の実行には6つのポジションを設定しよう
まとめ【資料ダウンロード】

自社の組織体制が整う中で、これまで即戦力の中途採用のみ行っていた企業が、新卒採用にも取り組んでいくケースが増えています。企業の採用状況により採用手法も多様性を帯びる時代となりました。兼任人事、新卒・中途の併用採用活動など――。その運用や取り組みに試行錯誤されている人事・採用担当を務める方も多いのではないでしょうか。そこで今回は新たに新卒採用を担当することになった方や、中途採用だけでなく新卒採用領域にも注力していきたい組織や担当者の方を対象に、新卒採用戦略のセオリーについてお伝えします。

直下や巻末には新卒採用戦略を進めるうえで大事なポイントを説明した資料がダウンロードできます。ぜひこちらもご活用いただきたいと思います。

中途採用と新卒採用の違い。3つのフェーズで攻略

そもそも中途採用と新卒採用の違いは何でしょうか。中途採用は、即戦力として期待できる、教育・育成費のコストが削減できる、外部の文化や技術を新しい風として取り入れるなど多くのメリットがあります。いうなれば現在の自社の成長性に合わせた即戦力人材を確保しやすいのが中途採用なのです。

一方、新卒採用のメリットは、企業風土の浸透度が高く、文化・技術を長く継承していくことができる、年間スケジュールが固定されているので入社の手続きや研修、オンボーディングなど効率の良い活動ができるなど、未来の会社の成長にもつながるキーパーソンを自社で育てていくといった、将来性に期待ができる人材を獲得できます。

もちろん両者にはそれぞれ一長一短のメリット・デメリットが存在しますが、社会や自社の情勢に合わせて、中途・新卒採用は使い分けておいて損はありません。そのため新卒採用における大事な要素として覚えていてほしい「採用戦略と戦術」を本稿では特に紐解いていこうと思います。

新卒採用においてさまざまな課題がありますが、その中でも採用方法・採用戦略は多くの企業で課題となっています。株式会社ネオキャリアが実施した「2019年12月実施新卒採用の課題に関する調査レポート」によると、1番は応募者を集めるための「母集団形成」について挙げる企業が多いのですが、1.6ポイント差で「採用方法・採用戦略の決定」を課題に挙げる企業が23.3%と、全体で2番目に多いことが分かります。


 
新卒採用を進めるにあたって、競合企業に打ち勝って求める人材を獲得するための方針を決めるだけでなく、それを実現させるための戦術や実行プランまで考えることが重要ということです。以下は新卒採用の重要なフェーズです。

1. 採用戦略
2. 採用戦術
3. 採用計画・実行

採用戦略は、事業成長に必要な人材特定や、採用市場における自社の強みを活かしたポジショニングを決定すること。次に、採用戦術は、採用戦略の目標達成のための最適な採用チャネルの選定やKPI設定を行うことです。そして最後に採用計画と実行。これは、KPI達成のための予算・人員配置・スケジュールの計画とその実行を指します。採用戦術は、採用戦略によって決まり、採用計画・実行は、採用戦術によって決まるということですね。


 

採用戦略:求めるターゲット(就活生)とそのペルソナを分析

自社が求めているターゲット(就活生)の人物像(= ペルソナ)を整理しましょう。中途採用のターゲットとペルソナ設定では、さまざまなパーソナリティやこれまでの経験・スキルなどを加味して設定することが必要でした。新卒採用は、当然ですが次年度の学卒者を主な対象とします。ポテンシャル採用といった言葉があるように、学生あるいは候補者本人の将来像やキャリア設計などもイメージして整理することが必要ですので、中途入社採用とは違った難しさがあるでしょう。中途採用はもちろんですが、新卒採用もペルソナを設定することで、より自社の求める人物像を明確にし、それが採用可能性を上げて、さらに社内での人物像の共通認識が取りやすくなります。

また、求めるターゲット(就活生)を分析する際、採用の判断軸として大きく6つのカテゴリに分けることができます。

□ 能力(学力・コミュニケーション能力・課題解決力・リーダーシップ)
□ 属性(地域・大学・学部・院生(修士・博士)など)
□ スキル(専門知識・技術知識・保有資格)
□ 社風適合性(志向性・価値観・ライフスタイル・性格)
□ 経験(受賞歴・研究・部活動など)
□ 求める勤務条件(給与・勤務時間・場所など)

特に社風適合性は大事です。志向性や価値観、ライフスタイル、性格などによって社風や環境に合わない人も出てくるため、それが早期の離職などにつながらないよううまくマッチングできる環境を整えるべきなのです。

こうしたペルソナ整理やターゲットの分析を済ませた後は、自社と業界マップ、その魅力を整理する4P分析を用いて、就活生に対する自社と競合他社の強み/弱みを分析します。カテゴリは主に4つ。「理念・目的」「人・風土」「仕事・事業」「待遇」です。これらを強みと弱みに分けて、応募者が魅力に感じてもらえるトピックスを抽出していきます。その際、競合他社の分析も行い、就活生がよりどちらに惹かれるか分析としてみることも良いでしょう。あらたな自社の魅力も掘り起こせるかもしれません。詳しくはダウロード資料をご覧ください。

採用戦術を検討してKPI設定を明確に

次に採用戦術を説明します。上述では採用戦略の次のフェーズとして、採用戦術があると伝えました。そのポイントはKPI(Key Performance Indicator)設計です。KPIとは、「重要経営指標」「重要業績指標」などとして使われ、目標値に対する状況を示す指標として活用されます。採用活動においても目標とその指数を決めることは絶対です。まずは今年度のKPI(評価指標)を設定するにあたり、計測する必要性があるKPIを再確認や再定義をしてみましょう。


 
上記は、人材サービス会社が提供するナビサイト(就活サイト)やダイレクトリクルーティングサービス、合同説明会(就活フェアなど)などといったチャネル別にKPIを設定した一例です。こうした可視化に加えて、さらに前年度のKPIの達成度合いを、数と率で定量/定性分析の振り返りを行い、それを加味することで今年度のKPIを設定するとより完成度の高い数値となります。

そしてここからが重要です。設定したKPIを達成できるために最適なチャネル選定を行います。世の中には採用活動を成功させるさまざまなチャネルがあるため、自社の採用ターゲットにマッチしたチャネルを選定しましょう。参考として、例えば母集団形成、いわゆる応募者が集まりやすいチャネルは、言わずと知れた求職サイト(ナビサイト)。自社の求める人物像により近い応募者を集めたいときに効果を発揮するのは、内定者や新入社員からの紹介であるリファラル採用手法です。こうしたチャネルの特性を鑑みて選定をすることはとても重要です。

どのような就活生を確保したいのか、自社で将来どのような活躍をしてほしいのか、こうしたことを採用戦略に落とし込み、採用戦術としてKPI設定を行う。そのうえで上述のチャネル選定を行うことにより、計画的でいて効率的な採用活動を実現できるようになります。

採用計画の実行には6つのポジションを設定しよう

採用戦略と戦術、この2つの採用計画が固まりまったらいよいよ実践です。まずは採用チームを組みます。採用チーム構成に必要な役割は大きく分けて「採用担当者」「オペレーター」「リクルーター」「アセッサー」「クローザー」「経営者・役員」の6つとなります。また企業規模によってこれらの役割は明確に分かれていないケースが多く、組織によっては人事と採用担当を兼任したり、中途採用と新卒採用を同時に行っていたり、はたまたまったく別の部署を兼任する方もいらっしゃいます。だれがどんな役割を担うのか。チームを組むにあたって必要最低限、その役割と決裁権などを決めておくことが望まれるでしょう。時には現場リーダーやマネージャーなどに協力してもらうこともポイントです。


 
また、上述の6つの役割をカテゴライズして役割分担をしたら、採用活動の全業務を網羅的に把握し、具体的な業務内容を決めましょう。行ってもらう内容は、例えば以下の通りです。

1. 採用目的・ターゲット・コンセプトの明確化
2. スケジュール作成・社内調整
3. 採用チャネルの決定
4. 説明会の企画・準備・エントリー管理
5. 選考・フォロー
6. 内定通知・内定者フォロー

ポイントは、いつ、誰が(どの採用担当が、他の社員が)、どうやって(どのチャネルで、予算をどの程度使って)、どれくらい(どのKPIがどのタイミングでどれくらい達成されているか)という事項を整理した採用計画のもと実現させることです。

まとめ【資料ダウンロード】

今回は新卒採用戦略について説明いたしました。じ採用活動でも、中途採用と新卒採用では、戦略の立て方や戦術に違いがあることが分かりました。中途採用はスキル採用をメインとし、新卒採用はポテンシャル採用がメインテーマとなります。両者にはそれぞれのメリットやデメリットが存在しますが、やはりその時の社会情勢や自社の成長戦略に合わせた採用計画を練るべきでしょう。労働人口の減少が社会問題となっている現在、多くの企業が多様性ある人材確保に苦心しています。採用活動には多くのコストを必要とします。参考にしたい事例や資料などありましたら、下記から該当の資料をダウンロードいただくか、人材サービス会社にご相談することもおすすめです。

【関連資料】
【企業調査データ】2022卒の採用計画に関するアンケート調査
【新卒・中途用】リクルーター面談マニュアル
【新卒】dodaキャンパス
【新卒】doda新卒紹介
【学生調査データ】2021卒学生への就職活動に関するアンケート調査結果

編集/d’s JOURNAL編集部