45~60歳「ミドルシニア」層のdoda登録者が4年連続で増加、採用実態はどのように変化した?

パーソルキャリア株式会社

転職サービス「doda」を運営するパーソルキャリア株式会社は、dodaに登録しているミドルシニア(45~60歳)の転職実態について調査。その結果、dodaへの登録者数、転職決定者数ともに増加傾向にあり、特に人材サービスや販売・サービス職での伸びが目立つことがわかりました。

就活氷河期世代が50代に、登録者数増加につながる

2024年、dodaにおけるミドルシニア層の新規登録者数は前年比で約118%と大幅に増加し、2021年以降4年連続の増加となりました。増加率が最も高かった業種は「医薬品・医療機器・ライフサイエンス・医療系サービス」で前年比125.6%、職種では「医療系専門職」で同135.9%でした。

同社ミドルシニア事業企画部ゼネラルマネージャーの石井宏司氏は「ミドルシニア層の登録者増加の背景には、2024年に『就職氷河期世代』が50代半ばに達したことが挙げられる。定年制のない企業や定年延長のある企業を選び、より長くはたらける環境を求める傾向にある」と指摘します。

「doda」におけるミドルシニアの新規登録者数の推移

「doda」におけるミドルシニアの新規登録者数の推移

【業種別】ミドルシニアの「doda」登録者数の伸び率(2023年と2024年の比較)

【業種別】ミドルシニアの「doda」登録者数の伸び率(2023年と2024年の比較)

【職種別】ミドルシニアの「doda」登録者数の伸び率(2023年と2024年の比較)

【職種別】ミドルシニアの「doda」登録者数の伸び率(2023年と2024年の比較)

医療関連業界・職種での登録者増加については、「医療・福祉分野における人材の流動性が高いことが要因」と説明。「2024年には特に訪問介護事業所を中心に倒産が相次ぎ、新たなキャリアを模索する人が増えた結果、登録者数が増加した」としています。

教育業界では「学習塾・予備校」「各種スクール」、クリエイター・クリエイティブ職では、「アパレル系のデザイナー」「アートディレクター」「制作技術(実写・アニメ・音響・カメラ・舞台)」からの登録が増加。これについては、「アナログ分野に特化した企業の業績悪化、デジタル化による人員削減、アパレル業界の縮小などが背景にある」と解説しています。

転職決定者数は6年で2倍以上に増加

2024年のミドルシニア層の転職決定者数は、前年比で約107%、2019年比では2倍以上となりました。転職決定者の増加率が最も高かった業種は、「人材サービス・アウトソーシング・コールセンター」で前年比136.0%、職種では「販売・サービス職」で135.9%でした。

石井氏は「ミドルシニア層の転職決定者増加の背景には、若手採用の難化と、企業が高度化するオペレーションシステムに対応するために、ベテランの知識や経験を求める傾向が強まっていることが挙げられる」と解説しています。

「doda」のエージェントサービスを利用したミドルシニアの転職決定者数の推移(2019年を100%とした場合)

「doda」のエージェントサービスを利用したミドルシニアの転職決定者数の推移(2019年を100%とした場合)

【業種別】「doda」を利用したミドルシニアの転職決定者数の伸び率(2023年と2024年の比較)

【業種別】「doda」を利用したミドルシニアの転職決定者数の伸び率(2023年と2024年の比較)

【職種別】「doda」を利用したミドルシニアの転職決定者数の伸び率(2023年と2024年の比較)

【職種別】「doda」を利用したミドルシニアの転職決定者数の伸び率(2023年と2024年の比較)

「人材サービス・アウトソーシング・コールセンター」業種では、「技術系アウトソーシング(特定技術者派遣)」での転職が増加。その要因として「2024年は製造業において製造拠点の国内回帰や半導体関連生産施設の稼働開始、自動車産業の生産量変動などが多くあり、状況に応じて多様な専門知識を活用できる技術者のニーズが高まっている」とのことです。また、「人材不足が深刻なIT領域では即戦力となる人材の採用が難しいため、外部から専門知識を持つ人材を受け入れるケースが増えている」そうです。

「販売・サービス職」では「店長」「ホールスタッフ」「道路旅客・貨物運送」の採用が増加。「小売」では「食品・GMS・ディスカウントストア」の採用が増加しています。これは、「近年の物価高による外食控えの傾向から、各地でスーパーマーケットやディスカウントストアの出店が相次ぎ、店長や売り場責任者など、経験豊富なミドルシニア層のニーズが高まっていることが原因」とのことです。

タクシードライバーやトラック運転手を含む「道路旅客・貨物運送」については、「以前から若者の免許取得者が減少しているため、ミドルシニア層が活躍しやすい分野だった。昨今の『2024年問題』を受けて対策が進められており、業界内では労働環境の改善や賃金体系の見直しを図ったことで、転職決定者増加につながったと考えられる」と解説しています。

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筆者/モリタアヤリ