「給与が上がらない」ミドルシニア層の本音……氷河期世代ならではの転職事情とは【doda調査】
パーソルキャリア株式会社
パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda(デューダ)」は、「ミドルシニアの転職意識調査レポート」を発表。ミドルシニア層(45~60歳)のリアルな転職価値観が明らかになりました。
給与への強い不満を抱えつつも、20代の転職活動と異なり、慎重かつ現実的に動いている人が多いようです。
ミドルシニアの悩みは「給与が上がらない」が最多
「現在の仕事に関する悩み」について聞いたところ、最も多かった回答は「給料が上がらない」(37.7%)で、次いで「給料が安すぎる」(29.7%)、「評価・人事制度が不透明/不公平だと思う」(23.4%)と、給与や評価に関する項目が上位を独占しました。特に、これらの項目は20代と比較して9ポイント以上高い数値を示しており、ミドルシニア層の不満の根深さを物語っています。

現在の仕事の悩み(複数回答)
ミドルシニア労働市場スペシャリストの石井宏司氏は、「この結果の背景にはミドルシニア層が就職氷河期世代であり、キャリアを通じて大幅な賃金アップを経験していない」という事実があると指摘します。昨今の初任給引き上げのニュースは、自身の停滞する給与とのギャップを際立たせ、現行の評価制度に対する不満を助長していると分析。給与が上がらないという現実が、自身の評価が政党ではないという不公平感に直結している構造がうかがえます。
転職理由の上位は「給料」や「評価」
直近1年以内に転職した人、現在転職に興味がある人を対象に「転職を考えた理由」を聞いたところ、「給料が上がらない」(42.2%)、「給料が安すぎる」(38.9%)と、現職での悩みがそのまま転職を考える理由につながっていました。また、「評価・人事制度が不透明/不公平だと思う」という項目も20代より11.4ポイント高く、マネジメント層への不満も転職を後押しする一因となっていることがわかります。

直近で転職を考えた理由(複数回答)
石井氏は、「給与への強いこだわりに、ミドルシニア層特有のライフステージが深く関わっている」と解説。晩婚・晩産化の影響により、多くの人が50代で住宅ローンや子どもの教育費の負担がピークを迎えます。不動産価格や物価の高騰がそれに追い打ちをかける中、安定した、そしてより高い収入を求めるのは必然です。大手企業でも役職定年や60歳以降の再雇用で給与が下がるケースは多く、こうした具体的な収入源が転職活動の直接的な引き金となっていると指摘します。
ミドルシニアの転職活動は「慎重さ」が目立つ
転職サービスへの登録については、「必要になるまで登録しない」と考える割合は22.7%と、20代(13.9%)を大きく上回ります。情報収集のために気軽に登録するのではなく、転職の意向が固まってから具体的なアクションを起こすという、計画的な姿勢がうかがえます。

転職に関する考え方(単一回答)
この傾向について、石井氏は「ミドルシニアの転職が配偶者や子どもの生活にも影響するため」と説明します。自身のキャリアチェンジが家族のライフプランを左右する可能性を十分に認識しているからこそ、熟慮を重ね、確固たる意志を持って転職市場に臨むのです。
即戦力として活躍できるかを重視
環境・風土に関する職場選びの重要度について聞いたところ、最も重視する項目は「自分にできる業務であること」(51.2%)でした。20代が「休暇の取りやすさ」や「福利厚生の充実」を5割以上重視するのに対し、ミドルシニアではこれらの項目が4割程度にとどまり、それ以上に自身の経験やスキルを直接生かせるかどうかを優先しています。

職場で重視すること、上位2項目(単一回答)
石井氏は、この結果について「転職後も即戦力として活躍し、働き続けることで安定して収入を得たい、という意向の表れ」だと分析。企業側もこの変化に対応する必要があり、「2025年4月の法改正を機に、ミドルシニアにも選ばれる人事・給与制度へ転換することが、企業の採用力に直結する」と説明しています。
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筆者/モリタアヤリ

