態度が悪い面接官が応募者の意欲を下げる?面接あるある~環境・マナー編~
d's JOURNAL
編集部
応募者にとって面接の場とは「将来、働くことになるかもしれない」場所。ですから、面接官の身だしなみや態度はもちろんのこと、職場・オフィス環境、すれ違った社員など…、目にするものすべてが気になってしまうのは当然のことです。応募者は無意識のうちに、求人票や求人広告、スカウトメールだけでは読み取れないリアルな情報を得ようとしてしまうもの。取り繕っていない、普段の会社や社員の様子を感じ取ろうとするのです。
そこで今回は、職場環境や社員マナーという観点における、“面接あるある”を紹介します。
※知らぬ間にやっている?応募者の意欲が下がってしまう面接あるある ~面接内容編~はこちら
応募者は「この場所でこの人たちと働きたいか」をチェックしている
面接に参加する応募者は緊張しているからこそ、過敏に感じてしまうものです。では、応募者が無意識のうちにチェックしてしまうのは、一体どのような部分でしょうか。実際に面接に参加した方の意見を参考に傾向をみていきましょう。
応募者にとって面接は人生に関わる大事な場。面接を軽視しない態度を
- ×面接官が時間に遅れてきたが、そのことについて言及もなく面接がスタートした
- ×面接時間30分以上に遅れてきたのにも関わらず、お詫びが一切なかった
- ×面接中にもかかわらず、途中で電話に出られ、その間放置された
- ×面接が10分もかからず終了した。NGだったとしても短いのではないか
面接も社会人同士の約束ですから、面接官の遅刻は望ましくありません。どうしても遅れてしまう場合には、周りに頼んで「面接に遅れる旨」「目安の時間」「お詫び」を、応募者に伝えてもらいます。そして直接応募者に対しては事情を説明し、改めてお詫びしてから面接をはじめるようにしましょう。応募者も時間をやりくりして面接に来ています。「業務が忙しいから」と、面接中に離席したり面接を早く終わらしたりするのもNGです。応募者は「こっちは真剣なのに、わざわざ来る必要はあったのか」と不信感を持ちかねません。いずれにしろ、時間をあけて面接に来てくれたという感謝の気持ちを忘れないようにすることが大切です。
面接官の態度・振る舞い・マナーは、「会社へのイメージ」を左右する
- ×話している途中、何度もあくびをされた
- ×途中でタバコを吸われた、ビックリした
- ×ずっとパソコンやタブレットの画面を見ており、目線をまったくあわしてくれなかった
- ×途中スマートフォンをいじったり、足を組んだりと横柄な印象を受けた
応募者が一番気にしてしまう、面接官自身の態度やマナー。そのポジションの上司にあたる人が面接官であるケースも多く、応募者は「どのような人が自分の上司になるのか」「どんな人と一緒に働くのか」と、面接官自身の細かい仕草や立ち居振る舞いまで自然とチェックしてしまいます。応募者が一度、「この人とは一緒にいたくない」「自分は雑に扱われている」など、ネガティブイメージを持ってしまうと、選考辞退はもちろんのこと、その後の企業への印象もぬぐえません。選考がNGだったとしてもタレントプールという考え方もありますし、いつどこで関わるのかわかりません。あくまでも面接官と応募者は対等な立場であると認識し、相手を尊重したコミュニケーションを心がけるようにしましょう。
「将来の仲間になるかもしれない…」面接官以外の社員こそ見られています
- ×廊下ですれ違った社員が挨拶してくれない
- ×面接をしている部屋の壁の向こうから、社員への怒号が聞こえた
- ×受付対応してくれた社員が、終始無愛想でイライラしていた
- ×トイレ内で、社員の悪口を言ってる人たちがいた
- ×エレベーター内、大声で取引先の話をしていた。知ってる会社だった
応募者は求人広告や求人票、スカウトメールからは読み取れない、何気ないありのままの情報を求めてしまうもの。そのため、社内ですれ違う社員や受付対応してくれた社員など働いている人が、どのような人たちなのか目で追ってしまうのです。何も隠していない普段の姿だからこそ、ちょっとした態度や言動、振る舞い1つが気になってしまいますし、それがネガティブなものだったらなおのこと。
「明るい対応を心がける」「執務スペース以外での私語覇気をつける」といった行動を意識するだけでも、充分に良い印象を与えられます。面接時だけでなく普段の来客対応から意識しておくだけでも変わってくることでしょう。また、社内の雰囲気も変わってくるはずです。
「こんなところで仕事をしているの?」細かい部分まで見られているオフィス環境
- ×電球が所々切れており社内が暗かった。こんなオフィスだとやる気がでないと感じた
- ×フリースペースはとてもオシャレだったが、隅に目をやると空き缶が散らばっていた
- ×面接室のゴミ箱があふれていた。机の上に食べかすも落ちていた
- ×面接をした会議室のホワイトボードが消されていなかった
「どんな環境で働くのか」、社内環境も応募者が気になるポイント。特に衛生的か、整理整頓はされているのか、清潔に保たれているのか…は、特にチェックしてしまう傾向にあるようです。最低限、面接に来た応募者が目にとまるところはもちろん、他の部分も定期的に掃除を行い整えておくようにしておきましょう。また、面接の場所となる会議室・応接室なども気をつけてください。机の上、ホワイトボード、ゴミ箱、椅子が散乱していると心象はだいぶ悪くなります。使った後は空気を入れ換え、元の状態に戻しておくよう広報しておくことが大事です。決して面接だから、ではなく日頃から意識しておかなければいけません。
大事なのは「会社全体で採用する」という意識を持つこと
上にあげた内容は、面接に限らず社会人として当たり前のことかもしれません。しかし、「自分は完璧にできている」と思っていても、意外と抜けている部分があることも。他人が指摘して初めて気付く癖・行動もあるでしょう。そのため、面接に限らず普段の場から、お互いが気付いたときに指摘し合える環境をつくることが大切です。
大事なのは「会社全体で採用している」ことを、社員全員が認識するということ。普段から心がけておくのはもちろんですが、特に面接前はオフィス環境が整理整頓されているか、身だしなみはちゃんとしているのかをお互いチェックし、会社全体で応募者を迎え入れるという意識があるとよいのではないでしょうか。もちろん、大手企業の場合は、全社員が随時選考スケジュールを把握することはできません。しかし、「いつ面接があってもいいような状態」をつくりあげておくことは非常に重要です。
【まとめ】
どんなに行きたかった会社でも、一度社員の態度や社内環境にネガティブな印象を持ってしまうと、応募者の入社意欲が下がってしまうので気をつけなければなりません。ただし、その場限りの対応ではダメだということ。例え、その場では取り繕うことができたとしても、いつかはボロが出てしまうものです。面接だからではなく、常日頃から良い状態にできるよう会社全体が徹底し、フォローしあえる環境をつくること。対外的な印象はもちろんですが、社員自身も気持ちよく働くことができるのではないでしょうか。人事・採用担当者は、面接官だけではなく会社全体に対して、「応募者は会社全体を見ている」こと。そして、「社員1人1人が採用に対する意識を持たねばならないこと」を心がけるよう、啓蒙していくことが大事です。
(文・編集/齋藤 裕美子 ※dodaサービス利用した採用候補者へのアンケート内容をもとに作成)