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株式会社 HRディレクション・パートナーズ 平尾 英治

2016.12.22

採用候補者を「見抜く」ためのノウハウと質問例とは?【面接講座2】

PROFILE

株式会社 HRディレクション・パートナーズ

代表取締役 平尾 英治

甲南大学経営学部卒業後、株式会社リクルートに入社。同社HR事業部門(現:株式会社リクルートキャリア)に所属。多くのクライアントとカスタマーのマッチングを実現。またクライアントの事業戦略とリンクした人材採用基準の策定、組織業績拡大、新人育成戦略立案、社内トレーナーとしても従業員向け研修企画設計、キャリア開発プロジェクトに関与するなど幅広い業務を経験。その後、2014年6月株式会社HRディレクション・パートナーズ設立後、各種研修企画設計・開発・講師業務及び求職者への就活支援業務を行っている。

面接の重要な機能として、「Judge(見抜く)」と「Attraction(惹きつける)」の2つがあります。質問を通じて自社が求めるものを有している人だと見抜いたら、その面接が終わるのを待たず、面接時間の中で採用候補者を惹きつけることが面接官には求められます。

今回は「Judge(見抜く)」にフォカースし、面接で評価すべきポイントと、STAR理論をベースとした具体的な質問例をご紹介します。

※この記事は、リクルーター・アカデミーで、HRディレクション・パートナーズ 平尾 英治氏に、ご講演いただいた内容をもとに制作しています

候補者を「見抜く」ために聞き出すべきは「行動」

概念図1

上の図の三角形は、海に浮かぶ氷山だとお考えください。
「コンピテンシー(行動特性)」を有しているから「スキル」を自分のものにできる、「スキル」を有しているから「行動」できる、「行動」するから「成果」が挙がる。個人が仕事で成果を出すための構造は、このような階層構造になっています。

図では、「スキル」「コンピテンシー」は、海面下にあります。採用候補者が即戦力かどうかを評価するには、これらスキル、コンピテンシーを知りたいところですが、直接的には聞き出すことが難しい場合も多いと思います。例えば、「あなたはコミュニケーション力がありますか」「論理的思考力は高いですか」という質問をしたところで、「はい」と答えられてもそれは主観的な評価であり、面接官が求めている情報ではないからです。

それでは、面接官はどうすればよいのでしょうか。答えは、図で海面上に突き出ている「行動」に注目すること。採用候補者がこれまでのキャリアでどんな行動をとってきたのかについて、できるだけ情報を集めることです。そこからスキル、コンピテンシーがあるかを見立てるのです。

図の大きいほうの三角形のように、成果を挙げるためにとった「行動」の質が高くバリエーションが豊富であれば、必然的にスキル、コンピテンシーも十分に有しているはず、と判断できるでしょう。反面、行動のバリエーションが少ない方は、海面上に出ている「行動」部分が小さい、すなわち、海面下にあるスキル、コンピテンシーも十分でないという見立てができるわけです。

STARモデルのフレームをベースとした具体的な質問例

さて、どのように質問すれば、候補者の過去の「行動」をうまく、たくさん引き出せるのでしょうか。
ここで参考にしたいのが、「STARモデル」というフレームです。人材採用の経験がある程度長い方はご存知の方も多いかもしれません。
「STAR」とは、「Situation(環境・背景)」「Task(課題・任務)」「Action(行動事実)」「Result(結果)」の頭文字を取ったものです。

Situation (環境や背景)

□【背景】 きっかけは何だったか?
□【目的・目標】 目的・目標は何だったか?
□【難易度】 目標の高さは高かったか?
□【人数】 チーム構成は?(何人くらいでどのような人がいたのか?)
□【期間】 期間・期限はどうだったか?

Task(課題や任務)

□【役割】 チームの中での自分の役割、ミッションは?
□【苦労したこと】 課題や問題点は?
□【難易度】 どのくらい解決が困難だと思っていたか?

Action (行動事実・背景)

□ 最初に何をしたか?
□ それはなぜか?
□ 周囲の人への影響、あるいは周囲からの意見は?
□ 次に何をしたか?
□ それはなぜか?
□ どのように工夫したか?
□ 誰かに相談したか?
□ 誰かからフィードバックを貰ったか?

Result(その結果)

□ その結果、成果は?
□ プロセズにおいての改善点は?
□ 学んだことは何かあるか?
□ 反省点は何かあるか?
□【再現性】他にも同様な能力を発揮した場面があるか?

どのような環境で、何を担当して、具体的にどのような行動をとって、どんな結果を導き出したのか。これら「STAR」の流れに関わる「事実」を聞き出していくことで、海面上に出ている氷山の一角である「行動」を知ることができ、ひいては自社に必要な「スキル」「コンピテンシー」を採用候補者が有しているかどうかを判断できるという仕組みです。

このフレームに沿って質問していけば、「何を質問しようか」と困ることもなく、選考に必要な情報を漏れなく聞き出すことができるでしょう。

オススメのファーストクエスチョンは「この1年以内に、最も成果を挙げたエピソードをお聞かせください」という質問です。必ずしも「S→T→A→R」の順に聞き出せなくても構いません。フレームに沿って、パズルのピースを埋めるように質問をして、その人の過去の「行動」を明らかにしていきましょう。

ただ、この際に注意すべきことがあります。それは、評価の対象とするのはあくまでも「事実」だということです。具体的に話してもいないのに、面接官が「察する」ことは厳禁です。勝手に想像してはいけません。分からないことは想像で埋めるのではなく、より具体的な質問で深掘りしていく必要があります。以下に質問例を挙げていますので、ぜひ参考にしてください。

<参考> STARモデルをベースとした質問例

Situation(環境や背景)を聞き出すための質問例:

□ まずは少し背景を確認させてください。
□ その時の目標は何だったのでしょうか?
□ その目標は○○さんにとってどれくらい努力が必要なものでしたか?
□ そのコミュニティの人数構成を教えてください。(数・年齢層・学歴など)
□ その中で協力的だった人は何人ほどいたのでしょうか?
□ それは全体でいつ/どのくらいの期間の出来ごとですか?

Task(課題や任務)を聞き出すための質問例:

□ その時の課題は何でしたか?
□ その課題は周りのメンバーとはどの程度共通認識がありましたか?
□ その時○○さんの役割は何でしたか?
□ どのような背景でその役割になったのでしょうか?

Action(本人の行動)を聞き出すための質問例:

□ 全体のプロセスと、○○さん自身がとった行動を教えてください。
□ 具体的には誰(何)に対してどのような行動をしたのですか?
□ どのくらいの期間にどのくらいの頻度で行動したのですか?
□ それは誰かの指示(アドバイス)で行ったのですか?
□ 行う時に何か参考にしましたか?それは一人で行ったのですか?
□ その間、周囲の人は何をしていたのですか?周囲とはどのようなやり取りがありましたか?

Result(その結果)を聞き出すための質問例:

□ その結果どうなりましたか?
□ その時周囲からはどのような言葉をかけられましたか?
□ 何か学びや反省点はありますか?

以上です。STAR理論を、ぜひ貴社が求めてる人材の採用に役立ててください。

※平尾英治氏の他の記事はこちらから
※今回の記事でも紹介した、転職者が入社を検討する際に影響が最も大きい「面接」について、具体例やワークショップを交えながらお伝えいたします。ぜひご参加ください。

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