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【社労士監修】雇用関連のおすすめ助成金。メリット・デメリットや条件・申請方法とは

PROFILE

パーソネルラボ社労士事務所(東京都社会保険労務士会所属)

山口 靖(やまぐち やすし)特定社会保険労務士【監修・寄稿】

「ヒトを育て会社を育てる社会保険労務士」「人事労務管理の健康診断医」をモットーに、東京・池袋にオフィスを構え活動を展開。中堅・中小企業専門の経営労務コンサルタントとして、企業ごとオリジナルの就業規則の作成と効果的な助成金活用を組み合わせ、労使双方Win-Winの関係となれるような職場作りを目指す。

売り手市場に加え、働き方改革も話題になっている昨今、採用活動や労働環境整備において「長期的なコストがかかる」と頭を悩ませている企業も多いかもしれません。そこで、手助けとなるのが「助成金制度」。しかし複雑で敬遠している方も多いのではないでしょうか。いま改めて基本を押さえ、自社への導入の検討材料にしてください。平成30年(2018年)度版オススメ助成金も紹介しています。
(本記事は、2018年7月25日時点のものとなります)

助成金とはそもそも何なのか?補助金との違いは?

国や自治体から、一定の条件を満たせば金銭的が交付される助成金。助成金は主に厚生労働省管轄の制度であるのに対し、補助金は主に経済産業省管轄となるのが大きな違いです。そのため助成金の財源は雇用保険が中心となっており、助成される内容も労働者の雇用や教育、待遇改善などに関するものが多くなっています。ただし、これは国レベルの話で、自治体独自や他の機関のものでは、それほど厳密な区別なく助成金・補助金といった言葉が使われている場合もあります。

助成金と補助金の違い

助成金補助金
関連省庁

厚生労働省系・地方自治体

経済産業省系・地方自治体

対象(財源)

労働者の雇用・教育・待遇改善など

技術開発・産業復興など

難易度

形式要件に該当していれば受給

上限は確定、評価基準は高い

公募期間

通年が多い

年1回(1~4週間)が多い

専門家

社会保険労務士

中小企業診断士、コンサルティング会社

また、助成金は要件を満たすことができれば支給され、予算が尽きない限りは申請の受付が早期に終了するケースは少なく補助金より受給しやすい、と言われています。これに対し、補助金は評価の高いものから採択されるため、申請してももらえない確率が高い、さらに申請期間も短い、とされています。しかし、受給の難易度はそれぞれの助成金、補助金によって異なるため一概にはいえません。助成金と補助金、両者に共通するのは「返済の必要がない」という点です。

助成金を申請するメリット・デメリットとは?

助成金のメリットは、無償で受け取れ、返金義務もないこと

何よりもまず思い浮かぶのは、「無償で金銭を受け取れる」という点。さらに、受け取った助成金は“雑収入”となり、基本的に「その使い道は企業が自由に決める」ことができます。ある程度まとまった額の資金を、新たな活動や事業展開のために利用できることは、企業活動にとって大きなメリットです。
また、助成金の種類は、100~200種類程度ではありますが、就業規則作成や人事評価制度、バックオフィスのアウトソーシングなど、採用・雇用だけではなく、働き方改革における費用捻出の手助けにもなります。

助成金のデメリットは、申請の手間がかかること

しかし、受け取れる金額はまちまちで、思ったほど多くない場合があります。助成金の条件を満たす環境を整えるためには、新たな機器を導入したり、人員を補充したり、従業員の教育、福利厚生を充実させる…など、トータルで見るとかなりの出費が必要な場合も出てくるかもしれません。さらに、助成金を受け取れるよう施策を実施したり、目標を達成したりするためには、多くの労力が必要です。申請自体も手間や労力がかかるうえ、行政調査の対象となる場合もあり、助成金受給まで時間を要します。手続き着手から支給まで、どんなに早くても数か月、長くて2年近くかかるようなものまであります。すなわち、当初から会社の運転資金の調達を目的として、いつもらえるかもわからない助成金を充てにするのは絶対に避けるべきです。

そのため助成金を検討する際は、従業員や企業のためになる制度を導入し、その一部を国などがサポートしてくれるものと考えることが重要です。助成金を受給できる企業は、労働環境の整っている企業として、社会的信用が得られるというのもメリットのひとつといえます。

助成金を受給するには、一定の基準を満たす必要あり

事前に申請要件を確認しておきましょう。種類によって細かい要件は異なります。

1.雇用保険適用事業所の事業主であること
2.労働基準法など労働関係法令の違反がないこと
3.支給のための審査協力に応じること
4.支給のための審査に必要な書類(就業規則や出勤簿など)を作成・整備・保管していること
5.申請期間内に申請を行うこと

(厚生労働省『各雇用関係助成金に共通の要件等』より)

※各助成金を受給するには、上記の条件に加えて、それぞれの助成金に応じた個別の要件を満たす必要があります

雇用・労働分野の助成金における中小企業の範囲とは?

原則として、「資本金または出資額」もしくは「常時雇用する労働者数」のいずれかを満たす企業を中小企業としています。

産業分野資本金または出資額従事雇用する労働者数
小売業・飲食店5000万円以下50名以下
サービス業5000万円以下100名以下
卸売業1億円以下100名以下
その他業種3億円以下300名以下
※助成金によっては、条件が異なる場合があります

助成金の申請方法とは?

申請方法は、助成金ごとによって異なります。そのため、詳しくは厚生労働省HPに掲載されている『支給申請の手引き』等で、確かめる必要があります。また、『「雇用関係助成金」検索表』もあるので、自社がどこに該当するのか確認してもよいでしょう。
一般的な申請方法の手順としては、①計画を立て申請する ②計画に沿って実施する
③助成金の申請を行う
です。具体的な例として、キャリアアップ助成金の申請方法をみてみましょう。
 

キャリアアップ助成金の申請から受給まで(正社員コースの例)

①従業員代表などの意見を聞きキャリアアップ計画を作成。労働局・ハローワークに提出し認定を受ける
②計画に基づき、就業規則等を改定するといった取り組みを実施する
③取り組み後6カ月賃金を支払う
④支給申請を行う  
⑤労働局・ハローワークが支給審査を行い支給・不支給を決定する
キャリアアップ助成金の申請から受給まで

※支給申請は、支給申請期間に行うことが必要です

 

助成金が増額加算になる「生産性向上」。認められる場合とは?

助成金は規定額に加えて、生産性が向上して「生産性要件が満たされている」と認められると、増額加算されます。次の(1)または(2)に当てはまることが必要です。

(1)「生産性」が、申請時の3年度前に比べて6%以上伸びている
(2)金融機関から一定の「事業性評価」を得ている場合に、
 「生産性」が申請時の3年度前に比べて1%以上(6%未満)伸びている

(厚生労働省『生産性要件パンフレット』より)

ここで指摘されている「生産性」とは、次の計算によって求めることができます。

生産性=
 (営業利益+人件費(※)+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課)÷雇用保険被保険者数

※「人件費」とは「従業員給与」のみを算定することとし、役員報酬などは含めないとされています
※生産性要件を計算するための『生産性要件算定シート』は、厚生労働省のホームページからダウンロード可能です

【目的別】採用、組織開発、環境整備…雇用・労働分野の助成金6選

採用計画や労働環境を考えるにあたり、導入を検討しやすい助成金について説明していきます。

①【キャリアアップ助成金】正規雇用化など処遇改善への支援を行う助成金
②【人材開発支援助成金】労働者の職業能力向上を図る助成金
③【人材確保等支援助成金】労働者の雇用環境の整備を図る場合の助成金
④【特定求職者雇用開発助成金】従業員を新たに雇い入れる場合の助成金
⑤【両立支援等助成金】仕事や育児・介護など両立に取り組む場合の助成金
⑥【時間外労働等改善助成金】労働時間の設定改善を支援するための助成金
 

①【キャリアアップ助成金】正規雇用化など処遇改善への支援を行う助成金

「キャリアアップ助成金」は、非正規雇用労働者(有期契約社員、パートタイム、派遣労働者など)が、安定的に雇用されるよう企業内でのキャリアアップを促進するための制度です。
キャリアアップ助成金の対象となるコースとしては、次の7つがあげられます。

 ①正社員化コース
 ②賃金規程等改定コース
 ③健康診断制度コース
 ④賃金規程等共通化コース
 ⑤諸手当制度共通化コース
 ⑥選択的適用拡大導入時処遇改善コース
 ⑦短時間労働者労働時間延長コース

【キャリアアップ助成金の支給対象となる事業主】
次の(1)~(4)をすべて満たす事業主が支給対象となります。

 (1)キャリアアップ管理者を置いている事業主であること
 (2)キャリアアップ計画(※)を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受けている
 (3)対象労働者に対する賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備している
 (4)キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んでいる

※キャリアアップ計画とは、目標達成のために事業主が行う取り組みなどをあらかじめ記載し流れを決めておくもの

【キャリアアップ助成金(正社員化コース)平成30年4月1日 主な改正内容】
・1年度1事業所あたりの支給申請上限人数を15人から20人に拡充
・正規雇用等へ転換後6カ月の賃金総額が、転換前の6カ月の賃金総額より5%以上増額していること
・有期契約労働者から転換の場合、転換前に雇用されていた期間が3年以下であること
 

【正社員化コース】有期雇用社員や派遣社員を正社員へと転換する助成金

非正規労働者である有期契約労働者を、正規雇用労働者に転換または直接雇用するなど、正社員化の取り組みは、キャリアアップ助成金(正社員化コース)の対象となります。

【支給対象】
キャリアアップ助成金の支給対象となる事業主

【中小企業に対する支給額】
中小企業が、有期契約労働者等を正規雇用労働者等に転換または直接雇用した場合キャリアップ助成金が支払われます。1事業所の1年度あたりの申請上限人数は(1)~(3)合わせて20人です。

【正社員化された労働者1人あたりの支給額】※< >内は「生産性要件」を満たしている場合

支給対象者支給額(大企業は下記額の75%支給)
(1)有期雇用労働者 → 正規雇用労働者57万円 <72万円>
(2)有期雇用労働者 → 無期雇用労働者28万5,000円 <36万円>
(3)無期雇用労働者 → 正規雇用労働者28万5,000円 <36万円>

【助成金が加算されるケースと加算額】 ※< >内は「生産性要件」を満たしている場合
上記(1)~(3)のパターン毎に、支給額が異なります。

支給対象者支給額(大企業は下記額の75%支給)
派遣労働者を派遣先で正規雇用労働者 or 正社員として直接雇用した場合(1)(3)28万5,000円<36万円>
母子家庭の母等 or 父子家庭の父を転換等した場合(1)95,000円<12万円>、(2)(3)47,500円<60,000円>
若者雇用促進法に基づく認定事業主が35歳未満の者を転換等した場合(1)95,000円<12万円>、(2)(3)47,500円<60,000円>
勤務地・職務限定正社員制度を新たに規定し、転換または直接雇用した場合(1)(3)95,000円<12万円>
旧【人材育成コース】有期雇用労働者を対象に、職業訓練を実施

キャリアアップ助成金の【人材育成コース】は、平成30年4月より、「人材開発支援助成金の特別育成訓練コース」に統合されることになりました。
 

【健康診断制度コース】有期雇用労働者を対象に、法定外の健康診断制度を規定し実施

法で定められていない各種健康診断制度を新たに規定し、有期契約労働者などの延べ4人以上に実施した際に、キャリアアップ助成金(健康診断コース)の対象となります。

【支給対象となる事業主】
次の(1)~(4)全てに該当するキャリアアップ助成金の支給対象となる事業主

 (1) 法で実施を義務付けられていない有期契約労働者などに対する ①雇入時健康診断制度 ②定期健康診断制度 ③人間ドック を労働協約または就業規則に規定している
 (2) 雇用する有期契約労働者などの延べ4人以上に、(1)の制度を実施している
 (3) ①雇入時健康診断制度 ②定期健康診断制度において、費用全額を事業主が負担
 (4) 人間ドックの費用の半額以上を事業主が負担

 
 

②【人材開発支援助成金】労働者の職業能力向上を図る助成金

「人材開発支援助成金」は、労働者のキャリア形成促進のため、職業訓練や人材育成制度を導入し、労働者に適用させた事業主等に対して助成する制度です。

名称目的
特定訓練コース若年層への訓練を行う
一般訓練コース職務に関連した知識・技能を習得させる
特別育成訓練コース(キャリアアップ助成金から統合)非正規雇用の労働者のキャリアアップを図る
※この他「教育訓練休暇付与コース」や建設労働者向け、障害者向けのコースもあります
【特定訓練コース】【一般訓練コース】生産性の向上を図る

企業の生産性向上に効果が高いとされる特定の訓練を、従業員に対し実施した場合に受給される助成金です。OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング=職業内訓練)とOFF―JT(オフ・ザ・ジョブ・トレーニング=職業外訓練)を組み合わせた訓練になります。
なお、特定訓練コースに該当するのは以下の通りで、それ以外はすべて一般訓練コースとなります。

・職業能力開発促進センター等が実施する在職者訓練(高度職業訓練)、事業分野別指針に定められた事項に関する訓練 、専門実践教育訓練、生産性向上人材育成支援センターが実施する訓練等
・採用5年以内で、35歳未満の若年労働者への訓練
・熟練技能者の指導力強化、技能承継のための訓練、認定職業訓練
・海外関連業務に従事する人材育成のための訓練
・厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練
・直近2年間に継続して正規雇用の経験のない中高年齢新規雇用者等(45歳以上)を対象とした OJT 付き訓練

【支給額】
Off-JTの場合は“賃金助成・経費助成”、OJTの場合は“実施助成”となります。
特定・一般訓練コースの支給額

※( )内は中小企業以外の支給額
【特別育成訓練コース】キャリアアップ助成金から統合

有期契約労働者(非正規雇用者)などに対し、人材育成を目的にした訓練を行った場合に助成される制度になります。専門的な知識や技能を有する支援団体と事業主が、共同で作成する訓練実施計画に基づき、正規雇用労働者等への転換を目指すOff-JTと適切な指導者のもとで行うOJTを組み合わせて実施します。

【支給額】 
特別育成訓練コースの支給額

※( )内は中小企業以外の支給額

 
 

③【人材確保等支援助成金】労働者の雇用環境の整備を図る場合の助成金

【雇用管理制度助成コース】メンター制度の助成金について

「人材確保等支援助成金」(雇用管理制度助成コース)は、メンター制度、評価・処遇制度、研修制度、健康づくり制度などを導入することで、働きやすい環境を整備し、離職率の低下目標を達成した事業主に支給される助成金です。

【支給対象となる事業主】
メンター制度の導入を内容とする雇用管理制度整備計画を作成し、労働局の認定を受けた後、導入・実施している事業主であることが必要です。また制度を実施することで、計画を提出する前1年間と比べて離職率を目標値以上に低下させなければなりません。低下させる離職率の目標値は、雇用人数によって以下のように異なります。

雇用保険 被保険者低下させる離職率(目標値)
1~9人の事業所15%
10~29人の事業所10%
30~99人の事業所7%
100~299人の事業所5%
300人以上の事業所3%

【支給額】 ※< >内は「生産性要件」を満たしている場合
・目標を達成することにより、57万円<72万円>
 

【設備改善等支援コース】生産性を上げる取り組みの助成金

人材確保等支援助成金(設備改善等支援コース)は、平成30年4月1日から創設されました。設備等の導入により、雇用管理改善(賃金アップなど)と生産性向上を実現した企業に対する助成金です。

【支給対象となる事業主】
生産性向上に資する設備等を導入する、雇用管理改善に取り組むこと等を盛り込んだ計画書を作成し、都道府県労働局の認定を受けた上で、実施を行っている事業主が対象となります。

計画は、Aタイプ、Bタイプのいずれかを選択すること

 Aタイプ:雇用管理改善計画期間1年タイプ
 Bタイプ:雇用管理改善計画期間3年タイプ

【支給額】
計画・目標の達成状況に応じて助成金が支給されます。
Aタイプで 賃金アップなどの目標が達成されると、計画達成助成金50万円が支払われます。生産性向上、賃金アップなどの目標達成がされた場合、上乗せ助成としてさらに80万円が支給されます。

設備導入費用計画達成助成目標達成時助成
Aタイプ(1年コース)

175万円以上1,000万円未満

50万円

80万円
(上乗せ助成)

Bタイプ(3年コース)

240万円以上5,000万円未満

50万円(1回目)
50万円(2回目)

80万円

5,000万円以上1億円未満

50万円(1回目)
75万円(2回目)

100万円

1億円以上

100万円(1回目)
150万円(2回目)

200万円

 
 

④【特定求職者雇用開発助成金】従業員を新たに雇い入れる場合の助成金

母子家庭の母を対象とした助成金について

就職困難者である母子家庭の母(父子家庭の父を含む)を、ハローワーク等の紹介により雇用する場合、特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)、キャリアアップ助成金(正社員化コース)、トライアル雇用助成金などの対象となります。

特定求職者雇用開発助成金

【支給対象となる事業主】

次の(1)~(2)をすべて満たす事業主
 (1)母子家庭の母を、ハローワーク・民間の職業紹介事業者等から紹介された
 (2)母子家庭の母を継続して雇用し、雇用保険に一般被保険者として加入させている

【中小企業事業主に対する支給額】
・短時間労働者以外の母子家庭の母 60万円(助成対象期間1年間)
・短時間労働者の母子家庭の母   40万円(助成対象期間1年間)

※短時間労働者とは、週の労働時間が20時間以上30時間未満

 

キャリアアップ助成金(正社員化コース)

正社員に転換した日において、母子家庭の母等であった場合助成金が加算されます。詳しくはキャリアアップ助成金の項目をご覧ください。
 

トライアル助成金

【支給対象となる事業主】

次の(1)~(3)をすべて満たす事業主
 (1)母子家庭の母を、ハローワーク・民間の職業紹介事業者などから紹介された
 (2)原則3カ月のトライアル雇用を行う
 (3)(母子家庭の)母の1週間の所定労働時間が通常の労働者と同程度(30時間)

【助成金支給額】
雇入れの日から1カ月単位で最長3カ月間、母子家庭の母1人につき月額5万円
 

高年齢者を対象とした助成金について

就職困難者である高年齢者を、ハローワークなどの紹介により雇用する場合、特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)の対象となります。高年齢者とは、雇入れ日現在の満年齢が、「60歳以上65歳未満」の者を指します。

【支給対象となる事業主】

次の(1)~(2)をすべて満たす事業主
 (1)高年齢者を、公共職業紹介安定所・民間の職業紹介事業者等から紹介された
 (2)高年齢者を継続して雇用し、雇用保険に一般被保険者として加入させている

【中小企業事業主に対する支給額】
・短時間労働者以外の高年齢者 60万円  助成対象期間1年間
・短時間労働者の高年齢者   40万円  助成対象期間1年間

※短時間労働者とは、週の労働時間が20時間以上30時間未満

⑤【両立支援等助成金】仕事や育児・介護など両立に取り組む場合の助成金

従業員の職業生活と家庭生活の両立支援や、女性の活躍推進、といったライフワークバランスの実現を目的とした助成金で、これら両立支援等に取り組む事業所が、一定の要件を満たした場合に対象となります。

両立支援等助成金には、次の6つのコースがあります。

 ①出生時両立支援コース
 ②介護離職防止支援コース
 ③育児休業等支援コース
 ④再雇用者評価処遇コース
 ⑤女性活躍加速化コース
 ⑥事業所内保育施設コース

【女性活躍加速化コース】女性の積極的な雇用を促す助成金

両立支援等助成金には、女性活躍加速化コースが設けられています。女性活躍推進法に基づき、女性が社内で活躍できるよう状況把握・課題分析を行い、行動計画を策定・公表し、目標を達成した事業主に支給される助成金です。

【本コースで中小企業とは】
本コースでは、常用労働者数300人以下の企業を、中小企業と設定されています。

【助成金申請の手順】

 ①女性活躍に関する「数値目標」と数値目標達成に向けた「取り組み目標」を策定し公表する
 ②計画期間内に取り組み目標を達成できた事業所は「加速化Aコース」を申請
 ③②から3年以内に数値目標を達成し、達成状況を公表した事業所は「加速化Nコース」を申請

(厚生労働省『女性活躍加速化コース 支給申請の手引き』より)

【中小企業事業主に対する支給額】 ※< >内は「生産性要件」を満たしている場合

条件支給額
取り組み目標を達成し、加速化Aコースを申請した中小企業28.5万円<36万円>
数値目標を達しし、加速化Nコースを申請した中小企業28.5万円<36万円>
女性管理職比率が基準値以上となった場合47.5万円<60万円>
大企業では、女性管理職比率が基準値以上となった場合28.5万円<36万円>
※助成金が支給されるのは、各コース1企業1回限り
※業種に関係なく常時雇用する労働者が300人以下の事業主のみを対象

 
 

⑥【時間外労働等改善助成金】労働時間の設定改善を支援するための助成金

【概要】
中小企業における労働時間の設定の改善の促進を目的とした助成金で、時間外労働の上限規制等に円滑に対応するため、生産性を高めながら労働時間の短縮等に取り組む事業所が、一定の要件を満たした場合に対象となります。
時間外労働等改善助成金には、次の5つのコースがあります。中でも注目の職場意識改善コースと、テレワークコースについて説明していきます。

 ①時間外労働上限設定コース
 ②勤務間インターバル導入コース
 ③職場意識改善コース
 ④団体推進コース
 ⑤テレワークコース

【職場意識改善コース】有給休暇関連の助成金について

政府は、「ワーク・ライフ・バランス」実現のため、週労働時間60時間以上の雇用者の割合5%、年次有給休暇取得率70%の達成(平成32年目標)を目指しています。時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)は、労働者の生活と健康に配慮するとともに、多様な働き方を可能とすることを目標としています。その目標実現のため、労働時間を改善し、年次有給休暇の取得促進等を図る、中小企業事業主に対して助成金が適用されます。

【支給対象となる事業主】
次のいずれかに該当する事業主が、支給対象となります。

・前年における、労働者の年次有給休暇の年間平均取得日数が13日以下であって
 月間平均所定外労働時間数が10時間以上である
・労働基準法の特例として法定労働時間が週44時間とされており、
 かつ、所定労働時間が週40時間を超え週44時間以下の事業場を有する中小企業事業主

また、以下のような取り組みを、1つ以上実施することが必要です。

 ・労務管理担当者に対する研修
 ・労働者に対する研修、周知・啓発
 ・外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
 ・就業規則・労使協定等の作成・変更(計画的付与制度の導入など)
 ・人材確保に向けた取り組み

【成果目標の設定】
労働者の年次有給休暇の年間平均取得日数を4日以上増加させ、取得促進を目指す成果目標を設定することが必要です。事業実施期間中(交付決定の日から平成31年2月1日(金)まで)に取組を実施し、事業実施期間中の3カ月間を評価期間として設定し、目標の達成状況を評価します。

【助成金の支給額】
取組の実施に要した経費の一部を、成果目標の達成状況に応じて支給します。

【テレワークコース】テレワーク関係の助成金について

中小企業事業主が、時間や場所にとらわれず、柔軟に働くテレワーク導入する費用の一部を助成します(テレワークとは、時間や場所の制約なく、柔軟に働く形態のことを指します)。

【支給対象となる事業主】
次の(1)~(4)をすべて満たす事業主

 (1)労働者災害補償保険の適用事業主
 (2)中小企業に該当する
 (3)テレワークを新規(試行的に導入している場合も含む)導入する事業主
   または、テレワークを継続して活用する事業主
  ※対象労働者を2倍に増加する場合、過去に受給していても2回まで受給が可能
 (4)テレワークに取り組む意欲と成果が期待できる事業主

助成金申請・受給するにあたっての注意点とは

助成金申請・受給するにあたっての注意点とは

助成金の不正受給は犯罪行為に

助成金は、国の予算から支給されるため、受給した企業は会計検査院の監査対象になります。言うまでもありませんが、実態を申請したのでは助成金を受給できないからといって、虚偽の申請により助成金を受け取ることは厳禁です。事実と異なる書類や存在しなかった書類を提出して申請を行えば、助成金を受給した場合はもちろん、受給していなくても申請しただけで不正を働いたことになります。

不正受給が明らかになれば、すでに支給された助成金は全額返還しなければいけません。また、虚偽の書類を提出することは、悪質とみなされ、以後3年間すべての雇用・労働分野の助成金が支給されません。さらに、書類を偽造し公金を詐取する行為は詐欺罪にあたる犯罪行為です。「他の事業主はみんなこのような方法を使っている」といった言葉を聞き、軽い気持ちで不正受給を行うことがないようにしましょう。

手続きが複雑な助成金、補助金の申請にあたっては、専門家に依頼を考えることも多いと思います。時には、助成金代行業者や経営コンサルタント、といった肩書きの業者が、「助成金申請のための有利な方法を知っている」といった内容で誘いかけてくることもあります。ただ、これらの業者に助言された行動だったとしても、その責任を負うのは不正受給を行った事業主自身です。厚生労働省管轄の助成金の申請代行については、社会保険労務士のみが行える独占業務となっています。助言を求める相手は、信頼できる専門家を選ぶことが大切です。

事例①:残業代未払い等がある場合に助成金の申請は可能か?

助成金を申請するためには、助成金の申請書に加えて、各種の添付書類を用意しなければなりません。添付書類には、会社や従業員の実態を把握するため、登記簿謄本、会社案内・パンフレットといった、企業の資本の額、出資の総額、企業全体の常時雇用する労働者数が分かる書類や、雇用契約書といった書類が必要です。
また、助成金を受け取る企業には、時間外労働に関する法令を遵守していることが求められます。「出勤簿・タイムカード」や「賃金台帳」を提出するなど、固定残業の明示が求められます。固定残業時間を超えて残業を行った場合は、差額残業代を支給していなければなりません。

提出された資料は、審査官によってチェックが行われます。その内容としては、最低賃金以上の額を支払っているか、労働時間、残業、休憩、休日、出勤日数や労働時間は適正か、残業代の計算や支払いは正しく行われているか、などです。不適合な部分があれば、助成金の申請は却下されます。したがって「残業代の未払いがある」などと判断されれば、助成金の審査を通過できません。助成金申請のためにも、常日頃から適正に残業代などの処理を行っておくことが大切です。

事例②:解雇した場合の助成金の申請について

各助成金には、申請日だけでなく「ある一定の時期に労働者がその制度を利用していたこと」という条件が提示されています。つまり、その条件の時点で労働者がいなければ、当然助成金を申請することはできません。

特に、会社が一方的に労働契約を終了させる解雇の場合、一定期間支給制限を受けることもあります。例えば、特定求職者雇用開発助成金の場合、事業主都合により離職(解雇、勧奨退職、事業縮小や賃金大幅低下、事業所移転等による正当理由自己都合離職など)させた場合は、助成金が不支給となります。また、最後の支給対象期の末日までに、事業主都合により離職させた場合は、すでに支給されている助成金も返還しなければなりません。さらに、社員を解雇するとその前後6カ月間は、助成金対象の社員を雇用しても助成金は支給されません。
なお、支給制限を受ける条件や期間は助成金によって異なり、支給制限を受けても期間を経過すれば、再び助成金を受けることもできます。

まとめ

助成金は、政府がよりよい雇用を創出するために実施している施策のひとつです。この仕組みを上手に活用することで、企業も労働者もよりよい結果を出しやすくなります。ただし、内容や手続きに変更がある可能性がありますので、必ず最新の情報を、厚生労働省、労働基準監督署、ハローワークなどで入手するようにしましょう。
また、助成金に関しては、社会保険労務士に申請を依頼することができます。手続きに不安がある場合などは、社会保険労務士会やインターネットを通じて、助成金申請に対応している社会保険労務士を探すこともひとつの手段であると言えるでしょう。

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