AI採用で削減できる業務範囲とは?導入のメリット・デメリット

d’s JOURNAL編集部

AIの進歩はビジネスのさまざまな分野に変革をもたらしています。人材採用の領域も決して例外ではなく、すでに多くの企業でAIを活用した「AI採用」の実用化が進められているのが現状です。

この記事では、AI採用の仕組みや導入するメリット、活用できる分野などを詳しくご紹介します。また、導入にあたって考えておくべき注意点についてもあわせて見ていきましょう。

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AI採用とは

「AI採用」とは、採用活動においてAIを活用していく一連の取り組みを指します。とはいえ、現時点ではすべての採用業務をAIに担わせるというのはあまり現実的ではありません。

時間や手間のかかる部分をAIに任せることで、採用活動全体の効率化を図り、コア業務に人的リソースを集中させるというのが基本的な考え方です。

AI採用が注目される理由

AI採用が注目される理由としては、昨今のAI技術の進化や、労働人口の減少による人材獲得競争の激化が挙げられます。近年ではAIに関する技術が飛躍的に向上し、ビジネスにおいても実用化される場面が増えてきました。

AIの機械学習モデルを用いれば、さまざまなデータの有効活用が可能になり、採用プロセスの効率化と質の向上を同時に実現できます。人手不足を抱える企業にとっては、採用活動にあまり人的リソースを割り当てられず、思うようなフローを実行できないというケースも多いでしょう。

一方で、人材確保が難しくなっている現代では、採用活動のクオリティを高めて他社との差別化を図ることも欠かせない課題です。「採用に関連する業務の効率化」と「採用活動の強化」という2つの課題を同時に解消するにあたり、AIの利活用は重要なカギを握るポイントになっているといえるでしょう。

採用活動においてAIを活用できる領域

AIの活用を検討するうえでは、あらかじめどのような分野にどのような形で活かすべきなのかを明確にしておくことが大切です。ここでは、採用活動において、AIの活用が期待できる領域を3つに分けてご紹介します。

応募者のスクリーニング

AIを活用できる領域としては、選考の初期段階におけるスクリーニングが挙げられます。データを用いた選考の効率化・合理化は、これまでもすでに行われてきましたが、AIの機械学習を活用することでより柔軟な判断が可能となります。

具体的には、自社が求める人材像や選考通過者のパターンを学習させ、自動で合否を判断できるようにするといった方法です。AIの活用により、多くの応募者が集まる初期段階での審査を効率化できるため、人事担当者の負荷を大幅に軽減することができるでしょう。

面接の自動化

近年では、面接の自動化を目的とした、AIを用いた「AI面接」が導入されるケースも増えています。AI面接とは、PCなどのデバイスを通じて応募者とAIが会話をし、そこでの回答内容や声色、表情などをもとに適性を評価する面接のことです。

合否判定そのものをAIに任せることも可能ですが、AI面接を録画したうえで、人事担当者の目で補正を加えるケースもあります。自宅にいながら24時間いつでも面接を受けてもらえるので、応募者に与える負担が軽減されるとともに、スケジュール調整の手間を省けるのがメリットです。

一次面接などをAI面接に切り替えることで、面接業務の大幅な省力化が図れます。

採用候補者の絞り込み

採用候補者とのマッチングにもAIを活用することができます。自社が求める人材のスキルや経験などをAIに反映させれば、大量の候補者情報からマッチ度の高い人材を絞り込み、効率的にピックアップすることが可能です。

社内で確かな成果を収めている人材の行動特性を分析し、そのデータをAIに反映させれば、自社が求める人材を高いクオリティで絞り込むこともできるでしょう。

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AI採用を導入する4つのメリット

AI採用を導入するメリットとしては、次の4つが挙げられます。

・採用コストと工数を削減できる
・応募数の増加が期待できる
・応募者の質を担保・向上できる
・ヒューマンエラーを防ぐことができる

ここでは、それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。

採用コストと工数を削減できる

AIを導入することで、採用コストと工数を削減できます。先にも述べたように、AIは書類選考でのスクリーニングや求職者とのマッチング、AI面接など、幅広い業務に活用可能です。

また、応募要項の下書き作成やメール対応などのテキスト関連に関する業務も任せられるため、工数の削減につながります。業務の一部を自動化できれば、採用プロセスの省力化が進み、人件費も抑えられるでしょう。

応募数の増加が期待できる

AIの導入によって採用活動のクオリティが高まれば、応募者の増加も期待できるのがメリットです。例えば、AIを用いて自社が求める人材の条件を明確化すれば、人材に合わせてより適切な媒体へ広告を打ち出せるようになります。

また、AI面接を導入すれば、本来なら応募に少しハードルが高くなってしまうような遠方の人材や海外の人材からもエントリーを獲得できる可能性が生まれます。さらに、多くの企業に併願している求職者も、AI面接であれば人事担当者が直接関わらずに一次面接を受けられる可能性があるため、母集団形成の面で有利になるでしょう。

応募者の質を担保・向上できる

書類選考や一次面接にAIを活用すれば、選考における判断の質を向上させやすくなります。AIは事前に学習した情報をもとに、応募者の適性などを客観的に判定するため、人間のように主観や先入観で判断を誤る心配はありません。

一見すると見落としてしまいそうな特性についても、AIであればまんべんなく目を向けられるので、精度の高い判定が可能です。最終的には人間による判断が必要となりますが、AIの判定が有益な材料となるため、面接官や採用担当者の心理的な負担も軽減されるのがメリットです。

また、候補者のピックアップにおいてもAIによって最適なマッチングが行われるため、母集団の質が向上するのも利点といえます。

ヒューマンエラーを防ぐことができる

AIの導入による業務効率化は、ヒューマンエラーの防止にもつながります。すべての採用業務を人的リソースで補おうとすれば、急な欠員によるトラブルや多忙による集中力の低下などで、どうしてもミスが生まれるリスクが生じます。

AIによって書類の振り分けや面接スケジュールの調整といった事務作業を自動化できれば、採用担当者の負担が軽減され、ヒューマンエラーの発生リスクを抑えることが可能です。

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AI採用を導入する3つのデメリット

さまざまな利便性を備えるAI採用ですが、導入時にはいくつか注意しておきたいポイントがあります。ここでは、AI採用を取り入れるデメリットとして、次の3つの注意点について解説します。

・AIの精度を高めるまでに時間がかかる
・応募者の潜在的な能力を見極めるのが難しい
・AIによる合否に求職者が納得できないケースがある

AIの精度を高めるまでに時間がかかる

AIの精度を実用できるまでに高めるには、それなりに時間がかかります。学習したデータに基づいて応募者の判定を行うため、精度の高めるためには多くのデータ量を学習させなければなりません。

また、学習を進めるには過去のデータを十分に集める必要があります。すでに採用されている人材のデータを集めるのは比較的に容易である一方、不採用だった候補者やすでに退職した従業員のデータを集めるには、個人情報保護などのさまざまなハードルが存在します。

そのため、自社に合った形で実際に導入するまでには、多くの時間と労力を必要とする点を理解しておくことが重要です。

応募者の潜在的な能力を見極めるのが難しい

AIによって効率化が図れる一方で、あまりにも選考業務を任せ過ぎると、応募者の潜在的なポテンシャルを見逃してしまう恐れがあります。人間同士での直接的なコミュニケーションがなくなれば、表面的な基準のみで人物像を判断することとなるため、どうしても候補者が持つポテンシャルや弱点が見極められなくなってしまうのです。

AIを活用する際には、業務効率化によって生じたリソースを応募者とのコミュニケーションに充てるなどしてバランスをとることが大切です。

AIによる合否に求職者が納得できないケースがある

AIによる判定は、判断の根拠があいまいになりやすく、求職者の立場からすると結果に納得がいかないと感じる可能性もあります。例えば、2010年代の比較的早い段階からAI採用を導入していたある企業では、AIに過去のデータを読み込ませて採用を進めたところ、判断結果に意図しない男女差が生じてしまったという事例があります。

その原因は、過去に採用していた人材のほとんどが男性であり、そのデータを読み込ませていた点にありました。意図せずに偏りが生じていたデータを学習させたことで、AIのアルゴリズムに想定外の基準が生まれ、女性を連想させる単語を用いた履歴書が減点されてしまったのです。

このように、AIによる判定は必ずしも的確とは言い切れず、求職者に納得してもらえないばかりか、人事担当としても説明責任を果たせない結果になる恐れもあります。また、そもそもAIによる判定には例外を認めないという厳格な側面があるため、採用する人材が画一的になりやすいのも弱点です。

組織の多様性を実現するうえでは、AI採用が足を引っ張ってしまう可能性もあるため、活用の仕方には十分に注意が必要となります。

(参照:総務省『情報通信政策研究 』)

AI採用を導入している企業例

AI採用の導入を検討するうえでは、すでに実践している企業の取り組み方を参考にするのも有効な方法です。ここでは、AI採用により成果を上げている企業の事例を3つご紹介します。

横浜銀行|採用業務の7割削減を実現

横浜銀行では、2019年度の新卒採用から、エントリーシートの選考において「KIBIT(キビット)」を導入し、採用業務の7割を削減しました。KIBITは株式会社FRONTEOが提供しているAIであり、過去のデータを学習することで、志望動機などの評価を定量化し、その基準を踏まえて書類選考の合否を判定できるシステムです。

さらに、表面的な経験やスキルだけでなく、専門家が自己の経験に基づいて重要視する「暗黙知」や感覚さえも学習し、スコアリングして序列化できるのが特徴です。この機能により、テキストから文章の意味や感覚を読み取り、人に代わって精密な判断が行えるようになります。

同社では、それまで採用担当者が数千件のエントリーシートを確認していたところ、KIBITの導入によって採用業務の7割削減 が実現されました。

(参照:株式会社FRONTEO『導入事例 株式会社横浜銀行 』)

阪急百貨店|多種多様な人材確保と業務効率化を実現

阪急阪神百貨店は、2018年度の新卒採用の本選考から、「HireVue(ハイアービュー)」を導入し、多種多様な人材の確保と業務効率化の両方を実現しました。HireVueはタレンタ株式会社が提供しているAIであり、社会人基礎力の測定が行えるクラウド型デジタル面接プラットフォームなのが特徴で、録画された面接データをもとに候補者の分析を行えるAIシステムです。

動画データを分析することで、テキストのみでは判別できない能力や熱意、人となりなども、言葉と表情、声色を通じて適切にくみ取れるようになります。同社では、従来の動画選考に加えて、AIアセスメントを組み合わせることで、より多面的な評価を実現することを狙いとして導入をスタートしました。

人事担当者とAIによるハイブリッドな選考により、全候補者の基礎力が公平に判断され、多種多様なタイプの人材が見出されるようになりました。

(参照:タレント株式会社『阪急阪神百貨店の新卒採用選考におけるHireVue AIアセスメント導入事例の公開<~人とAIの「ハイブリッド」選考、多様な人材のマイニングを実現~ 』)

吉野家|アルバイトのスピーディーな選考を実現

吉野家では、2019年からのアルバイト採用においてAI面接サービス「SHaiN EXライト」を導入し、選考のスピード化を実現しました。SHaiN EXライトは株式会社タレントアンドアセスメントが提供しているものであり、アルバイトや専門職の採用に特化したAI面接サービス「SHaiN 」の簡易版にあたるサービスです。

SHaiN EXライトでは、応募者が企業にあらかじめ指定された期間内であれば、24時間いつでもどこでもAI面接を受けることができます。同社では2018年の11月に、アルバイトスタッフの雇用拡大に向け、神奈川県の一部店舗で試験導入が行われました。

すると、早速「面接スケジュールの調整が不要になる」「選考期間の短縮につながる」「応募者のドタキャンによる機会損失がなくなる」「アルバイト雇用にマッチした人材を採用できる」といったさまざまな効果が得られたのです。さらに、管理システムの改良により、採用センター内の業務効率化や応募から初勤務までの期間短縮も見込めると判断されました。

そこで、2019年からは関東の一都三県の店舗で本格的な導入が行われ、アルバイト採用の選考におけるスピード化を実現できるようになりました。

(参照:株式会社吉野家『吉野家の関東エリアでのアルバイト採用においてAI面接サービス SHaiN EXライト本格導入開始 』)

AI採用に使えるツール5選

一口にAIといっても、現在ではさまざまなシステムやツールが開発されています。ここでは、採用業務との相性がよいAIツールを5つピックアップし、それぞれの特徴をご紹介します。

ChatGPT|募集要項の作成

対話型AIである「ChatGPT」は、膨大な学習データをもとにしてテキストを自動で生成するツールで、利用者がプロンプト(命令文)を入力すると、その内容に応じて質の高い募集要項を作成してもらえます。

具体例として、今回はスーパーマーケットの店舗でアルバイトスタッフを募集するケースを想定し、実際にChatGPTにプロンプトを入力した結果をご紹介します。

具体例

■プロンプト
「弊社は食料品・日用品を取り扱うスーパーマーケットです。業務拡大につき、アルバイトスタッフを数名募集したいのですが、求人情報を出すにあたってふさわしい募集要項を提案してください。」

■回答
「もちろんです!以下は、スーパーマーケットのアルバイトスタッフ募集に適した募集要項の例です。」

アルバイトスタッフ募集
業種: 食料品・日用品スーパーマーケット
勤務地: [店舗名]([住所])

【募集職種】
店舗スタッフ(レジ、品出し、接客など)
【雇用形態】
アルバイト
【勤務時間】
週2日~5日、1日4時間以上
シフト制(例: 9:00~14:00、17:00~21:00など)
【給与】
時給 [例: 1,000円~1,200円](経験・能力に応じて)
【仕事内容】
レジ業務
商品の陳列・補充
接客・お客さま対応
店内清掃など
【応募資格】
年齢不問
学生・主婦(夫)・フリーター歓迎
未経験者OK!丁寧に指導します
明るく元気な接客ができる方
【待遇】
交通費支給(規定あり)
社会保険完備(勤務時間による)
制服貸与
昇給制度あり
社員割引あり
【応募方法】
[応募方法(例: 電話、メール、ウェブサイトなど)]でご応募ください。
面接日時を調整させていただきます。
【お問い合わせ】
[連絡先電話番号]
[メールアドレス]

「このような内容であれば、幅広い年齢層の方にアピールできると思います。必要に応じて、具体的な条件や勤務地、給与などを調整してください!」

このように、簡単な入力作業のみで手軽に実践的な募集要項のフォーマットを取得できるので、内容の調整を行えば募集要項として活用可能です。
※プロンプトが詳細かつ正確であるほど、回答の内容もクオリティが高まります

ただし、生成AIは必ずしも適切な内容をアウトプットできるとは限らず、正確性に欠ける表現が紛れ込んでいたり、著作権などに触れていたりする可能性もあるため、人の目による検証や編集は必要です。

なお、ChatGPTには無料版と有料版の3つのプランがあります。有料版のプランについてまとめると、以下のようになります。

プラン 費用 機能
無料 無料 ・1回あたり約2,048字までの文字処理が可能
Plus 月額20ドル ・1回あたり約4,096万字までテキストの自動生成が可能

・募集要項の作成をより速く進められる

Team 月額30ドル(ユーザー1人当たり※年額払いの場合は月額25ドル) ・Plusの機能のすべて

・企業固有でGPTのカスタマイズが可能

・社内共有/社内協力

・入力したデータがAI学習に使用されない

・セキュリティ面の強化 など

Enterprise 要問い合わせ ・Teamの機能のすべて
・サイバーセキュリティSO2を準拠していてセキュリティ面が強化
・GPTの回答スピードも他のプランに比べて最速 など

OfferBox|応募者とのマッチングの効率化

「OfferBox」とは、株式会社i-plugが提供する新卒採用のダイレクトリクルーティングサービスです。OfferBoxではAIを用いたさまざまな機能が活用されており、効率的に応募者のスクリーニングやスカウトが行えるのが特徴です。

例えば、応募者の適性検査にAIが用いられており、自社で活躍する人材の特性をもとに、その要件にマッチする人材をスピーディーにサーチすることができます。また、AIアシスト機能により、オファー承認に至りやすい応募者が上位表示され、効率的に人材のピックアップが行えるのも便利です。

料金プランは、インターンや早期面談といった初期段階からサポートしてもらえる「早期定額型プラン」と3年次3月以降の就活本格化時期からサポートしてもらえるプラン「成功報酬型プラン」の2種類があります。

1. 早期定額型プラン:料金は人数別。要問い合わせ
2. 成功報酬型プラン:初期費用0円、成功報酬38万円/1名

SUZAKU|人材データベースの管理

「SUZAKU」は株式会社エスユーエスが提供するタレントマネジメントシステムです。AIによって人材情報を一元管理して人材データベースの構築を行い、人事部門全般のサポートを行います。

SUZAKUの大きな特徴は、組織心理学を応用した人材アセスメントが搭載されている点にあります。一人ひとりの特性を深く理解し、経年変化なども可視化するなかで、組織全体の現状をリアルタイムで把握できるのが強みです。

人材の適材配置、育成支援、リテンションマネジメントといった包括的な支援を行ってもらえるのが特徴であり、SUZAKUに搭載されている人材アセスメント「HQProfile」によって採用業務の効率化も図れます。社内で活躍する人材のアセスメントデータをAIが分析し、活躍する可能性が高い応募者をピックアップしてもらえるため、自社に合う人材を効率的に見出すことが可能です。

料金プランは応相談となっていますが、無料トライアルが設けられているため、試運転しながら導入を見極めてみるのがおすすめです。

PRaiO|書類選考のスピード化

「PRaiO」とは、株式会社マイナビと株式会社三菱総合研究所が共同開発した採用選考支援ツールです。採用データAI分析ツールと書類選考AIツールの2種類があり、採用データAI分析ツールでは膨大なデータの整理・活用、施策の有効性分析などを行うことができます。

また、書類選考AIツールでは、エントリーシートの応募情報と選考要件をもとに、AIが自動判定を行い、企業の基準に合った人材を抽出するサポートをしてくれます。PRaiOで用いられているAIエンジン「HaRi(ハリ)」は、三菱総合研究所が開発したAIであり、HR領域に特化してロジックやアルゴリズムが算出されているのが特徴です。

これにより、エントリーシートの優先度を最短5分で診断し、優先的に選考すべき候補者を効率的に絞り込むことができます。導入企業の事例として、書類選考のスピードが約40%削減できた企業もあります。

さらに、コピーアンドペーストの高精度な検知や、文章を通じた応募者の特性診断も行えるため、選考のスピードと質を同時に向上させることが可能です。PRaiOの料金プランは応相談となっていますが、90日間の無料トライアルが設けられており、過去の応募情報や選考結果データを使って診断を実施してもらえます。

SHaiN|面接業務の省力化

「SHaiN」は株式会社タレントアンドアセスメントが提供している対話型AI面接サービスです。AIが面接のヒアリングを行ってくれるため、24時間いつでも対応が可能であり、遠隔地の人材でも手軽に面接を受けてもらうことができます。

また、ヒアリング結果をもとに面接評価レポートを作成してもらえるため、AIの一貫した評価基準に人の目を加えたきめ細やかな判定も行いやすいのがメリットです。料金プランは無料トライアルを含めて3種類用意されており、用途によって使い分けが行えます。

プラン 料金 機能
ライトプラン 1件1,000円 ・動画・音声確認のほか、戦略採用メソッドに基づいた5項目※の評価レポートを提供
・AI質問項目(3つまで選択可)と観察項目(2つ)
スタンダードプラン 1件/5,000円 動画・音声確認のほか、戦略採用メソッドに基づいた10項目※の回答サマリーレポートを提供します。
※AI質問項目(7つ)と観察項目(3つ)

スタンダードプランとライトプランのどちらも即時納品が可能なため、スピーディーな選考が行えるのも特徴です。

なお、AI面接を導入する際は、AI特有のデメリットにも十分に気を配る必要があります。例えば、評価基準が画一化される分、例外を認めることが難しいため、特殊なスキルや特徴を持った人材を取りこぼしてしまう可能性もあります。

また、企業が持つカルチャーとのマッチ度を見極めるのは難しいため、人の目によるチェックと組み合わせて活用するのが望ましいといえるでしょう。

AI採用を成功させる3つのポイント

AIは優れた利便性を持っているものの、ただ単に既存のプロセスへ放り込むだけでは、期待するような成果を得るのは難しいといえます。AI採用を成功させるには、次の3つの基本をおさえて計画を立てるとよいでしょう。

・個人情報を取り扱いに注意する
・AIに任せる採用業務を明らかにする
・最後は人の手でチェックする

個人情報を取り扱いに注意する

採用業務では多くの個人情報を取り扱うため、管理を徹底して行う必要があります。個人情報の流出などが起これば、自社の信頼が大きく損なわれてしまいます。

そのため、AIの適切な使用方法を共有するとともに、管理体制なども整えておかなければなりません。例えば、生成AIにデータを入力する際には、機密情報や個人情報などが外部に漏えいするリスクをともないます。

したがって、企業としてどこまでの情報を扱えるのかを事前に定義し、すべての従業員にその基準を共有させることが重要です。

AIに任せる採用業務を明らかにする

これまで見てきたように、AIをうまく活用するには、AIに任せる採用業務を明確化することが大切です。適用範囲を制限しておけば、何か問題が発生したときも対処がしやすくなるため、導入する際には管理の負担も踏まえて用途を検討するとよいでしょう。

一般的には、スクリーニングや性格診断、適性試験、ソーシングといった初期段階でAIを用いるのが効果的とされています。自社の状況に応じて、導入効果が得られやすいプロセスを見極めましょう。

最後は人の手でチェックする

AIによって採用業務が効率化されるといっても、すべての業務を丸投げできるわけではなく、最終的には人の手でチェックすることが重要です。特に採用面接においては、応募者の人柄や企業文化との相性など、AIのみで判断を行うことが難しい部分もあるため、自社に適した応募者を取りこぼす可能性があります。

また、AIは応募書類の分析もできますが、内容がどれだけ優れていてもAIが解釈しにくい表現を使用していると、正確に評価が行われないこともあります。人間が最終チェックを行い、自分たちの経験や直感とAIの分析結果を照らし合わせることでより精度の高い判断が可能になるため、AIと人間が相互に補完し合う工程を組むことが大切です。

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AI採用を導入する5つのステップ

採用活動においてAIを実用レベルで活用するには時間がかかるため、じっくりと計画を立てて導入を進める必要があります。ここでは、AI採用を導入するステップを5つのプロセスに分けてご紹介します。

・AIをどのように活用するかの方針を決める
・対象とする業務を選定する
・使用するシステムを検討する
・導入前の準備を整える
・定期的にチェックを行い、改善を図る

AIをどのように活用するかの方針を決める

まずは、採用活動全体を通じてAIをどのように活用するのか、明確な方針を定める必要があります。AIのアルゴリズムの公平性や透明性などを検討し、AIに任せる部分と人間が担う部分をきちんと分けておくと、現場での判断を迷わずに済むでしょう。

また、AIの利用にともなう個人情報の取り扱いや、AIで作成したテキスト・イラストの取り扱いなど、法的な側面についてもきちんとルール化しておく必要があります。

対象とする業務を選定する

企業の考え方によって、どの範囲までの業務をAIに任せるのが適しているのかは大きく異なるため、対象とする業務を選定しましょう。例えば、母集団形成までの業務効率化を重点的に図りたいのであれば、ソーシングやスクリーニング、マッチングといったプロセスでAIの活用を検討するのが基本です。

いきなり幅広い業務を自動化しようとすると、管理や対策が間に合わなくなる恐れがあるので、最初の段階ではある程度絞り込んで適用させていくとよいでしょう。採用業務全体のフローを洗い出し、手間や時間がかかっている業務を中心にピックアップして、AIとの相性を探っていくのがおすすめです。

使用するシステムを検討する

続いて、採用活動に使用するシステムの選定を行います。AIの導入によって得られる成果は、どのようなシステムを導入するかによっても異なりますし、簡単に入れ替えを行えるものではありません。

新たなシステムを導入する際には、複数の候補を慎重に比較検討することが大切です。特に下記の3つは重要な判断基準となるので、優先的にチェックしておきましょう。

1. 活用したプロセスとの相性
2. すでに導入しているシステム(データ管理ツールなど)との連携
3. サポート体制の充実度

導入前の準備を整える

AIを実務に活用させるにはさまざまな準備が必要となりますが、まずはシステムのベンダーと連携を図り、採用プロジェクトのすり合わせを行いましょう。

「どのようにAIを活用していくつもりなのか」、自社の方針や方向性を明確に共有しておくことが大切です。なぜなら、AIの活用方法が定まっていなければ、不必要な機能を追加してしまいがちになり、導入コストやランニングコストが膨らんでしまい、運用の継続が難しくなってしまうからです。

次に、導入環境の準備と計画の策定が行えたら、実際にAI採用を行ううえで必要なデータの準備を進めます。

AIの精度を高めるためには、トレーニングの素材となる適切なデータの収集・整理が欠かせません。過去のデータを丁寧に洗い出すのはもちろん、採用したい人材像については、現場の意見もしっかりと集めながら現状を細かく反映させることが肝心です。

定期的にチェックを行い、改善を図る

準備が整ったら、実際に採用プロセスへAIを導入して効果を検証していきます。AIの導入によって生まれた変化そのものも、次回以降に活かせる貴重なデータとなるため、定期的に成果をチェックしましょう。

思うような成果が見られない場合は、できるだけ早い段階で原因を特定し、AIの再調整を行うなど改善の手を打つ必要があります。

まとめ

AIを採用活動に活用するAI採用は、既存のプロセスを大幅に効率化するとともに、採用活動の質そのものも向上させられる可能性を秘めた有力な手段です。AIをうまく活用すれば、採用担当の負担を軽減しながら、応募者の増加やマッチング精度の向上が見込めます。

一方、導入時には法的なリスクや倫理的な課題、準備の負担といった側面にも目を向けなければなりません。現時点では、すべてのプロセスをAIに任せることは現実的ではないため、どの範囲までAIを活用するのかを明確にしたうえで、導入の是非を検討してみるとよいでしょう。

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(制作協力/株式会社STSデジタル、編集/d’s JOURNAL編集部)

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