人事が知っておくべき転職者のキモチ!“満足度の高い”職種・業種ランキング【総合】
d’s JOURNAL編集部
今の仕事に満足している人が多い職種・業種は?
ビジネスパーソン15,000人にアンケートを実施し、現在就いている職種に対する満足度を「総合」「仕事内容」「給与・待遇」「労働時間(残業・休日など)」「職場環境(社風・周囲の社員など)」の5つの指標別に、100点満点中何点かで答えてもらいました。「この職業になってよかった!」とみんなが思う満足度の高い職種・業種にはどんなものがあるのか、ランキングを見てみましょう。
15,000人の満足度の平均点は60.2点!
2021年の職種別満足度ランキングは、「やや満足」を示す区分(60点~79点)にかろうじて滑り込んだものの、昨年の60.7点を下回る平均60.2点となりました。区分ごとに見てみると、「総合」が60.2点(昨年60.7点)、「仕事内容」が63.4点(昨年63.6点)、「給与・待遇」が55.0点(昨年56.1点)、「労働時間」が68.3点(昨年68.4点)、「職場環境」が62.7点(昨年62.1点)となり、「職場環境」以外の指標で昨年を下回る結果となりました。
5つの指標の中では「労働時間」の満足度が一番高く、「働き方改革で残業が少なくなった」「休暇がとりやすくなった」「在宅勤務で通勤時間がなくなった」など、労働時間の短縮に関するコメントが多く見られました。昨年よりやや点数がアップした「職場環境」では、「テレワーク中心ではあるが、コミュニケーションが取れており、風通しが良い」「フルリモートが実施されており、環境面で不満はない」など、リモートワークを歓迎するコメントが多く、「労働時間」「職場環境」ともに自由に時間を調節できることが高い満足度につながっているようです。
1位は「構造設計」。満足度の高い職種ランキングベスト10をご紹介
※点数目安:80点以上:たいへん満足 / 60点~79点:やや満足 / 40点~59点:普通 / 20点~39点:やや不満 / 0点~19点:不満。
1位:構造設計 技術職(建設・建築・不動産・プラント・工場)【満足度指数:70.2】
■満足度指数の内訳
仕事内容:75.0点 / 給与・待遇:68.1点 / 労働時間:74.4点 / 職場環境:74.0点
■満足度コメント
〇難しいがやりがいがある
〇働きやすい職場で十分な報酬を得ており、満足している
×忙しい時期は休日が取れないくらいのことがあり、平準化できればと思う
2 位:Web・モバイル・ソーシャル・ゲーム制作/開発 クリエイター・クリエイティブ職【満足度指数:67.3】
■満足度指数の内訳
仕事内容:68.9点 / 給与・待遇:62.7点 / 労働時間:66.7点 / 職場環境:64.2点
■満足度コメント
〇仕事自体にやりがいを感じている
〇仕事内容が楽しい
×仕事は楽しく人間関係も良いが、賞与が少なかったり年によってはなかったりする
3位:財務 企画・管理【満足度指数:67.3】
■満足度指数の内訳
仕事内容:68.6点 / 給与・待遇:60.3点 / 労働時間:70.8点 / 職場環境:52.8点
■満足度コメント
〇給与、仕事内容、労働時間に満足している
〇ある程度自分の裁量で仕事ができる
×給与水準が低い。頑張りが評価されない年功序列企業であること
4位:運用 金融系専門職【満足度指数:66.8】
■満足度指数の内訳
仕事内容:68.4点 / 給与・待遇:59.5点 / 労働時間:76.3点 / 職場環境:66.8点
■満足度コメント
〇多額の資金を任されており、責任感を感じている
〇新しい資産に対する投資について、検討が自由にできる
×雰囲気的に休みが取りづらく、育児との両立が難しいため
5位:基礎研究・先行開発・要素技術開発 技術職(機械・電気)【満足度指数:66.2】
■満足度指数の内訳
仕事内容:69.0点 / 給与・待遇:67.2点 / 労働時間:73.8点 / 職場環境:66.1点
■満足度コメント
〇自分の裁量で仕事の進め方を決めることができる。社会貢献できる業務内容である
〇ワーク・ライフ・バランスが良く、職場の雰囲気も良い
×社内や対外関係での調整業務が多く手戻りが発生する
5位:分析/評価/品質管理/品質保証(医療系) 医療系専門職【満足度指数:66.2】
■満足度指数の内訳
仕事内容:67.8点 / 給与・待遇:59.9点 / 労働時間:70.3点 / 職場環境:64.7点
■満足度コメント
〇自分の専門性を活かせており、職場に必要とされて働ける
〇コロナの影響で知名度がアップし、裏方だったのが必要不可欠な技術職になった
×休みが取りにくい
7位:データベース/セキュリティエンジニア技術職(SE・インフラエンジニア・Webエンジニア) 医療系専門職【満足度指数:65.8】
■満足度指数の内訳
仕事内容:68.9点 / 給与・待遇:60.8点 / 労働時間:68.9点 / 職場環境:72.8点
■満足度コメント
〇新しい分野に取り組める
〇自分のスキルを活かせる、向いている内容だから。待遇も不満がなく、残業もほぼゼロのため
×個人プレーが多くチームプレーが少ないため、全体的な生産性が低い
8位:広報/IR 企画・管理【満足度指数:65.7】
■満足度指数の内訳
仕事内容:68.3点 / 給与・待遇:65.9点 / 労働時間:71.5点 / 職場環境:66.3点
■満足度コメント
〇やりがいのある仕事ができていること
〇経営に近い内容の業務に携われる
×会社の広報に対する理解のなさ
8位:経営企画 企画・管理【満足度指数:65.7】
■満足度指数の内訳
仕事内容:66.0点 / 給与・待遇:62.8点 / 労働時間:70.4点 / 職場環境:63.8点
■満足度コメント
〇企業の意思決定に直接参画できる
〇経営に近い重要な仕事に関わっている。やりがいがある
×職場環境や風土の醸成と、若手社員の増強
8位:製品企画 技術職(機械・電気)【満足度指数:65.7】
■満足度指数の内訳
仕事内容:67.0点 / 給与・待遇:58.2点 / 労働時間:73.2点 / 職場環境:60.8点
■満足度コメント
〇新製品の企画を考えられること
〇仕事とプライベートのバランス
×意思決定が明確ではない
▼11位以降のランキングをチェックする。
今の仕事に満足している人が多い職種・業種は?仕事の満足度 職種ランキング2021【総合】
人事が採用戦略に活かしたいポイント
2021年の満足度で一番点数の高かった指標は「労働時間」で、ワーク・ライフ・バランスが確保されているか否かが、総合的な満足度の高さに影響しているようです。コロナ禍による影響やSDGsの取り組みなど、時代の流れで働き方を見直す企業も増えてきており、今後もこの傾向は続くと思われます。
満足度の高い上位3職種を見ると、「労働時間」以外に高かった指標として「仕事内容」があります。具体的には、「仕事に対する誇り」「仕事が好き」「仕事自体がやりがい」といったコメントが寄せられ、働く個人と企業のマッチ度の高さがうかがえました。
満足度が高い理由に目を向けると、上位に入らなかった職種であっても、前述の満足度の高い指標を改善することが、エンゲージメント向上にもつながり、将来入社する方の定着率向上にもつながるでしょう。
また、社員が入社するまでにどれだけ自社の現状や情報を採用候補者に共有できるかも重要になりそうです。入社後に「プライベートの時間がない」「仕事にやりがいを感じられない」といった上位職種にあるコメントの逆の印象を抱かれることが、満足度の低下につながるからです。
2021年は、多くの方が働き方やライフスタイルについて見つめ直した時期を過ごされたと思います。人事・採用担当者の皆さまは、転職希望者が活動の際に何を軸にするのかを知り、採用戦略を考えてみるよい機会かもしれません。
出典:今の仕事に満足している人が多い職種・業種は?仕事の満足度 職種ランキング2021【総合】「転職サービスdoda」
※集計期間(2020年7月~2021年6月)