企業は転職希望者に何をアピールすべきか——doda平均年収ランキングから読み解く

d’s JOURNAL編集部
1位は投資銀行業務【職種別の平均年収ランキング】
「メーカー」「金融」「メディカル」「サービス」が上位20位を独占【業種別の平均年収ランキング】
ランキングを踏まえ、人事が考えたい採用戦略のポイント

2020年9月~2021年8月の1年間に転職サイトdodaのエージェントサービスに登録した人のうち、正社員として働いている約45万人の平均年収データを、職種・業種別ランキングでご紹介。自社にとって最適な人材を採用するための採用戦略設計にぜひご活用ください。

※生涯賃金の算出方法:20代(22歳~)、30代、40代、50代以上(~65歳)における平均年収を年数分掛けて、合計した金額(退職金は含まない)(4つの年代区分のデータに不足がある場合は算出なし)

1位は投資銀行業務【職種別の平均年収ランキング】

ランキングの上位には、「金融系専門職」「専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)」に分類される職種のほか、5位「内部監査」(700万円)、10位「知的財産/特許」(656万円)、13位「内部統制」(621万円)など「企画/管理系」の職種が多くランクインしました。また、6位「プロジェクトマネジャー」(671万円)、12位「プリセールス」(630万円)など、「技術系(IT/通信)」も、20位までの1/5を占めます。

前回から順位を大きく上げたのは、44位→26位の「非臨床研究」(539万円)、48位→36位の「バックオフィス/ミドルオフィス」(512万円)など。昨年からの年収額の上げ幅では、8位「プロジェクトマネジメント」(534万円→666万円)の132万円アップ、1位「投資銀行業務」(819万円→903万円)の84万円アップなどが上位でした。

 

1位:投資銀行業務【平均年収:903万円】

・職種分類名:金融系専門職
・生涯賃金:‐

2位:運用(ファンドマネジャー/ディーラー)【平均年収:744万円】

・職種分類名:金融系専門職
・生涯賃金:‐

3位:MR(ファンドマネジャー/ディーラー)【平均年収:713万円】

・職種分類名:営業系
・生涯賃金:3億6,487万円

4位:リスクコンサルタント【平均年収:704万円】

・職種分類名:専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)
・生涯賃金:‐

5位:内部監査【平均年収:700万円】

・職種分類名:企画/管理系
・生涯賃金:2億9,136万円

6位:プロジェクトマネージャー【平均年収:671万円】

・職種分類名:技術系(IT/通信)
・生涯賃金:3億1,819万円

7位:業務改革コンサルタント(BPR)【平均年収:667万円】

・職種分類名:専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)
・生涯賃金:‐

8位:プロジェクトマネジメント【平均年収:666万円】

・職種分類名:技術系(電気/電子/機械)
・生涯賃金:3億1,562万円

9位:戦略/経営コンサルタント【平均年収:664万円】

・職種分類名:専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)
・生涯賃金:3億5,271万円

10位:知的財産/特許【平均年収:656万円】

・職種分類名:企画/管理系
・生涯賃金:3億0,801万円

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職種別の平均年収ランキング

「メーカー」「金融」「メディカル」「サービス」が上位20位を独占【業種別の平均年収ランキング】

「メーカー」「金融」「メディカル」「サービス」の業種4分類が上位20位を独占しており、なかでも「メーカー」は、2位の「たばこ」(652万円)をはじめ、10位「家電/モバイル/ネットワーク機器/プリンタメーカー」(524万円)、12位「総合電機メーカー」(521万円)など、7業種と最も多くランクインしています。次いで「金融」の6業種、「メディカル」の5業種、「サービス」の2業種が続きます。

2020年からの変化に目を向けると、57万円アップで昨年39位→今回17位の「ゲーム/アミューズメント機器メーカー」(433万円→490万円)、51万円アップで46位→20位の「住宅ローン」(421万円→472万円)などが順位と年収額ともに大きく上昇しました。

 

1位:投信/投資顧問【平均年収:662万円】

・業種分類名:金融
・生涯賃金:3億5,359万円

2位:たばこ【平均年収:652万円】

・業種分類名:メーカー
・生涯賃金:3億2,851万円

3位:医薬品メーカー【平均年収:628万円】

・業種分類名:メディカル
・生涯賃金:3億3,309万円

4位:証券会社【平均年収:558万円】

・業種分類名:金融
・生涯賃金:3億3,475万円

5位:財務/会計アドバイザリー(FAS)【平均年収:555万円】

・業種分類名:サービス
・生涯賃金:‐

6位:医療機器メーカー【平均年収:554万円】

・業種分類名:メディカル
・生涯賃金:2億9,750万円

7位:信託銀行【平均年収:545万円】

・業種分類名:金融
・生涯賃金:3億0,043万円

8位:診断薬/臨床検査機器/臨床検査試薬メーカー【平均年収:531万円】

・業種分類名:メディカル
・生涯賃金:‐

9位:トイレタリー【平均年収:524万円】

・業種分類名:メーカー
・生涯賃金:‐

10位:家電/モバイル/ネットワーク機器/プリンタメーカー【平均年収:524万円】

・業種分類名:メーカー
・生涯賃金:2億7,408万円

▼11~30位のランキングもチェックする
業種別の平均年収ランキング

ランキングを踏まえ、人事が考えたい採用戦略のポイント

 

■二極化が進む転職市場
2020年9月~2021年8月のdodaのエージェントサービスに登録した45万人のデータをもとに算出した2021年の平均年収は、2020年から6万円減少の403万円でした。職種、業種、年代、都道府県などのさまざまな切り口においても、年収額は全体的にマイナス傾向にあります。給与や賞与のカットに加えて、テレワークの普及や営業時間の短縮による残業代の減少など、新型コロナウイルスの影響があらゆる面において影響したためでしょう。ただし、コロナ禍で生まれた新しい需要をキャッチし、コロナ収束後を見越して積極的に人材や事業へ投資している企業もあり、市場は二極化が進んでいます。

■賃上げに成功している都道府県も
また、賃上げに積極的な都道府県もあります。47都道府県のうち、前回よりも平均年収が上がったのは、大分県、秋田県、群馬県など9道県でした。前述の通り、全国平均で見ると平均年収は減少傾向にあるものの、賃上げに積極的な企業が増えていることも、認識しておくべき実態です。

■企業が採用成功するためには「柔軟に変化する力」が求められる
こうした環境下で、採用を推し進めたい企業に求められるのが、“はたらく”外部環境に合わせて企業も変化する力です。コロナ禍でリモートワークや副業・兼業が進んだことなどを背景に、転職希望者が企業に求める働き方も多様化しています。

転職希望者が企業選びで重視する点にも変化が表れています。今後起こりうる社会情勢の変化においても、長期的に働いていけるのか、「安定」「安心」して仕事ができるのか、不測の状況においても企業が柔軟に対応できる力があるのか。

平均年収ランキングに該当しない企業が転職希望者から選ばれないのか…そうではありません。市場の状況をとらえ、副業・兼業を解禁したり、時間や場所にとらわれない働き方を提案したりするなど、転職希望者のさまざまな需要をくみ取って自社の環境を整備し、それを的確にアピールしていくことが採用において武器になるでしょう。

自社にとって最適な人材を採用するために、年収ランキングに入っている企業の特徴や傾向から考えてみるのも良いかもしれません。

出典:平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)【最新版】「転職サービスdoda」
【調査概要】
・対象者:2020年9月~2021年8月末までの間に、dodaエージェントサービスにご登録いただいた20~65歳の男女
・雇用形態:正社員
・有効回答数:約45万件
※平均年収:手取りではなく支給額
※順位算出:平均年収(万円)の小数点以下で順位づけ
※生涯賃金の算出方法:20代(22歳~)、30代、40代、50代以上(~65歳)における平均年収を年数分掛けて、合計した金額(退職金は含まない)(4つの年代区分のデータに不足がある場合は算出なし)