転職希望者は、求人サイトのどこを見ている?【20代・30代が重要視する項目を調査】

d's JOURNAL編集部

転職希望者は、dodaなどの求人サイトで転職先を探すとき、どのような条件で絞り込み、何を決め手に応募しているのでしょうか。給与や福利厚生、職務内容、キャリアプラン、求める人物像…など、項目はさまざまありますが、重要視するポイントはあるのでしょうか。自社のターゲットとなる人材に応募を見送られてしまわないように、転職希望者がどのような情報に興味を持っているのかを知っておくことが重要です。

そこでd’s JOURNAL編集部では、現在または過去1年以内に転職を検討したことがある20代・30代のdoda会員319名にアンケートを実施。転職希望者が求人サイトや求人票のどの部分を重視しているのか、その実情が明らかになりました。

応募前は求人サイトで情報収集をする人が多数。転職の検討段階によって変わる情報収集源

求人に関する情報は、求人サイトや企業のHP、公式SNS、口コミサイト(レビューサイト)など、さまざまな媒体・ツールに掲載されています。転職希望者はどの媒体から情報を収集しているのでしょうか。「情報収集時(応募前)」「応募から選考まで」「オファーから内定承諾まで」「内定承諾から入社まで」の4段階に分けて情報収集源を調査したところ、段階によって見ている媒体が異なることがわかりました。

応募前は求人サイトで情報収集をする人が多数。転職の検討段階によって変わる情報収集源

「情報収集時(応募前)」には「求人サイト」が、それ以降の段階では「企業のHP」が最も多く見られています。「口コミサイト」に関しては、どの段階でも一定の割合で情報収集に使われているようです。一方、「企業の公式SNS」「応募したい企業の従業員のSNSアカウント」は全体に占める割合は少ないものの、選考が進むにつれて徐々にその割合が高くなっています。

これらの結果から、検討の初期段階は「求人サイト」を使って幅広く情報収集し、選考が進み始めると「企業のHP」や「企業の公式SNS」、「従業員のSNSアカウント」などからリアルな企業の実情を知ろうとする人が多いことがわかります。

求人サイトでは、どのような条件で絞り込んでいるのか?

「転職希望者の情報収集の入り口」とも言える「求人サイト」。数ある求人の中から、転職希望者はまずどのような条件で検索を始めるのでしょうか。

検索するときの絞り込み条件について聞いたところ、上位は「勤務地、路線・駅」(74.0%)、「年収」(72.1%)、「職種」(65.2%)、「雇用形態」(60.2%)、「条件(完全週休2日制・年間休日120日以上)」(53.6%)という結果になりました。

求人サイトでは、どのような条件で絞り込んでいるのか?

転職希望者がなぜこれらの条件で検索しているのか、上位それぞれの理由をご紹介します。

絞り込み条件 1位:「勤務地、路線・駅」の理由

<「勤務地、路線・駅」と答えた人の声(一部抜粋)>
●出勤・退勤時間が長いと人生の無駄な時間が多くなるから【運輸・物流/販売・サービス職/27歳男性】
●日々の通勤は仕事の継続に影響するため【教育/事務・アシスタント/32歳男性】
●持ち家のため引っ越しが困難で、通える範囲に絞って探した【メーカー(機械・電気)/企画・管理/37歳女性】
●子どもの保育所の送り迎えのため【メーカー(素材・化学・食品・化粧品・その他)/技術職(化学・素材・化粧品・トイレタリー)/37歳女性】

「長い通勤時間が無駄に感じられ、仕事を継続するのが難しくなる」という声が聞かれました。また、「持ち家がある」「子どもを保育所に送り迎えする必要がある」といった、自分だけでは解決が難しい家庭環境にあることから、立地条件を優先に絞り込む人も少なくないようです。

絞り込み条件 2位:「年収」の理由

<「年収」と答えた人の声(一部抜粋)>
●キャリアアップのための転職を検討しており、現職の年収以下では転職する必要がないため【メーカー(素材・化学・食品・化粧品・その他)/営業職/32歳男性】
●前の職場より年収があまりにも低いと生活レベルを変えないといけないため【IT・通信/企画・管理/33歳女性】
●今までのキャリアを考えた正当な評価をしてもらえる職場を希望したため【人材サービス・アウトソーシング・コールセンター/企画・管理/37歳女性】

「転職を年収アップの機会と捉えている」「生活水準を落としたくない」「将来や家族のことを考えると年収を下げたくない」といった理由が挙げられました。「これまで培ってきたキャリアを正当に評価してもらいたい」という転職希望者の考えも見て取れます。

d’s JOURNAL編集部が行った「退職理由・交渉のホンネ調査2019」では、退職理由の第1位は「給与への不満」でした。現在の仕事に不満は感じていないが、仕事内容に見合った年収を求めたいという人が多いようです。
(参考:『退職を決意した人は、本当の理由を言わない?【退職理由・交渉のホンネ調査2019】』)

絞り込み条件 3位:「職種」の理由

<「職種」と答えた人の声(一部抜粋)>
●これまでの経験を活かして、スキルアップすることが目的のため【メーカー(機械・電気)/企画・管理/36歳男性】
●取得した資格を活かせる仕事がしたいので【商社/販売・サービス職/29歳男性】
●今の職種が合っていないので異職種で探そうと思った【IT・通信/技術職(SE・インフラエンジニア・Webエンジニア)/35歳男性】
●これまでの職歴を活かして転職したかったため。また、明確に希望以外の職種を外して探すため【小売/企画・管理/37歳女性】

「これまでの経験やスキル、取得した資格を活かしたい」という意見が多く聞かれました。転職を考える人は、「今までの経験をどう活かせるのか」「今までやってきたことをベースに転職したい」といったふうに考えることが一般的かもしれません。しかし一方で、「これまでと別の職種にチャレンジしたい」「未経験だけれどやりたい仕事が決まっている」といった人も一定数います。

絞り込み条件 4位:「雇用形態」の理由

<「雇用形態」と答えた人の声(一部抜粋)>
●安定して長く働きたいから正社員を希望した【IT・通信/専門職(コンサルティングファーム・専門事務所・監査法人)/27歳女性】
●最後の転職にしたいため【人材サービス・アウトソーシング・コールセンター/社内ヘルプデスク/31歳男性】
●正社員以外だと転職する必要がないので【飲食サービス/事務・アシスタント/30歳女性】
●一度正社員以外になったら、再度正社員に戻るのは難しいと思う。正社員以外にはなりたくないので【運輸・物流/企画・管理/39歳女性】

「長く働き続けたい」「今回を最後の転職としたい」といった理由から、長期間の安定した雇用が見込まれる「正社員」としての雇用を希望する人が大多数を占めました。また、非正規労働者が増えてきているという日本社会の現状もあり、「一度正社員でなくなってしまうと正社員に戻れなくなるのでは」という不安を抱えている人もいるようです。このような理由からも、正社員としての転職が可能かどうかを重視していることが見て取れます。

絞り込み条件 5位:「条件(完全週休2日制・年間休日120日以上)」の理由

<「条件(完全週休2日制・年間休日120日以上)」と答えた人の声(一部抜粋)>
●ワークライフバランスを重要視しているから【メーカー(機械・電気)/企画・管理/27歳女性】
●家事をし、趣味を充実させることで体の健康と精神的な健康を維持するため【IT・通信/事務・アシスタント/38歳女性】
●土日に休めるかどうかを重視しているので【金融/技術職(SE・インフラエンジニア・Webエンジニア)/39歳男性】

「決まった曜日に休みたい」「土日が休みの職場が良い」など、ワークライフバランスを重要視したいといった理由から、「条件(完全週休2日制・年間休日120日以上)」に絞って検索する人が多いようです。プライベートの充実は、仕事への英気・モチベーションにも影響していることがわかります。

d’s JOURNAL編集部の調査によると、本当の退職理由の第2位は「業務過多・労働環境に不満」でした。慢性的に業務過多な企業で働いていた転職希望者の中には、休日をしっかり確保することが難しかった人もいると考えられます。転職先でも同じ状態になることを避けるため、まずは休日の条件を絞って検索していると推測できるでしょう。
(参考:『退職を決意した人は、本当の理由を言わない?【退職理由・交渉のホンネ調査2019】』)

男女別の絞り込み条件の違い

男女別で見ると、女性は男性よりも「勤務地、路線・駅」「雇用形態」「年収」「条件(完全週休2日制・年間休日120日以上)」といった条件にこだわって検索している人が多い傾向にあります。女性の方がより結婚や育児、介護などのライフステージを考慮して、検索項目を限定している傾向があると推測できるでしょう。

男女別の絞り込み条件の違い

求人サイトや求人票では、何を重点的に確認する?

転職希望者は、絞り込みにより希望する条件を含む求人を見つけた後、求人・企業情報や募集要項のどの項目を重点的に確認しているのでしょうか。

求人サイト・求人票のどこを重点的に確認するのか聞いたところ、上位は「給与」(72.4%)、「仕事内容(詳細)」(69.9%)、「勤務地」(59.6%)、「雇用形態」(57.7%)の順となりました。

求人サイトや求人票では、何を重点的に確認する?

順番こそ違うものの、絞り込みを行う際とほぼ同様の項目が、求人サイト内でチェックする際にも重要視されていることが見て取れます。このことから、これらの項目を転職する際の「譲れない条件」と捉えている人が多いと推測できるでしょう。一方、「社員インタビュー」「会社からのメッセージ(ミッションやカルチャー)」「写真」「応募方法」といった回答が1~3%程度となっていることから、他社との比較を行うこの段階では、さほど重点的に確認されていないことがわかります。

転職希望者がなぜ上位の項目を重要視しているのか、その理由を紹介しましょう。

重視項目 1位:「給与」の理由

<「給与」と答えた人の声(一部抜粋)>
●高額は望まないにしろ、生活できる範囲の額が頂けるかどうかが重要だから【建設・プラント・不動産/事務・アシスタント/32歳男性】
●現在の年収より下がるなら応募しようと思わないので【小売/技術職・専門職(建設・建築・不動産・プラント・工場)/25歳男性】
●生活のためと、モチベーションが維持できる金額を希望するため【印刷/クリエーター・クリエーティブ職/26歳女性】

転職を検討する際に、「年収を上げたい」「普通に生活できる年収を確保したい」「モチベーションを維持するためにもある程度の年収は必要」といった理由から、「給与」を重要視しているという声が聞かれました。転職するかどうかを左右する重要な項目となっているようです。

重視項目 2位:「仕事内容(詳細)」の理由

<「仕事内容(詳細)」と答えた人の声(一部抜粋)>
●未経験の仕事に新しく挑戦するというより、今までの経験を活かすことに重点を置いた働き方がしたいので【印刷/クリエーター・クリエーティブ職/26歳女性】
●今までの仕事の経験が活かせそうか。活かせなくても挑戦してみたいと思えるかどうか【メーカー(素材・化学・食品・化粧品・その他)/事務・アシスタント/35歳女性】
●自分に合っている仕事であれば長続きするし、給料もそのうち良くなると思ったので【メーカー(機械・電気)/技術職(機械・電気)/32歳男性】
●ミスマッチを防ぐため【メーカー(機械・電気)/技術職(機械・電気)/26歳男性】

ミスマッチを防ぎ、長く働き続けるためにも「仕事内容(詳細)」を重要視しているという意見が寄せられました。「これまでのスキルや経験が活かせるか」「チャレンジしたいと思える仕事内容であるか」を優先的に確認していると言えるでしょう。

重視項目 3位:「勤務地」の理由

<「勤務地」と答えた人の声(一部抜粋)>
●自宅から通勤できる企業に行きたいから【コンサルティングファーム・専門事務所・監査法人/事務・アシスタント/35歳女性】
●転勤があるのかどうかを知りたいため【教育/営業職/37歳男性】
●子どもの保育所の送迎の都合により、家の近くで働きたかったので【メーカー(素材・化学・食品・化粧品・その他)/技術職(化学・素材・化粧品・トイレタリー)・37歳女性】
●どのくらいの時間を通勤に取られるかが知りたいから【IT・通信/事務・アシスタント/27歳女性】

「現在住んでいる所から通える範囲なのか」「転勤の可能性があるのかを知りたい」といった理由から、「勤務地」を重要視しているようです。「持ち家や子どもの保育所への送り迎えなどを考えると引っ越しが難しく、できるだけ自宅の近くで働きたい」という声も聞かれました。転職により別の所に引っ越すことを望んでいない人が多いことが見て取れます。

重視項目 4位:「雇用形態」の理由

<「雇用形態」と答えた人の声(一部抜粋)>
●正社員として長期的に働くつもりだったから【IT・通信/技術職(SE・インフラエンジニア・Webエンジニア)/29歳男性】
●有期雇用では条件面や長期就労に関する不安があり、正社員での就労を希望するため【人材サービス・アウトソーシング・コールセンター/採用担当/31歳男性】
●契約社員だと、事業縮小した場合に解雇されるから【旅行・宿泊・レジャー/技術職・専門職(建設・建築・不動産・プラント・工場)/39歳男性】

「非正規雇用では不安である」という理由から正社員での雇用を希望し、「雇用形態」を重要視したという理由が多くなっています。景気への不安からか、「長期間」「安定」といったフレーズを含む回答が多数寄せられました。

男女別の重視項目の違い

男女で比較した場合、女性は「仕事内容(詳細)」を特に重点的に確認している傾向が見られました。ライフステージの変化がありながらも、自分の経験やスキルが活かせる仕事に就きたいと考えている女性が多いと推測できるでしょう。

男女別の重視項目の違い

なお、求人サイト・求人票には「最低限記載すべき項目」と「記載してはいけない項目」があるので、今一度確認してみましょう。
(参考:『【弁護士監修】求人票に最低限必要な項目と記載してはいけない項目』)

何が決め手となって、応募に至るのか

絞り込んだ求人の中から、どういったことが転職希望者の応募の決め手となるのでしょうか。応募する際に一番の決め手となる項目について聞いたところ、「仕事内容(詳細)」(34.5%)と「給与」(21.9%)が、他の項目よりも圧倒的に多いという結果になりました。

何が決め手となって、応募に至るのか

また、「求人サイト(求人票)で重要視する項目」と1位・2位が入れ替わっています。

なぜ「仕事内容(詳細)」が一番の決め手となっているのか、転職希望者の回答と併せて紹介します。

応募の決め手 1位:「仕事内容(詳細)」の理由

<「仕事内容(詳細)」が一番の決め手と答えた人の声(一部抜粋)>
●自分のキャリアを活かし、さらに発展させられる職場で働きたいため。職務内容を読んで自分のキャリア像に合っていれば、他の項目でマッチしなくても応募する【小売/企画・管理/37歳女性】
●自分の能力に合うか、また長く働き続けられるかを一番に考えているから【メーカー(機械・電気)/技術職(機械・電気)/24歳女性】
●仕事内容が合わないと入社してからもきついし、長く続かない。自分にとってやりがいのある仕事をしたいと思う【メーカー(素材・化学・食品・化粧品・その他)/事務・アシスタント/35歳女性】
●大半の時間を占める仕事内容が面白くないと、やりがいを感じないため【IT・通信/企画・管理/27歳男性】

「仕事内容(詳細)」が一番の決め手となった理由として、「これまでの経験を活かしたい」「自分に合った仕事を長く続けたい」「やりがいを感じられる仕事をしたい」といった意見が多く挙げられました。給与や労働条件なども転職希望者にとっては気になるところですが、やはり一番気になるのは「自分のやりたい仕事ができるのか」「自分の能力を発揮できそうなのか」といったことのようです。

男女別の応募の決め手の違い

また男女・年代別に見ると、以下のような傾向がありました。

男女別の応募の決め手の違い

●20代男性は、「職種」を決め手とする割合が他の項目に比べてやや高い
●30代女性は、「雇用形態」を決め手とする割合が他の項目に比べてやや高い
●男性の方が、女性よりも「給与」を決め手とする
●女性の方が、男性よりも「休日・休暇」を決め手とする

家庭の事情は年齢・性別によって異なるため、このような傾向が見られたと推測できるでしょう。

どのような理由で応募を見送るのか

一方で、応募を見送るのはどういった理由によるのでしょうか。気になって詳細ページを見たものの、読んだ結果、応募を見送ったことはあったのかを聞いたところ、「応募を見送ったことがある」が91.8%、「応募を見送ったことはない」が8.2%という結果になりました。転職経験者の約9割もの人が、応募を見送った経験があることがわかります。

どのような理由で応募を見送るのか

応募を見送った理由

転職経験者の大多数が応募を見送った経験があるのはどうしてなのでしょうか。その理由について聞いたところ、以下のような回答がありました。

<「応募を見送ったことがある」と答えた人の声(一部抜粋)>
●自分の応募条件に合わなかったから【IT・通信/技術職(組み込みソフトウエア)/39歳男性】
●じっくり読んでみると、カルチャーになじめるか、また自分の能力や適性を活かせるか不安に感じたため【IT・通信/事務・アシスタント/27歳女性】
●仕事内容が想像できなかった【金融/技術職(SE・インフラエンジニア・Webエンジニア)/36歳男性】
●実際に応募するまでの決め手に欠けたので【エネルギー(電力・ガス・石油・新エネルギー)/事務・アシスタント/32歳男性】

求人サイトなどで詳細を確認した結果、「自分の希望する条件を満たしていない」「社風に合わなさそう」といった理由から応募を見送っていたようです。また、特に何か問題があったわけではなくても、いざ応募しようという決め手に欠けたために見送ったという意見もありました。社内の様子や中途入社した社員の本音など、転職希望者が「入社後どのように活躍できるのか」を想像できる情報を提供することで、応募へとつなげることができるでしょう。

一方で、自分とは別の世代の活躍が求められていると感じたり、自分のスキル・経験よりも高いものを求められていたりするといったことから、応募を見送った人もいるようです。ポテンシャル重視の採用の場合には、転職希望者にとって高いハードルとなる条件を提示するのではなく、現場と相談しながらどうしても譲れない条件を見極め、募集要項に記載することが重要となります。必要な「スキル」はもちろん、どういった「タイプ(性格・スタンス)」の人がマッチするのか、ターゲットを明確にし、その人にとって魅力的な内容の訴求を検討しましょう。
(参考:『【完全版】効果が出る求人広告の作り方①~ターゲット設定編~』)

転職希望者の3人に2人が情報不足だと感じている

「求人サイト」や「企業のHP」には、転職希望者にとって必要な情報が十分に掲載されているのでしょうか。「情報が足りない」と感じたことはあるかを聞いたところ、「情報が足りないと感じたことがある」との回答が66.5%と、約3人に2人が情報不足だと感じていたことがわかりました。

転職希望者の3人に2人が情報不足だと感じている

不足している情報とは何か

どのような情報が不足していると感じたのかを聞いたところ、以下のような回答がありました。

<「情報が足りないと感じたことがある」と答えた人の声(一部抜粋)>
会社の長所ばかりで、短所があまり記載されていない【IT・通信/事務・アシスタント/38歳女性】
●社内の雰囲気、特に同僚や上司についての情報が不足している【コンサルティング・専門事務所・監査法人・税理士法人・リサーチ/事務・アシスタント/35歳女性】
●実際にどういうふうに働いているのかがわからないときがある。リアルな口コミを入社する前に知っておけば参考になるし、入社前後でのイメージの差が少なくなると思う【インターネット・広告・メディア/クリエーター・クリエーティブ職/32歳男性】
●難しいとは思うが、募集に至った経緯が知りたい。事業拡大なのか、前任者の退職なのかが気になる【IT・通信/専門職(コンサルティングファーム・専門事務所・監査法人)/37歳女性】
●どういう人材を求めているのかが明確ではない。スキル面などの記載はあっても、性格や価値観などについての情報が少ない。結局、人材紹介サービスを利用して、カウンセラーとの面談でヒアリングをするしかない【金融/事務・アシスタント/37歳男性】

「良いところや働くメリットは多く載っているけれど、企業が抱える課題や募集に至った経緯などについては触れられていない」という意見が多く見られます。職場の雰囲気や上司・同僚のリアルな姿、募集の背景、求められる人物像など、企業の実態を知りたいと感じていることが見て取れます。そうした情報を提供することができれば、応募の見送りや入社後のミスマッチを防ぐことにもつながるでしょう。

【まとめ】

今回の調査から、転職希望者が求人サイトで情報収集する際、まずは「勤務地、路線・駅」「年収」「職種」「雇用形態」「条件(完全週休2日制・年間休日120日以上)」で絞り込み、気になる求人が見つかったら、「給与」「仕事内容(詳細)」「勤務地」「雇用形態」を重点的に確認していることがわかりました。

「給与」や「仕事内容(詳細)」は転職希望者が特に重要視している項目ですが、最終的な応募の決め手となるのは「仕事内容(詳細)」のようです。一方で、転職経験者の約9割が「希望条件に合わない」「決め手に欠ける」といった理由から応募を見送っています。また「情報不足」と感じている転職希望者からは、求人情報にはデメリットや厳しいことが載っておらず、実態がわからないという意見が挙がっています。

このような結果を踏まえて、求人サイト(求人票)では必要項目やメリットだけでなく、リアルな情報を伝えることが重要です。「企業の雰囲気」の他、「募集に至った経緯」や「入社後のキャリアパス」など、転職の決め手となるような情報発信を意識しましょう。「今後どのような人材が必要か」を改めて検討し、それをもとに求人情報を見直してみてはいかがでしょうか。

(制作協力/株式会社はたらクリエイト、企画/d’s JOURNAL編集部 齋藤 裕美子)