選考辞退の少ない会社が大切にしている面接・採用のポイント

d’s JOURNAL編集部
▼面接の「重要性」と「目的」を再確認する
▼入社意向が上がる面接と辞退になる面接を知る<求職者の声>
▼CX(Candidate experience)「求職者体験」を理解する
▼効果的な意向形成に向けてテクノロジーを活用する

▼面接の「重要性」と「目的」を再確認する

「採用活動において面接が重要なのはなぜか?」。それは、面接を通じて求職者の志望順位が変化していくからです。転職者1人あたりの平均的な応募企業数は15~ 20社ほど。そのうち、応募時の第一志望の会社に入社した方はわずか30%程度(※)となっています。

実際に転職した人の多くは、選考の途中で企業の志望が変化し、新たな会社に入社することを決断しています。求職者の志望順位が変化した主な理由は、「選考中の企業の対応」「面接官の印象」「募集ポジションの具体的な仕事内容」「自分のスキル・経験を評価してくれた」など、面接で受ける印象・話す内容・評価などが挙げられます。

(※)doda自社調べ

つまり、良い面接が、採用競争力を高めることにつながります。では、面接における「目的」とは何でしょうか。

1つ目は、求職者のスキル・経験などを把握し、評価すること。そして、2つ目が求職者への情報提供と入社への意向形成をすることです。1つ目のポイントは、募集をしている全ての企業が必ず実施していますが、2つ目については、意図的に実施できている企業の割合はまだ少ないようです。

募集をする企業、応募をする求職者という構図があり、面接に来る=自社に興味があるという前提が成り立ってしまい、意識をしないと面接官がどうしても受け身となってしまいます。しかし、労働人口が減少し、求人倍率が高く、売り手市場となっている今、面接の中で求職者の志望度を高めるポイントを見極め、積極的に情報を開示する姿勢=「企業が個人(求職者)にアピールすること」がとても重要になってきています。

▼入社意向が上がる面接と辞退になる面接を知る<求職者の声>

実際に面接で意向が上がったケースについて、求職者から以下のような声が上がっています。
※パーソルキャリア株式会社 doda人材紹介サービス アンケート(求職者の声)より

<意向が上がる面接>

◎求職者への気遣い
・話しやすい雰囲気で、面接官が緊張をほぐしてくれた。
・穏やかで威圧感がなく丁寧。こちらの話にも、相づちを打ってくださった。
・面接の冒頭、「遅い時間にわざわざ面接に来てくれてありがとうございます」と言われた。

◎相互理解の姿勢
・自己紹介時に面接官自身の経歴を説明してくださり、共通点が見つかり、話しやすかった。
・仕事内容やキャリアパスについて、明確な説明をしていただけた。
・転職において不安な点などを聞きやすい雰囲気を作ってくださった。

◎求職者へのフィードバック
・自分のスキルについて、評価できる部分と不足している部分をお話しいただけた。
・「ぜひ、次の面接に進んでほしい」と面接官から言われた。

意向が上がる面接を行っている担当者は、求職者に対して一方的に上の立場から評価するのではなく、対等な立場でコミュニケーションを取っているということが求職者の声から感じられます。

また、選考の辞退につながる意向が下がった理由について、以下のような意見が集まっています。

<意向が下がる面接>

◎求職者への気遣いがない
・時間に余裕がなかったようで、予定よりも短い時間で面接が終わりました。
・面接時に初めて応募書類を見られた様子でした。
・面接中に面接官の方の携帯電話が鳴り、面接が一時中断してしまいました。

◎無反応・相互理解が進まない
・面接官の反応がわかりづらく、手ごたえが感じられませんでした。
・一方的に質問されるだけで、会話になりませんでした。
・年収が高いことに懸念を示され、本来伺いたかった話ができませんでした。

◎ネガティブなフィードバック
・自分のスキル・経験では通用しない、という話をされました。

ご感想はいかがでしょうか。ここで認識をしておきたい重要なことは、意向が下がる面接を行っていても、求職者に対して選考通過・内定の判断をしているケースが少なくないということです。

▼CX(Candidate experience)「求職者体験」を理解する

ではここで、求職者に対してどのような面接をしているのか、プロセスを分解して考え、面接・採用において大切なポイントを見ていきたいと思います。

■序盤:
①来社・待機・入室
②アイスブレイク
③面談官自己紹介

序盤のフェーズは、事前の予定が詰まっていたり、業務が立て込んでいたりすると、余裕がなくついつい流れ作業のように対応してしまいがちなところですが、求職者のアンケートにもあったように、求職者はかなり細かいところまで見ています。

第一印象はとても大事になりますので、来社いただいたことに対する感謝の言葉をお伝えし、面接までの道中の話や最近のニュースについてなど、相手が面接で話がしやすい雰囲気づくり=アイスブレイクによって緊張感をほぐしてあげることも良い面接には不可欠です。

また、面接官自身が自己紹介をすることも効果的です。自己開示には相手との信頼関係を高める効果があり、また、その後に求職者自身がスキル・経験を話すにあたり参考となるため、論点が明確になり有意義な時間となります。

■中盤:
④求職者自己紹介
⑤質問
⑥情報提供

職務内容を中心にお話しされる求職者の方が多いですが、なるべく自由にお話しいただける雰囲気をつくり、業務を中心にどんなミッションをどのような仲間とどのような姿勢で進めているのかがわかるように、質問を重ねながら求職者理解を深めていきましょう。

大切なことは、求職者理解を前提に共感できる価値観(仕事やプライベートにおいて大事にしたいこと)について対話をすることです。やりたい仕事ができること、理想の働き方を実現できることなど、入社直後だけでなく、将来の展望を含めた話ができるとよいでしょう。

情報提供は具体的に。会社全体や事業についての話、配属部署の話、面接官自身の立場からの意見など、数字なども示しながら、事実や未来の展望について丁寧に語ることが重要です。

■終盤:
⑦面接FB
⑧質疑応答
⑨見送り

選考合否の決裁権を持つ面接官が同席している場合には、面接の中での評価ポイントや感じた印象など、ポジティブな面について直接お話しいただくことが志望度を高める上で効果的だと言えます。

また、質疑応答についても質問しやすい雰囲気づくりに加え、できる限り情報を開示し、入社後のギャップがない状態にすることが大切です。仕事の良い面だけでなく、大変なこと・苦労していること、達成感ややりがいを感じていることなど、お互いに共感できる点をたくさん見出すことが採用成功につながります。

求職者の意向醸成に向けてできることは非常に多く、面接の全てのフェーズでさまざまな対応が可能です。面接における求職者体験を意識して対応を行うことで、満足度の高い面接を増やし、求職者の志望度を高めていくことができます。

では、どのような基準を基に選考の満足度を上げていけばよいのでしょうか?そこで、選考満足度を上げるための5段階という考え方を紹介させていただきたいと思います。どこまでやれば、どんな満足を得ていただけるのかがわかっていただけると思います。

1の基本価値への満足、2の期待価値への満足は、当たり前のことを当たり前に実行するという段階です。ここまでは一般的な対応を丁寧かつ誠実にすることで満足度の期待に応えられます。しかし、3・4・5となると少し話は違ってきます。なぜなら、求職者一人一人の志向や行動特性が満足度に深く関わってくるからです。

選考・面接の場数を踏むことで満足度は上げられるかもしれませんが、面接の短い時間の中だけで満足度を高めるには、勘や経験だけに頼るだけでは限界があります。そこで活用したいのが、求職者理解を深めることができるテクノロジーです。

▼効果的な意向形成に向けてテクノロジーを活用する

最近のHRテクノロジーの中には、求職者の志向・行動特性・キャラクターに加え、効果的な面接を行うためのポイントや動機付けのポイントが一目でわかる分析結果を提供してくれるもの、面接で重点的に話すべきテーマが絞りこんであり、推奨質問などもわかるツールなどもあります。

こちらのデータは、dodaの人材紹介サービスを利用している法人のお客さまにクラウド型人材分析ツール「HRアナリスト」を活用いただいた結果です。HRテクノロジーの使用有無で選考辞退率に10.5ポイントの差がつくかたちとなりました。

求職者理解を深め、訴求すべきポイントを整理することで、面接において意向形成ができる確率が高まります。

相手に合わせた自社の魅力を伝えることができるよう、訴求ポイントを事前に整理=可視化しておくことは重要です。下記の項目を参考に業務内容や仕事の魅力について現場面接官と協力してまとめておくとよいでしょう。

 

【編集後記】

選考辞退の少ない会社に共通しているのは、面接・選考の中で一貫して意向形成のための積極的な情報提供を行っているという点です。求職者が知りたいことは何かを理解し、一人一人に対して適切な話題を選んでコミュニケーションを取ることにより、自然と志望順位が高まる。そして、その結果として良いご縁に恵まれていく。組織として同じ目線・同じ熱量で採用に取り組める環境を整えることが、企業の採用力向上に不可欠な要素となってきていると感じます。

文/d’s JOURNAL編集部 白水 衛、編集/d’s JOURNAL編集部 白水 衛

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