初めての面接官でも応募者を掘り下げられる!STAR面接ノウハウ ~やりがちな面接失敗行動付き~

2022.10.28
d’s JOURNAL編集部
STAR面接とは
初めて面接官をやる方でも安心!候補者を見抜くために有効なSTAR面接
実際のやり方とS・T・A・R別質問例
候補者の特性を把握するための回答の深掘り方
やってはいけない、やりがちな面接失敗行動
面接に役立つ【無料】資料
まとめ

初めて面接官をする場合、「候補者の特性をどのように把握したらよいのか」「本質的な部分を引き出すにはどのような質問が効果的なのか」を知りたいと考えることもあるのではないでしょうか。今回は、面接官の経験が浅い方でも候補者の内面を掘り下げていける、「STAR面接」をご紹介します。具体的な進め方や質問例も記載していますので、参考にしてください。

STAR面接とは

STAR面接は、あらかじめ自社の質問項目や評価基準を定め、マニュアルに沿って実施する「構造化面接」の手法の一つです。「STAR」とは、4つの英単語「Situation(状況)」「Task(課題)」「Action(行動)」「Result(結果)」の頭文字を取ったもの。候補者の過去の行動についてこの4つの観点に沿って順番に質問をし、候補者の行動特性や思考プロセス、価値観などを探ります。

初めて面接官をやる方でも安心!候補者を見抜くために有効なSTAR面接

はじめに、STAR面接のメリットと、面接官初心者の方でも実践できる理由を解説します。

STAR面接のメリット

STAR面接では、過去の行動について構造的に質問を重ねることで、候補者の本質を把握していきます。実際の行動について質問をしていくため、虚偽があれば見抜きやすく、「課題の動機付け」や「課題解決のための思考パターン」「仕事における価値観」などを事実に基づいて引き出すことが可能です。自社の求める人物であるかを確認しやすく、「ミスマッチの防止」や「採用後のイメージの具体化」にも有効だと言えます。

面接経験が浅くても大丈夫!

STAR面接は、自社の求める人物像を基に、事前に質問項目や評価基準を定めた上で面接を行います。候補者ごとに質問をアレンジする必要がないため、面接官による判断基準のズレも起こりにくいでしょう。面接官を初めて務める方や、経験が浅い方にも実践しやすい面接方法です。

実際のやり方とS・T・A・R別質問例

では、実際のSTAR面接のやり方を、質問の例とともに見ていきましょう。

実際のやり方とS・T・A・R別質問例

S(Situation):状況質問

状況質問は、候補者が置かれていた状況や環境、課題の背景に関する質問です。最初に候補者が「学生時代や前職でどのような立場にあったのか」や「どのような背景で行動を起こしたのか」を把握することで、その後の質問を効率よく進めることができます。

質問の例

●「チームワークを発揮したと感じる出来事を教えてください」
●「どのようなときに達成感や満足感を感じましたか」
●「チームはどのようなメンバーで構成されていましたか」
●「あなたはどのような役割を担っていましたか」
●「そのときの状況を詳しく教えてください」

T(Task):課題質問

課題質問では、過去に対応した課題について掘り下げていきます。「直面した課題の詳細」や「その際の行動、思考パターン」を聞くことで、課題解決能力の高さやストレス耐性などを探ることが可能です。

質問の例

●「これまで経験したトラブルの中で印象的だったものは何ですか」
●「それは緊急性の高いものでしたか」
●「トラブルに気付いたきっかけは何でしたか」
●「トラブルの要因にはどのようなことが考えられますか」
●「トラブルを乗り越えるためにクリアすべき課題は何でしたか」
●「課題解決のためにどのような役割が求められましたか」

A(Action):行動質問

行動質問では、課題に対して候補者がどのような行動を取ったのかを具体的に確認していきます。実際の行動や思考を把握することで、今後同様の状況に直面した際の対応や思考パターンを推測することができるでしょう。

質問の例

●「トラブルを解決するために、最初に取った行動を教えてください」
●「課題解決のためにどのようなプロセスを経ましたか」
●「トラブルに対応するに当たり、チームに働きかけたことは何ですか」
●「その行動に至った理由を教えてください」
●「特に大変だと感じたことは何でしたか」
●「自身のスキルや長所をどのように活かせましたか」

R(Result):結果質問

結果質問は、候補者の行動によってもたらされた結果についての質問です。「トラブルが解決したか否か」だけでなく「結果をどのように受け止めているか」を聞き取ることで、「物事を客観的に捉えられるか」「内省ができるか」「トラブルを成長につなげられるか」を把握することができます。

質問の例

●「課題に取り組んだことにより、困難をどの程度乗り越えましたか」
●「目標への到達度は何%ですか」
●「一連の対応に対し、ご自身で点数を付けるとしたら何点になりますか」
●「あなたの行動はトラブル解決にどのように影響しましたか」
●「トラブルを通して学んだこと、得たことは何ですか」
●「振り返った際、反省点や改善点はありますか」
●「(失敗に終わった場合)同様のことが起こった場合、どのように対応しますか」

候補者の特性を把握するための回答の深掘り方

STAR面接では、S・T・A・Rの流れに沿って質問をし、掘り下げることによって、候補者のスキルや能力を確認していきます。自社が求める人物であるかを見極めるには、得たい情報を引き出すための質問の組み合わせが重要です。

STAR面接を行う際には、事前に候補者から引き出したい内容を明確にし、その上でどのような質問をすべきかを逆算して考えておきましょう。

候補者の特性を把握するための回答の深掘り方

ここからは、「主体性」「協調性(チームワーク)」「ストレス耐性」を把握するための回答の深掘り方を、具体的にご紹介します。

主体性

主体性を確認することで、候補者の「積極性」や「課題解決への姿勢」を把握することができます。入社後に活躍する姿もイメージしやすくなるでしょう。

回答の深掘り方

●S:状況質問
「チーム全体の目標に対し、あなたが設定した目標は何ですか」
「チームにおいてどのような役割を任されましたか」
●T:課題質問
「自身の役割を果たす中で気付いた課題は何ですか」
「それを課題だと感じた理由を教えてください」
「課題の難易度はどの程度だと感じましたか」
●A:行動質問
「課題解決に向けて起こした行動は何ですか」
「目標達成のために周囲に助言を求めましたか」
●R:結果質問
「目標達成に対し、良かったと思える自身の行動は何ですか」
「自身の主体性に点数を付けるとしたら何点ですか」
「主体的に取り組む中で得られたことはありますか」

協調性(チームワーク)

協調性(チームワーク)を把握する質問では、他者との関わりについての質問を多くします。候補者のチームに対する考え方を事前に理解しておくことは、人間関係やカルチャーギャップによるトラブルを防ぐことにもつながるでしょう。

回答の深掘り方

●S:状況質問
「チームワークを発揮できたと感じた体験を教えてください」
「チーム体制はどのようなものでしたか」
●T:課題質問
「あなたがチーム内で果たした役割を教えてください」
「チームの課題は何でしたか」
●A:行動質問
「チームのためにあなたが働きかけたことは何ですか」
「チームワークを維持するために何をしましたか」
「行動の理由を教えてください」
●R:結果質問
「チーム全体でどのような成果を得られましたか」
「チームでの行動からあなた自身が学んだことは何ですか」

ストレス耐性

ストレスとどのように向き合っているかを掘り下げることで、「責任感」や「業務への取り組み姿勢」を把握できます。ストレス耐性の把握は、入社後の早期退職の防止にも役立つでしょう。

回答の深掘り方

●S:状況質問
「これまでの業務で心理的負担が大きかった業務は何ですか」
「どのようなことを負担に感じますか」
●T:課題質問
「そのときのあなたの役割は何でしたか」
「どのような課題が負担になっていましたか」
●A:行動質問
「課題解決のためにどのような行動を取りましたか」
「ストレスとうまく付き合うために工夫したことはありますか」
「どのように壁を乗り越えましたか」
●R:結果質問
「どのような結果になりましたか」
「今後同じような状況になった際に工夫したいことはありますか」

やってはいけない、やりがちな面接失敗行動

STAR面接は候補者の行動特性や思考パターンを把握する上で有効な手段ですが、やり方を誤ると本来の成果を得られない可能性があるため、注意が必要です。実際に、面接時にはどのような行動に気を付けるとよいのでしょうか。

やってはいけない、やりがちな面接失敗行動

圧迫面接になってしまう

STAR面接では過去の行動に対して質問を掘り下げていくため、候補者が圧迫感を感じてしまう可能性もあるでしょう。候補者が必要以上に緊張したり萎縮したりしてしまうと、情報や本音を引き出せなくなってしまいます。

面接の際には、「威圧的な態度を取らない」「柔らかい表現を心がける」「候補者の回答を否定しない」などの対応を心がけましょう。候補者が答えに詰まるようであれば、一緒に答えを探す姿勢を見せたり、「一緒に取り組んだ仲間からどのような言葉をかけられましたか」「違う方法を選んでいたらどうなっていたと思いますか」など、捉える視点を変えたりすることも有効です。

ハロー効果や第一印象の影響を受けてしまう

ハロー効果とは、対象者の特徴が他の特性の判断にも影響すること。例として、「学歴がよいからスキルが高い」「表情が明るいから社交性がある」といったように、書類や第一印象によって得られる情報から、他の部分においても過大評価をしてしまうことが挙げられます。

このような評価には面接官の主観が入り、公平性を保てません。また、バイアスが先行して候補者の本質を見極められないと、入社後のミスマッチや早期退職のリスクが高まります。面接官を務める際には、先入観を除いた状態でその場に臨むことが大切です。

「事実」ではなく「意見」を深掘ってしまう

「意見」は候補者の主観であり、本質を見誤ったり客観的かつ公平な評価をすることが難しくなったりするため、深掘りのし過ぎには注意が必要です。

STAR面接の質問では、5W1H(いつ、どこで、だれが、何を、なぜ、どのように)を意識しながら、候補者がこれまでどのような行動を取ってきたのかという「事実」を掘り下げ、具体的に把握していくことが重要です。成果を上げるために取った行動の質が高く、バリエーションが豊富であれば、保有するスキルも高いと判断できるでしょう。

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まとめ

STAR面接は構造的に候補者の本質を探ることができ、入社後のミスマッチや早期離職を防止できる可能性の高い面接手法です。評価基準や質問項目が定められているため、面接官経験の浅い方でも実施でき、面接官による評価のズレを防ぐことができます。今回ご紹介した質問例や失敗例を参考にしながら面接を行い、自社が求める人材を見つけましょう。

(企画・編集/海野奈央(d’s JOURNAL編集部)、制作協力/株式会社はたらクリエイト

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