面接は「見極め」だけじゃダメ!選ばれるための「魅力付け面接」メソッド ~初級編~

d’s JOURNAL編集部

売り手市場が続いている昨今、面接は応募者を「選ぶ場」であると同時に、応募者から「選んでもらう場」でもあります。応募者の志望動機を強め、入社につなげるためには、面接での自社の魅力付けが重要です。一方で、「他社と比べて特出した魅力がない」「魅力付けの方法がわからない」と不安に感じる方もいるかもしれません。今回は、自社の魅力を見つける方法や、面接における魅力付けの方法をご紹介します。

面接では「魅力付け」も重要

面接には、応募者からスキルや経験、志望動機などを聞き出し、次の選考に進めるか否かおよび自社に対する適性を判断する「見極め」と、応募者に「この会社で働きたい」と思ってもらうような働きかけをする「魅力付け」の2つの役割があります。

しかし、実際の面接の場面では、「見極め」に注力している企業は多いのに対し、「魅力付け」は意外と盲点になりがちなケースが多くあります。自社に魅力を感じてもらえなければ、採用通知を出したところで、辞退されてしまうかもしれません。応募者の気持ちを引き付け、自社で長期的に活躍してもらうためには、面接官が「見極め」だけでなく「魅力付け」をすることが大切です。

面接では「魅力付け」も重要

自社の魅力の見つけ方

面接や採用を担当される方の中には、魅力付けが大切だと認識してはいるものの、「大企業のようなネームバリューがない」「オフィスは古いし、給与も高くない」などと、自社をネガティブに捉えて、魅力がないと感じている方もいるかもしれません。

一口に「魅力」と言っても、その内容はさまざまです。ここでは、自社の魅力の見つけ方をご紹介します。

自社の魅力の見つけ方

自社の魅力を整理

まずは、「業界・会社」「業務内容」「待遇・各種制度」の観点から、自社の魅力を書き出し、整理していきましょう。自社の現状を、一度全て出し切ることが大切です。具体的には、次のようなことが挙げられます。

業界・会社の魅力

・知名度、ブランド力がある
・企業の歴史が長い
・業績が安定している
・経営者の手腕に魅力を感じる
・強固なビジネスモデルがある
・オフィスが駅に近い/新しい
・マーケットの将来性が高い  など

業務内容の魅力

・企業のミッション、ビジョンに貢献できる
・スキルや経験を活かせる
・社会的に貢献していることを実感できる
・責任のある職務に就ける
・コミュニケーションが活発
・人間関係が良い
・●●のスキルが身に付く
・夜勤がない
・定期的にジョブローテーションが行われる
・将来のキャリアがイメージできる  など

待遇・各種制度の魅力

・納得感のある人事制度になっている
・成長や貢献度に応じて給与が上がる
・社内に食堂がある
・ユニークな福利厚生がある
・教育制度・研修制度が整っている  など

自社の魅力・訴求ポイントを整理できるダウンロード資料

以下より、自社の魅力・訴求ポイントを事前に整理するためのフォーマットをダウンロードすることが可能です。有意義な面接を行うためのツールとして、ぜひご活用ください。

魅力は掛け算。全ての要素を高める必要はない

「給与が高いことが魅力」である企業だけが応募率が高いわけではないように、企業の魅力にはさまざまな観点があり、応募者が企業に求める要素も1つではありません。1つの魅力が平凡なものであっても、それらを掛け合わせることで非凡な特徴になり得ます。

全ての要素を高める必要はないので、「自社らしい要素を見いだし強化すること」「企業の将来像に向けて必要となる要素を磨くこと」で自社独自の魅力を構築していきましょう。

企業の魅力は、応募者が「自分はこの企業に向いているのか」を考える指標になります。面接官が自社の魅力をきちんと認識しておくことは、入社後のミスマッチを防ぐことにもつながるでしょう。

面接における魅力付けの方法

続いて、面接中にできる魅力付けの方法を見ていきましょう。

面接における魅力付けの方法

面接官に良い印象を持ってもらう

面接官は「企業の顔」です。自社にどんなに魅力があったとしても、面接官の態度や印象がネガティブなものであれば、自社の印象も悪くなってしまうでしょう。反対に、良い印象を持ってもらえば、入社承諾前後の辞退を防止することにつながります。

面接官を担当する際は、自身の印象が企業の印象を左右することを念頭に置き、「髪型や服装など身だしなみを整える」「上から目線の態度をとらない」など、最低限のマナーを意識しましょう。

また、応募者が話しやすい雰囲気づくりを心掛けることも大切です。面接官に親近感や興味を持ってもらうことは、「この人と同じ職場で働きたい」という、自社への志望動機を強めることにもなるでしょう。

質問に答えてもらうことで魅力に気付いてもらう

面接では、質疑応答で自社の魅力を言語化することで、応募者の納得度が高まり、志望動機を強める効果が期待できます。例として、次のような質問をするとよいでしょう。

質問の例

・「当社が顧客満足度で高い数値を得ている理由はどこにあると思いますか?」
・「当社で働く意義はどのような点にあると考えていますか?」
・「当社の採用サイトや求人広告において、さらにアピールすべき点はありますか?」
・「当社で活躍している人材にどのようなイメージを持っていますか?」

面接官が一方的に質問をしてしまうと、「疑問点が解消できなかった」「自己アピールができなかった」と応募者が不満に感じる可能性もあります。また、あえて自社についての懸念点も含めた質問をすれば、「課題を理解した上で採用を考えている」ということを伝えられ、応募者の安心感と納得感につなげられるでしょう。

質問の例

・「●●さんが会社を選ぶ際に重視していることは何ですか?」
・「希望している職種について、聞いておきたいことはありますか?」
・「転職を通じて、当社に期待することは何ですか?」
・「どのようなマネジメント方法が、●●さんのパフォーマンスを引き出すと思いますか?」
・「これまでのお仕事とご応募いただいた仕事はどのような点が異なりますか?」
・「これまでお勤めだった大企業に比べ、給与は低くなってしまいます。それでも当社に応募してくださった理由は何ですか?」
・「当社の~~といった部分に関しては、●●さんの活躍の妨げになる可能性もあります。その点についてはどのように考えていますか?」

個別性の高いフィードバックを行う

可能であれば、最後に個別性の高いフィードバックを行いましょう。例として、「●●さんのお話を伺って、~~の能力が非常に高い方だと感じました。何か補足的に説明したいことはありますか?」「●●さんのスキルは、当社の~~の仕事をする際に活かせるのでは、と感じました。そのような仕事に興味はありますか?」というように、どのような点を評価したのかや、自社との親和性を伝えることで、応募者が自社で働く姿を想像しやすくなります。「この企業で活躍できそうだ」と感じてもらうことができれば、入社の意思を固めやすくなるでしょう。

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まとめ

面接は、「見極め」で面接官だけが目的を達成する場だけではなく、応募者に自社を選択してもらうための「魅力付け」の場でもあります。企業によってその魅力は異なり、「自社には魅力がない」と感じている場合でも、気付いていないだけで何らかの魅力を持っていることが大半です。今回ご紹介した内容を参考にしながら「魅力付け面接」を行い、自社の採用力や社員の定着率の向上を図ってみてはいかがでしょうか。

(企画・編集/海野奈央(d’s JOURNAL編集部)、制作協力/株式会社はたらクリエイト