【これだけは押さえておこう】志望度がグッと上がる!?転職希望者が本当は知りたがっていること

2023.03.22
d’s JOURNAL(ディーズ・ジャーナル)編集部
転職理由としてあげられる項目であるほど、転職希望者は質問しにくい
転職希望者が知りたいこと(1) ~ 給与・待遇・福利厚生について ~
転職希望者が知りたいこと(2) ~ 残業・休日・休暇について ~
転職希望者が知りたいこと(3) ~ 職場の雰囲気・人間関係について ~

転職理由としてあげられる項目であるほど、転職希望者は質問しにくい

2021年7月~2022年6月の1年間に転職した方のデータを基に、転職理由をランキングにまとめました。35の転職理由※の中から該当するものを複数選ぶアンケートを実施したところ、「給与が低い・昇給が見込めない」が32.8%で1位となり、続いて2位「昇進・キャリアアップが望めない」(25.2%)と、給与や昇進に関する不満がトップ2を占めています。また、人間関係を理由とする項目については、3位「社内の雰囲気が悪い」(23.4%)、4位「尊敬できる人がいない」(22.9%)の2つがランクインしています。

35の転職理由やランキングについてはこちらのリンク先にてご確認いただけます。

■転職理由ランキング(総合)【1位~10位】

転職理由ランキング【最新版】 みんなの本音を調査!(公開日:2023年3月20日)」より

選考や面接の場面において、「採用された場合の給与条件について教えてください」「昇給や評価制度について教えてください」など、転職理由の上位にあげられている項目について質問されることは少ないのではないでしょうか。面接の最後に、「何か質問はありますか?」と尋ねても、転職希望者からの質問は仕事に関することや入社への意欲をアピールする内容などに偏りがちです。

給与や休日・休暇、福利厚生などの質問は「仕事への興味が感じられない」などの評価を受ける可能性が高く、実際にマイナスな印象を避けるために質問をしていないという声も転職希望者から聞かれます。

採用活動において大切なことは、転職希望者が実現したいことと、自社が求める要件が合致することです。スキルや経験はもちろん重要ですが、それは入社後に活躍いただくための要素の一つに過ぎません。転職理由のネガティブな面についてもその意図を正しく理解し、自社の場合はどうなのかを丁寧に伝えていくことが重要です。

入社いただくために全てを魅力的に伝える必要はありません。マイナス部分も含めてきちんと情報を開示し、納得して入社を決断いただくことが長期的に自社で活躍する人材の採用につながります。

転職希望者が知りたいこと(1) ~ 給与・待遇・福利厚生について ~

転職理由ランキングの上位3つに給与や昇給・昇格、評価制度についての項目があげられている通り、転職希望者にとって大きな関心事となっています。一方で、給与や賞与(ボーナス)など、年収に関する質問をすることはマイナス評価につながるリスクがあります。そのため、「給与や昇給についての詳細を教えてください」「想定年収の賞与と実際に支給される賞与は評価によってどのくらい変わりますか」といった質問を面接の中で転職希望者からされることはほとんどないでしょう。

給与について誤解なく丁寧に情報をお伝えするために、まずは転職希望者自身の年収(その内訳)、どのような待遇・福利厚生を得ていたのか、その上でどのような希望があるのかをヒアリングすることが大切です。客観的な支給額を把握することに加え、給与以外の手当や福利厚生などについても確認しておくことが重要です。

【話題を切り出す時の質問例】

「現職(前職)の給与の詳細と希望の年収について教えていただけますか」
「残業や休日出勤などの手当や福利厚生はどのようなものがありましたか」
「●●さんはどのように目標設定や評価に臨んでいましたか」

月給制の場合であればその内訳(基本給やその他の手当)、歩合やインセンティブがある営業職のケースであればその金額と支給条件なども確認しておきましょう。リモートワーク勤務が可能な会社に勤務している場合、出社する頻度や割合によって通勤手当の支給方法が変わったり、リモートワークに付随する手当が変わったりする可能性もあります。

客観的な事実を押さえるとともに、本人がどのようなことに不満があり、仕事を選ぶ際に何を優先したいのか、どのようなことを成し遂げたいのかについて知ることがポイントです。純粋に給与を上げたい方もいれば、労働時間やリモートワークの有無など働き方を重視する方もいます。

また、資格手当や資格取得支援制度、自己啓発/教育に関する補助や支援制度、年間を通して利用できる福利厚生制度など、給与に準ずる手当や福利厚生について説明できるようにしておくことも大切です。

転職希望者が知りたいこと(2) ~ 残業・休日・休暇について ~

給与や福利厚生と同様に、「仕事への意欲が足りない」といったネガティブな評価が気になり、面接の中で質問しにくいのが残業や休日・休暇に関することです。

転職先を探す上で月の平均的な残業時間や繁忙期・閑散期の残業時間などはとても気になる情報です。また、年間休日やGW(ゴールデンウィーク)・お盆・年末年始などの長期休暇、シルバーウィーク(9月)、有給休暇の取得のしやすさや消化率なども転職希望者が気になるポイントです。

とはいえ、「残業は毎月どのくらいありますか、休日出勤はありますか」「長期連休の取り方について教えていただけませんか」といった質問は転職希望者本人からはしにくいものです。以下のような質問を投げかけることをきっかけに転職希望者の現状や希望・知りたいと思っていることを直接話してもらい、相互理解を深めより良い信頼関係を築くことが重要です。

【話題を切り出す時の質問例】

「●●さんの前職での働き方について教えていただけないでしょうか。年間休日はどのくらいでしたか」
「時間外労働(残業)は平均してどのくらいされていらっしゃいましたか」
「就業時間や休日・休暇などについて詳しく知りたいことはありませんか」

収入を大幅に上げたいなどの特別な理由がない限り、残業をたくさんしたいと考える転職希望者はほとんどいらっしゃらないのが現状です。そのため、残業については具体的な時間や終業時刻を挙げて話をする方が良いでしょう。

「定時で帰ることは難しいですが大丈夫ですか?」「深夜まで残業がありますが、遅くまで働けますか?」など、仕事への覚悟を問う質問をされたという面接の体験談を転職希望者から聞くことがありますが、戸惑うことはあってもポジティブな印象を持ったという方はほとんどいません。

休日・休暇について会社のカレンダーがある場合には、転職希望者と一緒に見ながら確認や説明をするのも一つの方法です。「平日の祝日は休みになるのか、出社となるのか」「休日出社や土日出社はどの程度あるのか」など、入社直前や入社直後に転職希望者が聞いていなかったということのないようにしておきましょう。事実に基づいた具体的で丁寧な対応がお互いの信頼関係を深め、入社に対する意向を高める結果につながるはずです

有休休暇の取得率や平均取得日数などについては、計算式に基づいて算出しておくことをお勧めします。取得のしやすさについては有休を消化している社員に面接の中で話をしてもらったり、実例を紹介したりできるよう準備しておくと良いでしょう。

転職希望者が知りたいこと(3) ~ 職場の雰囲気・人間関係について ~

転職する人が増えてきているとはいえ、「入社したら、自分は活躍できるだろうか」「上司や同僚と人間関係をうまく築けるだろうか」といった不安は転職活動を進める上で避けられないものです。人間関係がきっかけで転職を考える人も少なくないため、職場の雰囲気や人間関係は転職希望者が知りたい重要な情報の一つです

「職場の雰囲気」や「上司・同僚のリアルな姿」「求められる人物像」などの情報が不足しているために、最終面接合格後に同僚になる方と話がしたいと思う方も少なくないようです。また、転職希望者自身がこれまでどんな職場で働いてきたか、どんな人間関係を築いてきたかを聞くことで入社後すぐになじめるかどうかの判断材料となる可能性もあるため、以下のような質問を基に対話を深めるのもお勧めです。

【話題を切り出す時の質問例】

「●●さんの前職はどんな職場でしたか?上司や同僚とのコミュニケーションではどんなことを大切にしていましたか」
「前職(現職)の業務の中で大変だったこと、やり取りに苦労したことはありますか」
「●●さんは現在どのような方々と一緒に仕事をされていますか?またどんな役割・立ち位置ですか」

また、配属先のメンバーと転職希望者がざっくばらんに話せる時間を対面やオンライン(Web)で実施することも効果的です。特に若年層の採用においてはカルチャーフィットが重要です。ランチを一緒に食べながら話をしたり、オフィスや工場などを実際に案内したりすることで会社の雰囲気を伝える企業も増えてきています。

中途入社した社員から入社前後に感じた前職との違いを話してもらうなど、自社の特徴や長く活躍いただくために事前に理解しておいてほしい情報を伝える努力はとても重要だと言えるでしょう。

【中途採用面接に関連する資料】

【編集後記】

人材の獲得競争が厳しくなっている中、採用したい人材に十分な情報が提供できずに辞退されてしまうことは避けたいところです。「疑問点について聞きたいけれど、聞ける雰囲気ではない」「給与や休日休暇などの質問は切り出しにくい」と感じている転職希望者は少なくありません。今回取り上げた3つの項目について転職希望者と人事・採用担当者、配属先の上司となる社員がオープンに会話ができることは、入社に対する意向や安心感を醸成することに大いにプラスとなるでしょう。

企画・編集/d’s JOURNAL編集部 白水 衛