副業経験者6割が「副業きっかけ」で転職。「副業禁止」による人材流出も…

パーソルキャリア株式会社

  • 副業経験者、6割超が副業をきっかけに転職
  • 副業先への入社理由1位は「信頼関係」、2位は「もっと深くコミットしたくなった」
  • 転職活動時、8割以上が「副業可否」を重視

副業人材マッチングサービス「lotsful(ロッツフル)」を運営するパーソルイノベーション株式会社は、「副業と転職の因果関係調査」(vol.2)の結果を発表。副業は単なる収入源ではなく、キャリア形成や転職の新たな入口となっていることが明らかになりました。また、副業制度の有無が、採用競争力と人材定着率を大きく左右する結果となっています。

副業は「スカウト」と「お試し入社」の場へ、6割超が副業をきっかけに転職

調査によると、「副業先にそのまま入社した」(31.7%)、「副業がきっかけで別の企業へ転職した」(22.8%)と、副業きっかけの転職経験者は62.5%にのぼりました。2022年の同調査(53.6%)と比較しても増加しており、副業を起点とした転職が広がりを見せています。

副業がきっかけで転職をしたことがあるか(出典:パーソルイノベーション株式会社のプレスリリース、以下同)

実際には副業先に転職していない層のうち、約半数が副業先から正社員としての入社打診を受けた経験があると回答。副業が企業にとって転職希望者と接点を持つ機会として機能しており、スキルや適性を見極めたうえで採用できる「お試し入社」の場として定着しつつあるようです。

副業先から正社員での入社を打診された経験

副業先への入社理由1位は「信頼関係」、実務を通じたマッチングが意思決定を後押し

副業先への入社を決めた理由1位は「現場メンバーとの信頼関係が築けた」(35.7%)で、次いで「もっと深く事業にコミットしたくなった」(35.3%)、「業務内容を深く理解できた」(34.9%)が続いています。書類・面接中心の従来の採用プロセスでは伝わりにくい、現場体験を通じた信頼感や業務理解が入社の決定打となっているようです。

副業先へ入社を決めた理由

転職のタイミングについては、「副業終了から3カ月~6カ月未満」が59.9%と最多で、「3カ月未満」が26.4%と続きました。特に3カ月未満で転職した層の約7割が副業先にそのまま入社している一方、半年以上経過してから入社するケースも一定数あり、副業を通じた接点が中長期的なタレントプールとしても機能していることが読み取れます。

副業がきっかけとなった転職のタイミング

「副業禁止」は採用競争における機会損失、8割以上が転職時に副業可否を重視

転職活動時における「副業許可の有無」の重要度を尋ねたところ、「非常に重視する」(28.4%)、「ある程度重視する」(51.8%)と、約8割が副業可否を重視していると回答しました。

「副業許可の有無」による応募意向への影響

選考中や入社承諾後に「副業禁止」と判明した場合には、27.3%が入社を辞退し、30.2%が「辞退をかなり迷ったが、他条件を優先して入社した」と回答。副業制度の有無が、入社承諾後の意思決定にも影響を与えていることがわかりました。

副業禁止により入社辞退をした経験

特に20代前半の女性では9割が辞退または入社を迷ったと回答しており、副業を認めない企業は、採用の最終局面で人材を他社へ流出させているリスクが示唆されました。

副業禁止が入社意思決定に与える影響(属性別)

副業は「離職のきっかけ」か「引き止めの鍵」か、97.8%が残留の可能性

副業を始めたことで退職・転職を意識し始めたと答えた人は70.7%で、副業が転職意識を高めるきっかけとなっていることが明らかに。しかし、副業を機に他社へ転職した人のうち、97.8%が「当時の会社で自由な副業が認められていたら、辞めずに残っていた可能性がある」と回答しました。

副業をきっかけに退職、転職を意識した経験

副業の許可と転職意向の関係

副業そのものが離職の原因ではなく、「副業への不寛容さ」や「柔軟性の低い制度」が人材流出を招いていることがうかがえます。この結果に、lotsful Company代表の田中みどり氏は、「副業は単なるきっかけにとどまらず、企業にとっては採用機会の創出と同時に、既存人材の定着を支える重要な施策である」とコメントしています。

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