採用手法のこれからを考える ダイレクト・ソーシング ジャーナル

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株式会社ネクストスケープ 橋本 祐造

2016.12.27

AI時代を見据えて人事がダイレクト・ソーシングに本気で取り組むべき理由

PROFILE

株式会社ネクストスケープ

人事企画部 部長 橋本 祐造

1978年生まれ、2002年早稲田大学卒業。NHKに入局後、営業職として約3年間従事。その後、人材コンサルティング会社を経て、GMOインターネット株式会社にてグループ人事部として活躍。株式会社ネクストスケープに入社後、人事企画部を立ち上げる。

今回、「人が最大限の力を発揮できる組織づくり」をテーマに掲げる株式会社ネクストスケープの人事企画部 部長 橋本祐造氏にインタビューしました。橋本氏は、HRエバンジェリストとして“ヒト”と組織に関わる課題に取り組み続けています。

人事・採用担当者が自ら、採用候補者にアプローチができるダイレクト・ソーシングも積極活用されており、取り組まない人事はAI時代の訪れと共に、淘汰されていくのでは?とコメントされています。活躍を続ける人事である橋本氏の働き方や、これまで培ってきたキャリアに迫ることで、「自社採用力」を高めるためのヒントを探りたいと思います。

仕事の生産性を高める必要性を感じている

1年前に、ご長男が生まれたことを伺っています。働き方に変化はありましたか。

橋本氏:はい、劇的に変わりました。もっとも子どもができる前から、仕事の生産性を高める必要性は感じていたんです。今、私は38歳なのですが、20代の頃は仕事に全力投球を続けていたんです。しかし30代に入ってくると夜10時以降のふんばりが効かなくなってきたんですよね(笑)。そうした背景があった上で、去年子どもが生まれたんです。

子どもを見ていると、急速に成長していくところがすごく面白いんですよ。自然と家族との時間をもっと増やしたくなるんです。平日の20時くらいには会社を出るようになりました。しかし、そのためには生産性をさらに高めないといけない。仕事の優先順位を明確にして、周囲にも状況を理解してもらうようにしています。

もっとも、蓋を開けてみると、以前よりはるかに時間当たりの集中力が高まっていたんですよ。この年齢になって、これだけ自分が成長している感覚を得られたのはひさしぶりでしたね。

子どもが生まれたことが、自分自身の成長に繋がっているんですね。

橋本氏:育児を経験した方が、仕事ができるようになる。それは断言できると思います。私の仕事の場合、面白い共通点もあって。子どもが泣くときって、何をして欲しいのかわからないから、注意して様子を見ないといけませんよね。
この「人を見る」という力は、面接にも通じるんですよ。私は今まで40,000人くらいの採用候補者を面接してきましたが、目と顔をずっと見ていれば、相手の気持ちが自然とわかるようになります。育児に面接の経験が生きているんですよ。

良い人材紹介エージェントに出会える確率は、書類通過率と同じ?

思わぬ共通点ですね。そもそも、橋本さんが人事という仕事に興味を持ったきっかけは何ですか。

橋本氏:ディズニーランドでキャストのアルバイトをしたのがきっかけでした。大学に入ったばかりの私は対人恐怖症で、自分にまったく自信がありませんでした。
しかしディズニーランドで働いたことで、自分の気持ちを「オン」に切り替えるコツをつかめたんです。4年間働いたことで、人を感動させるのはこんなに楽しいことなんだと思えるようになりました。「ダメだと思っていた自分が変われた。人を変えられる組織ってすごい。人と組織の関係性は面白い」と思って、人事の仕事に興味を持ちました。

現在もネクストスケープで取り組んでいる「人が最大限の力を発揮できる組織づくり」というテーマは、社会人として働き始める前から考えていたことだったんです。

もっとも、いきなり人事職に就いても血の通った人事の仕事はできない。そう考えて、社会人になった最初の3年は営業職を経験し、4年目から人事職に就こうと計画しました。そして、実際に4年目から人事の仕事を始めて今に至ります。当時、就職活動の面接でも同じことを話していたのですが、面白いことに自分のビジョンをずっと語り続けてきたら、本当にその通りの人生になったんですよね。

橋本氏のインタビューカット

橋本さんは、年間たくさんの採用候補者とお会いしていることを伺っています。多くの採用候補者とお会いするために、人材紹介サービスを活用されているとのことですが、人材紹介サービスのエージェントとの付き合い方について教えてください。

橋本氏:まず忘れてはいけないのは、人材サービス企業のエージェントは一緒に面白い仕事をするためのパートナーだということです。だからこそエージェントの方々と、いかに信頼関係を結べるかが大事だと思っています。

私は人事の仕事を始めて最初の6年間で約450社の人材紹介サービス企業と会い、ひたすらに自分の価値観やビジョン、この会社、この組織、この仕事を通じて成し遂げたいこと、パートナーに求めることを語り続けてきました。価値観や志を共感してくれるエージェントだけ継続的に取引をしてきたのですが、15の企業だけでした。出会えた確率は「30分の1(450分の15)」です。

面白いのが、この割合は採用と同じなんです。書類選考の通過率も、やっぱり30分の1くらいなんですよね。私は採用においても同じ考え方を持っていて、一緒に働く人材が「自分たちのビジョンに共感してくれる」というところにこだわっています。

そうやって人との出会いを続けていくと、エージェントも採用も、自分の考えや思いに共感してくれる人の割合は同じなんですよね。これを読んでいる人事・採用担当者の方は、そういったエージェントや転職希望者に、なかなか出会えないと思うかもしれません。しかし、どこかに絶対にいるはずだという期待を忘れないことが大切です。

採用候補者を惹きつけるのは年収や待遇だけではない

理想の死に方から、今後のキャリアを逆算する

人事として成長できた体験について教えていただけますか。

橋本氏:GMOインターネットに在籍していた6年間ですね。素晴らしい上司に恵まれたのが大きいと思っています。当時は採用人数も、人材のスキル・経験レベルも非常に高い目標を設定されていました。その分、成長できて、今の仕事力にもつながっていると思います。

20代の頃は、特に社会人としての壁にぶつかることもありませんでした。しかし、30歳の頃に人事制度をつくる仕事を初めて任されて、率直に言うと尻込みしてしまったんです(笑)。ほぼ全社員が関わることになる仕事を自分がやっていいのかと…。そこで1年近く、思考停止になってしまいました。

しかし、私の31歳の誕生日に上司と食事に行ったとき、「橋本は自分の短所を気にしすぎている。しかし、今まで短所があって困ったことはあるか?」と訊かれて、そう言われるとたしかにないな、と思ったんです。「長所を伸ばせ。自分の短所の部分を長所として持っている人に頭を下げて仲間になってもらえればいい」と。その言葉があったことで、人の力を借りることにも抵抗がなくなって、いろいろな仕事が上手く回るようになったんですよね。

橋本さんの「長所」とは、どのようなものでしょうか。

橋本氏:人の魂に火をつけること。一概の方法があるわけではありませんが、人は自分の人生が肯定されたり、人生の少し先の展望が見えると確実に自信が持てるようになる上に、自信の熱量も質量も変わります。私には採用の面接で必ず聞く質問があります。それは「どうやって死にたいか」です。面白いもので、ほぼ全員が今よりも良い状態で死にたい、ということを言うんですよね。

死ぬときの状態と今の状態とのギャップを埋めるのが人生であって、じゃあどうやって生きようかと採用候補者と一緒に考えるんです。そうして一緒に人生を考えていくと、年収はあまり関係なくなってくるんですね。最初は提示していた年収面を含めた待遇面で「入社はありえない」と言われていた採用候補者であっても、1時間話をした結果、「ネクストスケープに入りたい」と言ってくれるケースも度々あります。

橋本さんの人事スタイルは独特のものに感じられますが、同じ人事としての共感者はいますか。

橋本氏:たしかに、以前は他社の人事・採用担当者のなかで共感できる方には、ほとんど出会えませんでしたね。しかし、去年あたりからようやく価値観が合う人事職の方たちと出会えるようになってきました。私の考えでは、いわゆる「ヒト・モノ・カネ」で言えば、最初にモノの時代があって、その次にカネの時代があり、ようやくヒトの時代がやってきたのだろうと考えています。企業の資源でいちばん大切なのはヒトなのだと、みんながヒトの重要性に気づき始めてきたのだと思います。

橋本氏:

ダイレクト・ソーシングに対して、感じている可能性とは?

時代の変化に伴って採用手法も変わってきています。人事担当者が直接求職者にアプローチできるダイレクト・ソーシングについてはどう考えていますか。

橋本氏:採用手法としては面白いですよね。人事職は営業職と違って、自分から好きなところにアプローチできないというデメリットがありましたが、ダイレクト・ソーシングはそのデメリットを克服するものだと思います。
また、これまでの採用手法は“待ち”の状態が多かったことも事実。それに対して、人事・採用担当者がアクションを起こせるダイレクト・ソーシングは生産性の向上にも繋がると思います。

橋本さん自身は、どのようにダイレクト・ソーシングに取り組んでいますか。

橋本氏:できるだけ毎日スカウトメールを送るようにすること、そして魂を揺さぶるスカウトメールを書くことですね。手間が掛かるように聞こえるかもしれませんが、その方が採用成功につながりやすいので、結果的に生産的なんです。

そして文面には「まずは一度会わせて欲しい」と書く。「会いたい」という意思を明示するのは非常に大切なことでだと思います。まだまだ私も試行錯誤を続けていますが、このメールに返信しないと人生を損すると転職希望者が感じるくらいのスカウトメールを送れるようになるのが理想です。

人事の採用力が求められますね。

橋本氏:その通りです。ダイレクト・ソーシングに関しては、ひさびさに営業時代のようなゾクゾク感を感じます(笑)。なぜなら、人事の実力差が端的に現れるやり方ですからね。私に合っている採用手法だなと思います(笑)。ダイレクト・ソーシングに取り組んでいかない人事は不要になるとさえ考えています。

発信力や影響力のない人事は、これから数年で淘汰されるはずですし、その後はAI(人工知能)が台頭してきて、「作業」だけをやっている人事は不要になることでしょう。でも、人の心を動かすことにフォーカスを当てていれば、AIがどんなに頑張っても代替されることはありません。

どういう風にすれば人の心は動くのか。人の心が動く組織とはどのようなものなのか。仕事だけでなく、それこそ子育てや結婚生活からも転用できる気づきはいろいろあります。私は常にアンテナを張るように心がけていて、プライベートで学んだことも積極的に仕事に取り入れています。常に「オン」の状態でいれば、単純に2倍のスピードで成長できますからね。

AIに負けない「自社採用力」を身に着けるには、常に能動的に動き続けることが大事だと思います。

※年間で6,500人もの応募者を一人で対応している経験を持つ橋本氏から、『社員定着率を高め、社員が最大限の力を発揮できるような組織作り』についてお伝えします。ぜひご参加ください。

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