人材紹介サービスとは?人材派遣との違いや手数料をわかりやすく解説
d's JOURNAL編集部
「求人広告を出しても思うような反応が見られない」「知名度が低くて求職者に注目してもらえない」という悩みがある場合には、「人材紹介サービス」の活用を検討してみるのも一つの方法です。人材紹介サービスを利用することで、自社の独力のみでは接点が得られなかったような人材ともマッチングできる可能性が広がります。
今回は人材紹介サービスの基本的な仕組みや特徴、活用するメリット、料金体系などをまとめてご紹介します。また、利用時の注意点や手続きの方法もあわせて見ていきましょう。
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人材紹介サービスとは
「人材紹介サービス」とは、求人を行う企業に対して求職者を紹介するサービスのことです。さまざまな背景を持つ求職者との接点を持ち、企業が求める条件に応じて適切な形で紹介するのが主な役割であり、人材紹介サービス会社によって扱う人材の特色や細かなサービス形態に違いがあります。
人材紹介サービスに該当する概念は近代以前から存在していたとされており、そうした意味では決して歴史の浅いサービスではありません。日本においては1960年代に人材紹介サービスを扱う会社が生まれ、法改正や規制の見直しなどを重ねて現在の形へと発展してきました。
人材紹介サービスの基本的な仕組み
人材紹介サービスでは、求職者と採用を希望する企業のそれぞれから細かな条件をヒアリングし、状況に応じてマッチングを行います。求職者からは保有スキルや経験、希望条件などをヒアリングし、データとして保持しておきます。
そのうえで、企業から募集職種や必要なスキル・経験、労働条件などを聞き、条件に合う求職者を紹介するのが基本的な流れです。また、求職者と企業のスケジュール調整、求職者への企業アピールといった支援業務も行ってもらえます。
費用の仕組みとしては、実際に人材が入社を果たしたときに初めて料金が発生する「成功報酬型」が一般的です。そのため、企業にとっては採用活動にかかる費用を抑えながら、人材を見つけていくことができます。
ただし、場合によっては依頼時に着手金(リテーナーフィー)が発生するケースもあるため、事前に料金の仕組みは調べておくとよいでしょう。
人材紹介サービスと人材派遣の違い
人材紹介サービスと人材派遣の違いは、雇用形態にあります。どちらも企業から対価を得て人材を紹介するという点は共通していますが、働く側の待遇はそれぞれ異なります。
人材紹介サービスでは、求人を募る企業と求職者が直接雇用契約を結ぶのが特徴です。それに対して、人材派遣は人材派遣会社と求職者が雇用契約を結び、定められた期間に限定して受け入れ企業に派遣するサービスです。
この場合、雇用主は派遣会社になるため、社会保険の加入手続きなども派遣会社側で行います。人材紹介サービスで採用した求職者については、通常の採用と同じように採用企業が雇用主となるため、保険などの各種手続きも採用企業側が行います。
両者の違いを把握したうえで、サービスを活用していくことが大切です。
人材紹介サービスが求められる理由
現代の人材採用において、人材紹介サービスが必要とされる背景には、労働人口の減少による人手不足があります。
内閣府が公表している「令和4年版 高齢社会白書」によれば、15~64歳のいわゆる生産年齢人口は1995年の8,716万人をピークに減少の一途をたどっており、2030年には6,875万人にまで減る見込みが示されています。
(参照:内閣府『令和4年版高齢社会白書 (図1‐1‐2)』)
労働人口が減少すれば、企業間での採用競争は激化していくため、採用活動の質の向上が求められるようになるでしょう。また、現代はDX(ITやAIなどのデジタル技術を活用した経営革新 )の推進などにともない、高度なスキルを持ったIT人材の需要が急速に高まっています。
その一方で、働き方の多様化や転職の一般化により、企業に求められる条件も幅広くなっているのが現状です。こうした複雑な環境下においては、専門性を持った人材紹介サービスの価値が自然と高まります。
高度なスキルを持った人材を求める企業や、知名度や認知度で不利になりやすい中小企業など、さまざまな企業にとって人材紹介サービスのノウハウが役に立つといえるでしょう。
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人材紹介サービスの主な種類
人材紹介サービスには、大きく分けて次の3つの種類があります。
・一般型(登録型)
・エグゼクティブサーチ(サーチ型)
・アウトプレースメント型(再就職支援型)
ここでは、それぞれの仕組みと特徴について詳しく見ていきましょう。
一般型(登録型)
一般型(登録型)は、人材紹介サービス会社のデータベースに登録された候補者とのマッチングを行ってくれるサービスのことです。ほとんどの人材紹介サービスは一般型を採用しており、一般に人材紹介サービスというときにはこのスタイルを指すケースが多いです。
一般型には、「統合型」と「専門型」の2種類があり、それぞれデータベースの傾向に違いがあります。統合型は幅広い業種や職種の人材を扱っており、カバー範囲の広さを特徴とする形式です。
一方、専門型は特定の業界に特化して人材登録を行うのが特徴であり、細かなニーズに応じてピンポイントで紹介してもらえる点に強みがあります。例えば、エンジニアなどのIT分野、医療・介護など福祉分野の人材紹介サービスでは、専門型が適しているケースが多いです。
エグゼクティブサーチ(サーチ型)
エグゼクティブサーチとは、企業からの求めに応じて、幅広いルートから多様な手段で人材を探すサービスのことです。人材紹介サービス会社のデータベースだけでなく、他社のデータベースやSNSといったさまざまな媒体を駆使して人材を探す方法であり、「スカウト型」と呼ばれることもあります。
特に経営層や上級管理職といったエグゼクティブ層の人材紹介サービスで用いられることが多く、「ヘッドハンティング」の名称でも広く知られています。一般型と比べると、適した人材を探すのに多くの手間や労力がかかることから、「着手金」が発生するタイプのサービスも少なくありません。
そのため、どちらかといえば大量採用よりもピンポイントでの採用に適した方法といえるでしょう。
アウトプレースメント型(再就職支援型)
人材紹介サービスには、リストラや組織再編、事業縮小などで人材を放出する企業が利用するアウトプレースメント(再就職支援型)もあります。人員整理を行う企業の依頼に基づき、法的な知見を通してトラブルの予防・解消を支援したり、専門的な視点から人材のキャリアサポートを行ったりするのがアウトプレースメントの役割です。
アウトプレースメントでは、人材を放出する企業が費用を負担し、新たな受け入れ先を探してもらうこととなります。そのため、採用する企業にとっては、費用を負担せずに人材を確保できるのが大きなメリットです。
人材紹介サービスを活用する5つのメリット
さまざまな採用手法と比べたときに、人材紹介サービスにはどのような利点があるのでしょうか。ここでは次の5つのメリットについて詳しくご紹介します。
・自社にマッチした人材の採用につながりやすい
・採用業務の負担が軽減可能
・初期費用を抑えられる
・非公開での求人も行える
・すぐにサービスを利用できる
自社にマッチした人材の採用につながりやすい
人材紹介サービスのメリットは、マッチ度が高い人材採用を行える点にあります。自社が求める人材の要望をもとに、人材紹介サービス会社が専門的なノウハウを活かしてマッチングを行ってくれるため、採用活動の質が高まりやすいのです。
人材データベースには豊富な情報が保有されているため、採用の目的や必要とする人材像、募集している部門やチームの状態などを細かく伝えることで、精度の高いマッチングが期待できます。
採用業務の負担が軽減可能
人材紹介サービスを活用すれば、採用に関する業務負担を大幅に軽減することが可能です。多くの人材紹介サービス会社では、人材と企業のマッチングはもちろんのこと、候補者との連絡や面談スケジュールの調整、合否連絡といった業務も代行してもらえます。
採用業務のさまざまな部分を任せられるので、自社の人的リソースを温存したまま、その他のコア業務に専念させられるのも大きなメリットです。採用ペルソナの策定や最終面接、内定者フォローといった重要なプロセスにリソースを集中させれば、採用活動全体の質を無理なく高められるでしょう。
初期費用を抑えられる
人材紹介サービス会社は多くの場合で成功報酬型のため、初期費用を気にせず採用活動をスタートできる点が大きなメリットです。また、そもそも母集団形成のための広告費用がかからないので、少人数の人材採用では特に高い費用対効果が見込めます。
非公開での求人も行える
求人情報を外に公開せず、秘密裏に人材採用を進められるのも人材紹介サービスの重要な特徴です。企業が置かれている状況によっては、人材採用を進めている事実を外に知られたくないケースもあります。
例えば、新規プロジェクトの立ち上げ時やシニア層がまとめて退職してしまったときなどは、競合他社に自社の動きを知られると不利に働いてしまう可能性もあるでしょう。人材紹介サービスであれば、外部に情報を出さないまま対象の人材にアプローチをかけられるため、情報流出を避けたいときに有効な手段となります。
すぐにサービスを利用できる
必要な手続きを済ませれば、すぐにサービスを利用できるのも重要なメリットです。一般的に求人広告などを打ち出して応募を待つ場合、事前に広告の作成や掲載の手続きを行う必要があります。
また、情報が公開されるまでに一定のタイムラグが発生し、特に紙媒体の場合は刷り上がるまでに多くの時間がかかってしまいます。そのうえで、広告を打ち出しても確実に応募があるとは限らないため、採用までのスケジュールを逆算しにくいのがデメリットです。
一方、人材紹介サービスでは、会社と契約を結べばヒアリングや応募要項の送付といった手続きだけですぐに人材募集を始められます。さらに、一般型であれば、すでに整備されているデータベースから適した人材を探すことができるため、マッチングまでの時間も大幅に短縮されます。
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人材紹介サービスの3つのデメリット
人材紹介サービスを利用する際には、メリットだけでなくデメリットにも目を向けておく必要があります。ここでは、次の3つのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
・採用にかかる費用がかさむケースがある
・自社に採用ノウハウが蓄積しない
・大量採用には向かない場合もある
採用にかかる費用がかさむケースがある
人材紹介サービスは、1人あたりの採用費用を考えると高くなってしまう場合があります。成功報酬だけでも採用予定者の年収の30~35%程度が相場となるため、通常の採用手法以上に入社後の活躍が見込めるかどうかを厳しく見極めなければなりません。
自社に採用ノウハウが蓄積しない
人材紹介サービスは外部のノウハウを活用する仕組みであるため、社内に採用に関する知識や経験が蓄積されていかない点にも注意が必要です。通年で採用を行う場合には、前年やそれまでの取り組みが重要な判断基準となるため、蓄積がなければそれだけでも不利になってしまうでしょう。
ただ、人材紹介サービス会社によっては、採用時に得られたデータや候補者とのやりとりなどを細かく共有してもらえることもあります。次回以降の取り組みに活かすためにも、積極的にデータを取得しておくことが大切です。
また、実践的なノウハウを身につけるためには、人材紹介サービス以外の手法を同時並行で進めてみるのもよいでしょう。
大量採用には向かない場合もある
人材紹介サービスは、自社に合った人材を個々にマッチングしてもらうサービスであるため、大量の人材を一度に募集するといったケースには向かない面があります。前述のとおり、1人あたりの採用費用は高くなるため、例えば新卒者の通年採用などにはあまり適していません。
専門職を中途採用する場合には人材紹介サービス、一括採用では求人広告のように、状況に応じて使い分けることが肝心です。
人材紹介サービスを利用するときにかかる費用
人材紹介サービスの利用を検討するうえでは、費用の仕組みや相場について把握しておく必要があります。ここでは、人材紹介サービス全般の基本的な料金体系とともに、細かなパターンごとの費用相場についても見ていきましょう。
基本的な料金体系
先にも触れたように、基本的に人材紹介サービスの費用は、採用が成功したときに発生する「成功報酬」の料金体系となっています。紹介手数料の計算方法については、「上限制手数料」と「届出制手数料」の2通りがあります。
上限制手数料とは、採用が決まった人材の賃金のうちの一定割合(6カ月を超えて雇用する場合は6カ月分の賃金の10.8%)を上限に費用が発生する方式です。それに対して、届出制手数料とは人材紹介サービス会社が手数料の種類・金額を表などにまとめ、厚生労働大臣に届出を行って料金を決める方式です。
基本的には人材紹介サービス会社側が自由に料金を決めることができますが、著しく不当である場合には国から変更命令が出される可能性もあります。現在では人材紹介サービスを扱う多くの会社が届出制手数料を採用しており、業界の慣習によって手数料は入社する人材の年収の「30~35%程度」が相場とされています。
一般型の費用
例えば、一般型の人材紹介サービスで、年収500万円の人材の採用が決定した場合について見ていきましょう。まず、上限制手数料では6カ月分の賃金にあたる250万円の10.8%が上限となるため、紹介手数料は「250万円×10.8%=27万円」を上限に発生することとなります。
一方、届出制手数料では仮に35%に設定されていると想定すると、紹介手数料は「500万円×35%=175万円」となります。
エグゼクティブサーチの費用
エグゼクティブサーチの費用は、基本的に一般型よりも高めに設定されています。例えば、届出制手数料を採用している企業では、紹介手数料の割合を36%以上としているケースも少なくありません。
また、会社によっては着手金と紹介手数料の2段階方式で料金を計算することもあります。具体例として、エグゼクティブサーチを取り扱うA社の料金形態を挙げると、次のように設定されています。
エグゼクティブサーチの費用例
着手金 | ・パターン1:300万円 ・パターン2:活動1日あたり10万円 |
---|---|
成功報酬 | ・期間の定めのない雇用契約の場合 双方の合意により、年間賃金の50%または1,000万円のうち高いほうを上限とする・期間の定めのある雇用契約の場合 双方の合意により、雇用期間の賃金(1年を超える場合は最大1年間分)の50%または1,000万円のうち高いほうを上限とする |
アウトプレースメント型の費用
アウトプレースメントでは、前述のように人材を放出する企業側が費用を負担することとなります。費用の相場は1人あたり100万円程度とされているため、例えば5人分のアウトプレースメントを依頼するのであれば500万円が料金の目安です。
ただし、アウトプレースメントではどの範囲まで支援をカバーしてもらえるかによっても費用が異なります。そのため、実際に依頼先を見極めるうえでは、具体的なサポート内容と照らし合わせて費用対効果をじっくりと比較することが大切です。
人材紹介サービスを利用する際のフロー
人材紹介サービスでは、多くのプロセスを人材紹介サービス会社に委託できるため、通常の手法と比べるとシンプルな手順で採用まで進められるのが特徴です。ここでは、実際に利用する際の手順を簡単に確認しておきましょう。
・会社の比較・問い合わせ
・基本契約書の締結
・求人要件のヒアリング・求人票の作成
・サーチ・マッチング
・書類選考
・面接の実施
・採用条件の確認・内定・入社
・手数料の支払い
会社の比較・問い合わせ
まずは気になる人材紹介サービス会社を複数比較して、問い合わせを行います。依頼先を見極める際は、サービス内容や料金体系などを確認するとともに、自社が求める人材の条件も整理しておきましょう。
会社によって得意とする業界や業種が異なる場合もあるため、事前に人材の条件を洗い出しておくと、スムーズに相性のよい依頼先を見つけやすくなります。
基本契約書の締結
依頼したい会社が決まったら、依頼者と依頼先の双方が細かな条件、ルールを確認したうえで基本契約書を締結します。基本的なリーガルチェックとともに、人材紹介サービスでは手数料率や返金のルールといった特有の決めごともあるので、見落としがないように確認しましょう。
なお、一度基本契約を締結すれば、以降は必要なタイミングでいつでも募集がかけられます。採用したい人材に合わせて求人票を作成すれば、その都度すぐに募集が行えるため便利です。
求人要件のヒアリング・求人票の作成
基本契約を締結したら、具体的な求人要件を整理し、求人票としてアウトプットします。求人票の作成は自社で行う場合と、人材紹介サービス会社が行う場合がありますが、いずれの場合も情報の行き違いがないように細やかなコミュニケーションを図ることが大切です。
自社で作成する場合であっても、求人票の内容に関して添削やアドバイスをもらえることがあるので、あらかじめどこまでサポートしてもらえるのかを確かめておくとよいでしょう。人材紹介サービス会社の担当者は、専門的な知見を通して転職市場の状況なども踏まえたアドバイスをしてくれるので、積極的に意見を求めるのがコツです。
サーチ・マッチング
求人票が完成したら、その内容に合わせて人材紹介サービス会社が条件に合う人材をサーチします。求人票のみで応募が集まらない場合は、再度依頼者と打ち合わせをし、その企業で働く魅力や実現できるキャリアプランなどを訴求できるように準備することもあります。
なお、候補者が見つかった場合でも、いきなり依頼元の企業に紹介するわけではありません。先に人材紹介サービス会社の担当者が面談を行い、場合によっては企業の魅力や熱意を伝えながら、候補者の意思確認を進めます。
そのうえで、応募の意思が固まったら、人材紹介サービス会社は候補者の応募書類を取りまとめ、依頼元の企業へ届けてくれます。このときには、履歴書や職務経歴書とともに、なぜ候補者を推薦したのかをまとめた「推薦書」を提出してもらえることもあります。
書類選考
人材紹介サービス会社から送られた書類をもとに、候補者のスキルや経験などを判断しながら選考を行います。推薦書が同封されている場合は、どのような理由で推薦されているのかも細かくチェックし、人柄や自社との相性などを見極めましょう。
なお、記載内容について気になる点があれば、担当者に確認することも可能です。書類選考の結果は人材紹介サービス会社に伝え、そこから候補者に連絡をしてもらいます。
不合格の場合は、その理由についても担当者に伝えておくと、次回以降の紹介の質が高まりやすくなるでしょう。
面接の実施
書類選考後の過程は、通常の人材採用と大きく変わりません。面接のスケジューリングや合否通知などは人材紹介サービス会社が行ってくれるケースが多いですが、面接は社内の担当者が担うのが一般的です。
候補者とは面接が初めての顔合わせとなるため、企業側が人材を見定める場であるだけでなく、人材側から企業が見極められる場でもあることを意識しておきましょう。採用したい人材に対しては、入社の意向が高まるように前向きなコミュニケーションを図ることも重要です。
採用条件の確認・内定・入社
面接を経て、採用基準に達する人材がいれば、人材紹介サービス会社を通じて内定を出します。このとき、採用条件の確認や労働条件交渉、雇用契約の締結などは、人材紹介サービス会社が間に入って行ってくれることが多いです。
手数料の支払い
晴れて候補者が入社したら、人材紹介サービス会社が規定する料金体系に沿って、請求された手数料の支払いを行います。請求書は一般的に、内定者の入社日を起点として発行されるため、支払い漏れがないように注意しましょう。
人材紹介サービスを上手に活用する4つのコツ
人材紹介サービスを上手に活用するためには、企業側もしっかりと下準備を行うことが大切です。ここでは、効果的に活用するためのコツを4つに分けてご紹介します。
・自社の要望をきちんと伝える
・自社ならではのアピールポイントを整理しておく
・合否の判断基準を明確にする
・採用候補者の意向をよく確認する
自社の要望をきちんと伝える
人材紹介サービスでの採用を成功させるには、自社の要望をどこまで正確に伝えられるかがカギを握ります。なぜなら、自社が求める人材像や募集する背景などをきちんと伝えておかなければ、紹介される人材のミスマッチが起こるからです。
具体的には、「ITエンジニアとしての経験が3年以上の人材がほしい」「同業他社よりも待遇面はよいので、休日出勤や残業に前向きな人材を紹介してもらいたい」などの要望が挙げられます。
依頼時には採用方針のすり合わせが行われ、情報が不足する場合は、人材紹介サービス会社の担当者のほうから企業が求める要件などを掘り下げてもらえることもあります。しかし、下準備がない状態では、限られた時間のなかで情報の漏れや不足が生じる可能性も高いといえるでしょう。
そのため、あいまいな基準を示すのではなく、実際に求人票に記載できる程度の具体的なレベルで要望を伝えられるように資料をそろえることが大切です。
自社ならではのアピールポイントを整理しておく
候補者の獲得を円滑に行うためには、自社ならではの訴求ポイントも整理しておくと有効な武器になり得ます。業績や将来性、待遇、福利厚生、組織風土などを競合他社と比較して、自社の強みとなっている部分は事前に整理しておくとよいでしょう。
合否の判断基準を明確にする
採用のマッチングの精度を高めるためには、選考の判断基準の質も高めておく必要があります。自社に合う人材を紹介してもらうためには、人材紹介サービス会社に対して、できるだけ細かく合否の基準を伝えておくことが重要です。
過去の採用データをもとに、どのような人材が基準を満たさなかったのか、どのような人材が採用に至ったのかを具体的な要素とともに伝えておくとよいでしょう。また、人材紹介サービス会社から紹介してもらった人材が残念ながら採用に至らなかった場合は、その理由を整理してフィードバックしておくことも大切です。
採用候補者の意向をよく確認する
人材紹介サービス会社は重要な存在ではありますが、あくまでも仲介役にすぎません。結局のところ、自社と候補者の相性が合わなければ採用にはつなげられないため、担当者を通じて候補者の意向をきちんと確認しておくことが大切となります。
また、現在の市場や業界の動向を踏まえて、求職者がどのような条件を求めているのかを担当者に相談してみるのも一つの方法です。求職者のニーズに合わせて、自社の訴求ポイントをうまく調整できれば、よりスムーズに採用活動を進められるでしょう。
人材紹介サービス会社を選ぶ3つのポイント
現在では数多くの会社が人材紹介サービスを取り扱っており、特徴や仕組みはそれぞれ異なります。採用を成功させるには、相性の合う依頼先を見つけることも重要なポイントといえるでしょう。
人材紹介サービス会社を選ぶ判断基準として、3つのポイントをご紹介します。
・紹介実績
・業界に対する理解度
・サービスの対象となるエリア
紹介実績
まずは、ホームページなどでこれまでの紹介実績を確認することが大切です。掲載されている紹介実績や得意とするジャンルなどをチェックし、自社の業種や会社規模に近い導入事例があるかを確かめておきましょう。
業界に対する理解度
自社の業界に対する理解度は、採用活動の全般において重要なポイントとなります。業界に関する専門的な知見があれば、求人のトレンドや傾向を的確につかみ、有益なアドバイスをしてもらえるでしょう。
業界特有の慣習や相場を知っている担当者なら、求人票の内容に対しても効果的な意見をもらえます。また、自社が事情を相談するときにも、業界に対する理解が深い担当者のほうがスムーズに情報共有できるはずです。
一般的に、業界への理解度は、専門型の会社のほうが高い傾向にあります。しかし、統合型の会社でも、対象業界ごとにチームを設けて専門性を高めているケースがあるので、事前に確認しておきましょう。
サービスの対象となるエリア
意外に見落としがちな判断基準として、サービスの対象エリアが挙げられます。大手の人材紹介サービス会社は、全国をカバーした営業活動を行っていることが多いですが、登録者の多くが大都市圏に集中しているケースもあります。
地方における人材のマッチングが手薄な可能性もあるため、地方での採用を強化したい場合は、その地域に根差した人材紹介サービスを行っている会社にも目を向けてみるとよいでしょう。
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人材紹介サービスの利用が向いているケース
これまで見てきたように、人材紹介サービスは高い利便性を備えたサービスですが、すべての採用事例に適しているわけではありません。状況によってはその他の選択肢のほうが高い効果を発揮する場合もあるため、長所と短所をきちんと理解したうえで活用することが重要です。
ここでは、人材紹介サービスが適しているケースについて見ていきましょう。
採用ノウハウやリソースが不足している
自社に採用ノウハウが不足していたり、リソース不足で採用に人員が回せなかったりする場合には、人材紹介サービスで外部リソースを活用するのが効果的な場合もあります。特に、初めて中途採用を行う場合やピンポイントでエグゼクティブ層の獲得を狙う場合は、どうしてもノウハウが不足しがちです。
豊富な紹介実績のある人材紹介サービス会社であれば、労働市場の動向なども踏まえた適切なアドバイスやサポートを行ってくれます。そのため、さまざまな事情で採用に力を入れられない企業にとっては、特にメリットが大きいといえるでしょう。
人員補充を急いで行う必要がある
急な欠員の補填や事業拡大にともなう補強など、急いで人員補充をしたい場合には人材紹介サービスが効果的です。基本契約書を交わして求人票を作成すれば、すぐに人材募集をかけられるため、動き出しがスピーディなところが利点といえます。
さらに、一般型であれば整備されたデータベースから人材を紹介してもらえるため、マッチングまでの時間も短縮されます。また、臨時的な人員補強の場合は、通年採用と比べると、自社に採用ノウハウを蓄積しても活用の機会が限定されてしまうのが課題です。
その点を踏まえても、人材紹介サービスで外部リソースを活用するほうが効率的であると判断できるでしょう。
即戦力の人材を求めている
専門スキルを持った人材や即戦力の人材を求める場合も、人材紹介サービスが効果を発揮します。これらの人材は求職市場においても希少価値が高いため、自社だけで採用活動を進めても思うように見つからないケースも多いです。
例えば、「DX推進のために新たにIT人材を求める」「新規プロジェクトの立ち上げで経験豊富な部長職をとりたい」といった場合には、採用する企業側にも高度なノウハウが求められます。人材紹介サービス会社を間に挟めば、これらの人材に対してもアプローチできるチャンスが広がるため、積極的に利用を検討してみるとよいでしょう。
まとめ
人材紹介サービスは、人材採用における専門的なノウハウ・知識を持った会社に依頼し、自社と候補者の接点をつくってもらう仕組みです。外部のリソースを活用することで、「社内のリソースを効率的に活用できる」「専門的なノウハウを活かせる」「マッチングが難しいタイプの人材にもアプローチできる」といったさまざまなメリットがあります。
費用は成功報酬制になっているケースが多く、基本的には採用した人材の年収に一定率をかけたものが報酬金額となります。既存の方法で思うように人材が集まらない場合は、人材紹介サービスの活用を検討してみるとよいでしょう。
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(制作協力/株式会社STSデジタル、編集/d’s JOURNAL編集部)
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