採用手法のこれからを考える ダイレクト・ソーシング ジャーナル

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2017.05.25

会社と採用候補者の“相性”を定量化する。独自の選球眼を活かすセプテーニの採用手法

PROFILE

株式会社セプテーニ・ホールディングス

採用企画部 次長 
江崎 修平

2005年、新卒入社。以来、一貫して人事部で採用・人材育成事業を担当。同社が展開しているweb広告ビジネスで得ているリソースを活用し、オンラインリクルーティングを行うなど、先進的な取り組みをしている。

求人倍率が上昇を続けており(厚生労働省の発表によれば、平成29年3月の有効求人倍率は1.45倍)、新卒採用でも学生の取り合いが激化しています。そういった中で、採用競合企業から抜きん出て、自社で活躍する人材を採用するにはどうすればいいのか?

その解決策の1つとして、株式会社セプテーニ・ホールディングスは「オンライン・リクルーティング」を行っています。

応募から面接、そして内々定までweb上で完結させる「オンライン・リクルーティング」を可能にしている理由とは?今回、その詳細を採用企画部 次長 江崎修平氏にお話いただきました。

激しい採用競争に勝つには、どうすればいいのか?

プロフィール画像_セプテーニ江崎氏

セプテーニ・ホールディングスではオンラインでの採用を進め、直接会うことなく内々定まで出すという、非常に先駆的な取り組みを行っています。まずはどのようなきっかけで、この「オンライン・リクルーティング」を始めたのか教えてください。

江崎氏:ご存知のように現在、求人倍率は高まっており、人材の採用が難しくなっています。特に当社のようなweb広告業界は、採用候補になる人たちにとって魅力的な企業が少なくありません。そうした中で、他社と同じ採用手法ではなく、かつ当社で活躍してもらえる人材の獲得をしようという方針になりました。特に、これまでは地方にいたため出会う機会がなかった優秀な学生を採用するための手段としてオンライン・リクルーティングをスタートさせたのです。

実際、2017年度には地方での説明会を行っていますね。

江崎氏:はい。しかし、東京本社へ面接に来てもらおうとしても、交通・宿泊費などのコストや時間の問題で敬遠されてしまい、期待したほどの人数は集まりませんでした。この反省を経て、今年の採用(2018年度)から物理的制約を取り除き、すべての選考をオンラインで行うことになりました。さらに、地方在住の内定者へのフォローとして、VRコンテンツを設け、オンラインでの会社訪問を可能にしています。地方にいながらにして、当社で働くオフィス環境に理解を深めていただけるというわけです。

独自の選球眼を持つことが、オンライン・リクルーティングを可能にした

インタビューに答える江崎氏_その1

なるほど。採用のプロセスを、会社訪問も含め、オンラインで完結させるわけですね。もっともオンラインで選考を進める上で、難しいのが採用基準だと思います。どのようにして、直接会わずに内々定まで出しているのか教えてください。

江崎氏:採用の判断は、面接官が主観で行うのではなく、当社の人的資産研究所が開発した「活躍予測モデル」と呼んでいる、過去から蓄積している採用や評価の人事データを統計分析して作った指標をもとに行っています。

採用の合否は面接官の主観によって決めるのが一般的ですが、それではバイアスがかかり自社に最適な人材を不合格にしてしまうこともあり得ます。そこで、当社に蓄積されている、採用や評価の人事データを統計分析して作った「活躍予測モデル」を使うことで、当社との相性、将来の活躍の可能性を測り、合否を決定することになりました。

統計分析を参考にして判断しているため面接官の主観のみで評価が左右されることはありません。会社と採用候補者の“相性”というものを定量化し、採用を客観化したと言えるでしょう。いわば、「独自の選球眼」があるからこそ、オンライン・リクルーティングが可能なのです。

また「独自の選球眼」で採用候補者を見極めることによって、これまで採用活動を進める上で課題だった、採用競合企業と採用候補者を取り合いになる事態が減りました。当社で活躍する人が分析によってわかるようになり、それをブレイクダウンしたところ、採用基準が変わってきたからです。

面接では志望動機を聞かず、未来予測を伝える

インタビューに答える江崎氏_その3

人事データを基にすることで面接官の主観による判断に頼らず、未来の予測を行うのですね。そうすると面接の仕方そのものが変わってくるのではないでしょうか。

江崎氏:そうですね。例えば、当社では「志望動機」は聞きません。なぜなら、志望動機が明確か不明瞭かは入社後の活躍と関連しない、というデータがあるからです。つまり、志望動機がすらすら言えても活躍するかどうかはわからず、その逆もまたしかりで、聞く必然性がないということです。

面接をしていると、聞きたくなると思いますが、いかがでしょうか。

江崎氏:それは否定できません(笑)。ただ、活躍の判断には関連しないことははっきりしているので、聞かないようにしています。
また当社では、選考自体に時間をかけるのではなく、入社後に活躍できるリアルなイメージを伝えることに時間を割いています。「あなたと同じ思考や行動特性を持った先輩は、2年~3年後にこんな仕事をしていて、10年経ったらこういったプロジェクトを担当しているよ。それと給与はこうだよ」と示したキャリアシミュレーションを資料(多い人で60枚くらい)にまとめて渡す。なんてこともしています。

かなり詳細な情報ですね。

江崎氏:すべて過去から蓄積している採用や評価の人事データの分析に基づいてのことなので、絶対にこうなるとまでは言えないまでも、未来予測を伝えることができるのです。

ちなみに選考の結果、採用を見送ることになった学生に対しても、性格診断の結果は伝えています。「あなたの思考や行動特性にはこういった特徴がある」と伝えることで、今後の就職活動に役立てて貰えればと思っているのです。

採用をお見送りした学生にもアドバイスをするのは、他社ではあまり聞かない取り組みです。

江崎氏:当社の選考を受けていただいた方には、できる限りのフィードバックをしたいのです。こういった取り組みが、会社自体のファンを作っていくことにも繋がると思っているからです。

人事データを蓄積・活用するという自社の文化と強みを活かした

人事データはいつごろから蓄積していたものですか。

江崎氏:2009年の新卒採用時からです。ただ、当初は主に社員の育成を目的にデータの蓄積をはじめていました。どのような人材を採用して、どんな環境でどのように成長したかについてデータを貯め、人材の配置などに活かしながら社員が力を発揮できる環境づくりに寄与していました。

採用は人対人の側面もあると考えられますが、人事データを使うことに社内から抵抗のようなものはありませんでしたか。

江崎氏:それはまったくなかったと思います。当社が主要事業として手がけるweb広告事業においては、運用上データをとってその結果をもとに次回の改善に活かすということを常に行っているので、データを最大限に活用するという考えはとても受け入れやすかったのではないでしょうか。むしろ、社内全体がデータを活用することに向けて協力的でした。

採用を長期的な展望を持って進める

インタビューに答える江崎氏その3

オンライン・リクルーティングは新しい試みですが、その背景には2009年からの人事データの蓄積や分析があり、可能になったということですね。

江崎氏:そうです。人事データについても、良質なものとするために、採用の段階では100以上の項目をデータ化していました。主観評価も1つのデータの因子として蓄積することで、基準に大きなずれは生じなかったはずです。

なるほど。

江崎氏:また、私がこの組織で良かったと思うのが、採用を全社の取り組みとして行っていることです。人事だけで会社全体を動かすのは難しい部分もあります。全社からの理解を得ながら取り組むことでノウハウや情報の蓄積が十分にされているという実感があります。

取材後記

セプテーニ・グループは、グループ全体で人事に注力し、何年にも渡って多くの採用や評価のデータを蓄積することで独自の「活躍予測モデル」を作り、オンライン・リクルーティングによる採用手法を実現させました。この採用手法は、どんな企業でも真似ができるということにはならないでしょう。しかし、「自社の強みやリソースを採用に活かす」という観点で見れば、参考になる部分は十分にあるはずです。

自社の強みやリソースを使うことは、経営層をはじめ、社員も納得感を持って採用に協力してもらえる可能性は高いでしょう。また、セプテーニの取り組みで特筆すべきなのは、他がやっていない手法を試していることです。他社と同じことをしていては、他社に勝つことは難しくなります。とはいえ、まずは他社を知ることは大事です。その上で自社の強みを活かせば、他社に抜き出た採用ができるはずです。その意味で、これからの人事・採用担当者は情報収集やマーケティングのスキルが有用となるでしょう。

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