採用手法のこれからを考える ダイレクト・ソーシング ジャーナル

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2017.06.08

「社員数1000人の会社を変えた」採用の大切さを社内に浸透させるための行動とは

PROFILE

株式会社モザイクワーク

代表取締役 杉浦 二郎

2015年9月まで三幸製菓株式会社にて人事責任者を務め、2016年4月に株式会社モザイクワークを設立。採用プランニングおよびブランディング構築、採用全般における企業アドバイザー等を行っている。

採用は会社を成長させるうえで非常に重要な取り組みです。

一方で、経営層や社員たちが、なかなかその大切さを理解してくれない、あるいは大切だとわかっていても協力が得にくい、という場合があるのではないでしょうか。

もし、採用が上手くいっていないとしたら、その要因は社外にあるのではなく、社内にあるのかもしれません。株式会社モザイクワーク代表取締役の杉浦二郎氏は、三幸製菓株式会社で人事を務めていた際、「会社の成長に貢献する採用を実現するには、社内の意識を変えるしかない」と気づいたそうです。

※この記事は、DODA Recruitersが主催したリクルーター・アカデミーの内容を要約した上で構成しています

まずは自社の置かれている状況を確認する

プロフィール画像_杉浦氏

現在、私は人事コンサルタントとして主に採用支援を行っています。大小さまざまな会社で採用のお手伝いをさせていただいていますが、各社ごとに最適な採用の手法や進め方は違います。これがベストという答えはありません。

そのため各社ごとに採用について熟考し、実行する必要があります。まず手掛けたいのは自社の置かれている状況を知ることです。会社の売上や成長率などのデータから、社内の雰囲気、理念、大切にしていること、業界での立ち位置や採用競合企業など相対的なものまで、把握しておかねばならないでしょう。場合によっては、他社の人事に話を聞きにいくことでヒントを得られます。これらをおさえることで、採用は大きく変わってくるはずです。

また、同時に理解してほしいことがあります。それは会社に最適な人材は、会社の現状に合致する人材だということ。良い人材が欲しいのは、人事を担当する多くの方が持つ思いでしょう。しかし良い人材とは多くの場合、定義があいまいで、ともすればコミュニケーション能力や論理的思考など、一般的に良いとされているものを求めがちになります。

私は、良い人材とは長く活躍する人材だと考えています。1年、2年で辞めるのではなく、5年、10年、20年と活躍する人材こそが、良い人材なのではないでしょうか。そういった人材がいることで、会社が成長していくからです。

社内の合意形成は人事の必須業務

講義をする杉浦さん

人事をしていると、経営陣や現場の社員たちに採用の大切さをなかなか理解してもらえない、大切だとわかっているが協力は得られない、ということが少なからずあるのではないでしょうか。採用は人事だけで完結できません。よく言われることですが、社内の意志を統一して全員の気持ちを採用に向かわせることはやはり大事なことです。

私が以前人事として在籍していた三幸製菓での出来事をご紹介いたします。三幸製菓は新潟に本社を置く米菓メーカーで、業界の売上ランキングは8位、社員数は1000人を超えます。なかなかの規模と言えますが、三幸製菓をよく知っているという人はまだ少ないのではないでしょうか。

業界の売上ランキング1位の会社とは知名度も規模も圧倒的な差をつけられていますし、業界の外に目を転じてみますと、より大きくて有名な会社は数多くありました。つまり、三幸製菓も現状を理解し独自の採用戦略を立てなければならない企業群の一つだったのです。

ところが、私が人事を担当した当初は、採用に対し理解があるとは言い難い状況でした。採用予算は極めて少なく、社員に面接を頼めば忙しいから故に消極的、採用活動で東京に出張していたら、それは東京の社員に任せるようにと新潟に呼び戻されたこともあるほどです。

採用手法としても、オーソドックスな求人広告を新卒求人サイトに出稿するのが主な進め方でした。このままでは勝負になりません。実際、単純に応募数を比較しても業界1位の会社と100倍近くの差をつけられていました。この状況を打破しなければならないと、強く思いました。

なぜなら、もし会社が新潟のイチメーカーのままでいいと考えているのなら、採用活動に手を加えなくても良かったかもしれません。しかし、会社はナショナルブランドへの成長を志していました。人事担当としては、当然会社に働きかけるべきところです。全国区の会社を目指すならPRに力を入れるべきだ、それには採用を利用するのがいい、と強調しました。

会社に対する学生からのイメージ調査も行い、他社に比べ圧倒的無名であることも経営層に突きつけました。イメージ調査では、米菓メーカーという響きから、老舗で伝統を重んじているように見られており、求人広告に応募してくれる人たちは会社に安定を求められていることも浮かび上がってきました。

しかし、自社の現状を分析すると、実際には米菓メーカーの中では歴史の浅い新興企業で、成長意欲が強い会社だということが判明し、応募者である学生たちとの意識と大きく食い違いがありました。このままの採用を続けていてはダメで、変えるべきだと繰り返しました。

人事として社内営業をした

講義をする杉浦さん_その2

もちろん声高に叫び、データを示したところで、社内の採用に対する意識がすぐに変わるまでに至りません。経営層や現場で活躍する社員達に採用は大事だという意識を持ってもらうために、社内を説得して回りました。

役員会で採用の大切さをプレゼンするのはもちろんのこと、事あるごとに採用って大事ですよね、という話をしました。社員が集まる会に出席して採用の話をし、誰かと会えば立ち話のついでに採用の話をする。飲み会の席でも、やっぱり採用の話をしていました。非常に泥臭い活動ですが、地道に続けました。

すると「杉浦が、あそこまで言うのだから大切なことかもしれない」と採用が徐々に注目されはじめ、社長が全体会議で採用について触れるまでになり、予算も大幅にアップしたのです。

何が言いたいのかというと、社員数1000人を超える規模でも、人事がたった数名(当時は6名)しかいなくても、変えることはできるということです。さらには、三幸製菓はどちらかと言えば、トップダウン型だったと思います。業界の新興企業でしたが、例えばITベンチャーのようなフランクさはありません。それでも、道は切り開いていけます。やるだけのことはやってみる価値はあるのではないでしょうか。

採用の見直しが、会社の成長に貢献する

講義をする杉浦さん_その3

社内の採用に対する意識を変えた結果、三幸製菓は「日本一短いES」や「カフェテリア採用」などを実施しました。多数のメディアにも取り上げられたので、ご存知の方もいるかもしれません。

ただ、当たり前のことですが、奇抜さを狙ったのではありません。自社の現状を理解し、どのような人材を採用すべきかが明確になったので、それに合わせて選抜方法を変えたのです。もっとも、こういった取り組みは若手社員を中心に非常に関心を集め、採用活動に協力をお願いしたい時、例えば「先輩社員の座談会を動画で配信する際の撮影協力など」に積極的に参加してくれるようになりました。

そして、採用活動の最終的なゴールである入社した人材が活躍し、会社の成長を促すことにも貢献できていると思います。必ずしも採用活動の結果だけではないのですが、売り上げが落ちていた2013年に採用方針を変更して以降、三幸製菓の売上は伸び続けており、業界の売上ランキングに至っては現在2位です。

会社の売上グラフ

このように、良い採用は会社の成長に繋がると考えてみてください。何よりも社員達のほとんどが、こだわった採用をしているからこそ、新入社員達をしっかりと受け入れなければならない。という意識を高く持つようになったと思います。

冒頭でも触れましたが、人事にとって採用の大切さが社内に理解されないのは、大変辛いことです。ただ、地道に活動すれば、思いは伝わります。それは会社の規模の大小に関係は無いと、私は思っています。

まとめ

会社の成長に繋がる採用活動をするには、社内を見直すことが欠かせないと杉浦氏は主張します。自社の現状を確認することが、まずは第一歩、自分を知ることで戦い方が見えてくるということでしょう。そのうえで会社が一丸となることも要求されます。会社を動かすのは簡単なことはありません。
しかし、熱意や情熱、思いがあれば、少しずつでも状況は変わってくるはずです。1000人規模の会社を変えた杉浦氏が好例と言えるでしょう。

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