採用手法のこれからを考える ダイレクト・ソーシング ジャーナル

DODA 中途採用をお考えの方へ

【精神障がい者 雇用義務化】で何が変わる?採用担当がおさえるべきポイントとは

公開日:2018.03.14

PROFILE

ダイレクト・ソーシング ジャーナル
編集部

平成30年(2018年)4月1日より、精神障がいのある方の雇用義務化が始まります厚生労働省発表資料はこちら)。これまでも『障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)』にて、障がい者雇用に関して定められていましたが、今までと何が異なるのでしょうか。また、精神障がい者の方を採用する際に意識すべき点はあるのでしょうか。このタイミングで改めて「精神障がい者採用(精神障害者採用)」について正しく理解しておきましょう。

民間企業は、障がい者を一定の割合で雇用する義務がある

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)』では、“障がい者が地域の一員として共に暮らし、共に働くことは当たり前であり、一般労働者と同様に障がい者も常用労働者となる機会がある”と考えられています。そこで、障害者の雇用と在宅就労の促進を目的に『障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)』にて、常用労働者の数に対する障がい者雇用の割合を設定し、達成義務を課しているのです。

法定雇用率の対象になっていたのは、「身体障がい者と知的障がい者」のみでした(下記図参照)。平成18年(2006年)4月1日『障害者雇用促進法』の改正にあたって、それまで法定雇用率を計算するときに、身体障がい者・知的障がい者に加え精神障がい者の方も対象としてよいことになったのです。しかし、それはあくまでも、精神障がい者を雇っている場合は、身体障がい者・知的障がい者と“みなす”ことで、雇用の数としてカウントしてもよかったのです。

平成30年(2018年)4月以降の「精神障がい者の雇用義務化」で変わること

変更点① 法定雇用率を算出する際、「精神障がいがある方」の人数も考慮対象になる

今回の変更点の1つとして、精神障がい者が雇用義務に含まれることで、法定雇用率の算定基礎に「精神障がい者」を含めて算出できるようになりました。上記で説明した通り、今までは「精神障がい者」はあくまでも「身体障がい者・知的障がい者」とみなしていましたが、これからは障がい者種別に制限がなくなり、精神障がい者を「精神障がい者」としてカウントできるようになったのです。つまり、算出方法は以下のように変更されます。
法定雇用率を算出

変更点② 民間企業の法定雇用率が2.2%へ引き上げられる

障がい者の民間企業および、国・地方公共団体、教育委員会など義務づけられている、障がい者雇用の割合(法定雇用決定率)が変更になります。例えば、平成30年3月時点で、従業員50名以上の民間企業の障がい者雇用率は2.0%でしたが、平成30年4月より2.2%へと引き上げられることになりました。
法定雇用率引き上げ

注意点①:平成33年(2021年)4月までの間に、さらに0.1%引き上げとなる

この際、注意しておきたいことがあります。平成30年4月1日より3年経過までの間に、さらに民間企業の法定雇用率は2.3%となり、0.1%引き上げになります。具体的な引き上げ時期は労働政策審議会において議論がなされ、そこで決定となりますが、引き上げになることは既に決定しています。あくまでも平成30年4月~は経過措置としての期間となっていることに留意する必要があります。

注意点②:対象となる企業も、「従業員数45.5名以上の企業」へと変更になる

さらにもう1つ注意点があります。今まで、該当する事業主の範囲は従業員50人以上でしたが、今回の改定に伴い「従業員45.5名以上(つまり46名以上)」に変更になります。さらに、平成33年4月までには、「従業員43.5名以上(つまり44名以上)」と変更になります。現状、自社の従業員数が該当している企業は意識付けしておくとよいでしょう。

法定雇用率を達成できない場合はどうなる?

法定雇用率を達成できない場合はどうなる?

ロクイチ調査で、障がい者雇用状況を報告する

なお、民間企業は毎年6月1日に、現在の障がい者(身体障がい者・知的障がい者・精神障がい者)の雇用に関する状況を、障がい者雇用状況報告書にまとめ、所在地を管轄するハローワークに提出することが必須となっています(通称:ロクイチ調査)。報告義務のあるのは、法定雇用率の該当となる50名以上の事業主となります(平成30年4月1日からは、45.5名以上の事業主)。なお、その集計結果は厚生労働省により報道発表されます
また、『障害者雇用促進法』78条の3において、従業員数が50名以上の民間企業では、“障害者雇用推進者”を選定するように努めなければならないとされています。あくまでも努力義務でありますが、障がい者の雇用継続を図るために重要な立場となりますので、選出しておきましょう。

雇用率が未達成であり、一定の基準を下回る場合、その事業主に対し、雇い入れ計画の作成および、それに基づく行政の指導が入ります。それにも関わらず障がい者雇用に取り組まなかった場合には、厚生労働省大臣によって企業名が公表されてしまいます。

法定人数を満たしていない場合に徴収される『障害者雇用納付金制度』とは

法定雇用率の対象になっていながら、法定人数に満たしていない場合、『障害者雇用納付金制度』の元で、納付金が徴収されます。現状では、100名以上の民間企業を対象に、障がい者1人あたり50,000円が徴収と定められています(ただし、200名超300名以下の事業主に関しては、平成32年(2020年)3月まで納付金が40,000円への減額が適用されます)。なお、従業員数が100名以下の民間企業は納付金の対象にはなりません。
ここで注意しなければならないのは、雇用納付金制度は決して罰金制度ではありません。納付金を払ったとしても、障がい者雇用義務が免除されるわけではないので、自社の比率に応じた障がい者の雇用を推進していく必要があります。

精神障がいのある方を雇用するときに、企業が意識すべきこと

では今後、精神障がいのある方を採用する場合、企業側はどのようなことに意識するとよいのでしょうか。雇用する際に企業側が準備しておくことがありますので、事前にしっかり押さえておきましょう。
精神障がいのある方を採用するときに、意識すべきこと

「障がいの種類・状態」を正しく理解し、任せたい業務を検討する

精神障がいとは、“精神疾患が生じ、日常生活や社会活動に困難をきたす状態のこと”を指します。統合失調症や気分障がい(うつ)など、精神障がいにはさまざまな症状がありますし、発症にいたる背景もさまざま。正しい知識を有することで、企業も就業者もお互い不安を感じることなく働くことができます。
また同時に「自社ではどんな仕事を任せることができるのか」「どんな環境を用意すればいいのか(通勤のことを考慮し勤務時間を調整する、気が散ってしまうため、集中するためのパーテーションを用意…など)」を整理する必要があります。状態を把握し、配慮した上で配属させることが障がい者採用を成功するポイントになります。

業務において「見える化」「ルール化」を行う

精神障がいがある方の場合、少しでも「不安・分からない」状態に陥ってしまうと、混乱・パニックになってしまうケースがあるようです。そこで「担当してもらう業務をルール化し、見える化」を行い、困ったときでも一目で理解できる状態をつくっておく必要があります。そのため、雇用主側で以下を用意・整備しておくことが大事です。

<事前に準備しておくこと>
 ・フローに沿ってできるように、作業を分解する
 ・図やイラスト、写真を用いた、マニュアル作成
 ・分解した作業毎に役割を決める(作業分担する)
 ・To Doやタスク、進行状況など、すべて可視化する
 ・作業に入る前に必ず、トレーニング・研修を行い、一連の流れを経験させる

ルール化されていると、皆が安心して働くことができ、生産性向上にもつながります。任せたい業務は必ず「見える化」しておくようにしましょう。

支援機関を上手に活用する

企業で働くと、業務や人間関係、自身のキャリアといった悩みを抱えることも出てくることは当然です。それは、障がいがある方も同様です。しかしながら、企業だけで解決しなければならない…ということはありません。産業医や主治医・支援機関を含む福祉機関、障害者就労支援センターなど、第三者機関と連携しておくことが必要です。専門的な知見による支援は必ず重要になります。障がいある方の相談内容に応えられる状態にできるようにしておきましょう。

パーソルチャレンジ株式会社(旧社名:株式会社フロンティアチャレンジ)では、「障がい者雇用を成功させる。」をミッションに、障がい者雇用の成功に向け、人材紹介や採用代行、定着支援など、さまざまなコンサルテーションを行っております。興味ある方は是非お問い合わせください。
企業のお問い合わせはこちら

【まとめ】

今回改めて、障害ある方の雇用範囲が広がりました。しかし、注意しなければならないのは、「単に数あわせの雇用はしてはいけない」ということです。障がいを持つ人も「社会とつながりたい」「社会で働きたい」という想いを持っている方は多く、そんな彼らのスキルや力を存分に発揮できる仕事は必ずあります。何よりも大事なのは、障がいある人の実情を把握し、それに適した社内環境を整備することです。上記でもでてきましたが、以下ポイントを正しく理解し、障がい者採用に向き合う必要があるでしょう。

1.障がいの内容を把握し、自社で障がい者に合う仕事は何かを考える
2.障がい者を雇用する場合、現状の会社においての問題点を考える(環境整備、教育体制など)

雇い入れた後のことも想定し、事前に体制を整えておくことが求められます。国や民間が行っている「障がい者採用支援サービス」を上手に取り入れながら、適切な雇用を行うようにしましょう。

Facebook

Twitter

はてなブックマーク

このエントリーをはてなブックマークに追加

  • HOME
  • TREND(トレンド)
  • 【精神障がい者 雇用義務化】で何が変わる?採用担当がおさえるべきポイントとは

ご案内・お問い合わせ

DODAでは「人材採用の課題解決を支援する」さまざまなサービス・情報をご提供しております

DODA/採用支援サービスについて お問い合わせ

TOPに戻ります