これでもう困らない!求人票の書き方大全【完全版テンプレート付】

d’s JOURNAL編集部

編集記者 鈴政武尊

プロフィール

自社の求職活動の一環で、ハローワークへの求人票や採用ホームページ、求人広告を作成することがあります。

実はこの求人票に関して、求職者を惹きつける書き方や表記が禁止されているワードがあることをご存知ですか?応募を集めるために魅力的な求人内容にするべきですが、記載内容にNGが見つかると法令違反となる場合もあります。

求人票の書き方について資料をまとめましたので、最後までご覧ください。

doda求人制作ディレクターが教える!求人票の書き方ポイント

doda求人制作ディレクターが教える!求人票の書き方ポイント

魅力的な求人を世に出して、自社の求める最適な人材を確保したい――。しかしながら求人票や求人広告の書き方などには、しっかり押さえておきたい表現ポイントのほか、法的規制により明記すべき項目や禁止表現が存在します。これらは法律によって定められており、違反した事業所や企業などには法令に応じて罰金や行政指導を受ける可能性がありますので、しっかりポイントを押さえて、応募が集まる魅力的な求人票や求人広告、採用HPなどをつくっていきましょう。

本稿の随所に資料「これが決定版!求人票の書き方大全【テンプレート一式】」をダウロードできるリンクボタンがあります。資料には求人票を作る下地に活用できる「下書きシート」「ヒアリングシート」があり、実際の求人票のテンプレートと書き方の注意点をまとめたシートも付属します。さらに「求人表記NG事例集」やWebなどの検索に自社の求人が上がりやすくなる「頻出 検索フリーワード集」も同時にダウンロードできます。ぜひご活用ください。

●魅力ある求人に仕上げるために、押さえておくべきこと

まずは基本的な求人票の書き方について押さえておきましょう。求人票に関して、最低限記載すべき項目があります。この機会に把握しておきましょう。

・業務内容・労働契約の期間
・就業場所・就業時間(始業~終業)、残業(所定労働時間を超える労働)の有無、休憩時間と休日
・給与(賞与などは別途規定と記載あり)
・社会保険(健康保険、厚生年金、労働者災害補償保険、雇用保険)の有無など

さて、いざ求人票を作るとなると、どのような工程で作成を進めていくのが良いでしょうか。当然、仕事内容や待遇を正確に記載することは必須。その上で、求める人物像を明確化したターゲティングやペルソナの設定、その人物が求めるニーズ(求職の動機や入社に求める条件など)を抽出し、求人票に落とし込んでいく作業となっていきます。

まずは…、

⦁ 配属部署などに条件・求める人材像などをしっかりとヒアリングする
⦁ 法的規制や表記NG事例を把握して、記載内容を精査する
⦁ 応募を増やすキーワードを随所に盛り込んで魅力のある求人票に仕上げる

…などと、こうした工程をたどると良さそうです。上記のフローは「これが決定版!求人票の書き方大全【テンプレート一式】」内ですべてワークシート化していますので、ぜひ資料内のガイドに沿ってご活用ください。

そして、ターゲティングやペルソナ設定、自社の求人の魅力をワークシートで整理した後は、求人票に記載するために表現を工夫する必要があります。求職者が求人票で見ているのは主に4つの項目。それは仕事内容、就業場所、給与、休日数です。これらは基本的な情報のため必ず記載する項目ですが、表記を少し工夫することにより、自社の就業環境をアピールする訴求ポイントにもなります。以下にまとめました。

【1】求職者が求めるデータや情報を外さず記載する
例えば、月平均の残業時間、年間休日数、配属先部署の組織構成、製品・商品やサービスの市場優位性など、求職者がなぜ就職したいのか、その動機や求める条件を把握して、知りたい情報をしっかり伝えることが大事となります。残業時間の少ない職場を求めている人なら「当社の残業時間は平均で○○以内。定時を超えないために普段からメンバー内で相互フォローして業務が誰か一人に偏らないよう体制を整えています」など、実績と共になぜそれが実現できたかなどの根拠を添えて記載すると説得力がアップします。また、募集職種へうまくマッチングができるよう、活かせる経験やスキルなどもガイドとして明記することも効果的です。

【2】よく検索されるHOTワードを求人票内に盛り込む
時代はニューノーマル。新型コロナウイルス流行により私たちの働き方は大きく変わりました。そこで大きく注目を浴びたのが、「テレワーク」「オンライン面接」などのオンラインコミュニケーションツールを使用した新しい働き方と採用の仕方です。こうした時流に合わせて、職場の環境に合致するHOTワードを求人票へ盛り込むことによって、検索数や応募数が向上します。もちろん自社にその環境を整えていることは大前提なのですが――。(記載例:完全テレワーク制導入、ジョブ型採用実施企業、育休・産休実績多数、研修制度充実、完全週休2日制、服装自由、クルマ通勤可、費用は会社全額負担など)

【3】会社の情報をたくさん開示する
例えば、会社の環境整備で取り組んでいること、面接でよく聞く質問を公開すること、あるいは将来的に一緒に働くであろう自社の社員(先輩や上司など)を求人票などで紹介することにより、求職者は親近感を得たり、採用の準備ができたり、入りたい会社のことをより深く理解することにつながります。なるべく詳細に伝えてあげることがポイントとなります。(あると良い記載項目例:生産体制、使用するツール類、取引実績、研修制度の詳細、既存社員の人柄紹介、業績好調の理由、キャリアステップ詳細など)

【4】内定までのフォロー体制を紹介する
求職者は選考から内定まで不安な日々を過ごします。その間、内定承諾率の向上や入社後ギャップを防ぐ手段として有効といわれるオンボーディングや内定者向けオリエンテーションなどを実施する企業もあります。そうした内定後のフォローや入社後の業務合流までのフローを整え、かつ明記することにより、求職者は入社後の自分をイメージしやすくなります。

情報は詳細に求人票へ記載すればするほど効果は倍増していきます。それだけに求人票の書き方はとても重要なのです。リンク先にある「これが決定版!求人票の書き方大全【テンプレート一式】」を活用して自社の採用力をアップできますし、また「採用決定力が向上!ターゲット・ペルソナ設定実践シート」と併せて活用することで、より大きな効果が期待できるでしょう。

魅力ある求人に仕上げるために、押さえておくべきこと

絶対に記載してはいけないNG表現を知る

求人票は、法的規制により表記がNGとなる表現があります。では、どのような種類があるのでしょうか。いくつか見ていきましょう。

●人権侵害・就職差別

人権侵害や就職差別などによって、均等な雇用の機会を損なってはなりません。求める人物像を、求める側の主観的なイメージにより限定することも不可です。また、表記・表現によっては、差別を助長すると受け取られる可能性があるため、細心の注意を払う必要があります。例えば国籍、性差、宗教、年齢、出身地や居住地によって差別や区別するような表記はあってはなりません。

※業務を行う上でどちらかの性別でなければならない理由がある「適用除外職種」として認められている求人は例外とされており、性別を限定しても違反にはなりません。

●第三者の権利侵害、不正競争、不法行為

第三者の権利を侵害するものや虚偽にあたるもの、公序良俗に反する表現や文言は表記NGです。誇大または曖昧な表現により、求職者の誤解・誤認を招くものも表記は不可となります。例えば、実態よりも著しく優位であるような誤認を与えるおそれのある表現や事実に基づかない虚偽の表記などは行ってはいけません。

●実態と異なる好労働条件などを記載する

会社の風土や環境を魅力的に表現することは悪いことではありません。しかしあえて事実から大きくかい離した好条件を記載して、求職者を誤解させて応募を集めることは禁止されています。もちろん企業や組織の経営状況や取り組むべき業態が1年後に変わってしまったなど、求人内容作成時から労働条件が変わることも有り得ます。その際は応募者にしっかりと説明を実施することが大事です。

具体的なNG事例を知りたい方は以下のリンクより資料をダウンロードしてみてください。特に2018年1月1日より職業安定法が改正され、求人票には「業務内容」「契約期間」「給与等の待遇面」に加え、「固定残業代」「裁量労働制適用の有無」なども明示が必要です。正しく表現・記載するためにも、しっかりとこれらを把握することが大事です。

記載してはいけないNG表現とは

求人票は法的規制により記載するべき内容が決まっている

求人票に記載する際には法的規制により下記のように、必ず記載しなければならない項目や、記載してはいけない情報・項目が存在します。求人に関連する法規を紹介しています。人事に携わる方にとっては必ず把握しておきたい法規となっています。この機会にぜひ押さえておきましょう。

●労働基準法

ハローワークや人材サービスなどへ求人申込みをする際や、ホームページなどで募集を行う場合は、労働契約締結までの間、同法律により労働条件通知書などへ労働条件を通知することが必要です。

●最低賃金法

最低賃金法により、都道府県別府県別に時間額・日報が定められています。この金額を下回っての募集をかけることはNG。ちなみに最低賃金は、毎年10月に改訂されます。まずは厚生労働省のHP『地域別最低賃金の全国一覧』などを事前に確認しておくことをおすすめします。

●男女雇用機会均等法

性別による雇用差別を無くし、そして守るために、国により改正男女雇用機会均等法が制定されています。そのためどちらか一方の性別のみに限定して訴求する募集や、性の区別によって給与・待遇などの条件を変えての記載はNGとなります。

※業務を行う上でどちらかの性別でなければならない理由がある「適用除外職種」として認められている求人は例外とされており、性別を限定しても違反にはなりません。

●雇用対策法

事業主は求人の募集や採用について、年齢に関わりなく均等な機会を与えなければならないとされています。年齢制限の禁止が義務化されているため、求人票には年齢による制限をしてはいけません。ただし、雇用対策法施行規則<第1条の3 第1項 3号>に基づき「年齢制限例外事由」を記載することで表記が許される事例があります。詳細は、厚生労働省のHP『募集・採用における年齢制限禁止について』や「表記してはいけない求人票のNG事例集」などから確認してみてください。

●職業安定法

2018年1月1日に職業安定法の改正が施工されました。主な内容は、事業者側が求職者を募集する際、「求人情報に掲載する労働条件の明示内容」や「労働条件変更時の明示方法」について。また、法規の中では、労働者が変更内容を認識した上で、労働契約を締結するかどうか考える時間が確保されるよう、労働条件などが確定した後、可能な限り速やかに変更明示をしなければならないことを規定しています。

求人票や求人広告を作る際は、これらの法律といくつか押さえておくべき記載項目があります。雇用に関する法的規則をしっかり理解しておくことで正しい求人票を作成することができます。

求人票は法的規制により記載するべき内容が決まっている

【まとめ】

求人票は、その書き方や法的規制により表現が限られている側面もありますが、いくつかのルールを押さえておけば、求職者の心に響く魅力的な表現や記載が可能になります。ポイントは時節柄のトレンドワードを求人票に散りばめながら、求める人物像に刺さる情報を届けることです。求人票作成の初心者であっても、「<決定版>求人票の書き方大全【テンプレート一式】」などのワークシートを活用することによって、応募の集まる求人票に仕上げることができます。作成のノウハウが貯まったら応用として求人広告など高度なドキュメントにも挑戦してみると良いでしょう。

編集/d’s JOURNAL編集部

<決定版>求人票の書き方大全【テンプレート一式】

資料をダウンロード