求人メディアで訴求 | 業種や職種でこんなにもアプローチが違う!?自社の魅力付けポイントを解説【業種・職種別 求人メディア キャッチコピー集付】

企業が採用活動を行う上で、求人広告など求人メディアを活用するシーンも一般的となりました。しかしこれらのメディアで、自社の魅力(訴求ポイント)をしっかりと踏まえて打ち出しているでしょうか。

今回は、同じ職種の募集でも業界が違えばその訴求も変わっていく、求人の魅力付けに関して説明するとともに、業種や職種で変わってくる適切な訴求ポイントに関しても紹介します。

本コラムでは、求人メディアに活用できる「業種・職種別 求人メディア キャッチコピー集」もご用意しています。本資料ではパーソルキャリアが提供する求人メディア「doda」より反響のあった求人広告の中から厳選して21業種、40職種の代表的な事例を再編集して揃えております。採用したい候補者に合わせたキャッチコピー集です。ぜひご活用ください。

求人活動の効果を最大限に高める求人メディア(媒体)とは

近年、企業が行う採用活動も多様性を帯びてきました。各企業が工夫を凝らした採用活動を行っており、最近では、オンラインでの採用活動の拡大やコスト観点、感染症対策なども考慮されるようになってきています。

採用方法にもさまざまな種類があり、ハローワークや企業説明会、人材サービス会社の展開する人材紹介サービスや求人広告の活用、あるいはリファラル採用や自社採用ページなど多岐にわたります。

特に自社の採用を進める上で、求人メディアや自社採用ページなどといった求人メディアの選択はメリットとなるはずです。活用次第では低コストで運用できたり、Webで展開するため多くの求職者の目に留まりやすく採用ブランディングと相性が良かったり、自社の認知拡大や母集団形成の大きな一助となるでしょう。

しかしながら自社の魅力を打ち出してアプローチするとなると、単なる自社のスペックや就業環境を求人票に羅列するだけでは、求職者の興味を引くのはとても難しいものとなります。そこで求人メディアのアプローチポイントとなる、自社の強みや魅力を明らかにするところから始めるとよいでしょう。

押さえておきたい自社の強みや魅力を明らかにするポイントとは

● 採用ターゲットやペルソナを明確にする

ブランディングやマーケティングのシーンでは、「ターゲット」「ペルソナ」という言葉を目にします。目指したい結果に向けて、まずはどんな人にメッセージを届けるべきかを決めることです。集客や販促などあらゆる起点となるこのターゲティングやペルソナ設定ですが、これは採用においても同じように活用ができます。

こうした人物像を明らかにすることで、おのずとその人物が欲している求人情報も絞られてきます。例えば、「残業が多くて就業環境を変えたい」「転勤せずにリモートワークで仕事がしたい」などです。こうした潜在ニーズに合致する環境や制度が自社にあれば、あるいは新たに整えることができれば――、採用ターゲット・ペルソナ設定をした方々が魅力に感じる自社の強みを伝えられるようになります。

採用ターゲットやペルソナを定める際には、ぜひ配属予定先の社員へヒアリングしてください。入社後の活躍イメージや求める人物像を明確化できるうえに、より精度の高い採用ターゲット・ペルソナ像をつくり上げることができるでしょう。

● アプローチポイントの見つけ方

採用活動における自社の強みとは、求職者の「この会社に入社したい理由」とイコールと言ってもいいでしょう。求職者を惹きつける「自社の強み」、つまりアプローチポイントとは求職者の志向(潜在ニーズ)なのです。

それではどのように見つけ出すことがベストなのでしょう。実はアプローチポイントは、同じような会社規模でも業種や職種、そして経験者か未経験者かによってだいぶ違ってくるのです。例えば、営業職でも業種(業界)が違えば、応募における母集団形成の難度も変わってくるというものです。

そのため自社が位置する業界をよく理解して、求職者の流動性やボリューム、志向性などを把握するところから始めるとよいでしょう。なおd’s JOURNALでは、転職市場における業種(業界)・職種別のマーケットレポートをご用意していますので、そちらもご活用ください。

さて、業界研究が終わったところで本題です。近年、求職者のニーズや志向性は、働き方を大事にしたり、将来的なキャリア設計を重視したり、待遇や就業環境を第一に考えていたりと、少しずつ変化しています。最近の入社の決め手となる代表的な項目は、「フレキシブルに働き方を選べる」、「自身の成長が実感できる」、「希望の勤務地で活躍できる」などでしょうか。

いずれにしてもアプローチポイントとは、自社の自慢するべきポイントではなく、求職者の背景に共感して、そのニーズを掘り起こした先につくられるものだと言えます。それゆえにそのニーズに合ったアプローチをしていくことが大事なのです。

● 採用メディア(媒体)を選定する

一言に採用メディア(媒体)と言っても、さまざまな種類があります。代表的なもので言えば、自社採用ページや人材サービス各社が提供する求人メディア(例:「doda」 by PERSOL)。最近ではSNS上での展開なども活況です。

求人メディアには掲載できる文字数・画像数に限りがあるものや、自社をアプローチするコピーなどを付けられるもの、動画で社内の様子を紹介できるメディアなども存在します。自社がアプローチポイントとしたい情報はどのメディアで提供していくのかは検討の余地があるでしょう。

例えば、「誰もが知る有名なプロダクト(商品・サービス)に携われる」「社員全員が笑顔で活躍できる職場」など、アプローチによっては、文字、あるいは動画など、その表現については適切なメディアがあるはずです。自社がアプローチしたい強みや魅力について、その表現を最大化できるメディアの選定は大事なのです。

自社の強みのつくり方と業種・職種別に注意するポイント

当然ですが、自社の強みは求職者に納得してもらったり、共感してもらえるものでなくてはなりません。例えば、「有名な商品・サービスを扱えること」「年間休日が多い職場」がアプローチポイントだとしても、単にそれを全面に出すだけでは求職者に振り向いてはもらえません。

その強みのポイントをベースに、入社後どのような活躍ができるのか、あるいは求職者にとってどのようなメリットをもたらしてくれるかを短いエピソードにまとめることができれば、求職者にアピールすることが十分に可能です。こうしたアプローチポイントは、「求人キャッチコピーとそのボディコピー」としてまとめるとあらゆるメディアでの応用が可能となります。

まずは「求人メディアのキャッチコピー」をつくってみましょう。

● 求人メディアのキャッチコピーのつくり方

先ほど採用ターゲット・ペルソナを定めることが大事だというお話をしました。これらを設定した次に考えることは、採用ターゲットに何を伝えたいのかという「コンセプト」づくりが必要です。コンセプトは一本筋の通った、効果的な求人キャッチコピーをつくる上で重要な項目の一つとなります。

ざっとフレームワークをご紹介します。

1.採用ターゲットとペルソナをイメージし、どんな情報を求めているのか検討する
2.自社の訴求内容を洗い出す(3C分析など※)
3.どの訴求内容であれば、採用ターゲット・ペルソナが応募へと動いてくれるのか考える

※3C分析については、『人材獲得競争に打ち勝つための採用ブランディング』を参照ください。

最終的に、訴求内容は一つに絞り込み、それを短いコピーに落とし込んでいきます。つまりもっともターゲットに「刺さる」内容を見つることがこの作業のゴールとなります。繰り返しになりますが、この工程を補うものとして、社員へのヒアリングも有効です。現場の情報は何よりもキャッチコピーの精度を上げる重要な要素となるからです。なお、キャッチコピーのつくり方の詳細はこちらの記事をご覧ください。

● 業種・職種、あるいは経験・未経験によってコピーは変わる

まずは下記の一例をご覧ください。これは同じ営業職を募集する求人キャッチコピーですが、仮に採用ターゲットを20代男性と設定し、ペルソナを「営業職として大きな活躍をしたい」と考える人物像をつくった場合、「商社営業」と「人材サービス営業」で表現がずいぶん変わっていることがわかります

■ 商社営業職

【キャッチコピー】
10年連続増収増益!
あなたのアイデアでビジネスを形に

【ボディコピー】
「自分のアイデアを形にしたい」
そう思うあなたにこそ、当社で活躍してほしいと考えています。

私たちは、物流業界で使用する資材から機械までを取り扱う専門商社です。お客さまは物流業界に留まらず、多くの業界の企業と取引を行っています。そうした個々のお客さまのニーズに合わせた幅広い提案力が当社の強み。

あなたのアイデアで新しいビジネスを生み出してみませんか?

■ 人材サービス営業職

【キャッチコピー】
入社1年で月収40万円!

【ボディコピー】
志望動機は「もっと稼ぎたい」でOK。
出した成果は、ストレートに給与に還元。
だからこそ、1・2年目で月収40万円の実例あり。
頑張れるチャンスはいくらでも転がっている。
年功序列一切なし。それが平等。
会社も仲間も、全力で進み続ける人を応援する。

いかがでしょうか。同じ職種でも求職者の志向性の違いから、アプローチポイントがまったく違うことがうかがえます。

そして同じ業種、同じ職種でも、経験者と未経験者の募集コピーでも明確な違いが生まれてきています。

■ SE(システムエンジニア)職(未経験者向け)

【キャッチコピー】
90%以上が未経験スタート!
ITの基礎から最先端まで学べます
【ボディコピー】
アパレル、飲食、事務、コンビニエンスストアなど現在、当社で活躍する90%以上のSEは、未経験で入社しました。

「何から始めたらいいのかわからない」

そんな未経験者の不安を払拭する当社自慢の“ゼロから始めるIT研修”。

「IoT入門編」「プログラミングの基礎講座」「DXや5Gといった最先端技術の勉強会」など、スキルや志向性に合わせた研修プログラムであなたの目指す理想のSE像を実現できます。

■ SE(システムエンジニア)職(経験者向け)

【キャッチコピー】
スキルもスケールも収入もUP
なりたい自分になれる会社です
【ボディコピー】
SEとして次のキャリアを考える際あなたが最初に思い描くことは何ですか?

「スケールメリットのある受託開発」なのか、「前職以上の収入を得ること」なのか、「AIやIoTといった最新技術のプロジェクト」なのか。

当社であれば“全て実現“できます。

「SEとして最も大切にしたい事は何か」

あなたの思い描くSE像を実現するために私たちが全力でサポートします。

例えばSE経験者は、この会社のどこに強みがあり、自分の成長につながるかを考えた上で応募に至るという傾向があります。そこでこうした事象を踏まえ、ペルソナをつくっていくと求職者の知りたい情報が現れてきます。

一例では、「プライム案件の多い会社なのか」「休日をしっかり確保でき残業の少ない会社なのか」「最先端の分野に関われる会社なのか」などです。求職者のニーズと自社の強みを照らし合わせてマッチング制度を高めることが採用成功への近道となるわけです。

お役立ち資料のダウンロード

以下より、採用活動で役立つ資料をダウンロードいただけます。ぜひご活用ください。

【まとめ】

自社の強みや魅力の見つけ方、そしてそれをアプローチする手法などはご理解いただけたのではないでしょうか。単に明確化するだけでなく、自社の置かれている業界マッピングや市場規模、求職者全体の志向性の把握や業種・職種、求職者属性に合わせたアプローチがいかに重要かをお伝えしてきました。本コラムには、代表的な業種・職種、そして経験者・未経験者別にまとめた「業種・職種別 求人メディア キャッチコピー集」の資料を無料でダウンロードできます。自社の採用活動に近しいキャッチコピーを探してご活用ください。

企画/鈴政武尊、文・編集/鈴政武尊・d’s journal編集部