【例文つき】採用通知メールの書き方の基本とポイント
d’s JOURNAL編集部
採用活動において、メールは候補者とコミュニケーションを図る主要なツールです。採用通知メールは、文面によって企業のイメージに影響をもたらす重要なポイントであり、場合によっては候補者が入社するかどうかを左右する可能性もあります。
今回は、採用通知メールで意識しておきたいポイントと基本的な注意点をご紹介します。また、候補者の属性に応じた採用通知メールの例文もあわせて見ていきましょう。
採用通知メールを送るときのポイント
採用通知メールでもっとも重要なのは、「基本を外さない」ということです。あれこれと手の込んだ手法を用いるよりも、まずは基本的なポイントに目を向けて、クオリティを安定させることが重要となります。
ここでは、採用通知メール作成時の基本的なポイントについて確認しておきましょう。
誤字・脱字がないかをチェックする
採用通知メールにおいて、誤字・脱字は企業の信頼性を損なう恐れのある重要な注意点です。企業が公式に発信するメッセージでもあるため、基本的な表現に誤りがあれば、それだけでも信用を失ってしまうリスクがあります。
また、採用に対して十分な人員やチェックの時間が割かれていないといった印象も与えてしまうため、送信する前に入念にチェックすることが重要です。ミスを防ぐには、作成者とは別にチェック担当者を置き、ダブルチェック・トリプルチェックが行えるように仕組みを整えるのが理想といえます。
記載情報に誤りがないかを確認する
記載する情報についても、誤りがあれば誤字・脱字と同様に企業の信頼性を損なうリスクがあります。特に、送信するメールアドレスなどを間違ってしまうと、大きなトラブルにつながる可能性があるので注意が必要です。
採用通知メールには個人情報が記載されているため、企業側のミスによって情報が漏えいすれば、法的責任を問われてしまう可能性もあります。確実に本人に届くように、宛先には細心の注意を払いましょう。
また、今後のスケジュールや内定者懇談会などの日時・会場なども、誤りがないかを繰り返しチェックすることが大切です。
読みやすい文章になっているかを確かめる
採用通知メールは、必要な情報を過不足なく届けることも大切な観点となります。冗長な表現にならないように、記載すべき情報が多い場合は、表やリストを使って読みやすくまとめるとよいでしょう。
また、読みやすさを考慮し、適切な箇所で改行などを加えるなどの配慮も必要です。
文章を書くときのコツ
ここからは、採用通知メールの具体的な書き方について見ていきましょう。採用の場合と不採用の場合の2つに分けて、必要な記載項目や作成時のコツをご紹介します。
なお、不採用者への対応については、以下の記事で不採用メールの文例とともに詳しく解説されているので参考にしてみてください。
(参考:【文例付】不採用通知の書き方完全版。不採用理由の伝え方や今後につながる応募者対応)
採用の場合
採用通知メールでは、次のような内容を記載するのが一般的です。
・相手の氏名
・会社名と担当者の所属・氏名
・あいさつ・お礼
・選考結果
・今後の手続きの案内
・問い合わせ先
・締めのあいさつ
・署名
基本的には、必要項目を漏れがないように記載できているかどうかが重要となります。採用通知メールで工夫を凝らせるポイントは限られているので、「ミスがない」ことを最優先に作成しましょう。
まずは、相手の氏名に誤りがないかを確認し、メールアドレスとも照合して記載します。また、会社名や担当者の所属・氏名も漏れがないようにしましょう。
あいさつやお礼は、採用通知メールで工夫ができる唯一といってもよいポイントです。自社ならではの一言を添えて、文面に親近感を持たせるのがおすすめです。
その後は選考結果をわかりやすく簡潔に提示し、今後の手続きに入ります。ただ、詳しい内容は別途で改めて伝えるのが一般的なので、採用通知メールでは次に行ってもらうアクションのみを記載するとよいでしょう。
続いて、不明点や疑問が生じたときに相談できる窓口を提示し、締めのあいさつを一文添えて署名をつけて完結させます。
不採用の場合
不採用通知の場合も、基本的な流れは採用通知と同じです。
・相手の氏名
・会社名と担当者の所属・氏名
・あいさつ・お礼
・選考結果
・締めのあいさつ
・署名
ただし、採用の場合と比べると、選考結果の伝え方はより丁寧さが求められます。あくまで結果の提示は簡潔に行う必要がありますが、「誠に残念ながら」や「慎重に選考させていただいた結果」など、クッションとなる言葉を挟むことが大切です。
採用通知の文例を紹介
通知メールを作成するポイントを把握したところで、ここからは実際に採用・不採用のそれぞれケースで、メール文例を見ていきましょう。
採用の場合の文例①(新卒)
まずは、新卒者に対する採用通知メールの文例をご紹介します。
件名:採用内定のご連絡【株式会社□□】
〇〇様
株式会社□□の採用担当●●です。
先日は弊社の新卒採用面接にお越しいただき、誠にありがとうございました。
厳正な審査の結果、〇〇様のご経験や取り組み、姿勢を高く評価し、当社社員として採用を内定することで決定いたしました。
つきましては、ご入社にあたって当社にご提出いただく書類を本日発送させていただきました。(期日)までに必要な書類をご用意の上、同封の返信用封筒でご返送くださいますようお願いいたします。
また、以降の予定として〇年〇月〇日に内定者研修の実施を予定しております。詳細は別途メールにてご連絡いたします。
ご不明な点などございましたら、当社人材担当△△(電話番号、メールアドレス)または私までお問い合わせください。
選考にあたりましては、貴重なお時間を頂戴し、誠にありがとうございました。社員一同、ご一緒できるのを楽しみにしております。
今後とも引き続きよろしくお願いいたします。
以下署名
採用の場合の文例②(中途)
続いて、中途採用における採用通知メールの一例をご紹介します。
件名:採用内定のご連絡【株式会社□□】
〇〇様
株式会社□□の採用担当●●です。
先日はお忙しいなか、弊社の採用最終選考にお越しいただき、誠にありがとうございました。
厳正な審査の結果、〇〇様の〇〇〇〇に関するご経験やスキルを高く評価し、ぜひ当社の一員としてお力添えをいただきたく、採用の内定を決定いたしました。
つきましては、ご入社にあたって当社にご提出いただく書類を本日発送させていただきました。(期日)までに必要な書類をご用意の上、同封の返信用封筒でご返送くださいますようお願いいたします。
なお、期限内にご連絡がない場合は、辞退のご意向として承りますことをご了承ください。
ご不明な点などございましたら、当社人材担当△△(電話番号、メールアドレス)または私までお問い合わせください。
選考にあたりましては、貴重なお時間を頂戴し、誠にありがとうございました。〇〇様のご入社を、社員一同、心より楽しみにしております。
以上、メールにて恐縮ではございますが、取り急ぎご連絡申し上げます。
以下署名
採用の場合の文例③(内定辞退者)
採用通知メールを作成する際には、辞退者への対応もセットで検討しておく必要があります。ここでは、内定を辞退されてしまった場合の連絡メールの文例も見ていきましょう。
件名:選考ご辞退の承諾の件【株式会社□□】
〇〇様
お世話になっております。
株式会社□□の採用担当の●●です。
この度は弊社の求人にご応募いただき、誠にありがとうございました。
選考ご辞退のご連絡をいただき、弊社としては大変残念ではございますが、ご意向を承知いたしました。
なお、お預かりしました履歴書等の応募書類は、弊社にて責任を持って破棄いたしますので、何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます。
末筆になりますが、〇〇様の今後のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
以下署名
不採用の場合の文例
続いて、不採用の場合の文例についても見ていきましょう。
件名:選考結果のご連絡【株式会社□□】
〇〇様
株式会社□□の採用担当の●●と申します。
先日はお忙しいなかご足労をいただきまして、誠にありがとうございました。
さて、選考の結果についてですが、弊社にて慎重に検討をいたしました結果、大変残念ではございますが、〇〇様の採用は見送りとさせていただきました。
何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
ご応募いただいたことに御礼を申し上げるとともに、恐縮ではございますがメールにて通知申し上げます。なお、お預かりしました応募書類につきましては、弊社にて責任を持って破棄させていただきます。
末筆になりますが、〇〇様の今後のご活躍をお祈り申し上げます。
以下署名
採用メールを送るときの注意点
最後に、採用メールを送るときに注意しておきたいポイントを確認しておきましょう。
採用メールを送るタイミング
採用通知メールは、最終選考が終了してからできるだけ早く発送することが大切です。なぜなら、応募者が他社の採用選考も受けている場合は、通知までに時間が空いてしまうと、その間に内定辞退の可能性が高くなっていくためです。
特に中途採用では、転職活動にあまり時間をかけられないという事情の方も多いため、レスポンスの速さは大切な要素となります。少なくとも、最終選考から1週間以内には送るようにしましょう。
同封する書類の種類
採用通知メールを送る際には、同時に採用通知書や以下の関連書類を郵便で発送するのが一般的です。
・採用通知書
・送付状
・入社承諾書
・入社誓約書
・今後のスケジュール案内
・返信用封筒
そのうえで、通知メールで返信期日も記載し、滞りがないようにすることも大切です。
連絡をスムーズに行うためのポイント
採用活動の質を高めるには、採用通知をはじめ、さまざまな連絡が素早く実行されるような体制を構築することが大切です。特に中途採用や即戦力採用では、あまり時間をかけすぎると、それだけでも他社と比べて不利になるリスクが高くなるため、スムーズな連携を実現する必要があります。
具体的なポイントとしては、ITツールや外部サービスの活用があげられます。これらのサポートを利用すれば、関係者同士のスケジュールの調整や情報共有、タスク管理などが一元化でき、ミスなく速やかに連携を図ることが可能です。
人材採用の本格的な戦略を立てるのであれば、環境整備にも目を向けて施策を検討するとよいでしょう。
まとめ
採用通知メールは、内容によって内定者の入社意思を左右する可能性があるとともに、自社のイメージにも影響を与えます。そのため、確かなクオリティを保つとともに、発送のタイミングや細かなルールなども把握しておくことが大切です。
ただし、メールの内容そのものについては、特別に難しいものを盛り込む必要はありません。基本的な項目を取りこぼさず、ミスや漏れのないように注意することが何よりも大切となります。
ダブルチェックができる担当者の配置や、採用担当に負担が集中しないような仕組みづくりなど、環境整備で解決できる部分も大きいです。まずは社内の組織体制を見直し、無理なく運営できる仕組みを整えましょう。
(制作協力/株式会社アクロスソリューションズ、編集/d’s JOURNAL編集部)
【Word版】採用通知書
資料をダウンロード