プロジェクトを任されたときに読みたいマンガ5選

【PROFILE】
マンガを介したコミュニケーションが生まれる状況をつくることを目的に活動しているユニット。小さな複合書店『マンガナイトBOOKS』の展開に加え、レビューや論評などの執筆活動、ワークショップの開催を行っている。

コミュニケーション・チームの形成を学ぶ『宇宙兄弟』(小山宙哉/講談社)
"分析"でプロジェクトを成功へ導く!『ベイビーステップ』(勝木光/講談社)
少しずつ目標を掲げ成長していく『Real Clothes』(槇村さとる/集英社)
未経験のプロジェクトに取り掛かるなら『天才ファミリー・カンパニー』(二ノ宮知子/幻冬舎)
クリエイティブ 現場のマネジメントに悩んだら『映像研には手を出すな!』(大童澄瞳/小学館)

プロジェクトを任されたら、成功に導くために進行していかなくてはなりません。そのためには、スケジュール管理、リスクマネジメント、コミュニケーションマネジメントなど、いろいろな能力が必要となります。日々目まぐるしく、挫折することもあるかもしれません。今回は、プロジェクトを任されたときの支えになるようなマンガ5作品を紹介します。

コミュニケーション・チームの形成を学ぶ『宇宙兄弟』(小山宙哉/講談社)


『宇宙兄弟』は「宇宙飛行士になる」という夢を抱くごく普通の家庭で育った兄弟が、努力し、夢を叶えるストーリーです。

プロジェクトを成功させるためのひとつに、“プロジェクトチームを目標に向けまとめる”ことがあります。作中に出てくるNASAのベテラン宇宙飛行士のエディ・Jは、宇宙飛行士やNASAのスタッフたちからも好かれ、周りをよく見ているリーダーです。

チームを結成して間もない頃、メンバーの意思や行動はバラバラでした。彼は、メンバーひとりひとりとじっくりコミュニケーションをとり、チームにとっての課題を明確にすることで解決策を導き、チームをまとめあげました。『宇宙兄弟』はこのエピソード以外にもチームビルディングの参考になるような話がたくさんあるので、おすすめです。

"分析"でプロジェクトを成功へ導く!『ベイビーステップ』(勝木光/講談社)


『ベイビーステップ』は、高校入学を機にテニスを始めた主人公、丸尾栄一郎がテニス選手として成長していく青春物語です。

この作品は、几帳面な性格である栄一郎の目標を達成するための努力や考え方が、プロジェクトマネジメントのタスク管理の考え方にもつながる内容となっています。自分が教わったことやできなかったことなどを、自分なりの論理で分析しオリジナルのノートにまとめたり、そのノートを使って対戦相手に勝つための道筋を模索したりしています。不足している能力を分析から補おうとする姿勢や周りにいる人の巻き込み方など、プロジェクトを成功させるために必要な要素が詰まっている物語です。

少しずつ目標を掲げ成長していく『Real Clothes』(槇村さとる/集英社)


『Real Clothes』の舞台は百貨店。主人公の天野絹恵は「越前屋百貨店」のふとん売場から、突然花形部署である婦人服売場へ異動を命じられます。絹恵は異動後、文化の違いに戸惑いましたが、慣れない部署で懸命に働くうちに、服飾に関わる仕事の楽しさに目覚めていきます。

転職や異動など、慣れ親しんだ場所から新たなステージに移った際には、それまでの自分のやり方が通用しなかったり、「常識」だと思っていたことがそうではなかったり、というようなことが多々あります。新たな場所でのプロジェクトではプレッシャーも強いはずです。
『Real Clothes』では、他社と経営統合する場面が登場します。絹恵はリーダーとして、婦人服売り場を改革し、新しい方向性を示したイベントを成功させました。いわゆる「天才」ではない絹恵が、目の前の業務に向かって日々真面目に取り組み、お客さんへ誠実に向き合う姿を見て、自分の仕事に奮起するための参考にしてはいかがでしょう。

未経験のプロジェクトに取り掛かるなら『天才ファミリー・カンパニー』(二ノ宮知子/幻冬舎)


『天才ファミリー・カンパニー』は、『のだめカンタービレ』の作者が描くヒューマン・コメディーマンガです。主人公は、ハーバード大学に留学し、経済界のスーパーエリートとして活躍することを夢みる高校生、夏木勝幸。作品の舞台は、1990年代から2000年代にかけての不景気な状況にあった日本です。勝幸は、さまざまな問題に巻き込まれ、書店でアルバイトをすることになります。そこで会社の乗っ取りや裏回しなどを仕掛け、危機的状況から会社を立て直していく物語です。

勝幸の天才ぶりはいささか非現実的ですが、登場するキャラクターたちの性格や思考は読者も理解できるところが多いため、キャラクターたちを身近に感じられるでしょう。アルバイトでありながら、書店の経営を立て直す手助けをしながら問題を解決していく話は、とにかくスカッとすること間違いなし。未経験のプロジェクトに取り組む際に、ぜひ読んでほしい作品です。

クリエイティブ 現場のマネジメントに悩んだら『映像研には手を出すな!』(大童澄瞳/小学館)


『映像研には手を出すな!』は、アニメの設定をスケッチブックに描きためている浅草みどりと、アニメーター志望のカリスマモデル・水崎ツバメ、アニメには興味も知識もないけれどプロデューサー的な役割を担う金森さやかの女子高生3人組の活躍を描いた物語です。

プロジェクトを任されたとき、特に参考にしたいのは、プロデューサー的な役割を担うさやかの行動です。スポンサーを探したり、アニメを制作する2人のモチベーションを高めたり、プロジェクトマネージャーとして抜かりない動き方をしています。作品のクオリティーを上げたいクリエイター気質の2人と比べて、現実的で全体の様子を俯瞰的に見ているさやか。
異業種の相手とうまく付き合う彼女のコミュニケーション力・マネジメント力もとても参考になるはずです。

選書/マンガナイト