2025年は転職市場の「ミドルシニア元年」に? doda市場予測レポート

パーソルキャリア株式会社
パーソルキャリア株式会社は、転職サービス「doda(デューダ)」のデータや実態を基にまとめた「2025年ミドルシニアの転職市場予測レポート」を発表しました。
2025年は40~60代のミドルシニア層の労働移動が活性化し、転職市場における「ミドルシニア元年」が訪れると予想しています。
「doda」でミドルシニア層の新規登録数が増加傾向
2023年度、dodaにおけるミドルシニアの新規登録数は、2019年度と比べて約140%増加しました。
同社ミドルシニア事業企画グループゼネラルマネジャーの石井宏司氏は「2025年以降もこの傾向は継続する」としたうえで、「金銭面で不安を抱えた50代、特に団塊ジュニア世代(1971〜1974年生まれ)の転職活動が活発化する」と予想しています。
ミドルシニア層が求める企業の特徴
この世代は「バブル崩壊後に社会人となり、大幅な給与アップを経験していない」こと、「晩婚化によって育児・教育の出費を抱えている人が多いこと」が特徴です。
50代後半に差し掛かり、役職定年による管理職手当の削減、定年後の再雇用による給与の減少などへの不安に直面。役職定年がない企業や定年上限を引き上げている企業、成長可能性の高い企業、自分の経験やスキルを活用できる企業に転職したいといった相談が2024年時点で増加傾向にあり、2025年も引き続き増えることが予想されています。
2025年にミドルシニアの採用意欲が特に高まる領域
昨今は経営課題がより複雑化していることから、企業側も即戦力として活躍できるミドルシニアを採用する動きが強まっていくと考えられます。
特に採用意欲が特に高まる領域として、同社では「脱炭素対応が求められる中小製造業」「大手金融機関と業務提携を進める非金融企業」を挙げています。
2022年に経済産業省が企業のGX推進を加速させる場である「GXリーグ」をスタートさせて以降、製造業を中心とした大企業で脱炭素経営を実行に移す動きが強まりました。これを受け、2025年以降はその取引先である中小企業においても脱炭素対応が求められる見込みです。
現時点で脱炭素の知識や経験を兼ね備えた人材は多くありませんが、GX関係の講座や検定受講など、リスキリングをすればGX人材として活躍できる可能性があります。企業規模を問わず、製造業の現場経験がある人材においても、現場で脱炭素を推進していく素質があるため、リスキリングを通じてこの分野での活躍が期待できるとしています。

GX関連のリスキリングで今後起こりうるミドルシニア層の労働変化(出典:パーソルキャリア株式会社)
金融業界では、役職定年や出向を迎える前に異業種転職をするケースも年々増えています。2023年度にdodaのエージェントサービスを利用し、金融業界から非金融業界へ転職したミドルシニアの人数は2019年度比で約180%伸長しました。
通信業界や小売業界などの非金融企業では、顧客の拡大や体験価値向上を目的に大手金融機関との業務提携が進んでいます。こうした動きは今後ヘルスケア領域など幅広い業種で進み、大手金融機関での人脈や知見があるミドルシニアの採用ニーズが高まると予想されています。
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