【doda予測】2025年は転職”売り手市場”がさらに加速、企業が力を入れる2つの取り組みは

パーソルキャリア株式会社
転職サービス「doda(デューダ)」を運営するパーソルキャリア株式会社は、2025年上半期の「転職市場予測」を発表しました。
転職市場全体における求人は15分野(7業種、8職種)のうち13分野で「増加」「好調を維持」し、企業側では採用活動以外に社員の働く満足度向上や人材定着を目指した取り組みが増えると予想しています。

2025年度上半期の転職市場予測を発表(出典:パーソルキャリアのプレスリリース)
求人数が増加する3つの背景
求人が「増加」または「好調を維持」すると予測される13分野は、電気・機械、不動産・建設、金融、メディカル、営業、経理、人事、法務、販売・サービス、クリエイティブ、食品、IT・通信、化学・素材。
背景として、同社では(1)「2040年問題」を見据えた採用、(2)働き方改革による人材ニーズの拡大、(3)新規事業や既存事業拡大による人材の採用、の3点を挙げています。
2030年以降には、多くの団塊ジュニア世代(1971~74年生まれ)が定年退職を迎えます。そのため多くの企業では、深刻な労働力不足に備えた採用活動を開始しています。
また昨今の働き方改革推進により、残業時間を抑制するための業務効率化に加え、業務を複数の人材で分担する動きが加速。短時間正社員やDX人材の採用ニーズも増加しています。
加えて新規事業の創出や既存事業拡大などの推進にあたり、十分な知見や経験を持つ人材の中途採用に力を入れる企業も増えています。
業界別および職種別の予測
業界別で見ると、「IT・通信」業界ではDX推進に加えてシステムが老朽化する一方、基幹システムのIT技術者が定年退職を迎える「2025年の崖」問題を踏まえ、エンジニア職のニーズが引き続き高まると予測しています。
職種別では、「電気・機械エンジニア職」において、自動車業界のEV化や半導体ビジネスの拡大に伴う需要が増加。「販売・サービス」業界では、インバウンド対応に伴う店舗拡大やテイクアウト・宅配市場の拡大による採用ニーズが拡大するとしています。
企業が力を入れる2つの取り組み
引き続き売り手市場が続くことから、多くの企業では採用に加えて従業員の定着率向上、離職防止を図る動きが加速。同社では今後特に増えていく取り組みとして、「社員一人ひとりの負担軽減や、働きやすい環境の整備」「選考時の説明やフォローの強化」の2点を挙げています。
労働環境については、残業時間削減に加え、転勤に関して丁寧な相談および望まない人にはあらかじめ転勤がないコースを選べるようにする。また業務を細分化することで、一人ひとりの業務量を軽減し、ベテラン社員が若手社員の業務フローを支援する体制をつくるなど、さまざまな取り組みが行われているようです。
選考時の説明やフォローの強化については、ギャップを理由にした入社直後の離職を防ぐため、選考段階から丁寧な説明やフォローを行う企業が増加。入社後に担ってもらう業務や役割、習得できるスキルについて明確に説明し、応募者がキャリア形成をイメージしやすいように工夫しているとのことです。
必要に応じて職場見学を実施し、現場社員が面接に同席することで質問ができる場を設ける企業や、応募を決めていない段階でも、会社を知るための「カジュアル面談」を実施する企業も増えているようです。
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