採用手法のこれからを考える ダイレクト・ソーシング ジャーナル

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2017.05.18

2カ月で4名以上もの採用成功。難易度が高いポジションを埋める女性人事の秘訣とは

PROFILE

ビューローベリタスジャパン株式会社

人事部 総務採用課 リクルーター
テイラー めぐみ

大手人材派遣企業での法人営業でキャリアをスタートし、その後購買や事務業務を経験。2003年にアメリカ人男性との結婚を機に渡米し、サンフランシスコやシカゴの人材紹介エージェントにて、リクルーター業務に従事。2010年に帰国後、IT企業の人事部を経て、ビューローベリタスジャパンへ。現在は採用活動を中心に、人事業務全般のキーパーソンとして活躍中。

「一級建築士」や「電気工事士」などの専門資格を保有している人材の採用は難しい。しかし、ダイレクト・ソーシングを駆使して、こうした採用難易度が高いポジションの人材を最短2カ月で4名以上採用している女性人事がいます。

それが、今回お話しを伺ったビューローベリタスジャパン株式会社のテイラーめぐみさんです。なぜテイラーさんは、採用成功できるのでしょうか。その理由はテイラーさんが、これまで培ってきたキャリアと、独自の採用ノウハウにありました。

営業職やアメリカでの経験が、採用活動に役立っている

ビューローベリタスジャパン株式会社のテイラーめぐみさん

テイラーさんは、「人事一筋」というキャリアではないと伺っています。

テイラー氏:はい、事務職の経験もありますし、大手の人材派遣会社で7年ほど営業職をしていたこともあります。専門知識を磨きながら、案件獲得のために飛び込み営業や提案営業に取り組む毎日でした。その営業時代が、リクルーター関係のキャリアのスタートと言えるでしょうね。

はじめは営業として、人材や採用に関わっていたということですね。

テイラー氏:そうです。転機になったのは、2003年に結婚して、アメリカ・サンフランシスコへ引っ越したことです。むこうで仕事探しをする中で、いわゆるエージェント会社(日本でいう人材紹介サービスの会社)に、人材業界での経験を買われてリクルーターとして採用されたんです。

日本で“リクルーター”と言うと、社内の採用担当者というイメージがあります。

テイラー氏:アメリカのリクルーターは、人材紹介会社に所属し、企業の採用ニーズに合う転職希望者をリサーチしてマッチングする職種です。特に私が入社したエージェントは、IT人材に特化したヘッドハンティング会社でした。“コールドコール”と呼ばれる、何のつながりもない採用候補者を自分で見つけた上で、直接電話をかけて「転職に興味はありませんか?」とアプローチする活動がメインミッションでした。

採用候補者自体も自分で探すのですか?

テイラー氏:採用候補者の一覧リストやアプローチのチャネルは一切与えられませんでした。ですから、SNSの登録情報であったり、IT関連の講演を行っている方などをWebでリサーチして、連絡先を見つけて……といった感じです。ただ、いきなり会社に電話をしても、転職に興味を示すのは100人のうち1人くらいで、「失礼だ」「迷惑だ」と憤慨する方も少なくありません。

たしかに突然電話をすると門前払いも多そうです。

テイラー氏:私だけでなく、他の社員も非常に苦労していたのですが、ある時から電話からeメールへとアプローチ方法がシフトしました。eメールなら、伝えたいこと・伝えるべきことを端的にまとめて送れて、受け取った相手はいつでも読める。それに電話のように周囲を気にする必要もありません。正直、連絡が取れる確率はコールドコールとあまり変わりませんでしたが、リクルーターの工数や負担は圧倒的に減りました。

そして、eメールを使ったダイレクト・ソーシングが軌道に乗り始めたことでアプローチできる採用候補者の数が増えたんです。その結果、「こういった人材を求めています」というニーズに対して、その採用候補者がどんな人物でどんな企業で働いていて、どういったアプローチが有効なのかといったスキルが磨かれました。

このスキルが、転職市場の中で採用難易度が高い専門職である「一級建築士」や「電気工事士」を採用する今の状況に役立っています。

社内への徹底的なヒアリングで、募集要件をきめ細かく把握する

ビューローベリタスジャパン株式会社のテイラーめぐみさん_その2

難しい職種を採用するための秘訣は何だとお考えですか?

テイラー氏:まずは「各事業部門の採用したい人材を的確に把握していること」が、人事の基礎だと思っています。私は人事を、社内を対象とした「営業職」だと考えているんです。採用ポジションの責任者をお客様に見立てて、経験・スキルはもちろん、どんな志向性の方が合うのか、年収をはじめとした待遇までを細かくヒアリングします。

というのも、私はビューローベリタスジャパンに入社するまで建築・施工関連業界で働いた経験はありません。そのため、もちろん業界のことを自ら勉強しています。しかし、どうしても自分で調べただけでは分からない部分があります。そこで採用ポジションの責任者に制作をお願いしている書面の募集要件を、とにかくじっくり読み込んだ上で、記載内容に疑問があれば納得できるまで質問しています。それと求めている採用候補者が、例えばどんな会社で、どのポジションで活躍している人物なのか?といった部分までヒアリングすることもあります。

営業のスタンスで、社内の募集要件を把握しているんですね。

テイラー氏:はい、書類上の募集要件を読み込んでも分からないことはたくさんあります。ですから、採用ポジションの責任者と打ち合わせや面談の機会を設けて、募集に最適な人材についてはもちろん、若手ならこういう経験があればポテンシャルがある、この世代ならあの専門領域の経験が必要……と、細かい採用基準まで徹底的に聞いた上で採用候補者をリサーチするようにしていますね。

的確に採用候補者をスカウトするには、社内でのコミュニケーションが重要になるわけですね。

テイラー氏:採用ポジションの責任者には忙しい合間を縫って、面接や会議の時間をもらっていますからね。自分から積極的に働きかけて、コミュニケーションを重ねるようにしています。
それと、採用ポジションの責任者が面接で採用候補者をお見送りした場合、その理由について必ず確認するようにしています。良かった部分と、悪かった部分をそれぞれ3つ位フィードバックしてもらうことで、採用基準のすり合わせをしているんです。あとは部門ごとのカラーや風土も知るために、飲み会などにも積極的に足を運んでいますよ(笑)。

自らアプローチすると、思い入れも成功率も高まる

ビューローベリタスジャパン株式会社のテイラーめぐみさん_その3

ヘッドハンターとしての経験も踏まえて、従来の採用手法とダイレクト・ソーシングで異なる点はありますか?

テイラー氏:ヘッドハンティングやダイレクト・ソーシングの場合、募集要件を満たす方のみにアプローチできますし、「このポジションなら、この人だ!」と採用候補者に思い入れを持って接することができます。私個人としては、これが採用成功率の向上に繋がるなと思っています。

自らアクションをとることで、採用活動への本気度も高まるわけですね。

テイラー氏:私が生むべき成果は、オープンポジションを埋めることです。人材紹介や求人媒体で採用成功できるケースもありますが、採用難易度が高いポジションとなると、決して簡単ではありません。そうした中で魅力的な採用候補者に出会うには、受け身で待つばかりではなく、求める人材に自らアプローチする方が、単純に手っ取り早いじゃないですか。それを実感している方は増えていると思いますし、他社の人事の方と話していても、ダイレクト・ソーシングを主軸に据えて採用活動する企業が増加しているなと感じています。

最後に、今後のテイラーさんの目標を教えてください。

テイラー氏:現在、当社は世界各国のグループ全体で、人事システムを刷新する計画が進行中です。このシステムリニューアルが成功すると、社員の負担が大幅に軽減されるはずなので、私も積極的にプロジェクトに参加して、仕事を進めやすいフローを構築していきたいと思っています。

また、個人的な目標としては、培ってきたダイレクト・ソーシングのスキルを活かしたより良い採用手法を社内に根付かせていきたいと思っています。自社によるヘッドハンティングなど、前例のない採用手法も積極的に提案して、より魅力的な新しい仲間との出会いの機会を増やし、会社に貢献していければ嬉しいですね

取材後記

営業として培ったヒアリングスキルと、アメリカで磨いた採用に対する攻めのスタンス。テイラーさんは、その2つを人事業務に転用することで、採用難易度の高い職種の採用成功を実現していました。
もちろん、テイラーさんと同じようなキャリアを持つ人事担当者は少ないかもしれません。しかし、実際に取っているアクションは決して特別なことではなく、「情報収集」や「社内コミュニケーション」といった基礎を重視したものばかりです。この記事をご覧いただいている人事・採用担当者の皆様もぜひ、改めて日頃の業務を見つめ直してみてください。

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