採用手法のこれからを考える ダイレクト・ソーシング ジャーナル

DODA 中途採用をお考えの方へ

2017.12.06

「全員で採用」を実現するRetty。組織が拡大しても企業文化として根付く理由

PROFILE

Retty株式会社

人事・採用担当
柳川 裕美

大手人材紹介会社で企業の採用支援業務に5年間従事した後、スポーツマーケティング会社でコーポレート広報を担う。2015年8月、Retty株式会社における初の採用・広報専任担当としてジョイン。採用に関する社内ノウハウの共有など、組織の基盤づくりに取り組んできた。組織規模が急拡大する現在、「全員で採用」を改めて浸透させることに注力している。

日本最大級の実名グルメサービス「Retty(レッティ)」を展開するRetty株式会社。信頼できる友人や好みが合う人の口コミを元に、自分にぴったりな飲食店を探せるサービスとして人気を集め、月間利用者数は3,000万人を突破しています。「食を通じて世界中の人々をHappyに」をビジョンに2010年11月に設立された同社では、行動指針の1つに「全員で採用する」という考え方が盛り込まれているのが大きな特色。実際に、現在100名を超すスタッフの半数はリファラルリクルーティング(リファラル採用・社員紹介)による採用だといいます。

設立から8年目に入り、組織拡大フェーズただ中の今。「全員」の規模自体が年々大きくなる中で、「全員で採用」の理念をどのように社内に浸透させ、実行に移しているのでしょうか。具体的な取り組みや成果について、採用を担当する柳川さんにお話を伺いました。

「全員で採用」を実現するために――。“環境づくり”が採用担当者の役割

「全員で採用」を実現するために――。“環境づくり”が採用担当者の役割

行動指針の1つとして「全員で採用」を掲げているそうですね。

柳川氏:Rettyでは「Retty Way」と名付けられた行動指針を会社のフェーズによって作り変えるということをしています。現在の「Retty Way」は全5項目で、Rettyのサービス方針である「User Happy」、仕事の姿勢や意識を謳った「Ownership」「Think Big」「All Done」、そして、ベストな人材を集めるためにメンバー1人1人がベストな力を尽くす「Hire the BEST」です。会社のフェーズや課題に応じてこれまでRetty Wayは幾度かバージョンアップを重ねていますが、「Hire the BEST」の考え方は、2014年11月に初めて盛り込まれて以来ずっと変わっていません。

2014年11月というと、会社設立から丸4年の時点ですね。何がきっかけだったのですか?

柳川氏:それまでも代表の武田はもちろん社員自ら知り合いを誘ったり人づてに声をかけたりして、仲間を集めていました。徐々にメンバーが増えて組織が20人規模まで大きくなったその段階で、「一緒に働くメンバーは自分たちで探そう」と当時は「全員で採用」を行動規範に盛り込みました。「Hire the BEST」の始まりですね。

メンバー全員の力で採用に取り組む。そこにはどんな狙いがあるのでしょうか。

柳川氏:狙いというよりも、それが自然で当たり前のことだと考えているからなんです。「自分たちが働くチームは自分たちでつくる」という意識が社内には根付いています。採用だけでなく、会社づくりや環境づくりに対してもそうで、どんな会社やチームにしていくのか、メンバー1人1人が自分ゴトとして主体的に考えるカルチャーがあります。冒頭に挙げた「Retty Way」も社員全員で考えてつくり上げたものです。

そんな「全員で採用」のRettyにおいて、採用担当の役割とは?

柳川氏:採用専任の担当者は私1人です。一般的なイメージでは「母集団をつくる」ことが採用担当の主な仕事ですが、私の場合はそうではなく、メンバーそれぞれが「Hire the BEST」を実行しやすい環境を整えることが自分の役目だと考えています。

私が入社した2015年8月以前は採用担当がおらず、CFOが兼務していました。社員数は当時40名ほどで、「全員で採用」の姿勢はすでに根付いていたのですが、その方法はまだ手探りしていた段階。ノウハウもうまく蓄積されていない状況でした。そこで入社後はまず、採用に関する社内ノウハウの共有や、面接での選考基準のすり合わせといった基盤づくりを進めました。

面接数が3.5倍に!“採用する”というハードルを下げたチームでの取り組み

面接数が3.5倍に!“採用する”というハードルを下げたチームでの取り組み

「Hire the BEST」を実現するための、具体的な取り組みを教えてください。

柳川氏:リファラルリクルーティングを基本としています。「Retty Way」の「Hire the BEST」の項目では、「Rettyの成長に貢献できそうな人に出逢ったら積極的に声をかけたり、Rettyの情報を発信していこう」と、方法を示しています。とは言え、いざこれを実行に移すとなると難しさを感じる人も多くいて、「友人がRettyに合うかどうかを見極めるのが難しい」「転職というデリケートな話題はそもそも踏み込みにくい」という声も上がっていました。そこで、社員の採用力アップを図ることを目指し、2017年2月から、リファラルリクルーティングに全社的に力を入れて取り組む施策を実施しました。

「Hire the BEST」の強化月間というわけですね。施策の具体的な内容は?

柳川氏:社員紹介やWantedlyを介した応募なども含め、どれだけ多くの採用候補者と面談設定できるか、職種別のチーム対抗戦を仕掛けました。優勝賞品としてチーム旅行を用意し、ゲームのような感覚で楽しみながら競ってもらったのです。まずは、先ほど挙げたような「声をかけにくい理由」をチームで話し合うことから始めました。「こう切り出したら話しやすかった」「こんな感じで声をかけてまずは会社に遊びに来てもらおう」といった具体的なノウハウも共有できますし、話し合うことで自分ゴト化できるというのもメリットです。またイベントを開催するなど、社内に採用候補者を呼びやすくする環境作りにも力を入れました。

結果は期待していた以上で、設定された1次面接数は過去の同期間と比較して約3.5倍にもなりました。基本的な採用フローを経て、最終的にその期間で14名の入社が決まったんです。

それだけ多くの人に訴求できた要因は何でしょう。

柳川氏:「声をかける」ことへのハードルが一気に下がったことが大きいですね。また普段から、募集要件の設定や文言作成を含めて、採用に関する詳細事項はすべて現場中心で進めています。それにより、各チームの仕事の魅力や特色が実感を持って候補者に伝わり、訴求に結び付いているかもしれません。選考方法もチームごとにアイデアを練るので、独自性が出てきます。例えば、施策実施中にWantedlyに掲載した営業職の募集要項は、「最終面接はCEOとゴルフ」。過去には「最終面接は焼肉食べ放題」もありました。いずれも現場から出たアイデアで、Rettyに気軽に興味を持ってもらうことが狙いです。

採用フローに「体験入社」があるとのお話でしたが、これはどのようなものですか?

柳川氏:エンジニア、プランナー、デザイナーなどの開発職の採用では、面接の通過者を対象に体験入社を実施しています。丸1日の参加が難しい場合は半日や数時間でもオフィスに来てもらい、実際に仕事やディスカッションを経験しながらRettyのカルチャーやチームのカラーを肌で感じてもらうようにしています。面接では分からないスキル面やフィット感をお互いに確認する作業と言えますね。チームメンバーが当事者意識を持って採用を考えることになり、これも、「Hire the BEST」をしやすい環境づくりにつながっています。ランチや仕事終わりの飲みの場にも同席してもらうことで、より本音でメンバーと話す機会が生まれ、また「チームRettyの一員として一緒に働けるか」をお互いが確かめる機会にもなります。

グルメサービスを提供する会社ならではのポイントですね。現場主導の採用手法において、チームで選考基準にずれが生じることはありませんか?

柳川氏:すべての部門がワンフロアに集まっているオフィス環境を活かして、体験入社も含めた選考過程ではできるだけ多くの社員に会ってもらうことを大切にしています。選考フローが多い理由もそのためですね。そして、一つの選考プロセスを終えるたびに関係者全員でミーティングを行い、候補者がRettyのカルチャーにフィットしているか、基準を満たしているかをすり合わせます。施策を実施した期間で14名を採用したとお話ししましたが、内定承諾率は100%でした。体験入社などを通して、組織や人の魅力、共有している価値観を的確に伝えられた結果だと思います。

組織が拡大しても「全員で採用」を当たり前の状態にしたい

組織が拡大しても「全員で採用」を当たり前の状態にしたい

キャンペーンだと一時的な取り組みになりがちですが、施策を終えてからの採用状況はどうですか?

柳川氏:施策を終えた後も、社員紹介の数は途絶えることなく、高い水準を維持しています。実際にリファラルリクルーティングに取り組んでみたことで「声をかける」というハードルが下がって、そのまま定着した印象ですね。「Hire the BEST」の考えが改めてメンバーの間に根付いたことを実感しています。採用とは関係のない社内イベントなどにも、社員の友人・知人に広く声をかけて気軽に遊びに来てもらうようにしています。

より多様な人と接点を持つことになりますね。

柳川氏:実際に、イベントにたまたま遊びに来て興味を持ってもらい、そこから入社につながったケースもあります。転職というのは、ある日突然思い立つものではなく、じわじわと考えてきたところに何かのきっかけが加わって、気持ちが固まっていくもの。そのタイミングで、Rettyが選択肢の一つに入っていることが重要だと思うのです。そのためにも普段から採用とは直接関係のないところでも、Rettyがどんなチームなのかを伝える場や仕掛けをつくっていくことも大切だと考えています。

100人規模からさらに大きく成長中のフェーズにあって、「全員で採用」の方針は今後どうなっていくのでしょうか。

柳川氏:人数が増えていく中で、「Hire the BEST」の考えを伝え続け、キープし続けることは今後の課題の一つです。規模の変化に応じて具体的な採用フローは調整していくかもしれませんが、「一緒に働く人を自分たちできちんと見極める」という基本姿勢は、この先もずっと変えてはいけないものだと捉えています。「それって当たり前だよね」という認識をみんなが変わらず持ち続けていられるよう、働きかけていくことも私の役割だと思います。

規模に左右されない、根源的な価値観ということですね。

柳川氏:そうですね。Rettyのサービスをより良いものにするために、自分の意見をきちんと持って能動的に動く人がここには集まっていて、社内の雰囲気も非常にポジティブです。このオープンでフラットな環境がRettyの強みの一つであり、その環境を維持し、拡大していくためにも「Hire the BEST」を根付かせていくことが大切だと思っています。

【取材後記】

「Retty」という名前には、人のおすすめ(Recommend)によって人々を幸せ(Happy)にしたい、という想いが込められているそうです。この2つのワードは、リファラルリクルーティングに重点を置くRettyの採用方針にも通じるものがあると、柳川さんのお話をお聞きして感じました。単なる掛け声や努力目標ではなく、組織に通底する価値観として「全員で採用」の考えが根付き、さらにその土台にオープンでフラットなカルチャーが存在する。組織の規模やフェーズが変化しても、ブレることなく「全員で採用」を貫ける理由がそこにありました。

Facebook

Twitter

はてなブックマーク

このエントリーをはてなブックマークに追加

  • HOME
  • TREND
  • 「全員で採用」を実現するRetty。組織が拡大しても企業文化として根付く理由

ご案内・お問い合わせ

DODAでは「人材採用の課題解決を支援する」さまざまなサービス・情報をご提供しております

DODA/採用支援サービスについて お問い合わせ

TOPに戻ります