【無料テンプレート付】在職証明書の書き方をサクッと理解!効率的につくる方法とは?

社会保険労務士法人クラシコ

代表 柴垣 和也(しばがき かずや)【監修】

昭和59年大阪生まれ。人材派遣会社で営業、所長(岡山・大阪)を歴任、新店舗の立ち上げも手がけるなど活躍。企業の抱える人事・労務面を土台から支援したいと社会保険労務士として開業登録。講演実績多数。

在職証明書とは?発行は義務?
まずはテンプレートをダウンロード
在職証明書の書き方
英語の在職証明書が必要な場合は?
在職証明書が必要となるケースとは?
在職証明書を作成する際の注意点
在職証明書発行時の疑問、こんなときどうする?

従業員が在職していることを証明するために、企業が発行する「在職証明書」。主に保育園の入園申請時や、外国籍の従業員が就労ビザを申請する際などに必要となる書類です。保育園の入園申請の際などに必要な在職証明書は、自治体で指定の書式がある場合が多いのですが、指定書式が無い場合には、作成時にどのような項目を記載すれば良いのか悩むこともあるのではないでしょうか。今回の記事では、在職証明書の書き方について記載例を交えて解説するとともに、作成時の注意点やよくある疑問にお答えします。日本語と英語版のテンプレートもそれぞれダウンロード可能ですので、ぜひご活用ください。

在職証明書とは?発行は義務?

在職証明書とは、従業員が企業に「在職している」ことや、過去に「在職していた」ことを証明する書類です。企業によって呼び方が異なり、「在職証明書」のほか、「就労証明書」「就業証明書」「雇用証明書」「勤務証明書」などと言われる場合もあります。
在職証明書は、法律で発行が義務付けられた書類ではなく、企業が任意で作成する書類です。しかし、発行することで企業に不利益が及ぶわけではないので、従業員から発行を依頼されたら作成するのが一般的です。なお、万が一のトラブルに備えて「在職証明書が必要な理由」や、「提出する場所」などを確認しておくと良いでしょう。

まずはテンプレートをダウンロード

まずはテンプレートをダウンロード

在職証明書には決められた書式がありません。また、提出先や用途によって記載内容が異なります。そのため、従業員一人一人の要望を聞きながら一から作成することになりますが、そうすると時間がかかります。そこで、作成にあたってはテンプレートを活用すると効率的です。一般的に記載が必要とされる項目が網羅されたテンプレートを利用すれば、記入漏れなども防げます。
ただし、テンプレートを利用する場合でも、従業員に記載事項の指定があるかどうかを確認し、テンプレートにその項目の記載欄があるかについても確認しましょう。また、記入用紙が指定されている場合もあるため、作成前に従業員へ確認しておきしましょう。

在職証明書の書き方

ここでは基本的な在職証明書の記載項目と、項目ごとの記載例について説明します。書類作成するときの参考にしてください。

在職証明書の書き方

●在職証明書の主な記載項目

①従業員の氏名・生年月日・住所
②入社年月日・勤務地
③雇用形態
④勤務時間
⑤職種・業務内容

提出先から指定された用紙がある場合は、年収や月額給与などを記載する場合もあります。企業の住所、会社名、代表者名の記載および会社の印鑑の捺印も必須となります。

①:従業員の氏名・生年月日・住所

企業に在籍していることを証明する従業員の「氏名」「生年月日」「住所」を記載します。氏名や住所は現在の情報を記載します。あらかじめ変更がないかを確認しておきましょう。住所は「〒●●●-△△△△ 東京都〇〇区~~~」といったように郵便番号から記載します。

②:入社年月日・勤務地

勤務地は本社ではなく、該当の従業員が実際に勤務する事業所や支店の住所を記入します。入社日は「2001年●月●日」など、西暦で記載するとわかりやすいでしょう。

③:雇用形態

対象の従業員が「正規雇用」「契約社員」「パート・アルバイト」なのかを記載します。チェックボックスがある場合は、該当する項目へチェックを入れ、チェックボックスがない場合は「正社員」「アルバイト」といったように、具体的な雇用形態を記載しましょう。

④:勤務時間

勤務時間は「9時00分から18時00分まで(実働8時間)」のように、始業・終業時刻のほかに、実際の労働時間も記載しましょう。

⑤:職種・業務内容

従業員の職種や担当している仕事内容を記載します。職種欄には「営業職」「企画マーケティング職」などの職種名や、「●●部長」「△△課長」などの役職名を記載します。業務内容欄には「営業部門の予算・実績管理、マネジメントを担当」「マーケティング部に所属し、モニターやアンケートの企画実施、分析を担当」など、担当していた主な仕事内容を記載します。

英語の在職証明書が必要な場合は?

在職証明書は、海外で就職する際の就労ビザの取得時にも、提出が必要になります。その場合は「前職でのポジション」や「在籍していたことの事実」を確認する目的で、提出を求められることが多いようです。
英語版の在職証明書を作成する機会は少ないため、慣れていないと作成に時間がかかります。テンプレートを使い、効率よく作成しましょう。

英語の在職証明書の書き方のポイント

英語の場合も、基本的な記載項目は日本語の在職証明書と同様ですが、文章フォーマットを英語用にそろえる必要があります。発行した企業の情報は、用紙の右上に記載しましょう。

●発行元の企業情報として記載する項目

・企業名(Company Name)
・代表者の氏名(President’s Name)
・企業の住所(Company Address)
・電話番号(Phone Number)
・発行年月日(Date of Publication)

在職証明書のタイトルは、英語で「Certificate of Employment」と書きます。タイトルは用紙の中央に記載しましょう。その下に従業員の氏名や住所、職務内容などを記載していきます。最後に在職証明書を作成した担当者の直筆サインと、企業の印鑑を捺印します。

在職証明書が必要となるケースとは?

どのようなケースで在職証明書が必要になるかを理解しておくことで、従業員からの作成依頼が増える時期の予測もしやすくなります。主に下記の3つのケースで在職証明書が必要となります。

保育園などへ入園申請をするとき

在職証明書が必要になるケースとして最も多いのが、保育園や保育所へ子どもの入園を申し込むときです。両親が働いていることを証明する在職証明書が、「保育の必要性」を審査する際の判断基準の一つとなるためです。子どもがすでに保育園に通園している場合も、毎年定期的に在職証明書の提出が必要になります。同居する祖父母がいる場合、両親だけでなく祖父母も提出が求められる場合もあります。ほかにも、私立学校の一部や、児童クラブなど学童の利用申請時にも必要となることがあります。

従業員が転職するとき

従業員が転職する際に、転職先の企業が在職証明書の提出を求める場合があります。履歴書の内容と、実際の経歴や職務内容が一致するかどうかを確認するためです。また、中途採用で公務員へ転職する際、受験資格に「一般企業で5年以上の在籍経験がある方」などの条件がある場合も、在職証明書が必要です。応募条件を満たしているかという確認や、応募者の選考基準の一つとして使われます。

外国人労働者が在留資格(就労ビザ)を申請するとき

外国人労働者を雇用する企業では、日本に滞在するために必要な「在留資格」の取得時に発行を依頼されることがあります。在留資格とは、外国人が日本でどのような活動をしているのかを類型化し、該当する分類を証明するものです。就労を可能とする在留資格(就労ビザ)は、「日本人労働者と同程度の報酬を受けること」が取得要件のため、雇用内容や給与を証明するために在職証明書が使われます。
「永住者」や「定住者」以外の在留資格には有効期限があります。その期限を超えて日本国内で就労などの活動を継続する場合は、在留資格の更新が必要となり、この場合も在職証明書の提出が求められます。
(参考:『外国人採用はますます本格化。ビザや受け入れはどうする?メリット・注意点を徹底解説』)

在職証明書を作成する際の注意点

在職証明書の作成時には、どのようなことに気を付けると良いのでしょうか。トラブルが起こらないためにも、作成するときに注意しておきたいポイントを押さえておきましょう。

情報漏えいのリスクに備える

従業員の職歴や給与などを証明する在職証明書は、個人情報が記載された大切な文書です。従業員個人の情報が社内外に漏れないよう、慎重に取り扱う必要があります。また、作成依頼を電話やメール、郵送などで受けた場合は、本人確認書類の写しなどの提出を求めて、本当に従業員本人からの依頼なのかを確認することも重要です。作成後の受け渡しに関しても、できる限り手渡しで行い、郵送の場合は従業員本人の元に届いたことを確認しましょう。

在職時のデータを記入する

記載項目の内容について、現在と在籍時の情報が異なる場合は、「在職時」の情報を記入しましょう。たとえば、在職証明書の発行を依頼されたときと在籍時とでは、従業員の住所が異なる場合もあります。このほか、結婚により姓が変わった場合なども注意が必要です。

在職証明書発行時の疑問、こんなときどうする?

従業員から在職証明書の発行を依頼されたとき、そもそも発行しても良いのかという判断に悩むケースもあるかもしれません。ここでは、在職証明書の発行に関する疑問にお答えします。

退職した元従業員から発行を依頼された

従業員の退職後に発行を依頼された場合は、在職証明書が必要な理由や用途を確認し、対応を検討しましょう。先述した「保育園の入園申請」で提出する書類であれば、必要なのは「現在、在籍していること」を証明する書類となるため、退職した従業員に対して在職証明書の発行はできません。
一方、退職後に従業員が「転職した企業」へ提出する書類であれば、必要なのは「以前、在籍していたこと」を証明する書類となるため、退職証明書を発行するのが一般的です。
(参考:『【社労士監修】退職証明書の正しい書き方と離職票との違い。フォーマット・記載例付』)

アルバイトやパートの従業員から発行を依頼された

在職証明書は、正社員やアルバイト・パートなどの雇用形態にかかわらず発行できます。たとえば、新卒採用の選考時などでも、企業が応募者のアルバイト経験を知るために、在職証明書の提出を求める場合があります。従業員に対してどのような目的で必要な書類なのかを確認し、適切に対応しましょう。

派遣社員から発行を依頼された

派遣スタッフとして働く従業員の場合は、派遣元の人材派遣会社が在職証明書を発行する必要があります。派遣社員と雇用契約を結んでいるのは人材派遣会社であるためです。

個人事業主で企業に所属していない

フリーランスや自営業の場合は、企業に雇用されていないため「在職証明書」はありません。保育園の入園申請時などでは、在職証明書の代わりに「就労証明書」など、個人事業主としての就労状況や勤務実態がわかる書類を提出します。就労証明書は個人事業主が自分で作成します。「事業者の名前」「屋号」「事業社員数」「業務内容」などの項目についても、漏れのないように記入しましょう。

まとめ

在職証明書は、従業員の子どもの保育園入園時や、転職などの場面で必要になる重要な書類です。しかし、提出先や必要な場面ごとに記載項目が異なるため、作成には時間がかかります。在職証明書を効率的に作成するためには、テンプレートを活用するのがお勧めです。また、企業で利用するテンプレートを一つに決めておくと、担当者が変わったときもスムーズに作成できます。従業員が行う手続きが「間に合わない」「遅れてしまう」といったことが起きないよう、在職証明書の作成を依頼されたら速やかな作成を心掛けましょう。

(制作協力/株式会社はたらクリエイト、監修協力/社会保険労務士法人クラシコ、編集/d’s JOURNAL編集部)