優秀な人が会社をやめる5つの原因とは?優れた人材を残すために企業ができること

d's JOURNAL編集部

優秀な人がやめていく事態を招くことは、企業にとって大きなマイナスとなります。そのため、離職につながる原因を早期に発見して、適切な対応をとることが欠かせません。

個人に対するアプローチだけでなく、状況に応じて企業風土そのものを変えていく取り組みも必要になることがあります。

この記事では、優秀な人を手放さないために企業として何ができるのかを詳しく解説します。

優秀な人が会社をやめる5つの原因

離職の原因にはさまざまなものがありますが、優秀な人が会社をやめてしまうのには、いくつか共通しているパターンもあります。ここでは、主な原因として考えられる5つの問題について見ていきましょう。

待遇面に不満がある

優秀な人材が離職を考えてしまう理由として、給与などの基本的な待遇面に不満がある場合が挙げられます。優秀な人材は自身の能力についてある程度前向きにとらえているため、スキルや経験が給与に反映されていないと感じると、より不満を抱きやすい面があります。

特に、自身の仕事ぶりや成果を公平に評価する基準がない場合には、その傾向が強めです。優秀な人材は周囲と比較しても高い生産性を発揮することが多いため、それにもかかわらずほかの社員と待遇面の違いが見られないと、正しく評価されていないと感じてしまいます。

この場合、単に社内全体の給与を一律で向上させるだけでは、問題を解決することができません。優秀な人材ほど評価の公平性も敏感に感じ取るため、成果を具体的な評価や報酬として見える化できる仕組みがなければ、やりがいを感じることは難しくなります。

成長できる機会がない

優秀な人材にとって、仕事を通して自身が成長できるかどうかはとても大きなポイントとなります。自身のキャリアに対する意識が高いため、スキルや経験を磨き、人脈を広げていけるような環境を人一倍強く求める傾向にあるのです。

それだけに、「思ったようなスキルや経験が身につかない」「自らチャレンジできる機会に乏しい」といった状況に陥ると、現在の仕事に価値を見出せなくなってしまいます。たとえ目の前の業務に不満がなくてもキャリアアップにつながらないと感じると、より自身の成長につながる仕事を見つけたいと考えるようにもなるでしょう。

また、社内に尊敬できる先輩や上司がいないといった理由も、離職を考える原因になり得ます。特に若手の社員には身近な先輩や上司がお手本となるため、自身の将来と重ねる場面も多いです。

先輩や上司に尊敬できるポイントが見つからない場合や、能力に対して思うような昇進や昇給を果たせていない場合には、自身の将来像にも希望を見出せなくなり、離職を決断してしまうケースがあります。

仕事にやりがいを感じられない

優秀な人材は人一倍仕事へのやりがいを求める傾向が強いです。安定した環境よりも積極的にチャレンジできる状況を好み、周囲にはできないような役割を果たしたり、高い評価を受けられる仕事をしたりしたいと考えるのです。

そのため、「能力に対して仕事の裁量権が小さい」「知識やスキル、アイデアを活かせる場がない」と感じると、仕事に対するモチベーションが保てなくなってしまう傾向があります。また、周囲のメンバーと一律で目標が設定されているなど、自身の能力に見合わない条件に不満を感じてしまうケースもあるでしょう。

それ以外の理由としては、非合理的、非効率的な業務が多いといったものも挙げられます。優秀な人材は既存の方法やシステムの違和感に気づくのが早く、ときには疑問や変更の提案を投げかけることもあります。

それに対して具体的なレスポンスが見られなければ、張り合いがなくなって離職を考えるケースも考えられます。

社内の人間関係に不満がある

優秀な人材に限らず、職場の人間関係に対する不満は、退職理由のもっとも主要な原因といえます。コミュニケーションが希薄な職場では、考えていることや提案を口に出せず、能力を十分に発揮するのが難しくなります。

また、「ハラスメントや差別的な発言がある」「プライベートへの干渉が目立つ」といった理由も、当然ながら離職につながる原因です。そのうえで、特に優秀な人材は「自分のアイデアや提案に耳を傾ける上司がいない」「適切に指導してくれる上司がいない」といった状況に不満を感じやすい傾向にあります。

自身の成長につながる人間関係を求める傾向が強いため、人材の配置には工夫が必要です。

企業の将来性に不安を感じている

キャリアや将来のビジョンを明確に持っている人が多いのも優秀な人材群の特徴です。それだけに、企業の将来性に対してもシビアな目を持っており、業績の悪化や成長のかげりには敏感な面もあります。

企業が伸び悩みを続けていると、自身のキャリアビジョンとの間にギャップを感じてしまうのです。そうなれば、新卒者は選択肢が広く残されているうちに、ある程度の年数が経過している従業員は外部とのパイプを活かす形で、転職を考える機会が増えてしまいます。

また、年数の経過に対して周囲の従業員の成長が小さいなど、育成システムの弱さから将来性を不安視してしまうケースもあります。

優秀な人がやめてしまう会社の特徴

優秀な人材が離職してしまう原因にはさまざまなものがありますが、ときには企業の仕組みや体制が引き金になってしまうケースもあります。ここでは、優秀な人材がやめてしまう会社の特徴について3つの観点から解説します。

評価基準が曖昧

優秀な人材は周囲と比べても優れた成果を残す場面が多く、本人もその結果や周りとの差を自覚していることが少なくありません。それだけに、社内の評価基準が明確化されていなければ、正当な評価を受けられていないと感じてしまう可能性が高い傾向にあります。

また、自身の能力に自信を持っている人材は、自分の力で現状を分析したり目標を立てたりして、ゴールを逆算しながら努力することができます。しかし、評価基準が不明瞭であったり、結果を残しても昇給や昇進につながらなかったりすれば、前向きに目標を立てることができません。

そうした状況が長く続けば、優秀な人材をより実力主義の会社へ流出させてしまう流れにつながります。

労働環境に問題がある

労働環境の問題は人材の能力や立場にかかわらず、離職につながる主要な原因です。そのうえで、優秀な人材は「高いパフォーマンスを発揮すること」に重きを置く傾向があるため、通常の人材とは異なる視点を持っていることもあります。

効率よく業務を進めて労働時間を短縮し、休日はきちんと休息に充てられる時間を確保したいなど、ワークライフバランスに強いこだわりを持つ場合も多い傾向にあります。しかし、勤務体制が凝り固まっており、横一線で仕事を進めなければならない企業では、こうした要求に応えることができません。

また、業務管理に十分なリソースを割けていない企業では、組織の生産性を追求するあまり、優秀な人に業務が集中してしまうというケースも考えられます。そうなれば努力が評価に結びつかないばかりか、負担が増えてしまうと感じて、やめてしまうリスクが高くなります。

経営陣が保守的で変化がない

優れた能力と広い視野を持つ人材は、既存のシステムに疑問を抱く瞬間が人一倍多いのも特徴です。効率的な方法や画期的なアイデアを積極的に生み出し、現状を変えていくことにやりがいを感じる一方、意見を活かせる機会がなければ強いストレスを感じてしまいます。

さらに、優秀な人材は時代の変化にも敏感であり、目的の見えない現状維持には抵抗感を覚えることも多いです。そのため、経営層が保守的でなかなか前向きな変化が見られなければ、離職を決断するリスクが高まります。

また、優秀な人材には、本人と同じようにキャリアへの意識が高い友人や仲間が多いのも特徴です。自身が勤めている企業が時代の流れに追いつけていない場合、ほかの企業に勤めている周囲の人と比較して、置いていかれているような心境に陥ってしまうケースもあるでしょう。

優秀な人が離れてしまうことによる影響

優秀な従業員が職場を離れてしまうことは、想像以上に大きな影響をもたらすことがあります。そのため、どのような影響があるのかを把握したうえで、離職を未然に防ぐための手立てを考えておくことが大切です。

ここでは、優秀な人が離れることで生じる影響を解説します。

生産性の低下

離職した従業員が優秀であるほど業務への影響は大きなものになるでしょう。離職に至る原因はさまざまなことが考えられますが、仮に業務内容や業務量に関する負荷が大きくて離職につながったのであれば、その従業員がやめることで多大な影響が出る恐れがあります。

業務の質そのものが低下すれば、その影響は社内だけにとどまらず、取引先や顧客にも及んでしまいます。最悪の場合、企業イメージが低下する要因にもなってしまうので注意が必要です。

また、優秀な人がやめてしまったあとには、企業としてはそれらの業務を誰かが引き継がなければならないため、他の従業員への負荷が大きなものになる懸念も生まれます。

チーム全体が業務過多の状態に陥れば生産性が低下し、トラブルが起こりやすい状況になってしまいます。

従業員のモチベーションの低下

優秀な従業員はチーム内で評価されているケースが多いため、離職が発生することによって他の従業員のモチベーションが低下するリスクがあります。やめていった従業員が重要な業務やポストを担っていれば、その影響は想像以上に大きなものとなる恐れがあるでしょう。

また、一人が離職することでチーム全体のモチベーションが低下し、立て続けに離職が発生してしまう懸念も生じます。

何も改善策を講じなければ、悪循環に陥る可能性があるため、問題の原因を正しく把握して迅速な対処が必要です。

優秀な人が会社をやめる兆候

優秀な人材は基本的にはやりがいを持って業務に取り組んでいるため、突然やめてしまうことは考えづらいといえます。離職に至るまでにいくつか兆候が見られる場合があるので、注意しておく必要があるでしょう。

優秀な人が会社をやめてしまう兆候として、以下の3つの点が挙げられます。

優秀な人が会社をやめる3つの兆候
・発言の機会が少なくなった
・残業が少なくなった、有給休暇の取得が増えた
・自身のデスクや荷物を整理し始めた

各兆候について、考えられる状況などを解説します。

発言の機会が少なくなった

日頃から活発にコミュニケーションをとっていた従業員が、あまり発言しなくなったときは注意が必要です。もちろん仕事だけが原因とは限りませんが、気をつけて様子を見ておくなど、何らかの対処が求められます。

仮に仕事が原因でモチベーションが低下しているのであれば、離職の兆候の一つだと考えられます。以前は積極的に話をしたり、提案をしたりしていた従業員が急に発言が減っているならば、会社との前向きなかかわりを諦めてしまっている可能性があるため注意しなければなりません。

すでに離職することが念頭にあれば、これから会社をどのようにしようといった話題にはあまり関心が向かないのも自然なことです。優秀な人のモチベーションが低下していると感じられるときは、話のテーマによって何か変化がないかを探ってみるようにしましょう。

残業が少なくなった、有給休暇の取得が増えた

離職の兆候として、残業が極端に少なくなったり、有給休暇の取得が増えたりしたときは注意しておきましょう。働き方を組織として見直すことで、残業が減ったり休暇が取得しやすくなったりしたのであれば問題はありませんが、そうした取り組みを行っていない場合は気をつける必要があります。

以前と比較して残業が減ったということは、会社への貢献よりも、別のことに意識が向いている可能性があるためです。休むことが多くなった場合も、会社とかかわることを割けていると考えられます。

仮に、他の企業や新たな人脈とのつながりを築き始めているのであれば、離職が念頭にあるのかもしれません。他の従業員に話を聞くなどして、最近変わった様子が見られないかを把握しておく必要があります。

自身のデスクや荷物を整理し始めた

従業員が自分のデスクや私物などを整理し始めることは、離職の兆候と考えることができます。単に整理整頓を行っているのなら問題はありませんが、特に理由もなく身の回りの整理を始めているときは、すでに転職先が決まっている可能性も考えられます。

直接本人に尋ねても、理由を聞くことは難しい可能性が高いため、従業員に確認してみることが大事です。仮に周囲にも何も話をしていないのであれば、離職する可能性が高いと判断できるため、早急な対応が必要になるでしょう。

優秀な人材を手放さないための方法

優秀な人がやめてしまうのを未然に防ぐには、大きく分けて次の4つのポイントを押さえることが重要です。

優秀な人材を手放さないための4つの方法
・評価基準を見直す
・業務の内容と量を調整する
・コミュニケーションの仕組みづくりを行う
・企業風土の変革を行う

それぞれの方法について、どのような点に気をつけるべきかを解説します。

評価基準を見直す

優秀な人がやめてしまうケースとして、自分の仕事に対する評価が適正に行われていないと不満を抱えている場合があります。そのため、従業員の働きぶりを正しく評価できる評価基準に見直していくことが大切です。

会社に対する貢献度と自分の役割が適正に評価されていると感じれば、モチベーションの向上や生産性のアップなどにつなげられます。また、将来のキャリアパスが明確な会社であれば、スキルアップや能力開発などに前向きに取り組んでいけるはずです。

目に見える部分だけで評価を行うのではなく、チームの目標を達成したりメンバー間の調整役を担ったりといった目に見えない貢献に対してもきちんと評価をすることで、仕事や会社に対する不満を減らすことができます。

業務の内容と量を調整する

優秀な人材ほど業務が集中しやすい傾向があるため、業務内容や業務量に問題がないかを定期的に見直すことが肝心です。はじめのうちはモチベーションが高くても、長時間労働や休日出勤などが常態化していれば、やがて仕事に対する意欲が低下して離職に至る可能性があります。

また、仕事に対するモチベーションを維持できていたとしても、優秀な人材ほど自分を成長させるために時間を投資したいという欲求が強いでしょう。思うように時間がとれないことに対する不満が離職につながる恐れもあるので、仕事の配分やサポート体制の見直しなどを行う必要があります。

勤怠管理システムを導入して、残業時間や休日出勤の実態を把握し、業務の負荷がどの程度であるかを可視化してみましょう。他の従業員でも担える業務であれば、負担を軽減させるために、業務の割り振りを見直すことが大切です。

そして、スキルや経験などを活かせる業務内容を割り当てることで、仕事を通じて成長が実感できる環境を整えてみましょう。

コミュニケーションの仕組みづくりを行う

優秀な人材は自身の成長を望みながらも、チームとして成果を出していくことに重きを置いていることも多いといえます。メンバー間のコミュニケーションを大事にする傾向が見られるため、日頃から風通しのよい職場となるように雰囲気づくりを大切にしてみましょう。

また、直属の上司との関係も大事であり、1on1ミーティングを定期的に行うなどして、問題の早期発見につなげていくことが必要です。仕事以外の会話も大事にして、日頃どのような考えを抱いているのかを聞き役に徹して探ってみましょう。

職場内のコミュニケーションを個人単位で任せきりにするのではなく、組織として活発なやりとりが行われる雰囲気を育んでみてください。

企業風土の変革を行う

優秀な人材の離職を防ぐには、従業員エンゲージメントを高めていく施策の実行も重要なカギとなります。必要であれば、企業風土の変革に取り組んでいく姿勢を見せることで、モチベーションの向上につなげていけるでしょう。

企業風土はさまざまな要因で成り立っているものですが、いくつかの要素に分けることが可能です。企業理念を従業員と共有したり、時代にそぐわない慣習などがあれば改めたりすることも、企業風土を変えていくことにつながります。

また、従業員同士がお互いを尊重し合える人間関係の構築に努め、活発なコミュニケーションが生まれやすい職場づくりを心がけてみましょう。さらに、長時間に及ぶ労働が発生しないよう、ワークライフバランスのとれた仕組みづくりを従業員と一緒になって取り組んでいくことが大切です。

まとめ

優秀な人であるほど、自らスキルを高めたり、さまざまな経験を積むために新たな挑戦をしたりする傾向があります。しかし、仕事ができるからといって過剰な業務を担わせてしまうと、知らず知らずのうちにモチベーションを低下させることになり、離職に至る恐れがあります。

自社にとってコアとなる人材が活き活きとして働く姿勢は、他の従業員にもよい影響を与えるため、何か問題が起こる前に適切なケアを施していくことが肝心です。日頃のコミュニケーションを重視し、1on1ミーティングを定期的に行うなどして、業務への取り組みを評価したり、キャリアプランについて話し合ったりすることも重要でしょう。

組織としてよい成果を出すために、チーム全体が信頼関係に基づいた結びつきを得られるようにサポートしていきましょう。モチベーションの高い優秀な人に長く働いてもらうことは、組織にとってもプラスとなっていくはずです。

(制作協力/株式会社アクロスソリューションズ、編集/d’s JOURNAL編集部)

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