【育成スキルマップ付】採用できない…、育成に難航中…、これから…という方へ。DX人材職種別育成ノウハウ

2022.07.06
d’s JOURNAL編集部
DX人材を自社で育成する重要性
「どう育てる?」DX人材の育成ポイント
「育成スキルマップ」の活用でDX人材のスキルを可視化

DXの推進に取り組む企業が増える中、人材の不足に悩む企業が多く見受けられます。前回の採用編では、採用や育成に詳しいd先生に、DXを推進するための6つの職種や、DX人材に必要なスキル・マインドセットについて聞いてみました。

しかし、実際に採用しようにも、すでにスキルを持つ人材の獲得競争は激化しており、なかなか採用に結びつかない……と感じている人事・採用担当者もいるのではないでしょうか。

d先生は「DX人材の採用に苦戦しているなら、自社で育成することも検討しよう」と話します。

そこで今回は、自社の従業員の中でDX人材としてのポテンシャルを持つ人を育成するにはどうしたらいいのか、d先生に聞いてみます。

DX人材を自社で育成する重要性

Jさん
採用担当(以下、Jさん)

前回、d先生とお話しして、自社のDX推進に必要な人材の要件を定義することの重要性がわかりました。ただ、すでにスキルや経験のある人材は採用市場で引く手あまた……なかなか採用に結び付かないという場合はどうしたらいいのでしょう? 業務を委託できる外部ベンダーに頼るしかないのでしょうか?

d先生
d先生

外部ベンダーに頼るのも一つの手段ですが、自社の従業員からDX人材のポテンシャルを持つ人を探して育成することも検討しましょう。DX人材を自社で育成するメリットには、以下のようなことが挙げられます。

■DX人材を自社で育成するメリット

・社内体制が構築しやすくなる
・事業に適したDXを推進できる
・システムの一貫性が保てる
・外部委託によるセキュリティーリスクの対策になる

d先生
d先生

DXの推進は一つの部署内だけで完結することは少なく、他部署との関わりが重要になります。このため、自社の事業や業務内容を深く理解しているDX人材を育成しておくことで、社内体制をスムーズに構築し、事業に適したDXを推進することが可能になります。

Jさん
Jさん

なるほど!

d先生
d先生

また、自社でDXの企画・開発から実際の運用までを手掛けることができれば、システムの一貫性を保つことが可能となり、セキュリティーリスクの低減につながる他、トラブル対応なども迅速に進めることができます。

Jさん
Jさん

DX人材の採用が思うように進まない場合は、社内での育成に力を入れた方がいいのですね!

d先生
d先生

むしろ、育成した方がメリットのある場合も多いので、灯台下暗しにならないよう組織の内側にも目を向けてみましょう。

Jさん
Jさん

おっしゃる通りですね。では、社内でDX人材の育成を行おうと思ったら、まずは何から始めればいいのでしょうか?

d先生
d先生

まずは「自社にとってのDX人材」の定義を具体的に言語化することが非常に重要です。「DX」と言っても、企業によって手掛ける事業や「どこまでデジタル化したいか」という目標も異なります。このため、自社に合わせたDX目標を立てた上で、その推進に必要な人材の定義を具体的に設定しましょう。そうすることで、実現したいDX目標に合わせた人材の育成につながります。

Jさん
Jさん

前回、DX推進人材の役割についてお話がありましたが、従業員の中から適した人を探すコツはありますか?

d先生
d先生

ポイントは、6種のDX推進人材のうち、どのジョブタイプに現在の職種が適しているのかを確認することです。改めて、DX推進を担う人材には具体的にどのような役割があるのか、また現在の職種だとどのような人がDX人材に適しているのかチェックしてみましょう。

■DX推進人材の役割と適した現在の職種

人材の呼称例 人材の役割 適した現在の職種
プロデューサー DXやデジタルビジネスの実現を主導するリーダー格の人材(CDO含む) 経営者/情報システム/IT部門責任者
ビジネスデザイナー DXやデジタルビジネスの企画・立案・推進などを担う人材 新規事業企画・IT企画担当者/プロジェクトマネージャー
アーキテクト DXやデジタルビジネスに関するシステムを設計できる人材 ITアーキテクト
データサイエンティスト/AIエンジニア DXに関するデジタル技術(AI・IoTなど)やデータ解析に精通した人材 データベースエンジニア
UXデザイナー DXやデジタルビジネスに関するシステムのユーザー向けデザインを担当する人材 Webディレクター
エンジニア/プログラマー 上記以外にデジタルシステムの実装やインフラ構築などを担う人材 インフラエンジニア/プログラマー
Jさん
Jさん

ビジネスデザイナーに必要なスキルは、企画力やアイデア力、ファシリテーション能力などですよね。それから、エンジニア/プログラマーは、理論的思考力やコミュニケーションスキル、マーケティングの知識などが必要だったと思います。

d先生
d先生

そうですね。例えば、ビジネスデザイナーなら現在IT企画の担当をしている人の中で、企画力はもちろんアイデア力やファシリテーション能力のある人材を探してみましょう。現時点ではスキルが十分ではない人材でも、ポテンシャルのある人を発掘して育成することで、長期的な視点で戦力になる可能性があります。

「どう育てる?」DX人材の育成ポイント

Jさん
Jさん

社内にDX人材のポテンシャルがある人を見つけたら、次は何をすればいいのでしょう?

d先生
d先生

まずは、DX推進の核となる人材の育成を最初に行うことが大切です。従業員の中でもすでに持っているスキルや知識量、ポテンシャルなどはさまざまなため、まずは自社のDX推進を行う上でリーダーになりそうな人材を選んで育成していきます。

Jさん
Jさん

DX人材のポテンシャルがある人を一律に育成するのではないんですね。

d先生
d先生

核となる人材を最初に育成することで、その人材がさらに次の世代の核となるDX人材育成を担ってくれるようになるので、社内の育成フローを確立することができます。

Jさん
Jさん

なるほど!具体的にはどのようなステップで育成を進めていけばいいですか?

d先生
d先生

学習と実践の2軸で進めていきます。

DX人材育成の3ステップ
①座学でスキル・マインドセットを学習してもらう
②OJTで実践力を身に付けてもらう
③社内だけでなく、社外とのネットワークもつなげる

d先生
d先生

まずはハンズオン(体験型学習)講座や、外部講師による講演などを活用し、AIやビッグデータ、UXなどの多様なスキルを習得してもらいます。また、「変革を恐れない」などのDX人材に必要なマインドセットも合わせて学んでもらいましょう。マインドセットについては、前回の記事のホワイトペーパーに記載していますので要チェックです!

Jさん
Jさん

スキルとマインドセットの学習を進めながら、次は実践ですね。

d先生
d先生

習得したスキルを実務に活かせるよう、OJTを行いながら実践経験を積んでもらいます。実際に案件のDXを進めて経験値を増やし、クライアントなどからのフィードバックを受けて改善していく。実践経験を繰り返しながら育成していくのが効果的です。

Jさん
Jさん

学習と実践経験を積んでもらったら、DX人材として戦力になりそうですね。

d先生
d先生

ここでさらに、ポイントです。社内にとどまらず、社外とのネットワークをつなげることも意識することが大事。DXの領域では日々、さまざまな新しい技術やサービスが生まれているので、こうした情報を個人や社内だけでキャッチアップしていくのは難しいのが現状です。社外のDX人材と情報交換ができるコミュニティーなどを活用することで、情報感度を高めていきたいですね。

「育成スキルマップ」の活用でDX人材のスキルを可視化

Jさん
Jさん

DX人材の育成には、学習と実践のセットで取り組むのがいいということがわかりました!実際に、DX人材を育成する際に気を付けることはありますか?

d先生
d先生

先ほどのDX人材育成の3ステップ「②OJTで実践力を身に付けてもらう」過程で、候補者のスキルやマインドセットが実務にどう活かされているのかを測ることが重要です。OJTの結果を客観的に評価するための「育成スキルマップ」を作成してスキルを可視化し、育成部門の担当者だけでなく、社内全体で共有できるようにしておきましょう。

Jさん
Jさん

育成部門だけでなく、社内に共有するメリットは何ですか?

d先生
d先生

他部署からのサポートも得やすくなりますし、改善点や成功体験を共有して全社的なモチベーションの向上にもつながるでしょう。DXは企業全体で協力して進めていくことが必要です。DX人材の育成についても、部署をまたいで進めていくことが大切なのです。

Jさん
Jさん

DX人材の育成は、「育成スキルマップ」を活用してスキルを可視化し、他部署にも共有することが大切なんですね。教えていただき、ありがとうございます!

d先生
d先生

「育成スキルマップ」のホワイトペーパーを用意したので、ぜひ活用しながらDX人材の育成に取り組んでみてください。

【採用担当(Jさん)の感想】

DX人材の育成は、社内でDX人材としてポテンシャルのある人を見極め、学習と実践を行いながら進めていくことが大切だということがわかりました。「育成スキルマップ」を活用し他部署とも連携しながら、DX人材の育成に取り組んでみたいと思います。

企画・編集/海野奈央(d’s JOURNAL編集部)、制作協力/株式会社はたらクリエイト

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