忙しい採用担当者必見!求人広告やスカウトメール作成etc. ここまで頼れるChatGPT(チャットGPT)での採用設計

d’s JOURNAL編集部

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  • ChatGPTに指示や質問を繰り返しながら「加筆したい情報」や「不要な内容の削除・訂正指示」を入力することで、魅力的かつ精度の高い求人票やスカウトメールを作成可能
  • ChatGPTに個人情報や企業名などを入力すると、情報漏えいや不正利用のリスクとなるため、情報の取り扱いには十分注意すること
  • 採用市場や競合の調査、評価基準の作成、応募書類の分析、面接質問作成、面接日程の調整、文章の校正・校閲など、ChatGPTはオペレーション業務にも活用可能

ChatGPT(チャットGPT)は、ユーザーが入力したプロンプト(質問・指示)に、対話形式で回答する生成AIです。その回答精度の高さが注目を集め、2022年11月の公開以降、利用者が増加しています。ChatGPTを活用した採用サービスもリリースされており、今後はますます採用現場で活用される可能性があるでしょう。

そこで今回は、ChatGPTを活用して効率化できる採用業務について、実際の質問の仕方や得られた回答を含めてご紹介します。「採用業務の工数を削減したい」「ChatGPTがどのような業務で活用できるのかを知りたい」とお考えの方、必見です!

ChatGPTを活用できる採用業務の例

ChatGPTで効率化できる採用業務の具体例をご紹介します。実際にChatGPTを使い、「求人票」と「スカウトメール文面」を作成してみました。

※ChatGPTには無料版と有料版がありますが、今回は無料版のGPT-3.5を使用しています

求人票の作成

改正職業安定法により、求人票作成の際には以下の労働条件を明示することが義務付けられています。

最低限明示しなければならない労働条件

・業務内容
・契約期間
・試用期間
・就業場所
・就業時間、休憩時間
・休日
・時間外労働
・賃金
・加入保険
・企業名

(参考:厚生労働省『労働者を募集する企業の皆様へ~労働者の募集や求人申込みの制度が変わります~<職業安定法の改正>』)

上記を前提として求人票のベースを作成してもらうため、ChatGPTのプロンプトに以下のように入力しました。

あなたは、製造を行う中小企業の採用担当者で、正社員を募集します。以下の項目を必ず入れて、求人票を作成してください。業務内容、契約期間、試用期間、就業場所、就業時間・休憩時間、休日、時間外労働、賃金、加入保険、企業名

(画像:ChatGPTより)

指示を受けて、ChatGPTからは以下のような回答がありました。

ChatGPTの回答1

(画像:ChatGPTより)

一般的な求人票の大枠が完成しました。事前に指定した項目と「製造業」「正社員」というキーワードを掛け合わせて、業務内容や就業時間、契約期間などについて、自動的に文章が作成されています。

ChatGPTは会話形式でやり取りが行われるため、以下のように、どのような情報を補足すればより魅力的な求人になるのかを質問し、アドバイスを受けることも可能です。

より効果的・魅力的な求人票にするために、必要な情報があれば教えてください。

(画像:ChatGPTより)

精度の高い結果を出すために必要な情報が、具体的に示されています。続いて、アドバイスに基づき「自社の魅力」や「選考プロセス」を伝えるために追記したい情報を指示すると、以下のような結果が表示されました。

以下の内容を先ほど作成した求人票に盛り込み、より魅力的な文章にしてください。交通費支給、その他各種手当あり。誕生日休暇、リフレッシュ休暇制度あり。選考は書類審査及び面接を実施。少人数でアットホームな環境、コミュニケーション重視。

(画像:ChatGPTより)

このように、指示や質問を繰り返しながら「加筆したい情報」や「不要な内容の削除・訂正指示」を入力していくことで、魅力的かつ精度の高い求人票を作成することができます。大枠が整ったら、求める人材や企業文化に合わせて、担当者が表現の最終調整を行いましょう。

スカウトメール文面

採用活動では、ダイレクト・ソーシングなど自社から直接アプローチが必要になることもあるでしょう。ChatGPTのプロンプトに以下の項目を入力することで、スカウトメールの文面を作成してもらうことも可能です。

入力項目

・募集職種
・採用背景
・仕事内容
・自社の魅力
・求める人材の特徴 など

実際にエンジニア募集のスカウト文面を作成するようChatGPTに指示を指すと、以下の回答が返ってきました。

株式会社〇〇がスカウトメールを送ります。以下の内容を反映させつつ、魅力あるスカウトメールを作成してください。募集職種はエンジニア。採用背景は依頼業務の増加。仕事内容はアプリケーション開発、テスト、運用。自社の魅力はリモートワーク可資格取得支援制度あり。

(画像:ChatGPTより)

プロンプトに入力した情報をもとに文章が肉付けされ、やわらかい表現かつ転職候補者の興味・関心に訴えかけるような内容になっています。今回は、汎用的な内容でプロンプトを作成していますが、企業理念や詳細な仕事内容、社内の雰囲気などを入力すると、より自社の実態に近い文面を作成できるでしょう。

職種や対象者によってスカウト文面を何通りか作成したい場合は、その旨をプロンプトに入力することで、複数の文面を作成することも可能です。

ただし、いくら本文が魅力的であっても、メールを開封してもらえなければ意味がありません。開封率が向上するよう、件名を「候補者が大勢に送っていると感じないよう、自身に向けてスカウトしてくれたと感じるような文言にする」「候補者の興味をひくようなキーワードを盛り込む」などの工夫をすることも重要です。

ChatGPTを採用に活用する際の注意点

上記のように、ChatGPTを活用することでさまざまな採用業務の効率化が期待できます。しかし、ChatGPTの利用は、事前に注意点をきちんと認識しておくことが大切です。具体的なポイントを見ていきましょう。

事前の情報整理と的確なプロンプトが鍵

ChatGPTを活用するときのポイントの一つは、事前に必要な情報を整理し、的確なプロンプトを作成することです。

ChatGPTはプロンプトの指示を受けて文章を生成するため、情報が不足していると適切な文章を作成することができません。「自社の魅力」や「求人要件」を事前に明確にしておくことで、アピール内容や採用候補者を絞り込め、プロンプトの入力工数も減らせるでしょう。

最終的には「人」が調整する

ChatGPTの回答は、正確性・確実性を保証するものではありません。誤った情報や自社に合わない表現が含まれている可能性もあるため、ChatGPTの情報をうのみにせず、最終的には、自社の求める人材や企業文化に合わせて人事・採用担当者が文章を調整していく必要があります。

個人情報や機密情報は入力しない

ChatGPTには、学習機能が備えられているため、個人情報や企業名などを入力してしまうと、情報漏えいや不正利用のリスクがあります。ChatGPTを活用する際には、情報の取り扱いに十分注意するようにしてください。

回答は「2021年9月まで」の情報をもとに作成されている

有料版・無料版ともに、2023年9月時点でリリースされているバージョンは、基本的に2021年9月までの情報に基づいて回答を生成しています。そのため、「直近の求人倍率」や「転職市場のトレンド」など、最新情報の取得には向いていないことに注意が必要です。

ただし、有料版(「ChatGPT Plus」)にはインターネットの検索機能を活用して回答を生成する「ブラウジング機能」が搭載されています。インターネット上にある最新の情報を活用したい場合は、有料版へのアップグレードも検討しましょう。

ChatGPTの使い道は文面作成だけじゃない!

ChatGPTは文面作成だけでなく、オペレーション業務などにも活用できます。ここでは、文面作成以外に活用できる事例をいくつかご紹介します。

採用市場や競合の調査

有料版ChatGPTのブラウジング機能やプラグイン(拡張機能)を利用すれば、最新の情報を反映させながら採用市場や競合の調査・分析を行うことができます。プロンプトには「抽出したい業界」や「使用したいフレームワーク」「出力形式」を入力するとよいでしょう。得られた調査や分析結果は、求人票作成時にも活用できます。

評価基準の作成

選考担当者による評価のばらつきを防ぐために、ChatGPTを利用して評価基準を作成することも可能です。「履歴書の項目」「面接での確認事項」「求める人材の特徴」などを入力することで、評価基準のベースが自動生成されます。「合格者の回答」などをプロンプトに組み込むことで、より精度の高い評価基準の作成が期待できるでしょう。

応募書類の分析、面接時の質問作成

ChatGPTは、特定のキーワードを自動で抽出できるため、「評価基準」と「候補者の実際の回答(志望理由や自己PR)」とを照らし合わせて分析し、自社に合う候補者を選び出すことが可能です。客観的な評価を得たり、選考担当者の判断と比較したりすることもできるでしょう。また、得られた回答をもとに面接で把握すべき項目を整理し、質問を作成するといった使い方もできます。

面接日程の調整

ChatGPTに候補者と複数の面談担当者の予定などを入力すれば、選考日の日程調整を効率的に行うことができます。有料版のプラグインを利用してカレンダーアプリと連携させれば、候補日の自動抽出やリマインド通知の設定などを行うことも可能です。

文章の校正・校閲

ChatGPTには、文章の作成だけでなく、既存文章の校正・校閲を依頼することもできるため、「選考結果通知のメール作成」「面接日程の調整連絡」などの文章作成時にも役立ちます。使い方は、作成した文章と「誤字脱字の指摘」「表記の統一」などをプロンプトに入力するだけ。あとはChatGPTが自動的に文章をチェックしてくれます。プラグインで校正・校閲ツールと連携させれば、より精度の高い文章作成が可能となるでしょう。

お役立ち資料のダウンロード【無料】

プロンプトの作成や自社の魅力整理に役立つ資料をご用意しましたので、ぜひご活用ください。

まとめ

ChatGPTはさまざまな採用業務に活用でき、「業務工数の削減」や「作業時間のスリム化」など、人事・採用担当者の負荷軽減につながる可能性が高いツールです。ただし、情報の正確性が担保されないなどの注意点もあるため、最終的には人が最終調整をする必要があります。今回ご紹介した活用事例や注意点を参考にしながら、ChtatGPTを利用した採用業務の効率化を検討してみてはいかがでしょうか。

(企画・編集/海野奈央(d’s JOURNAL編集部)、制作協力/株式会社mojiwows

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