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2017.02.07

「マジで価値ある?」を全社員が追求。freeeが実践する組織文化の育て方

PROFILE

freee株式会社

メンバーサクセスチームマネージャー 
古塚 大輔

IT企業の人事業務や人事系コンサルタントを経た後、2015年にfreeeのビジョンに共感しジョイン。freeeのビジョンやカルチャーの育成・浸透に関わる施策の企画・運営、社内環境整備などに取り組む。

freee株式会社

リクルーティングマネージャー 
栗林 由季

情報通信関連の商社で営業としてキャリアをスタートし、2014年2月にfreeeに入社。社員数20名強の時代からリクルーターとしてfreeeの魅力について情報発信を行う。freeeテニス部部長。

“組織に所属する社員が、同じ方向を見ながら最大限のパフォーマンスを発揮する。”

それが事業を成長させていくうえでの理想形の1つです。社員に同じ方向を見てもらうために必要なのが、組織のビジョンや価値基準。しかし、組織のビジョンや行動指針を掲げても、有名無実化になりがちでは無いでしょうか。特に、組織の規模が大きくなるのにしたがって、社員達に浸透させることのハードルが上がります。

しかし、250名超という組織規模でありながらビジョンや価値基準を全社員が理解し、業務を進める上での判断基準にできている企業があります。それが、「クラウド会計ソフトfreee」などのサービス開発・運営に取り組む、freee株式会社です。

freee株式会社は、【スモールビジネスに携わるすべての人が、創造的な活動にフォーカスできるよう】というビジョンを掲げた上で、【本質的(マジ)で価値ある】【理想ドリブン】【アウトプット→思考】【Hack Everything】【あえて、共有する】という5つの価値基準を設けています。しかも、このビジョンや価値基準は組織内に浸透しているだけでなく、新たな人材採用にも結びつけているそうです。

そこで今回、組織作りと採用活動について、freee株式会社のキーパーソンのお2人に徹底的に語っていただきました。前編のこの記事では、組織文化を社内に根付かせる方法についてフォーカスします。

組織文化は押し付けると失敗する。日常的に意識できる取り組みが大事

freee株式会社では、Webページで「私たちのミッション」として企業ビジョンを紹介し、さらに“価値基準”である5つの指標もトップに掲載しています。

古塚氏:私たちが大事にしていることやカルチャーは、社内だけでなく社外に対しても積極的に発信していこうというのが当社のスタンスです。そうすることで、社内のメンバーはビジョンや価値基準に対して意識を強くすることができるし、採用段階でも候補者の方に興味を持った上で応募いただけるケースが増えます。

栗林氏:面接にいらした方には、ミネラルウォーターをお出ししているのですが、実はこのボトルにも小さくビジョンや価値基準を書いています(笑)。視界に入ると話題にもなりやすいですし、入社する・しないに関わらず私たちのビジョンや価値基準がしっかり伝わって共感してもらえると嬉しいですからね。

ビジョンを記載したペットボトル
※5つの価値基準、【本質的(マジ)で価値ある】【理想ドリブン】【アウトプット→思考】【Hack Everything】【あえて、共有する】を記載したペットボトルも作成している
たしかに、目に入るところに書いてあると、ついつい読んでしまいます。

古塚氏:そうですよね。実際、社員にもかなり浸透していて、ミーティングやディスカッションでも「それってマジ価値なのかな?」と当たり前のように出てくる。それにみんなが同じ尺度を共有できると、立場に関係なく意見を発信できて意思決定も早いんです。

栗林氏:社内用チャットでも、 “マジ価値” “Hack”といった社員自作のスタンプが日常的に使われています。“いいね!”感覚の気軽な評価ですが、新人でも「こういう行動がマジ価値なんだ」と価値基準を理解しやすくなります。

組織文化を定着させるために、重要なポイントとはなんでしょうか?

古塚氏:当社では価値基準の認知・浸透を促進するために、「価値基準委員会」というチームを設けて様々なアイデアを形にしています。その活動の中で、特に「押し付けは絶対にしない」というポリシーは大事にしていますね。

押し付けない……とはどういうことでしょう?

古塚氏:社員1人ひとり考え方もキャラクターも異なりますから、価値基準の捉え方が1つになることはありえません。むしろ、みんなで考えて行動していくことが大切だと思っています。実際、我々が「価値基準はこう解釈すべき」と決め過ぎてしまったことがあって、認知はされてもガチガチに固められた定義だと実践に繋がらないなと反省したことがあります。

むしろ研修旅行や忘年会といった気軽に参加できるイベントの中で、価値基準を再確認できる企画を盛り込んだ方が気持ちを高めることができるなと感じています。

アクションに繋がらなければ意味がないわけですね。

古塚氏:そうです。価値基準は、あくまで私たちが目指す「スモールビジネスに携わるすべての人が、創造的な活動にフォーカスできるよう」というビジョンに最速で向うための決まり事。みんなが判断と活動をしやすくするためのキーワードですから、押しつけるのではなく、それを活かして組織を盛り上げていこう、活性化しようという発想が重要になると思いますね。

ビジョンや価値基準は、変わっていい。むしろ変わった方がいい

インタビューに答える古塚氏
※価値基準は、変わっていくべきものと答える古塚氏
freee株式会社が掲げるビジョンや5つの価値基準は、創業当時から誕生していたのでしょうか?

栗林氏:元々ビジョンやコンセプトはありましたが、実は価値基準は少しずつ変わっています。

古塚氏:価値基準だけではなく、社員のレビュー制度などでも「ゆくゆく変える」ことを前提にして発表されますよね。

栗林氏:そうなんです。「これが正しい」と思ったことに何年も執着せず、企業の形や組織の規模が変われば、正しいことも変わるだろうという意識が会社全体にあるんですよね。ですから、現在の5つの価値基準も内容が変わるかもしれませんし、今後6つになる可能性だって十分ある。この柔軟さは私のすごく好きなところです。

状況が変われば、行動指針や組織文化も変わっていくもの、という考えなのですね。

古塚氏:例えば、“あえて共有する”という言葉は、以前は“塊魂(かたまりだましい)”だったんですよ。ただ、これだととにかく周囲を巻き込めばいいと勘違いされやすい。じゃあ、もっといいフレーズはないかな?と議論を重ねて今の言葉になっています。

栗林氏:もっと遡ると、会社の設立当初は“本質的(マジ)で価値ある”といったキーフレーズもなく、「ユーザーにとって本質的な価値があると自信を持って言えることをする。」という文章だけでした。それをもっとわかりやすくするために若手社員が、それぞれにキーフレーズを1つひとつ作成したんです。ですから、当初から社員みんなでブラッシュアップしてきた感覚ですね。

社員数が増えても、ビジョンや価値基準がうやむやにしないコツは?

インタビューに答える栗林さん
※栗林氏は、価値基準を社内に浸透させる様々な取り組みを継続的に行っていると語る
ただ、企業が成長するほど、組織文化が有名無実になってしまうケースも少なくありません。freee株式会社の場合も、現在は社員数が250名超です。それを回避するために取り組むべき施策などはありますか?

古塚氏:まずは地味なことでもやれることを愚直にやりきるべきです。例えば広報のためにポスターを作って張り出すとかですね。多少予算がかかっても価値基準は会社にとってビジョンと同じくらい大切なものなので投資すべきだと思います。

栗林氏:それに当社の場合、毎クオーターごとに各部署・各チームで「価値基準による振り返り」を行っています。業績に関わる定量的な内容だけでなく、定性的な活動でもいいものはみんなで評価します。年末の忘年会ではそうした活躍をチーム対抗で競い合う「価値基準トーナメント」もあって、結構盛り上がっていますね。

イベントなどを通して日常的に意識付けを行うことが大切なのですね。

古塚氏:メンバーみんなが、ビジョンや価値基準への理解が深いので、「freeeの目標を実現するには、まだまだ人手が足りない」という共通認識も持っていますし、採用活動にも本当に協力的です。それも組織文化が浸透しているからこその特徴と言えるでしょうね。

まとめ

インタビューに登場いただいた古塚氏自身も、“freeeのビジョンに共感して転職”した経歴の持ち主。そんな古塚氏でも、入社当時を振り返って「社員がミーティングで、 “それってマジ価値ですか?”と普通に使っているのは驚いた」と笑います。

社員発信で耳に残るキーフレーズをつくり、企業の変化に合わせて、価値基準自体も進化させていく。その柔軟なスタンスこそが、組織文化を根付かせる最大のポイントなのかもしれません。後編では、この組織文化を活かす・伝える採用手法について迫ります。

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