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2017.03.02

人事施策を成功させるための「感情マネジメント」の重要性

PROFILE

株式会社サイバーエージェント

取締役 人事管轄 曽山 哲人

1974年生まれ、上智大学文学部英文学科卒業。1999年、株式会社サイバーエージェントにインターネット広告の営業職として入社し、後に営業部門統括に就任。2005年から人事本部設立と共に人事本部長に就任。現在は取締役を務め『採用育成本部』を管轄している。ブログやソーシャルメディア、著書による情報発信も多数あり、人材マネジメントや組織活性化など、幅広いテーマで講演・教育活動も積極的に行っている。

今回、『採用育成本部』を管轄する取締役・曽山氏にインタビューを行いました。数々の人事施策を実施されている曽山氏が、施策成功のために大事にしていることを始め、実際の取り組み内容、そして自社採用力を高めるためのアドバイスをいただきました。血の通った科学じゃないと人は動かない

血の通った科学じゃないと人は動かない

「採用育成本部」の設立をはじめ、曽山さんは様々な人事施策に取り組まれています。施策を成功させるために、大事にしていることはありますか?

曽山氏:人事施策を進める上で大事なのは、”ファクトや数字”と”受け手である社員たちの感情”の2つを意識することだと私は思います。定量的なデータは大切です。
しかし、これはメンバーに教えてもらったのですが「血の通った科学じゃないと人は動かない」ことも忘れてはいけません。データによって導き出された人事の施策や判断も、最終的に受け取るのは動物である人間なのです。

そのためファクトや数字で出すのは選択肢。社員たちに施策の内容を伝える時や、行動してもらうには感情への配慮が必要です。この配慮ができないと施策は成功しません。

感情への配慮という部分は、年々注目が高まっているように感じます。

曽山氏:昨今、AIの活用や、人事業務に対してもHRテックといったキーワードが注目を集めています。データサイエンスが進歩するほど、感情への配慮いわば感情マネジメントの必要性が高まると思います。

これまでは組織のトップが、直感と独自のロジックだけで施策をスタートしても上手くいっていたかもしれません。しかし今後は、技術の進歩により、データに導かれたファクトや数字が明確になってきます。そのため属人化されている直観や独自のロジックは必要なくなることも出てくると思います。

これ自体は良いことです。しかしデータだけで方針を判断する施策の進め方だと、組織内のコミュニケーションがどんどんドライになってくる。ドライなコミュニケーションだと、おそらく人は動かないでしょう。

そのため経営層を含めたこれからのリーダーは、感情マネジメントのスキルを身に着ける必要があると思うのです。コミュニケーションを通して、信頼関係を創ろうとしているリーダーに人望や事業を推進していく力が集まってくるはずです。

採用後も社員の感情に寄り添う仕組みを作っている

インタビューに答える曽山氏_その1

サイバーエージェント自体の取り組みについて教えてください。

曽山氏:私たちが取り入れているのは”タレントキャピタル・マネジメント”という考え方。タレントキャピタルとは才能資本を指します。当社は才能がある人を発掘して、採用と育成をしていくことに力を入れています。

前回もお話しましたが、『採用育成本部』に所属している採用担当者たちは、自分が見つけた才能のある社員に対して強い思い入れがあります。もちろん私自身も入社説明会やセミナーで出会い、入社してくれた社員のことをしっかり覚えていて、やはり思い入れがあるんです。

採用担当者が入社してくれた社員に興味を持つことは、非常に良い相乗効果をもたらすと思います。なぜなら、興味を持たれている社員も、同じように採用担当者に対して興味を持つからです。このように社員の感情に寄り添う関係をしっかりと根付づかせていくことも、当社が今回、採用と育成を一つの部署にした背景でもあります。

『採用育成本部』のメンバーが入社後も気にかけてくれるのは、社員にとって大きな安心感にもつながりそうです。

曽山氏:現在当社には、社内異動をサポートする「キャリアエージェント」という組織があります。その組織の取り組みによって年間150人程度が社内異動している状況です。部門間の異動は様々で、例えば広告事業から自社メディア事業などへ、サイバーエージェントの社内で転職するように異動しています。

「キャリアエージェント」という組織のメンバーは、事業部長に対しては組織が必要としている人材について定期的にヒアリングします。一方、社員個人に対しては、構築したいキャリアのことや仕事の悩みなどを直接面談で聞いたり、自社開発した「GEPPO」というシステムを使って常に声を集める工夫をしています。

今回立ち上げた『採用育成本部』は、入社の段階から採用を担当した同じメンバーが、社員のサポートをしていく取り組みです。これにより一気通貫で、社員の“才能を開花”させていきたいと考えています。

様々な施策を行なう中で曽山さんは人事として、どのような未来を描いていくお考えですか?

曽山氏:会社のビジョンに沿った人事施策を行った結果、“社員が自慢できる会社になる”ことを目指しています。今、サイバーエージェントや人事は、社員に自慢してもらえるのだろうか? と、常に自問自答しています。

社員に自慢してもらうための形の一つとして、社員の“才能を開花”させていったり、“サイバーエージェントに入ったら大化けできる”ことを広めていきたいという思いがあります。社員一人ひとりが会社のことを自慢してくれるのが、一番の採用ブランディングですからね。

企業が採用力を高めるためのポイントとは

インタビューに答える_曽山氏その2

社員一人ひとりが自慢したくなる会社を作ることが、自社採用力を高めることに繋がるんですね。最後に、今以上に採用に力を入れていきたいと考えている企業の人事担当者にアドバイスをお願いします。

曽山氏:採用に力を入れるとは、結果として自社にマッチした人に入社してもらうことですよね。そのための採用広報活動を成功させるには、社内に眼を向けることが大切だと思います。

採用広報活動は今の時代、建前ばかりを発信しても転職希望者にはすぐにバレてしまうと考えています。「何でも聞いてください」「何でも見てください」と言える会社は採用に強い気がします。

建前で採用広報活動を行っても、入社した後にミスマッチが起こり退職に至る可能性が高いです。それに面接を行う社員たちがポジティブでなければ、採用広報活動だけを頑張っても上手くいきませんよね。

だからこそ我々は、社員に自慢してもらえるポイントが1つでも増えるように努力しています。会社には常に課題があるから100点満点にはならないけれども、採用広報活動をする際に、自慢してもらえるポイントが打ち出すべき要素なんだと思うんです。

例えば、“チャレンジができる環境があること”を打ち出した場合、その打ち出しは本当に社員たちにその通りだと思ってもらえるかどうか? 打ち出したことと社内の反応が、言行一致しているか考えるのが大事です。

言行一致を確かめるには、社員に「うちの会社の良いところは何だろう?」と聞いてみてください。「社員の仲が良い」とか「自由がある」とか「チャレンジできる」、といったキーワードが必ず出てくるはずです。そして納得がいったものを採用広報活動に使えば良いと思います。

実際に社員たちから聞いた言葉だから、人事も採用広報活動に自信が持てるはずです。そういった採用をすることが入社後のミスマッチを防ぎ、社内との言行一致も促されます。その結果、採用における競争優位性も高まると思うのです。

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