「ウルトラウェット」な社風とは?「報酬・厚生」と「やりがい・いごこち」が両立するモノづくり企業

日本ニューロン株式会社

代表取締役 岩本 泰一

1989年、父経営の日本ニューロン株式会社へ弟(現専務)とともに入社し、製造部 溶接・組立部門で実技経験を積んだ後、設計部(現エンジニアリング部)へ。2000年、代表に就任。

社員と家族のような近い距離感で働くー「ウルトラウェット」企業になったきっかけ
気ぃ悪いことはあかんよ―多様な仲間がいるからこその「感情」ルール
「やりがい」と「いごこち」ー。 本当に大切なことは、明文化できない領域にこそある
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ウルトラウェット企業―。社員を家族のように思い、とことん世話を焼く組織・企業のこと。

これは日本ニューロン株式会社が独自に掲げる会社の在り方で、ドライな関係性ではなく社員と家族のように近い距離感で働きやすさを追求しようというものです。同社は京都府が推進する、「子育て環境日本一に向けた職場づくり行動宣言」企業。たとえば、子どもの学校行事があれば社員はすべからく休む。2019年度の年間休日は130日など、社員のプライベートを何よりも充実させる取り組みを実現しています。しかも特筆すべきは、業績を犠牲にすることなく、むしろ年々右肩上がりで一人当たりの経常利益は業界異例の高水準だということ。給与額が、入社後数年で200%という社員も生まれているそうです。

なぜそのような「社員の働きやすさ」を第一に考えた会社経営を行っているのか。その経緯や秘訣を社長に訊きました。

社員と家族のような近い距離感で働くー「ウルトラウェット」企業になったきっかけ

休みなく働いて業績・給与をアップさせるのではなく、休日の多さと業績・給与の高さを両立させようとしたきっかけは何でしょうか。

社員と家族のような近い距離感で働くー「ウルトラウェット」企業になったきっかけ

岩本氏:製造業は、稼働時間の積み重ねが製品の収益につながるという宿命があります。ですので、やはり当社も数年前までは「沢山働く分、給料も高い」というスタンスで業績を上げていました。

そんな折に政府の働き方改革がはじまったんです。働き方を変えてモノづくり立国・日本が海外と真っ向勝負していこうという“国の本気”を私は感じたんですね。そして、働き方改革の視点で当社を分析してみると、ビハインドは休日の要素だと。そこで年間休日が105日程度だったところを、完全週休二日にして120日+αの休日が取得できるように。そして、もっと有給を取りやすい風土に変えようと決断しました。しっかり休むことは社員の「将来への糧」につながることでもありますから。

創業50年近くハードに働いてきた社風において、急に社長が「もっと休もう!」と言っても、一筋縄ではいかないように思います。

岩本氏:当社の場合、社員主導で定着させていくことができたんです。子どもの行事を最優先したいというメンバーが数名いて、彼ら彼女らが率先して休暇を取るようになった。それが全体に広がっていきました。

そもそも先代社長のころから、もっと社員に家族と過ごしてほしいという「ウェット」な思いが経営陣にありました。たとえば40年以上前から、通常のお盆休みに加えて、別途で夏季休暇(7月第4週目の木・金曜日)を設けています。そうすれば、お子さんが夏休みに入ってすぐ木~日曜日にかけて家族旅行に行けますからね。

布石があったということですね。現状の取り組みについてお聞かせください。

岩本氏:当社独自の働き方改革「NEURON- WI(Workway Innovation)」というコンセプト・制度を作りました。

ユニークなものでいえば「有休くじ」でしょうか。これは3カ月先に有給休暇を必ずとる前提で、どの日にそれを設定するか、形式上「くじ」にしたものです。もちろん、他の人とトレードをするなど、結果的に本人が自由に日程を変えられますので、すべてが当たりくじ(笑)。こうすることで後ろ向きならず、「有給を取得していいんだ」と楽しみながら休みを選択できます。年齢や社歴は関係ないですし、会社や上司にお伺いを立てる必要もありません。

ウルトラウェット

ただ、これらをすべて明文化しているかというと、そうではありません。社員を家族としてとことん大切にしようという「ウルトラウェット」を自認するからこそ、官僚的な承認手続きやガチガチの雇用契約にしていないんです。自由さとスピードを持って各自の働きやすさであり幸せに沿うようにしています。

気ぃ悪いことはあかんよ―多様な仲間がいるからこその「感情」ルール

気ぃ悪いことはあかんよ―多様な仲間がいるからこその「感情」ルール

幸せについてお話がありましたが、会社の基本理念として「世界一幸せな会社」を掲げています。

岩本氏:幸せの定義は人それぞれですよね。だからこそ、うちの会社は社内外含め最大数の多くの方に幸せだと感じてもらえる存在にしていくよ、という宣言をしているんです。働き方でいえば、長時間働いて給料が多いよりも、十分に休養できて給料も多くて人間関係もよければもっと幸せでしょう、ということです。

社員の幸せを追求する中で、収益以外で数字として表れたものはありますか。

岩本氏:単純な比較はできませんが、たとえば日本全体で出生率が1.5を切る中、当社は2.3と子だくさん。そして、持ち家率も91%です。

それは驚異的ですね!やはり経済力があってこその話です。反面、それだけではなかなか踏み切れないような気も…。

岩本氏:ほんの一例ですが、社員の家族も参加できるBBQなどファミリーイベントを積極的にやっているんです。本社敷地内に巨大遊具も設置して、必ずお子さんたちが思いっきり遊べるようにして。そうすると社員が家族と楽しく過ごせるのはもちろん、若いメンバーも「子供かわいいな!家族、結婚っていいね。」と思うのでしょう。

そしてさらに当社のウェットな面ですが、毎年社員旅行もあります。勤務時間外での社員同士の付き合いを排除する会社が増えるご時世に反して、自然と人間関係にオンオフの垣根がなくなっていますね。

それらは、大前提として組織に居心地の良さがないと成立しませんよね。

岩本氏:そこなんです。さきほどの「NEURON-WI」に組み込んだものに「感情配慮」という項目があります。

ざっくばらんに言えば、「相手を思いやって気持ちよく仕事しようよ。気ぃ悪いことをしてたら、仕事してるうちに入らへんよ。」ということ。仮にどれほどスキルがあろうと、感じが悪いのは絶対にダメ。これを昇華させたのが「Be Comfortable ! こころよく、ここちよく!」という社是です。役割もキャリアも違う多様なメンバー同士が、不安なく一緒に仕事ができる雰囲気をなによりも重視したい。明文化をしていない事柄が多い中で、この「感情配慮」は明確に打ち出しており、人事評価にも直結しています。

(インタビューに同席していた)橋本総務部長:「感情配慮」の一つだと思いますが、社内での業務や工程間の授受をリレー競技になぞらえて”バトンを取りに行く”という言葉がよく使われますね。もし自分が受け取るはずのバトンが遅れていれば、少し戻って手を差し伸べに行くのが当たり前。そうやって相手を気に掛ける姿勢は、工場内だけではなく事務方にも浸透しています。

居心地も良くて給与もお休みも多い…となると、そこにある種の甘えが生じることはないでしょうか。

岩本氏:現状でそういったことはありません。みんなヒシヒシと覚悟を持っていて、ものすごく真剣に働いてくれております。

その理由の一つは、業績の進捗を社員に全面開示していることでしょう。高い目標を達成すれば、決算賞与として分配されることが可視化されています。みんなで好調な業績を生み出しているからこそ、このまま給与と休暇をたくさん取れることがすぐ理解できるんです。

また、当社では「スーパーシルバー」と呼んでいる60~70代の高いスキルと経験値を持った超ベテラン社員たちがいるのですが、少年のような好奇心でアンテナを張り、勉強をやめません。その姿勢に、若手がずいぶんと刺激を受けていますね。こういったことは、お互いに目が届く50人という規模も大いに関係しているとは思います。

みんなで好調な業績を生み出している

そうなると、人材採用の際は価値観を共有できるかどうかが特に重要ですよね。

岩本氏:実は、ちょっと前まで一次面接が私だったんです。普通の企業と完全に逆(笑)。スキルよりも先に、お互いに“Comfortable”でいられそうなお人柄を重視したいですからね。

風土や社員モチベーションの他にも、業績が好調な要因はありませんでしょうか。

岩本氏:実は本社を3回も移転させています。我々の業種に必要な「最適導線」を突き詰めているからです。これも結局は、みんなで真剣に仕事と向き合っているからこその提案や推進力もあって、実現ができるわけですけどね。けいはんな学研都市でもあるこの京都の精華町という立地は、現状の最適解です。

「やりがい」と「いごこち」ー。 本当に大切なことは、明文化できない領域にこそある

「やりがい」と「いごこち」ー。 本当に大切なことは、明文化できない領域にこそある

働きやすさの点で、今後さらに進めていきたいことをお教えください。

岩本氏:まずは育児休暇と育児参加ですね。これも明文化しているものではないのですが、十分に育児休暇が取れてスムーズに復帰できる風土創りを進めます。そして男性が「自分も育児をした」と胸を張って言える環境について、一緒に知恵を絞って挑戦していきたいです。そして製造業として難しいところはありますが、テレワークも推進したい。事務方ではすでに一部で導入中です。

他社が日本ニューロンのような働き方を実現しようと考えた場合、どこから手をつければよいでしょう。

岩本氏:少し観念的な話になりますが、大事なものは明文化できる以外のところにある気がします。たとえば会社が社員に約束すべき基本的で不可欠なことは言うまでもなく「報酬」と「厚生」です。これらは契約ですので、どの企業でも多かれ少なかれ明文化しています。しかしながらこのこと以外に、ニューロンが最も大切にしていることがあります。それが「やりがい」と「いごこち」です。この2つのひらがな4文字がニューロンでは何よりも優先されます。

これらはなかなか明文化しにくいですが、社員が毎日、直接感じるものですし、それはお客さまにもいつしか伝わっていきます。

それらを大切にするには、明文化された就業条件ありきというのではなく、あくまで自由度を高めることも大切なのかもしれません。たとえば、社員に突発的に「家族のためにこういう働き方をする必要性が生じた」という場合、会社として即応できる準備と姿勢、そしてそれらに醸成された風土が必要だと私は考えています。

あくまで自由度を高める

【取材後記】

「ウルトラウェット」な社風と言われると情緒的になんでも物事が進みそうな気がしますが、むしろその背景には合理性の高い意思決定や人の動きが垣間見えました。

ウェットさによって高まるのは、社内で垣根を超えた人と人との結びつきであり、居心地(いごこち)の良さ。そうやって強いチームが出来上がったうえで事業をロジカルに推進し、成果を出す―。そういう成功体験を繰り返していけるのが日本ニューロンの強さのようです。

(取材・文/伊東 宏之(シララ株式会社)、撮影/安田 健示(フォトレイド)、編集/齋藤 裕美子)

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