面接を辞退する応募者のホンネとは?20代・30代の「面接辞退」に関する調査

d's JOURNAL編集部

転職活動を行う際に応募者が必ず通る道である「面接」。企業と応募者がお互いの理解を深めるために、最も重要な場と言えます。しかし、説明会や面談、スカウトメールなどで、好印象な応募者に出会えたものの、面接に至る前に辞退をされてしまった経験がある人事・採用担当者も少なくないのではないでしょうか。

今回d’s JOURNAL編集部は20代・30代の転職経験者298名にアンケートを実施。面接辞退の経験やタイミング、辞退理由などについて調査をしました。

転職活動における面接辞退の経験は?

転職活動をしていて、面接直前に「辞退した経験がある」人はどのぐらいいるのでしょうか。

7割近くが面接辞退の経験あり

「これまでの転職活動において面接を辞退した経験」があるか聞いたところ、「面接を辞退した経験がある」と回答した人は68.8%でした。7割近くの回答者に辞退経験があることがわかります。

転職活動における面接辞退の経験は?

面接辞退の経験が最も多いのは20代男性

年代別・性別では、面接辞退の経験が最も多いのは20代の男性で77.6%となりました。30代男性と30代女性も7割を超える人が「辞退経験あり」と回答しています。一方、20代女性は53.3%と、他と比較して辞退した経験が少ない傾向にあります。

面接辞退の経験が最も多いのは20代男性

面接辞退を決めたタイミングとその理由は?

面接を辞退した経験がある人は、どのタイミングに、どのような理由で辞退を決意するのでしょうか。

8割以上が「面接の日程が決まってから、面接の前日までの間」に辞退

「面接を辞退するタイミング」について聞いたところ、「面接の日程が決まってから、面接の前日までの間」と回答した人が最も多く、81.5%という結果になりました。また「面接の前日」が8%、「面接の当日」が10.2%という結果になっています。

8割以上が「面接の日程が決まってから、面接の前日までの間」に辞退

面接辞退をした理由について、タイミングごとに紹介します。

「応募したものの志望度が低いと感じた」がトップ

「面接の日程が決まってから、面接の前日までの間」に辞退を決意した人に理由を聞いてみると、「応募後に再考し、志望度が低いと感じた」と回答した人が37.7%と、最も多い結果となりました。次いで「他社で内定を得た」が16.2%、「他社の選考が進んだ」が13.2%となりました。

「応募にしたものの志望度が低いと感じた」がトップ

多くの応募者は複数企業と並行して求職活動を行うため、他社との比較の中で志望度が下がることがあります。また、他社の選考が早く進むことで、面接を辞退されることもあるでしょう。面接につなげるためには、選考のスピードが重要であると考えられます。

「面接の前日」に辞退した人も一定数。口コミや評判から辞退につながるケースも

次に、「面接の前日」に辞退したと回答した人に理由を聞いたところ、こちらも「志望度が低いと感じた」が47.1%で最多となりました。次に多かった理由は「応募先企業の口コミや評判を知った」という回答で17.6%です。

口コミや評判から辞退につながるケースも

転職希望者は、応募後から面接までの期間に、応募先企業について自身で調べたり他の人から聞いたりして、情報収集しています。その中で口コミや評判からマイナスな印象を受け、辞退につながっていったことが考えられるのではないでしょうか。

「面接の当日」に辞退した人は1割。「企業の対応が悪かった」という本音も

「面接の当日」に辞退をした理由も、他の回答と同様に「応募後に再考し、志望度が低いと感じた」が最も多く28.6%となりました。次いで多かった回答が「応募先企業の選考に関する連絡時の対応が悪かった」という意見で、14.3%でした。

「企業の対応が悪かった」という本音も

応募者にとって、選考の対応をする人事・採用担当者の印象も重要であることがわかります。意図しなくても対応が悪いと感じられており、対応1つとっても志望度自体を左右する可能性があることを意識する必要があるでしょう。

面接を辞退する時、企業への連絡はしている?

応募者が面接を辞退する際、応募先の企業に連絡をしているのでしょうか。また連絡をする場合、どのような手段で行っているのでしょうか。

6割が応募先企業へ直接面接辞退の連絡をしている

「面接を辞退した経験がある」と答えた人に「応募先企業に辞退連絡をしなかったことがあるか」を聞いたところ、「連絡をした」が61.0%となりました。また、「エージェントにのみ、連絡をした」の回答が36.1%であるため、9割以上が何らかの手段で辞退の連絡をしていることが分かります。一方で、「連絡をしなかった」と回答した人は2.9%となりました。

6割が応募先企業へ直接面接辞退の連絡をしている

応募先へ連絡したのは20代男性が最も多く7割強

年代別・性別の回答では、20代男性の「連絡をした」割合が最も多く、71.1%となりました。「連絡をしなかったことがある」と回答した割合はそれぞれ20代男性が2.6%、30代男性が3.7%、20代女性は5%となっています。30代女性においては、「連絡をしなかったことがある」と回答した人はいませんでした。

応募先へ連絡したのは20代男性が最も多く7割強

辞退連絡の手段は「メール」が最多

面接を辞退する際の手段について聞いたところ、最も多かった回答が「メール」で、次いで「電話」となりました。その他の手段としては「LINE」、「転職情報サイトのサービスを通して連絡をする」という回答が挙がりました。

辞退連絡の手段は「メール」が最多

電話よりも、メールの方が応募者にとって心理的負担感が少ないからだと考えられます。

面接辞退の連絡をしない理由は「忘れてしまった」「しなくて良いと思った」

「連絡をしなかったことがある」と回答した人に「連絡をしない理由」を聞いたところ、「連絡するのを忘れてしまった」が最も多く、他に「連絡しなくても良いと思った」「連絡をしたがつながらなかった(またはエラーになってしまった)」「気まずくて連絡を控えた」などの回答がありました。

面接辞退の連絡をしない理由は「忘れてしまった」「しなくて良いと思った」

連絡する意思はあったものの、「うっかり忘れていた」「つながらなかった」といった理由から連絡しなかったこともあるようです。応募者から連絡がほしい場合には、選考に進む際に「辞退する際の連絡先・連絡方法」を必ず伝えるようにすると良いでしょう。

面接辞退を防ぐために、人事・面接担当者が心がけること

ここまでの調査結果をもとに、面接辞退を防ぐためのポイント、面接前に採用・人事担当者が心がけたほうが良いことをまとめました。

選考期間の個別フォローを行う

面接辞退を防ぐためには、面接前までに応募者への個別フォローを行うことが効果的です。面接までの期間に志望度が左右する可能性があることがあることから、面接前にメールや電話で「面接前に不安なことはないか」など、個別にフォローを行うと良いでしょう。個別フォローにより、「一緒に働きたいと思っている」といった期待を伝えられれば、応募者の志望度も高まります。
(参考:『Web求人広告には“自社の努力”が必要。初回の失敗から諦めず4名採用にいたるまで』』『リクルーターが企業の採用の質を向上!リクルーターの役割と選び方/面談マニュアル付』)

会社情報を共有しておく

会社説明資料を展開しておく、インタビュー記事を紹介する…など、面接前に共有したい情報を提供するのも効果的です。公開されていない情報を通じて、「この会社面白そう」「この部分について質問してみたいな」と思ってもらうことが有効だと言えるでしょう。
(参考:『SNSで「採用候補者様への手紙」を公開した企業が目指す、理想の組織と採用のあり方ー株式会社ミラティブ』)

面接のための事前準備を行う

面接官は会社の「顔」と言われ、応募者にとって企業イメージを左右する重要な存在です。面接で好印象を与えられるよう、応募動機や履歴書に目を通す、質問を用意するなど、事前準備をしておきましょう。また、応募者の本来の姿を引き出せるような雰囲気作りを心掛けることが大切です。採用のミスマッチを防ぐためにも、面接のスキルを磨き、最適な人材獲得につなげましょう。
(参考:『面接官を初めてやる人が知っておきたい質問例7つと面接ノウハウ【面接評価シート付】』)

【まとめ】

転職希望者が辞退する理由として最も多かったのが「応募後に再考し、志望度が低いと感じた」という回答でした。面接日が決まっていたとしても、企業と接触がない期間に辞退の意志が高まる可能性があります。「面接前までに応募者への個別フォロー」や「丁寧で迅速な連絡対応」などの対策を行い、辞退率を低下させ、優秀な人材獲得につなげましょう。

(制作協力/株式会社はたらクリエイト、企画/d’s JOURNAL編集部 齋藤 裕美子)

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