面接官の役割や心得とは|事前準備や質問例など基礎ノウハウを解説【マニュアル付】

2018.12.07(最終更新2023.01.20)
d's JOURNAL
編集部
面接官の役割と目的
面接官に求められる3つの適正
面接官が大事にしたい4つの心得
面接の事前準備で必要なこと
面接の基本的な流れと質問事項の具体例
オンライン面接を行うときの注意点
面接官のスキルを向上するトレーニング方法
まとめ

人材採用において、面接官は自社と応募者のミスマッチを防ぐとともに、応募者の入社意欲を向上させる重要な役割を担っています。

質の高い採用面接を実施する行うためには適性を持った面接官を配置し、適切に訓練することが大切です。

この記事では、面接官が果たす役割や必要な心構えを確認したうえで、面接の流れや注意事項、具体的な質問例などを詳しく解説します。

面接官の役割と目的

面接の質を向上させるためには、面接官がどのような存在であるかをしっかりと理解することが大切です。まずは面接官の基本的な役割と目的を確認していきましょう。

面接官の2つの目的

採用面接には大きく分けて2つの目的があります。ひとつめは「応募者が自社に合う人材であるかを見極める」ことであり、採用のミスマッチを避けるうえでは欠かせない役割となります。

具体的には「自社の業務にマッチしたスキルや経験を持っているか」「長く働いてもらえそうか」「自社の風土に合っているか」など、書類だけではわからない情報を通じて、複合的に判断するのが面接官の役割です。

そして、もうひとつの目的は応募者の不安要素を取り除き、「自社に入社したいという動機を形成する」ことです。

面接官は応募者にとって企業の窓口となる存在であるため、対応次第でイメージを大きく左右する可能性があります。自社に魅力を感じてもらい、入社への意欲を向上させるのも面接官の重要な役割です。

面接官の4つの役割

面接官の役割を細かく分類すると、それぞれ特徴の異なる次の4種類に区分されます。

・フォロワー(リクルーター):応募者の味方になる
・モチベーター:自社の魅力を伝える
・インパクター:応募者に気づきを与える
・クローザー:決断を促す

フォロワーは応募者の本音を把握し、味方として接する役割です。疑問点や不安を解消し、良好な関係性を築いたうえで、インパクターやクローザーにつなげる導線の役目を果たします。

モチベーターは自社の魅力を伝えて応募者の意欲を引き出し、入社への具体的なイメージを膨らませる役割を持っています。インパクターは応募者に気づきを与え、自社で働く意識を明確にさせる役割です。

最後に、クローザーは応募者の意思決定を促し、決断へと導いていく役割があります。面接官は段階に応じて求められる役割が異なるため、現在のステージを客観的に見極めることも重要です。

面接官の役割分担

面接官に求められる3つの適正

優れた面接官になるためには、求められる適性を理解したうえで自身の強みと照らし合わせてみることも大切です。ここでは、面接官にどのような人物が向いているのか、具体的な適性を3つに分けて見ていきましょう。

・コミュニケーション能力
・柔軟性の高さ
・公正な判断力

コミュニケーションスキルが優れている

面接官は応募者と直接的にかかわる存在であるため、コミュニケーション能力は欠かせません。語彙力が豊富にあり、適切な言葉を場面に応じて選べる能力に優れていることが重要な条件となります。

採用面接においては、応募者だけでなく面接官も緊張してしまうものであり、どうしても打ち解けるまでに時間がかかります。言葉選びの微妙な違いによって、応募者との距離感に大きな差が生まれることもあるため、基本的な言語能力自体に高い水準が求められるのです。

また、採用においては、応募者の強みや特性についてきちんと言語化し、チーム内で的確に共有することも大切なプロセスとなります。そうした意味でも、コミュニケーションスキルはなくてはならない資質といえます。

応募者に合わせて質問内容を変えられる

面接官に求められるもうひとつの特性は「柔軟性の高さ」です。面接はあらかじめ用意したシステムを用いることも大切ですが、あまりにも画一的に進めてしまうと、応募者の個性を見極めるのが難しくなります。

そのため、面接官には応募者の反応を見ながら質問内容を変えられる柔軟な思考が求められるのです。応募者の経歴やスキルを通して独自の発問を行ったり、相手に合った形で自社の魅力を伝えたりすることで、面接の質は大きく向上していきます。

公正な判断を下せる

面接においては、自身の主観に頼らず、客観的で公正な判断を下せることも重要な資質です。そのため、面接官が認知バイアスに対してどのように向き合うかが、面接の成否を決定するポイントと言っても過言ではありません。

人間の認知システムは不完全なものであり、思い込みやそのときの環境によって左右されてしまうことが多く、どうしても公正な判断は難しいものです。面接官はこうした認知バイアスをきちんと認識しており、それらを低減させるために行動できるかどうかが問われる職業ともいえます。

ステレオタイプや親近感の罠、確証バイアスといったさまざまな認知のズレに目を向け、公正かつ冷静であり続けるためには、一定の知識と経験が必要となります。

面接官が大事にしたい4つの心得

有意義な面接を実現させるためには、単に優れた適性を持つ面接官が担当するだけでなく、事前に適した心構えを行っておくことも大切です。面接官がどのようなスタンスや振る舞いを心がけるべきなのか、ここでは4つの項目から解説します。

面接官の心得

 

企業の代表としての振る舞いを認識する

応募者にとって、面接官はその企業で最初に会う人物であるケースが多いです。入社前に接する唯一の関係者となるパターンもあるため、面接に臨む際は企業の「顔」としての意識を常に持っておかなければなりません。

先ほども触れたように、面接官の振る舞いや人柄は応募者の動機形成に影響を与えるため、信頼感や安心感を与えられるような対応を心がけることが大切です。特に現在では、面接時に不適切な対応があると、SNSなどで広がってしまうといったリスクも考えておく必要があります。

面接官が与える印象次第で企業のイメージはプラスにもマイナスにも働くため、振る舞いには十分な注意が必要です。

話しやすい雰囲気をつくるようにする

有意義な面接を行ううえでは、応募者にリラックスした気持ちで本音を話してもらう必要があります。あまりにもその場で緊張感が生まれると、応募者は自分の状況や考えを素直に表現できなくなってしまうため、企業側にとっては人材を見極める機会を損失することにもなります。

そのため、本音をきちんと引き出せるように、話しやすい雰囲気をつくって緊張をほぐすことが大切です。たとえば明るい表情を心がけたり、適度な相槌を意識したりするなど、ちょっとした配慮がその場の雰囲気を和らげます。

また、座りやすい椅子を用意したり、景色が見える部屋をチョイスしたりするなど、環境面に気を配るのもポイントです。

お互いが評価を受ける場であることを忘れない

面接は一般的に、「企業が応募者を見極めるプロセス」としてとらえられがちです。しかし、売り手市場とも呼ばれる現在の人材採用においては、同時に「応募者が企業を評価する場」でもあります。

応募者は複数の企業で同時に就職活動を行うのが基本であるため、企業側は常に「あくまでも就職先の候補のひとつである」という認識を持っておかなければなりません。選ぶ立場として高圧的な態度をとってしまうと、応募者との間に感覚のズレが生じ、面接をしても採用までたどり着くのが難しくなります。

お互いに選ばれる存在であることを忘れず、対等の立場として丁寧に対応していく意識が、面接官にはなくてはならない心構えといえます。

清潔感を重視する

「企業も選ばれる側である」という視点で考えると、面接時にはさまざまなポイントに注意を払う必要が出てきます。なかでも特に重視したいのは清潔な環境を整えることです。

通常、一度の面接で自社の企業風土や既存メンバーの魅力を知ってもらうのは難しいものです。面接官が応募者を見極めるときと同じように、応募者も企業を見極めるうえでは、ある程度見た目の状況に判断を左右されます。

そのため、面接官自身もきちんと身だしなみを整え、真剣な態度で臨んでいることを知ってもらう必要があります。また、面接会場や応募者が通るルートもきれいに整っているかをチェックし、清潔感のある環境整備に力を入れることが大切です。

面接の事前準備で必要なこと

【7つの質問例と評価シート付】初めて面接官になる人が知っておきたい面接ノウハウ
入念な事前準備は、面接をスムーズに行うためのキーポイントです。応募者と接する前にできることは数多くあるため、しっかりと時間をとって準備にあたりましょう。

応募者のことを把握しておく

面接を行うのであれば、まずは自社がどのような人材を求めているのかを正しく把握しておかなければなりません。面接時にはできるだけ客観的な採用基準に照らし合わせて判断する必要があるため、準備段階で採用のものさしを明確にすることが重要です。

また、専門的なスキルが求められる採用においては、現場の担当者にも丁寧に意見を聞いておきましょう。面接官が複数いる場合は、全員の認識をすり合わせておくことも大切です。

加えて職務経歴書や履歴書を通して、応募者のことも事前に理解しておく必要があります。面接の場であまりにも応募書類を見返すと、応募者から見れば「自身に関心がない」と映ってしまうため、あらかじめ目を通しておくことをおすすめします。

自社の魅力をきちんと整理しておく

企業の顔としての役割を考えると、面接官には自社の魅力を客観的かつわかりやすく伝えられる技術も求められます。応募者から魅力的な会社だと感じてもらうためには、「事業内容」や「ビジョン」「具体的な業務内容」などをきちんと説明できるようにしておくことが大切です。

また、後ほど詳しく解説しますが、面接時には自社について説明するステップもあるため、必要に応じて資料も用意しておくとよいでしょう。

質問事項・評価基準を精査しておく

面接で質問することはあらかじめ精査し、ある程度まとめておくことが大切です。面接時にはタブーとされている質問事項があるためアウトラインを固めておき、NG行動を未然に防ぐように心がけましょう。

具体的なNG項目としては、次のようなものが挙げられます。

<採用面接時にタブーとされる質問項目>
■本人に責任のない事項
・本籍や出生地に関する事柄
・家族の職業や地位、資産、健康状態に関する事柄
・住宅状況、生活環境に関する事柄
・家庭環境に関する事柄

■本来自由であるべき事項
・思想に関する事柄
・宗教に関する事柄
・支持政党や政治信条に関する事柄
・労働組合や社会運動に関する事柄
・購読している新聞や愛読書に関する事柄
・尊敬する人物に関する事柄

■男女差別につながる可能性のある事項
・恋愛や結婚に関する事柄
・出産や育児に関する事柄

上記のように、なかには打ち解けるための雑談として触れてしまいがちなテーマもあるため、面接官自身がタブーを理解しておくことが大切です。

(参考:『面接で聞いてはいけない質問・会話のNG行為とは?リスク回避のための具体的な対策』)

また、評価基準については、事前に面接評価シートを作成し、公正な判断ができるようにしておくと充実した採用活動を実現できます。

(参考:『面接評価シートの作り方とは?評価に適した項目は?エクセルのテンプレートサンプル付き』)

面接スキルを向上させる

面接官の力量は担当者自身の素質だけでなく、訓練の質や度合いによっても左右されます。面接の質を向上させるためにも、あらかじめ研修を行い、担当者のスキルを磨く機会をつくることが重要です。

詳しいトレーニング方法については後ほど解説しますが、代表的なものとして面接官同士によるロールプレイングが挙げられます。ロールプレイングとはチームメンバーを応募者に見立てて模擬面接を行い、当日の流れや質問、受け答えなどを細かくチェックしていく方法です。

実際にシミュレーションすることで、面接時をスムーズに進行するためのコツや話しやすい雰囲気づくりを学べるとともに、自分でも気づかないような落とし穴に気づく可能性もあります。採用に携わるメンバーで取り組みながら、チーム全体でスキルの底上げを進めていく形が理想です。

面接の基本的な流れと質問事項の具体例

採用面接は次のような手順で進めていくのが一般的です。

1.アイスブレイク
2.会社や事業の説明
3.応募書類の事実確認
4.応募者への質問
5.応募者からの質問
6.事務的な項目の確認

面接時のやりとりが極端に脱線しないために、会話には柔軟性を持たせながらも、おおまかな手順に沿って進めていくことが大切です。ここでは、上記の各ステップについて、主な内容と質問例を見ていきましょう。

面接の流れ

 

アイスブレイク

アイスブレイクとはリラックスした雰囲気をつくり、応募者の緊張をほぐして本音を引き出しやすくするための工程です。目的はあくまでもその場の緊張を和らげることにあるため、会話のテーマとしては直接的に採用にかかわりそうな内容よりも、当たり障りのない話題が適しています。

志望動機や応募者の経歴に関する質問は後のステップに任せ、ここでは天気や当日の来社方法のような無難な話題をピックアップしましょう。具体的な質問例としては、次のようなものがあります。

・あいにくの雨ですが、今日は電車で来られましたか?
・当社まで来られるのに道に迷われませんでしたか?
・ご自宅から何分くらいかかりましたか?
・就職活動でお忙しいでしょうが、なにか息抜きはできていますか?
・会社説明会はいかがでしたか?
・昨日はよく眠れましたか?

アイスブレイクでは応募者も面接官の反応や人柄を注意深く観察しているため、柔らかい笑顔と声色を心がけるとよい印象を与えられます。

(参考:『【面接官必見!】知らないと失敗しちゃうかも?有意義な面接のためのアイスブレイクとは~質問例付き~』)

会社や事業の説明

アイスブレイクによってその場の雰囲気が落ち着いた後は、応募者に自社の十分な情報を把握してもらうため、すぐに質問を始めるのではなく面接官のほうから会社の説明を行いましょう。

就職活動では一度にさまざまな企業に応募するのが一般的であるため、応募者から見れば自社も候補のひとつにすぎません。そこで、特に一次面接においては、自社の魅力をきちんと理解してもらうためにもある程度の時間をとって説明することが大切です。

具体的な事柄としては、次のようなものが挙げられます。

・会社沿革
・事業内容
・企業風土
・今後のビジョン
・求めている人材

細かなスケジュールなどの事務的な内容は最後に伝えるため、ここでは理念やビジョンといった大きな枠組みで自社のアピールをしましょう。

応募書類の事実確認

自社の説明を終えたら、具体的に応募者の経歴や人となりについて触れていくこととなります。まずは事前にチェックした履歴書や職務経歴書の内容に沿った質問をして、記載事項に誤りや誇張がないかを確認します。

また、書類には記載しきれない有益な情報があるかどうかも、このステップで確かめることが大切です。具体的な質問例としては、次のようなものが挙げられます。

・前職(学生生活)を通して得られた成果と、その成果を得るためにしたアプローチについて教えてください
・担当していた業務でどのような工夫をしていましたか?
・リーダーとして業務を進めたご経験はありますか?
・会社から与えられていた目標はどのような内容でしたか?
・〇〇の業務について、どのような知識やスキルをお持ちですか?
・ご自身の経歴や経験を踏まえて、当社を志望された理由を教えてください
・5年後、10年後のキャリアビジョンを教えてください

過去の経験やスキルについて質問するだけでなく、自社でどのように活かしていきたいと考えているのかも確認できると、採用を検討するうえで情報の有益性が高まります。また、応募者の経歴や今後のビジョンと自社の状況を照らし合わせることは、採用時のミスマッチを防ぐ意味でも重要なプロセスです。

応募者への質問

自社にあった人材を見極めるための質問

応募書類に関連するステップが済んだら、応募者に対して事前に用意した質問のなかから、ふさわしいと考えられるものを投げかけます。

質問のステップは特に自由度が高く、幅広い角度からのアプローチが考えられるため、質問例を参考にしながら最適なものをピックアップする形が適切です。

<人柄や価値観に関する質問>
・周囲からどのような人だと言われますか?
・ご自身の仕事ぶりや人柄について、周囲からどのような評価を受けることが多いですか?
・チームで仕事をするときにはどのような役割につくことが多いですか?
・コミュニケーションで特に重視している点はなんですか?
・仕事でやりがいを感じるのはどのようなときですか?
・自分のモチベーションはなんだと思いますか?
・苦手なタイプはいますか?それはどのような人ですか?
・価値観が異なる人物と協力するときに心がけていることはありますか?

<入社意欲に関する質問>
・転職を考えた理由はなんですか?
・転職のタイミングを現在に決めた理由はありますか?
・5年後にはどのような仕事をしていたいですか?
・自由に選べるとしたら、どのような会社で働きたいですか?
・当社に興味を持った理由を教えてください。
・当社にはどのような印象をお持ちですか?
・当社では具体的にどのような業務に携わってみたいですか?
・会社選びで重視していることを教えてください。
・転職を通じて、当社に期待することはどのようなことですか?
・当社でどのような経験、スキルを身につけたいですか?

<ストレス耐性に関する質問>
・これまでに大きな挫折をしたことがありますか? その際に、どのように解決しましたか?
・ストレスを感じるのはどのようなときですか?
・ストレスにはどのように向き合いますか?
・トラブルにあったときにはどのように対処しますか?
・前職、学生生活でもっとも負担に感じたことはなんですか?

(参考:『面接官の質問55選!本音を引き出すポイントと注意点』)

応募者からの質問

面接官からの質問が一通り済んだら、必ず応募者からも質問ができる時間を設けることが大切です。面接時には応募者の疑問や不安を解消することも大切なポイントになるため、応募者からの自由な発言も受け付ける必要があります。

そのうえで、単に「気になる点があれば質問してください」とするよりも、「後ほど質疑応答のお時間を設けてあります」と伝えたほうが、応募者からの質問を引き出しやすくなります。

事務的な部分の確認

応募者からの質疑応答が済んだら、事務的な項目の伝達と確認を行い、面接はすべて完了となります。事務的な項目については、応募者に不安が残らないように心がけ、なるべくわかりやすく明瞭に伝えることが大切です。

事務連絡の具体的な内容としては、入社日や勤務体制、シフト、内定後のスケジュールなどが当てはまります。また、応募者が複数の会社で選考を受けているケースも多いため、合否連絡の目安日程や手段なども明確に伝えておくようにしましょう。

オンライン面接を行うときの注意点

リモートワークや非対面型のコミュニケーションツールの普及に伴い、採用においてオンライン面接を導入する企業も少なくはありません。オンライン面接は応募者の負担を軽減させられるのがメリットである反面、対面型の面接にはない注意点もいくつかあります。

ここでは、オンライン面接を行ううえで注意すべきポイントを紹介します。

・丁寧にアイスブレイクを行う
・通信環境について確認をする
・ノンバーバルコミュニケーションを意識する

(参考:『オンライン面接を徹底解明!メリット・デメリットや導入にあたっての注意点』)

丁寧にアイスブレイクを行う

オンライン面接は直接表情や声色などを確認できる対面での面接と比較して、どうしても緊張がほぐれにくいとされています。応募者によっては、ビデオ通話の雰囲気に慣れていないケースも考えられるため、対面での面接時よりもアイスブレイクの時間は長めにとるのがコツです。

また、通信環境のトラブルなどに見舞われる可能性もあるため、通常の面接よりも時間にゆとりを持たせておくのもポイントです。

通信環境について確認をする

オンライン面接時には、音声や画像など、通信状態に関するトラブルが起こるケースも想定しておく必要があります。また、トラブルが起こったタイミングによっては、応募者から通知しにくいこともあるでしょう。

たとえば面接官が自社の説明を行っているときに音声や映像が途切れてしまった場合、応募者のほうから話を遮って止めるのは難しい面があります。そのため、面接官側から「音声は聞き取りにくくありませんか?」「画面はきれいに見えていますか?」など、適宜確認をとるようにしましょう。

また、オンラインツールに慣れていない応募者がいることも想定して、あらかじめメールなどで使い方の案内を行っておくこともポイントです。

ノンバーバルコミュニケーションを意識する

非対面型で面接を行う場合は通常よりも表情や仕草が伝わりにくいため、ノンバーバルコミュニケーション(非言語によるコミュニケーション)を大事にする必要があります。特に重要となるのが「カメラの目線に気をつける」ことです。

応募書類などを見ながら応募者の話を聞いていると、こちら側には悪気がなくても、応募者には関心が薄いように映ってしまう場合があります。そのため、カメラと目線が合うように細かくセッティングしておき、定期的に目線を送りましょう。

また、相槌や振る舞い、声色の変化なども、対面より多少オーバーなくらいが伝わりやすいとされています。

面接官のスキルを向上するトレーニング方法

ここまで見てきたように、面接官は企業における重要な役割を担う存在です。求められる力量や知識の水準は高く、面接時には注意しなければならないポイントも多いため、きちんと訓練する場を設けることが大切です。

ここでは、面接官のスキルを磨くトレーニング方法について、2つのパターンを見ていきましょう。

ロールプレイング

採用チームのメンバーが面接官と応募者役に分かれて、実際の面接に近い環境で模擬面接を行う方法です。アイスブレイクの会話や面接官からの質問、応募者からの質問など、それぞれのステップを具体的に実践することで、面接に必要なスキルを体得していくのが狙いです。

また、応募者役の人にフィードバックをしてもらえば、自分の状態を客観的に判断することもできます。現時点ですでにクリアしていることと、身につけなければならない課題を明確に分けて把握することで、効率的にスキルの向上を目指せるのがメリットです。

特に不慣れな担当者が面接官になる場合は、ロールプレイングで実技による訓練を行うことをおすすめします。

講師による講義学習

ロールプレイングは座学によって吸収した知識を身体に染み込ませる方法です。これから基礎的な知識を学んだり、面接のイロハを体系的につかんだりするためには、採用コンサルタントなどの専門家による講義を受けるのもひとつの方法といえます。

講義では次のような内容について、具体的にレクチャーしてもらえます。

・面接の目的
・面接官の役割
・面接での心構えやマナー
・必要な準備
・面接の流れ
・質問方法、NG項目
・評価方法
・採用環境

なかにはロールプレイングまでがセットになっているものもあるため、自社の実情に合わせて活用を検討してみるのもよいでしょう。

まとめ

面接で大切なことは、応募者を見極めて、自社とのミスマッチを防ぐことです。

7つの指標を参考に、「どのような人材が欲しいのか」、「どのように評価するか」について社内で共通の基準をつくり、優先順位を定めるところから始めましょう。

また、応募者に好印象を与えることも重要です。面接官を務める上での服装や心構え、NG行動についても把握し、読書やセミナー参加等のトレーニングも積極的に行うことで最適な人材獲得につなげましょう。

(制作協力/株式会アクロスソリューションズ、編集/d’s JOURNAL編集部)