採用活動にLINEを使う?利用するメリットと活用方法を解説

d’s JOURNAL編集部

採用活動にLINEを使うことで、求職者とのコミュニケーションが円滑になり、採用率を高めることにつなげられます。多くの企業がLINEでの採用活動に取り組んでいるので、基本的な特徴を理解したうえで自社に合った活用を検討してみましょう。

この記事では、企業が採用活動においてLINEを活用するメリットや、どのようなステップで導入をしていけばよいかを解説します。

LINEを使った採用活動とは


LINEはコミュニケーションツールであり、日本においては多くのユーザーが日常的に使用しています。まずは、LINEの基本的な特徴や採用活動にどのように使うのかを解説します。

LINE公式アカウントとは

LINE公式アカウントとは、コミュニケーションツールである「LINE」を使って企業や店舗がアカウントを作成し、「友だち登録」をしたユーザーに対して直接的に情報を発信できるサービスをいいます。2024年5月現在で、37万以上の事業所がLINE公式アカウントを作成して、ビジネスで活用しています。

パソコンとスマートフォンのどちらかも操作が可能で、メッセージの設定や配信を手軽に行えるため、初めての利用であってもスムーズに活用できるはずです。LINE公式アカウントは、2023年12月現在で月間9,600万人のユーザーが利用しているため、工夫次第で採用活動にも活かすことができるでしょう。

(参考:LINEヤフー株式会社『【公式】LINE公式アカウントの作り方|開設の設定と運用方法を解説 』)

採用活動にLINEを使うことが可能

日本においても多くのユーザーを抱えているコミュニケーションツールであるため、採用活動にプラスとなる部分は大きいでしょう。LINEを採用活動に導入することで、採用業務の効率化や省力化につなげられます。

基本的な使い方としては、LINEの「友だち登録」で求職者を集めて、求職者が求める情報を発信することで企業への興味や関心を持ってもらい、応募につなげていく流れとなります。複数の応募者と同時に連絡を取ることができ、コミュニケーションを緊密に行えるので、多くの企業でLINEを採用活動に導入するケースが増えているといえます。

採用活動で抱えやすい課題


採用活動を進めていくなかにおいて、多くの企業で課題として抱えてしまいやすいものがあります。主なものとして、次の点が挙げられるでしょう。

採用活動で抱えてしまいやすい主な課題
・求職者が求めている情報をうまく届けられない
・他社の情報に埋もれてしまいやすい
・十分なコミュニケーションを取れていない

それぞれの課題のポイントを解説します。

求職者が求めている情報をうまく届けられない

採用活動を進めるにあたって、企業が抱えてしまいやすい悩みとして、求職者が求めている情報をうまく届けられないといった点が挙げられます。求職者が得たい情報というのは、会社説明会に関する案内や選考についての情報、選考結果などがありますが、それらのニーズをきちんと汲み取れていなければ、必要な情報を適したタイミングで発信するのが難しくなってしまうでしょう。

ただ、応募者が多数いる場合、円滑に情報発信を行える体制を整えていなければ、採用担当者の大きな負担となってしまう可能性があります。応募者とのコミュニケーションがスムーズに行えているかをチェックしてみましょう。

他社の情報に埋もれてしまいやすい

求職者が就職活動を行うときは、複数の企業に応募している場合が多いといえるでしょう。そのため、応募者に対して会社説明会の案内や選考の連絡などをメールなどで送ったとしても、他社のメールに埋もれてしまうなどして、そのまま見られないといったケースも珍しくありません。

また、会社説明会などで一度接点のあった求職者に連絡を取ろうとしても、電話がなかなかつながらないといったケースもあります。何度も電話をするのは、企業側・求職者側の双方にとって負担となることが少なくありません。

十分なコミュニケーションを取れていない

接点のあった求職者からの応募につなげるためには、緊密なコミュニケーションを取ることが欠かせません。求職者からの質問や相談などに丁寧に対応すれば、それだけ志望意欲を高めることにつながります。

しかし、求職者と連絡を取りやすい環境を整えていなければ、必要とされる情報が求職者に伝わらず、応募してもらえる機会を逃す恐れがあります。また、十分なコミュニケーションが取れていないことで、たとえ採用につながったとしても入社後のミスマッチが起こり、早期離職につながる懸念もあるでしょう。

LINEを採用活動に用いるメリット


LINEを採用活動に用いるメリットとして、次のような点が挙げられます。

LINEを採用活動に用いる3つのメリット
・求職者に必要な情報を届けやすくなる
・採用業務の負担を軽減できる
・双方向のコミュニケーションを取りやすい

各メリットについて解説します。

求職者に必要な情報を届けやすくなる

採用活動でLINEを用いるメリットとして、求職者にとって必要な情報を素早く届けられるといった点が挙げられます。前述の通り、メールや電話で連絡を取ろうとする場合、伝えたい内容が他社のメールに埋もれてしまったり、電話がなかなかつながらなかったりするケースがあるでしょう。

しかし、LINEであれば求職者がメッセージを確認したら、「既読」の履歴が残る仕組みとなっているので、メッセージがきちんと届いていることがわかります。また、LINEの通知設定がオンになっていれば、メッセージを受け取った瞬間にLINEアプリに通知が届くので、すぐに確認してもらいやすいでしょう。

メールや電話といった連絡手段に加えてLINEも活用することで、メッセージに対する求職者の反応速度を高められます。

採用業務の負担を軽減できる

LINEでメッセージを送る場合、電話とは違って時間帯を気にせずに連絡できるというメリットがあります。適切なタイミングでメッセージを伝えるための予約配信機能も備わっているため、あらかじめ配信したい日時を設定して配信することも可能です。

採用業務の負担軽減につながりますし、求職者にとっても電話に出られないといったストレスをなくすことができるでしょう。採用業務を効率化・省力化するポイントの一つとして、求職者が使いやすいコミュニケーションツールを導入するといった点が挙げられます。

採用業務について、さらに詳しく調べたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

(参考:『採用業務とは?基本的な流れから効率化するためのポイントまで解説』 )

双方向のコミュニケーションを取りやすい

LINEを使って、いつでも連絡が受けられる体制を整えれば、求職者からの質問などにも対応しやすくなり、緊密なコミュニケーションを取りやすくなります。メールなどで情報を伝えようとしても、求職者が内容をどの程度理解しているか把握しづらい部分があります。

LINEであれば、気になった点や不安に感じる部分をすぐに採用担当者に確認できるので、求職者としても安心して応募することができるでしょう。LINEで連絡を行うことで双方向のコミュニケーションを生み出しやすくなるので、採用活動において積極的に活用してみましょう。

採用活動でLINEを導入するステップ


採用活動でLINEを活用しようと考える際は、あらかじめ基本的な導入手順を把握しておくことが大切です。主なステップは以下の通りです。

LINEを採用活動で導入する主なステップ
1. LINE公式アカウントを開設する
2.友だち登録をしてもらう
3.求職者に対して情報発信を行う
4.採用から入社までをフォローする

一つずつのステップについて解説します。

LINE公式アカウントを開設する

LINE公式アカウントを利用するには、公式サイトにアクセスをして「LINE公式アカウントをはじめる」をクリックし、LINEビジネスIDの作成画面に進みます。すでに使用しているLINEアカウントもしくはメールアドレスを登録すれば、LINE公式アカウントを作成可能です。

既存のLINEアカウントで登録する場合は、ログインのために必要な情報を入力するか、専用のコードを読み込んで連携します。アカウント作成フォームに必要事項を入力し、LINEアカウントを作成しましょう。

メールアドレスで登録する場合は、LINEビジネスIDに登録した後に、アカウント作成フォームに必要事項を入力することでアカウントを作成できます。パソコンとスマートフォンのどちらからでも登録可能です。

友だち登録をしてもらう

LINE公式アカウントに登録を済ませたら、基本情報やプロフィールの設定を行います。気を付けておきたい点は、「公開設定」を行わなければLINE公式アカウントの検索結果に表示されないので、最初の段階で忘れずに設定しておきましょう。

また、プロフィールはユーザーが友だち登録を行うときに必ず表示される画面なので、紹介文・住所・電話番号・Webサイト・営業時間などの情報を入力します。一通りの設定を終えたら、求職者に友だち登録をしてもらえる仕組みを整えます。

さまざまな方法がありますが、採用活動においては会社説明会で配布する案内資料にLINE公式アカウントのQRコードを貼ったり、友だち登録をしてもらえるように声がけしたりすることが挙げられるでしょう。LINE公式アカウント内でURLや専用コードの発行ができるので、紙媒体やWebサイト、SNSなどを通じて広く呼びかけていくことが大事です。

求職者に対して情報発信を行う

LINEに友だちとして登録をしてもらった求職者に対しては、コミュニケーションを大切にすると同時に、求職者全体へ有益な情報発信を行っていくことが重要です。LINE公式アカウントには、一斉配信を行えるメッセージ配信機能が備わっているので、登録者が多くても運用管理がしやすいのが特徴です。

配信する情報は、求職者が知りたいと思うものを選定する必要があります。具体的には、経営層や従業員へのインタビュー記事、職場の雰囲気がわかる動画コンテンツ、募集している職種や求人内容、選考に関するスケジュールなどが挙げられます。

採用から入社までをフォローする

人材の募集やエントリーが始まった段階では、一対一のやりとりが行えるチャット機能を活用してみましょう。LINE公式アカウントのチャット機能では、スケジュールの調整や面接場所の案内、面接後・内定後のフォロー、質問への対応などが行えます。

入社に至るまで、こまめにコミュニケーションを重ねていけば、内定辞退を防ぐことにつながるでしょう。求職者によって抱えている不安や悩みは異なるため、丁寧にやりとりを重ねていくことが大切です。

LINEを採用活動でうまく活用するポイント


LINEを採用活動で上手に活用するには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。ここでは、3つの点について解説します。

求職者に合わせた情報を発信する

LINEは単に連絡をするためだけのツールではなく、必要な情報を提供し、求職者にとって有益な情報を伝えるためのものです。採用活動においては、求職者へのアプローチが熱心になり過ぎて、企業側が一方的な情報発信を行ってしまうこともあるでしょう。

しかし、求職者が自社に対して興味・関心を抱いてくれなければ、なかなか応募につながらないため、求職者の視点でどのような情報を求めているのかを精査していく必要があります。実際にLINEを通じた採用活動で、入社に至った従業員の意見などを交えながら、必要とされる情報を整理し、適切なタイミングで発信していきましょう。

一対一のコミュニケーションを重視する

LINEのチャット機能を活用すれば、求職者と一対一の丁寧なコミュニケーションを図ることが可能です。通常は多くの求職者と緊密なやりとりを行うのは難しい部分がありますが、LINEを用いれば複数の応募者とスムーズにコミュニケーションを行えます。

求職者とのやりとりを重ねることは採用率を高めるだけでなく、発信するコンテンツや情報をブラッシュアップさせることにもつながるでしょう。求職者が感じる悩みや不安は、他の求職者にとっても共通の部分があるからです。

情報発信や採用ノウハウを強化していくためのツールとして、LINEを上手に活用してみましょう。

運用体制をきちんと構築する

LINEを用いることで、採用業務の効率化や省力化を図っていけますが、事前に運用体制をしっかりと整えておくことは重要です。なぜなら、求職者とは継続的なコミュニケーションを積み重ねていく必要があり、対応が断続的なものになってしまえば、応募に結び付きづらくなるでしょう。

LINEを使って情報発信を継続し、求職者とのコミュニケーションを維持するには、ある程度のスキルやノウハウが必要だといえます。社内の人材だけでリソースが不足している場合は、豊富な実績のある外部の企業に協力してもらうことも検討し、自社に合った形で運用体制を構築してみましょう。

LINEを採用活動で用いるときの注意点


LINEを採用活動で用いるときには、主に2つの点について気を付けておく必要があります。それぞれの点を見ていきましょう。

情報セキュリティの対策を講じる

LINEを採用活動に用いることは採用業務の効率化につながりますが、情報セキュリティ対策にも意識を向けておくことが大切です。どのようなツールを用いたとしても、採用活動では求職者の個人情報を数多く取り扱うことになります。

安心して応募してもらうためにも、情報管理に関する運用体制を整えておきましょう。具体的には、セキュリティ対策ソフトの導入や採用管理システムの構築、閲覧権限の管理、個人情報に関する取り扱いのルールの策定などが挙げられます。

実際に採用活動がスタートしてからでは採用業務に追われてしまい、思うような対応ができない場合もあるので、事前に取り組んでおくことが重要です。必要に応じて、外部の専門家のアドバイスなども得ながら、安心して応募してもらえる環境を整備してみましょう。

KPIをしっかりと定める

KPIとは、重要業績評価指標とも呼ばれています。LINEを採用活動に活用する際は、あらかじめ目標設定を行っておくことが大事です。

目標を定めないまま導入しても、結局はうまく使いこなせなかったり、成果についての検証作業などに取り組みづらかったりします。閲覧数や応募者数など、数値化できる目標をきちんと立てて、定期的に運用状況をチェックしてみましょう。

ただし、達成が難し過ぎる目標を立ててしまっても、かえって逆効果となるケースもあるので注意が必要です。定期的に状況を確認しながら、目標を修正していくことも大切だといえます。

まとめ

LINE公式アカウントは、国内において多くの企業が活用しているコミュニケーションツールであり、採用活動にも用いられています。応募者一人ひとりと丁寧なコミュニケーションが行える他、メッセージのやりとりがスムーズなので、採用率を高めることにつなげられるでしょう。

特に応募者が多い企業ほど、採用業務の効率化・省力化に結び付けられるはずです。求職が求める有益な情報発信を行い、自社に対する興味や関心を引き出してみましょう。

メールや電話などの既存の連絡方法に加えて、LINEを上手に活用していくことで、企業と求職者の双方にとってプラスとなります。採用活動を強化していくツールの一つとして導入を検討していくことが大事です。

(制作協力/株式会社STSデジタル、編集/d’s JOURNAL編集部)

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