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アルムナイとは?退職者ネットワークを活用し、工数をかけずに優秀人材の採用へ

公開日:2018.11.19

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編集部

「卒業生」「同窓生」を意味するアルムナイ(alumni)とは、離職した社員とつながりを持ち続ける企業の取り組みのことで、近年注目を集める採用手法の一つです。売り手市場により自社にあった人材を確保しづらい今、改めて離職した社員とつながることで何がよいのか。アルムナイのメリット・デメリットや事例をご紹介します。

アルムナイとは「卒業生」。退職者のリソースを活かした採用手法

アルムナイとは「卒業生」「同窓生」を意味する言葉で、英語ではalumniと表記します。それが派生して、企業では何らかの理由で一度退職した人(OG・OB)を指す言葉として使われており、一般的には定年退職者以外の退職者を指します。このアルムナイを貴重な人的資源として捉え、組織化して継続的にコミュニケーションを取ることで再雇用につなげるなど、新たな採用手法や企業ブランディング手法の一つとして取り入れられています。

売り手市場&雇用の流動化により、注目を集めるアルムナイ

dodaの調査によると中途採用の「有効求人倍率」は、2018年9月時点で2.35倍。ここ数年同水準を推移しており、1人の求職者に対して2~3社の求人の選択肢がある、すなわち「売り手市場」であることが分かります。

また近年では終身雇用が崩壊し、自分のスキルを活かして転職や起業をするなど一社に留まらない「雇用の流動化」が進んでおり、優秀な人材の継続的な雇用が困難な状況です。そんな中人材を確保するために、自社をよく知るアルムナイの活用を検討する企業が増えてきています。

アルムナイを活用するためのフローとは ―まずは復職条件の整理から―

企業でアルムナイを活用するとき、どのようなフローで進めるとよいか紹介します。

アルムナイ活用のフロー・ステップ

アルムナイを活用するフロー

1.復職条件を整理する

アルムナイを活用するにあたり、どのような条件であれば復職可能かどうか整理する必要があります。「リーダー職以上の役職を経験した人」「3年以上働いた人」など、アルムナイとして再雇用される条件を具体的に示すとよいでしょう。

2.退職時のコミュニケーションを最適化する

アルムナイの活用を進めるためには、退職時にいかに良好な関係を保って退職してもらえるかという点が重要となります。アルムナイとして活躍してもらうためには、「良い会社だったので、またいずれ時期が来たら戻ってきたい」「子育てが落ち着いたら、またここで働きたい」など良いイメージを持って円満退職していくことが前提となるからです。具体的な施策としては、退職時・退職後のステップアップの支援や、アルムナイ・ネットワークの構築(プール化)などがあります。また、退職時に社内にアルムナイを再雇用する制度があることを周知することも有効でしょう。

3. 退職者(OG・OB)との関係を維持する方法を検討する

アルムナイを活用していくためには、定期的にコミュニケーションを取っていくことも必要です。アルムナイとの関係を維持するための方法は企業によってさまざまで、アルムナイ向けのSNSグループの作成や会社情報をお知らせするメルマガ配信、定期イベントの開催、アルムナイ専用サービスの提供などがあります。定期的に情報をアルムナイ・ネットワークに向けて発信していく場合、アルムナイが実際に復職して活躍している様子や、現在の社内の状況、現職の社員の評価されている取り組み事例等、復職後のイメージがわく情報や現在の企業の様子を伝えると良いでしょう。企業によっては社外秘の情報もあるため、どのような情報をどういった方法でアルムナイに伝えていくのか、明確に規定しておくことが求められるでしょう。

4.受け入れ体制を整える

アルムナイの活用を始めるためには、受け入れ体制を整えることも必要です。受け入れ体制を整えておかないと、既存の社員と上手く溶け込めなかったり、企業の人事制度や仕事の進め方などの変化に対応できなかったりといった問題が生じる可能性があります。アルムナイを受け入れる部署の社員と面談する場を設けるなど、相互理解を深めるためのコミュニケーションを図っていくことが重要です。また再雇用契約だけでなく業務委託契約の選択肢も用意する、フルタイム勤務が難しい場合は時短勤務を打診するなど、多様な雇用形態を提案できるようにしておくのもよいでしょう。

アルムナイを活用するメリット ―優秀な人材の確保と採用・教育コストの削減―

アルムナイ活用のメリットとは…?
アルムナイを活用することで、実際にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここではアルムナイを活用するメリットについて、3つにポイントを絞ってご紹介します。

メリット①:企業文化に合う優秀な人材の確保が可能

採用の現場では、たとえ優秀な人材でも企業文化に合わないと判断される場合、採用を見送るというケースもあるでしょう。企業が求めるスキルや経験のみならず、企業文化に馴染んでいく適応力を有していることも、採用を考える際には重要です。十分なスキルや経験があり企業文化をよく理解しているアルムナイであれば、適応力が高くミスマッチが起きづらいため、復職後の活躍が期待できます。

メリット②:中途採用で新規採用をする場合に比べて教育コストがかからない

アルムナイは企業の採用基準を満たして採用され、かつ社内で実際に一定の期間働いていた人材のため、再雇用する時点でも十分なスキルや経験を有している可能性が高く、教育コストの削減が期待できます。中途採用で一度もその会社で働いたことがない人を採用する場合と比べると、研修やOJTにかかるコストや時間を大幅に削減できるというメリットがあります。

メリット③:選考スピード・工数を削減できる

新たな人材を採用する際には、人材サービス各社への依頼や説明会・面接の実施など、ある程度の期間を要するのが一般的。そのため、即座に優秀な人材を採用するというのは難しいのが現状です。アルムナイであれば直接声をかけられる上、会社概要の説明も省くことができるため、採用に要する時間の大幅な削減が見込めます。

アルムナイを活用するデメリット ―既存社員との関係や条件の不公平感―

アルムナイを活用する際には、活用方法を間違えるとデメリットになることもあります。ここでは、アルムナイを活用する上で気を付けたい3つのデメリットをご紹介します。

デメリット①:既存社員との人間関係に配慮が必要

アルムナイは会社を一度退職した人材であるため、既存社員からは「会社を一度捨てた人材」と見なされて上手く馴染めない、若手社員などに煙たがられるといったケースも考えられます。既存社員との人間関係を上手く構築できるような配慮をする必要があるでしょう。再雇用する前に既存社員とコミュニケーションを取る場を設けるなど、既存社員がアルムナイを友好的に受け入れられるような準備が求められます。

デメリット②:給与や待遇面での不公平感に注意

アルムナイを活用する際には、給与や待遇面での不公平感が生じないように留意する必要もあります。会社を離れている間に、かつての同期や部下が昇進していることに不満を感じる人もいるかもしれません。またその一方で、アルムナイを給与や地位などで優遇し過ぎると、既存社員のモチベーションが下がることも予想されます。アルムナイと既存社員が共に不公平感を抱かないような配慮が必要です。

デメリット③:良好な関係を保ち続ける工数

アルムナイに再び活躍してもらうためには、良好な関係を保ち続けるためのコミュニケーションを惜しまないことも重要です。メールやSNSで情報を発信する、アルムナイ専用サービスを提供するなど関係を保つための方法はさまざまですが、いざという時にすぐに声を掛けられるように、アルムナイとの友好的な関係を長期間維持していくことが必要でしょう。

アルムナイをうまく活用している企業事例(随時更新)

実際にどのようにアルムナイとの関係を維持し、活用していくとよいのでしょうか。アルムナイの活用に成功している企業の事例をご紹介します。

デロイトトーマツグループ ~各種イベントの実施とe-learningの提供~

デロイトトーマツグループの「デロイトトーマツアラムナイ(アルムナイ)」は、退職後のアルムナイの支援や既存社員との交流を目的としているようです。懇親会やセミナー等のイベント開催や各種情報の提供に加え、CPA協会のCPE単位付き講座やビジネスナレッジに関するe-learningを提供することで、アルムナイと関係を構築しています。

【まとめ】

雇用の流動化により、日本でも近年注目を集めるアルムナイについて解説しました。企業文化に適応できる優秀な人材を確保しやすく、採用や教育に要するコストや時間を削減できることが、アルムナイを活用するメリットです。アルムナイの活用を検討し、まずは復職条件を明確にするところから始めてみましょう。

(制作協力/株式会社はたらクリエイト、編集/ダイレクト・ソーシング ジャーナル編集部)

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