【例文あり】開封されるスカウトメールの書き方や返信率UPのコツ

d’s JOURNAL編集部

「スカウトメール」とは、その名の通り人材をスカウトするためのメールのことです。条件に合った人材に対して、企業から主体的にアプローチできる手法であることから、採用競争が激化した現代では特に有効性が注目されています。

この記事ではスカウトメールのメリットや目的、書き方のポイントなどを複数パターンの例文をとおしてご紹介します。また、開封率や返信率を高めるコツもあわせて見ていきましょう。

スカウトメールとは

スカウトメールとは、自社の求人への応募を促すために、企業から求職者にメールを送る手法のことです。一般的には、転職サイトなどのデータベースから、自社が求める条件に該当する人材を見つけ出してスカウトメールを送るのが基本の流れです。

そして、求職者から返事があった場合は、企業側と求職者で連絡を取りながら採用プロセスを進めていきます。従来の採用手法では、求人広告などを打ち出し、求職者からの応募を受け付ける「待ち」のスタイルが一般的でした。

しかし、スカウトメールは企業側から求職者にアプローチしていく方法であるため、「攻め」の採用が行えるのが特徴です。

スカウトメールの効率的な活用方法

スカウトメールを上手に活用するポイントとして、思うように応募が集まりづらい専門的な職種や、求める人材が採用市場に少ない場合などが挙げられます。スカウトメールは企業が候補者に対して直接的にアプローチを図る手法であるため、採用に積極的な姿勢を示せるでしょう。

また、応募者が少ないケースだけでなく、応募者が多くて十分な選考を行えていないときにも活用できます。自社が本当に求める人材が多くの応募者のなかに埋もれてしまわないように、狙った人材に対して直接アプローチを行うスカウトメールは有効な方法です。

スカウトメールが注目される理由

(引用:内閣府『令和4年版高齢社会白書 』)

スカウトメールが注目されている背景には、労働人口の減少に伴う人手不足が挙げられます。内閣府が公表している「令和4年版高齢社会白書」によれば、生産年齢人口(15~64歳)が最も多かった1995年が8,622万人であるのに対し、2020年には7,509万人に減少していることがわかります。

さらに、2050年には生産年齢人口が5,275万人まで減少することが予測されているため、人材の確保が中長期的な経営課題になっているといえるでしょう。また、厚生労働省が公表している「一般職業紹介状況(令和6年6月分)」によれば、有効求人倍率は1.23倍、新規求人倍率は2.26倍となっています。

2019 ~2023年の過去5年間のデータをまとめると、以下の通りです。

2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
有効求人倍率 1.60 1.18 1.13 1.28 1.31
新規求人倍率 2.42 1.95 2.04 2.28 2.29

(参照:独立行政法人 労働政策研究・研修機構『図14 有効求人倍率、新規求人倍率 』)

少子高齢化に伴い、人材採用は売り手市場の状態が長く続いており、企業間での採用競争は激化しているといえるでしょう。採用の難易度が上がっているなかで、企業では従来の待ちの採用ではなく、攻めの採用への転換が重視されるようになっているのです。

特に、中小企業では知名度などの面で不利になる場合が多いため、自社の求人情報を認知してもらう機会をつくるという点でも重要な戦術になり得ます。また、転職の一般化や終身雇用制度の弱体化により、即戦力人材を求める声が強まっているのもスカウトメールが注目される理由です。

専門的なスキルや業務経験を持つ人材をピンポイントで獲得したい場合などで、直接的にコミュニケーションを図れるスカウトメールは大いに役立つと考えられています。

(参照:厚生労働省『一般職業紹介状況(令和6年6月分)について 』)

ダイレクトリクルーティングとの違い

企業から求職者へアプローチするという方法としては、「ダイレクトリクルーティング(ダイレクト・ソーシング)」も代表的な採用手法として挙げられます。ダイレクトリクルーティングとは、企業が人材を見つけ出し、直接アプローチを図るさまざまな方法をまとめた呼び名です。

スカウトメールも企業から求職者へ直接的なアプローチを図る手法であるため、ダイレクトリクルーティングの一つであり、大きな違いはないといえるでしょう。ただし、スカウトメールのなかには不特定多数の相手にメールを送るオープンオファーというものもあるので、ダイレクトリクルーティングよりも多くの相手にアプローチすることが可能です。

<その他のダイレクトリクルーティング>
・イベントを通じたスカウト
・リファラル採用(従業員の紹介)
・SNSのダイレクトメッセージ など

スカウトメールの種類


スカウトメールは、送り先に応じて「不特定多数に送るもの」と「特定の求職者に送るもの」の2つに分類することができます。ここでは、それぞれの特徴について見ていきましょう。

不特定多数に送る「オープンオファー」

オープンオファーとは、転職サイトなどに登録している求職者を年齢、勤務可能エリア、経験職種、取得している資格といった一定の条件で絞り込み、該当した相手に対してまとめて送信するスカウトメールです。不特定多数へのスカウトメールでは、一度に多くの求職者へアプローチできるのが特徴であるため、「共通の特徴を持った求職者で幅広く母集団形成を行いたい」場合などに有効です。

なお、メールの文面は母集団の分類ごとにカスタマイズすることもできます。一方で、不特定多数を対象としているため、「画一的な内容になりやすく、特別感を演出できない」「メールの開封率・返信率が低い傾向にある」という課題もあります。

特定の求職者に送る「プライベートオファー」

特定の求職者へのプライベートオファーは、「自社にぜひ入社してもらいたい」という特定の候補者に対し、個別で文章を作成して送信するスカウトメールです。企業が求める条件に合致した人材に、個別で直接アプローチをかけることを目的としているため、より狭義の意味でのダイレクトリクルーティングともいえるでしょう。

プライベートオファーは大きく分けて「条件一致オファー」と「完全一致オファー」とに分類されます。条件一致オファーはスキルや経験、居住地などの特定の条件が一致する候補者を絞り込み、オファーを送る手法です。

一方、完全一致オファーは名前の通り、複数の条件が一致する候補者に対して、オファーを行う手法となります。いずれの手法も、確度の高い採用活動を行うのに有効なのが特徴です。

「メールの文面を個別に考える必要があるため手間がかかる」という課題はあるものの、そもそも「獲得したい人材の要件が明確に固まっている」「採用予定人数が少ない分、人材とのマッチ度をより重視したい」といった場合には有効な方法となり得ます。また、不特定多数に公開することを前提としないため、「普段は公開していない情報を特定の候補者にのみ伝える」「特定の候補者の経歴・職歴を意識した文面を作成する」のようにカスタマイズも自由自在です。

そのため、相手にもしっかりと特別感や企業の熱意が伝わり、不特定多数を対象にしたものと比べてスカウトメールの返信率が高い傾向にあります。

スカウトメールの書き方


スカウトメールの目的は、企業が求める人材を採用に結びつけることにあります。本来の目的が果たせるのであれば、特に書き方などの制限を気にする必要はありません。

しかし、効果的なスカウトメールを作成するためには、適切な手順やコツを意識して取り組むことがおすすめです。ここでは、スカウトメールの書き方について基本的なポイントを解説します。

「誰に」「何を」「どのように」伝えるかを考える

スカウトメールを書くうえで、「誰に」「何を」「どのように」伝えていくかをよく考えることが重要です。3つの点を押さえることで、よりピンポイントにスカウトメールを送ることができます。

それぞれのポイントについて見ていきましょう。

「誰に」伝えるかのポイント

スカウトメールを書く際は、求職者の性別や経験、転職する動機などを具体的にイメージしておくことが大切です。不特定多数の求職者もしくは、特定の求職者のいずれの相手に送る場合であっても、想定する人材にマッチした内容でなければ、メールそのものを見てもらえない恐れがあります。

文面を作成するときは、内容にばかり意識が向いてしまいがちですが、まずは「誰に」対して伝えるものであるのかを明確にすることで、募集する人材のミスマッチを防げるでしょう。どういった相手に応募してもらいたいかを検討し、採用ペルソナ (自社が採用したい人材像)などを明らかにしておくことが大事です。

「何を」伝えるかのポイント

スカウトメールを受け取った求職者に、できるだけメールを開封・返信してもらうには、興味や関心のある内容を盛り込む必要があります。具体的には、福利厚生を重視している求職者には福利厚生に関する情報を多く提供したり、給与面が気になっている求職者には給与や賞与に関する情報を伝えたりして、「もっと話を聞いてみたい」といった気持ちにさせることが大切です。

どれほど良い待遇のスカウトメールであったとしても、求職者自身が求める内容とマッチしていなければ、メールをなかなか見てもらえないでしょう。自社が求める人材像が、具体的にどのようなニーズを抱いているのかを事前にリサーチして、スカウトメールの文面で「何を」伝えるのかを考えることが大切です。

「どのように」伝えるかのポイント

求める人材像を明らかにして、求職者のニーズに沿った内容の文面を作成しても、思うようにスカウトメールが読まれないケースがあります。そうした場合には、文章が回りくどい表現になっていたり、長文になっていたりしないかをチェックしてみましょう。

1つの文章があまりに長く、要点がわからなければ途中で読むのを止めてしまわれる可能性があります。求職者は他社にも応募している場合が多いため、短い時間で内容が読み取れない文章は敬遠される恐れがあるでしょう。

そのため、求職者が少ない時間で読めるように一文を短くしたり、端的に内容をまとめたりする工夫を施す必要があるといえます。

求める人物像と検索軸を明確にする

スカウトメールは特定の条件に該当した求職者に送ることを前提としているため、まずは企業が求める人材像を明らかにする必要があります。自社が求める人材について、スキルや経験だけでなく、人柄や趣味、ライフスタイルまで詳細に落とし込んだ「採用ペルソナ」をしっかりと固めることが重要です。

採用ペルソナが明確化されていれば、アプローチする求職者の枠を固めやすくなるため、効率的にスカウトメールの発信が行えます。また、ペルソナの考え方や価値観について分析すれば、どのようなスカウトメールが関心を引きつけやすくなるのかも判断しやすくなるでしょう。

さらに、求職者がどのようなキーワードで検索をするのか検索軸を合わせることによって、より適合した人材にスカウトメールを送ることができるようになります。ただし、最初から検索軸を絞り込みすぎてしまうと、かえって適合した人材が見つからない恐れがあるため、検索軸に優先順位をつけて人材を絞り込んでいくことが大切です。

求める人物像に効果的な訴求ポイントを整理する

採用ペルソナが固まったら、自社のどのような点が魅力として映るのかを洗い出し、整理することが大切です。後述するように、スカウトメールはあまり長くても読まれなくなってしまうので、訴求すべきポイントを絞り込む必要があるのです。

まずは自社の強みを客観的に洗い出し、丁寧に明文化してみましょう。そのうえで、ペルソナにとって特に魅力が感じられるものをピックアップするのが基本です。

なお、訴求ポイントになり得るものとしては、次のようなものが挙げられます。

訴求ポイントになり得るもの
・給与・賞与:業界平均よりも高月給である、高年収が見込める、毎年賞与を安定して支給している実績がある など
・休日・休暇:完全週休2日制、土日祝日休み、連続5日間以上の休暇が取得可能 など
・募集ポジション:幹部候補採用、将来のポジションアップを見据えた採用 など
・仕事内容:仕事の意義、やりがい、規模感・影響力 など
・社風:風通しの良さ、雰囲気の良さ など

応募者に寄り添った文面を作成する

メールの本文では、読み手の心情に寄り添った流れと文面を意識する必要があります。連絡を取ってみようと思ってもらうためには、自社の紹介ばかりに終始するのではなく、求職者が知りたい情報を盛り込むことが重要です。

また、求職・転職に際して不安に感じるような部分に寄り添うことで、返信への心理的なハードルを下げやすくなります。そのうえで、特定の求職者に絞ってスカウトメールを送る場合は、内容を工夫して特別感を持たせるのもコツです。

例えば、相手の職務経歴や自己PRを踏まえて、「○○の点に魅力を感じてオファーしました」という内容を盛り込めば、企業側の熱意や誠意が伝わりやすくなります。求職者からすれば、自分のことをきちんと見てもらえていると感じるため、顔の見えないやりとりにも安心感を覚えやすくなるでしょう。

自社については端的にまとめる

伝えたい内容を盛り込むことは重要ですが、メールが長文になってしまうと、読み手に負担をかける原因になるので注意が必要です。特に自社のアピールに関する部分は、長すぎるとかえって悪い印象を与える可能性もあるため、すっきりと端的にまとめるのがよいでしょう。

ホームページなどを調べればすぐに得られる情報はなるべくカットし、一対一のメールだからこそ届けたい情報を絞り込むことが大切です。 具体的なものとして、以下の情報などがあげられます。

<スカウトメールに記載する自社情報>
・従業員にヒアリングした内容(仕事のやりがいなど)
・募集職種のキャリアパスの事例
・既存の従業員の1日のタイムスケジュール など

スカウトメールはあくまでも求職者との接点を築く入り口にすぎないので、無理に魅力や熱意のすべてを伝えようとせず、面談に誘導することを想定して構築しましょう。

【例文】スカウトメールの書き方


スカウトメールを作成するうえでは、フォーマットをある程度参考にしながら、自社のオリジナリティを盛り込んでいくのが近道といえます。ここでは、スカウトメールの例文をもとに、書き方のポイントを詳しく見ていきましょう。

スカウトメールのよい例

まずは、作成のポイントを踏まえたスカウトメールの文例をご紹介します。

(件名)
【面接のご案内】●●様の▲▲のご経験に興味を持ち、ぜひお会いしたいと思いお声がけしました

(本文)
●●様、はじめまして。
○○社で採用担当をしております■■と申します。

このたび●●様のご経歴を拝見し、ぜひ一度お話できる機会をつくっていただければと思い、ご連絡いたしました。
●●様が3年間、▲▲に携わってこられたご経験を活かすために、弊社が募集している△△のメンバーとしてご活躍いただきたいと考えているためです。

●●様には、弊社が新たに展開する△△のプロジェクトにおいて、▲▲に関する役割を担っていただきたいと考えております。

弊社について、少しご紹介させてください。
弊社は、××の領域で高いシェア率を獲得しており、特に□□の分野では業界トップの業績を上げています。
今回新たに取り組む△△のプロジェクトも××との関連性が高いことから、弊社の主力事業として期待を寄せています。

詳しい業務内容や会社情報についてお知りになりたいときは、求人票や弊社ホームページをご覧いただけると幸いです。

(会社HPのURLリンクを載せる)

もちろん、初めから成果を求めるわけではなく、まずは業界の雰囲気を知っていただくためにも、1カ月のトレーニングを通じて必要な知識を学んでいただきます。ともに働くメンバーとの交流会やランチミーティングも重ねながら、3カ月、半年かけてじっくりとチームに馴染んでいただければと考えております。

◆◆な社風も弊社の特徴ですから、●●様にも安心してご活躍の場を広げてもらえるのではないかと期待しております。

なお、今回の募集は広く公開しておらず、弊社が面接にお呼びしたいと思った方だけに直接ご連絡しておりますので、●●様にご興味をお持ちいただけたらうれしいです。

お返事いただければ、こちらから面談日程を調整するためのご案内をお送りします。もし、「すぐにでも選考に進みたい」というご要望がございましたら、ご遠慮なくその旨をお伝えください。

それでは、●●様からのお返事を心よりお待ちしております!

スカウトメールでは、候補者の経験やスキルを踏まえたうえで、自社でどのように活かせるのかを明示することが大切です。また、メールの冒頭にしっかりと本文の目的を明記することで、途中での離脱を防ぐ効果が期待できます。

自社の情報や魅力について触れる場合は、メールの目的や募集内容を伝えてからのほうが読んでもらいやすくなるでしょう。

スカウトメールの悪い例

続いて、スカウトメールで避けるべき表現などについても、例文とともに見ていきましょう。

(件名)
【業務拡大につき大量採用】残業少なめ、ノルマなしの△△職を募集

(本文)
はじめまして。○○社の採用担当です。

弊社は、▲▲事業をメインに、さまざまな商品・サービスを展開しています。また、業界トップクラスの規模を誇り、本年は年間売上◆億円を達成しました。
社員数は年々増えており、会社の成長も著しいため、今後も新規事業を立ち上げていく予定です。

このたび□□のサービスをさらに広く展開するために、△△職を募集することにいたしました。
今回の募集職種は経験不問・学歴不問ですので、明るく楽しく働いてくださる方であれば、歓迎します。

ご興味をお持ちいただけましたら、当社のホームページより、詳細情報をぜひご覧ください。

それでは、あなたのご応募お待ちしております。

上記のスカウトメールでは、候補者の名前を使わずに「あなた」という代名詞を用いているため、「誰にも送れる」「手を抜いている」といった悪い印象を与える可能性があります。また、冒頭で自社のアピールをしてしまうことで、求職者にはどのようなメリットがあるのかが伝わらず、離脱されやすい構成となっています。

そのほかにも、「会社ホームページのURLが掲載されていない」「どのような人材を求めているのかがわからない」「入社後のイメージが湧かない」といった問題があり、スカウトメールとしての効果は薄いといえるでしょう。

スカウトメールを2回目に送る際の例文

スカウトメールを2回以上に分けて送る場合には、メールの文頭に「度々のご連絡、失礼いたします」などと書き、前置きをするようにしましょう。また、ぜひ選考を受けてもらいたいという意思を伝えるため、「諦めきれずに改めて、ご連絡させていただきました」といった内容を伝えても問題ありません。

積極的に採用したいという姿勢を繰り返し示すことで、候補者に興味・関心を持ってもらえるように工夫することが大切です。

職種別のスカウトメールの書き方

スカウトメールの適切な書き方は、募集する職種によっても異なります。ここでは、代表的な職種ごとにスカウトメールの例文と、意識しておきたいポイントをご紹介します。

営業職へのスカウトメールの例文

まずは、営業職のスカウトメールについて見ていきましょう。

(本文)
●●様、はじめまして。
○○社で採用担当をしております■■と申します。

このたび●●様のご経歴を拝見し、5年間にわたる法人営業でのご経験に魅力を感じてご連絡いたしました。
現在、弊社では主力業務として法人営業部の強化に力を入れております。
そこで、●●様のお力をぜひ弊社にお貸しいただきたいと考え、お声がけをいたしました。

営業職の方が弊社で働く魅力について少しご紹介させていただきます。

○飛び込みでの新規開拓なし
弊社はオフィス機器や関連する機材を取り扱っており、BtoBでの安定したニーズがあるため、基本的には既存のお客さまへのルート営業が中心となります。

○オンライン営業の導入
弊社の営業部門ではオンライン営業の導入も積極的に行っており、移動時間の負担軽減や柔軟な働き方の実現を図っています。お客さまごとに過去のデータや取引履歴も整理されているため、安心して業務に取り組んでいただけます。

○歩合給あり
弊社は基本給に加えて歩合給制度を設けており、成果に応じた収入アップも見込めます。法人営業の経験がある●●様の場合でしたら、月給は△△万円からのスタートとなります。

つきましては、一度カジュアルにお話できる機会をつくっていただけないでしょうか。
●●様のご都合に合わせて、お電話やオンラインなど面談方法は柔軟に対応いたします。

まずは、●●様からのお返事を心よりお待ちしております。

営業職の場合は、募集に至った経緯を簡単に説明したうえで、具体的な業務内容や待遇について記載しておくと興味を引きつけやすくなります。また、企業側の熱意や仕事に対する姿勢なども簡単に触れておくと、読み手の心を動かしやすくなるでしょう。

エンジニアへのスカウトメールの例文

続いて、エンジニアを募集する際のスカウトメールについて見ていきましょう。

(本文)
●●様、はじめまして。
○○社で採用担当をしております■■と申します。

このたび●●様のエンジニアとしてのご経験を拝見し、ぜひ一度お話できる機会をつくっていただければと思い、ご連絡いたしました。

弊社は、企業のインフラ構築をサポートするサービスを扱っております。お客さまとディスカッションを行い、ときにはビジネスモデルの最上流から参画してサービスをご提案するなど、幅広いポジションでの業務をご経験いただけます。

ここで、少し弊社で働く魅力をご紹介させていただきます。

(1)月給△△万円以上、賞与年2回、年間休日日数▲▲日
給与や経験、能力に応じて調整されますが、●●様の場合でしたら、月給△△以上のスタートとなります。

(2)リモートワーク可、勤務時間の調整可
弊社では業務内容に応じてリモートワークを導入しております。また、基本的には勤務スケジュールもご自身で調整していただけるので、一緒にワークスタイルを決めましょう。

(3)スキルアップ・教育制度
弊社では××の分野における教育制度が現職のエンジニアから評価されています。資格取得のサポートも充実しており、例えば●●様が□□の資格取得を目指される場合は、◆◆の研修や受講費用も弊社が負担させていただきます。

【開発言語】
Java/C#.net,/Ruby/VB.net/C++/PHP/VBA/Perlなど

【データベース】
SQLServer/DB2/ MySQL/Oracle/SQLite

つきましては、一度カジュアルにお話できる機会をつくっていただけないでしょうか。
●●様のご都合に合わせて、お電話やオンラインなど面談方法は柔軟に対応いたします。

まずは、●●様からのお返事を心よりお待ちしております。

エンジニアの場合は、勤務条件やスキルアップの仕組みについて詳しく記載するのが効果的といえます。また、基本情報として、使用する開発言語やデータベースについても記載しておきましょう。

事務職へのスカウトメールの例文

次に、事務職を募集する際のスカウトメールの例文をご紹介します。

(本文)
●●様、はじめまして。
○○社で採用担当をしております■■と申します。

このたび●●様のご経歴を拝見し、ぜひ一度お話できる機会をつくっていただければと思い、ご連絡いたしました。

弊社では現在、□□グループの本社経理機能として、経理・財務・資本戦略・M&Aなどを担う部門の強化に力を入れております。
●●様の5年間にわたる経理のご経験をそのまま活かしていただける職場であると考え、お声がけをさせていただいた次第です。

また、今後はより広範な職務を担当していただけるので、●●様のキャリアアップの実現も可能です。

ここで、簡単ではございますが、弊社で働く魅力についてご紹介させていただきます。

(1)月給△△万円以上、賞与年2回、年間休日日数▲▲日
給与や経験、能力に応じて調整されますが、●●様の場合でしたら、月給△△以上のスタートとなります。

(2)ワークライフバランスの充実
弊社では育児と両立する女性管理職者も多いことから、お子さまの発熱などで急に休まなければならなくなったときも、全員が快く受け入れる体制が整っています。ご家族との時間を大切にすることも、大切な仕事の土台であると考えており、有給消化率は100%を達成しております。

バックオフィス業務の場合は、待遇や勤務条件について丁寧に説明することが大切です。また、業務内容に幅を持たせられるのであれば、候補者のキャリア拡大につながる点に触れてみるのもよいでしょう。

管理職へのスカウトメールの例文

(本文)
●●様、はじめまして。
○○社で採用担当をしております■■と申します。

このたび●●様が50人規模の部署をマネジメントされている経験を拝見し、ご連絡いたしました。

弊社は××領域における業界No.1のシェアを獲得しており、ここ3年で毎年成長率◆%を達成するなど、右肩上がりに拡大を継続しております。
現在、弊社では事業拡大につきIPOを視野に入れた準備を進めております。
それに伴い、人員の大幅な増加が見込まれていることから、核となる部長職をお任せする人材を探していたところ、●●様のプロフィールにたどり着きました。

●●様には、ぜひ部署内の予算や組織づくりなど、全体の裁量権を持って部長職をお任せしたいと考えております。

少しでもご興味を持っていただけましたら、オンラインでも可能ですので、一度カジュアル面談の機会を設けていただけないでしょうか。

●●様のお返事を心よりお待ちしております。

管理職の場合は、どのような企業なのか、どのような経緯で募集しているのかを具体的に伝えるのがポイントです。また、すでに前職で重要なポジションに就いている可能性も高いため、スカウトメールの段階ではあまり強いアピールは行わず、カジュアル面談への誘導を最優先に考えましょう。

スカウトメールの開封率を高めるコツ


スカウトメールを送信する際には、開封率が高まるような工夫を凝らすことも大切です。ここでは3つのポイントに分けて見ていきましょう。

開封したくなる魅力的な件名にする

スカウトメールの文面がどれほど充実した内容であっても、メールを開封してもらえなければ、候補者との接点が生まれないので注意が必要です。思わずメールを開封したくなるように、メールの「件名」について工夫してみましょう。

件名の具体例として以下のものが挙げられるので、参考にしてみてください。

開封したくなるスカウトメールの件名
・業界トップレベルの営業スキルを学べる充実した研修制度 働きながら将来のキャリアアップを目指してみませんか。
・〇〇のご経験をお持ちの△△様へ。新規プロジェクトの企画職として、活躍できるフィールドを広げましょう。

メールが開封されやすい時間帯に送る

届いたタイミングからメールボックスを開くまでにタイムラグがあるほど、ほかのメールに埋もれてしまう可能性が高くなるので、開封率が高い時間帯に送るのもコツです。
メールが開封されやすい時間帯は、一般的には「出勤時間帯(8:00~9:00ごろ)」「ランチ時間帯(12:00~15:00ごろ)」「帰宅時間帯(17:00~18:00ごろ)」とされています。

なお、夜遅い時間帯にメールを送ってしまうと、「残業が常態化しているのではないか」といったマイナスの印象を与えてしまう可能性もあるため注意が必要です。

新規の登録者にアプローチをする

開封率を上げるには、新規求職者から優先してアプローチするのが効果的です。なぜなら、サイトに登録したばかりの求職者のほうが、転職に対する意欲が高い状態にあると考えられるためです。

データベースでは新規登録者に絞って人材を探すこともできるので、自社の募集条件に合う登録者がいないかをこまめに確認しておきましょう。

スカウトメールの返信率を上げるコツ


スカウトメールの開封率を高めることと並行して、返信率を上げる工夫も取り組んでいく必要があります。どのような取り組みが行えるのかを具体的に見ていきましょう。

冒頭にメリットを提示する

求職者から返信してもらうためには、当然ながら最後までメールを読んでもらう必要があります。基本的には上から順に読まれていくため、冒頭に求職者にとってのメリットをハッキリと提示し、興味を引きつけるのがポイントです。

候補者の経験が自社でどのように活かせるかを伝える

スカウトメールの返信率を上げるには、候補者が保有しているスキルや経験をどのように活かせるのかを明示することが重要だといえます。具体的なスキルや数字(営業経験〇年など)を明記すれば、候補者の経歴などをきちんと把握したうえでメールを送っている印象を与えられるでしょう。

実際に働いたときのイメージを持ちやすくすることで、返信率を高めることが大切です。

候補者が承諾しやすい次のアクションを提示する

スカウトメールを送った候補者に次の行動を求める際は、過度な負担にならないようにすることが大事です。次の行動が複雑なものであれば、そのままスルーされてしまう恐れがあるため、比較的簡単な内容にとどめておきましょう。

具体的には、いきなり面接につなげようとせず、まずは気軽に参加しやすいカジュアル面談などに誘導していくと反応が期待できます。

スカウトメールを作成するときの注意点


最後に、スカウトメールの効果を落とさないための注意点を3つご紹介します。

専門用語・ネガティブキーワードは使わない

スカウトメールでは、わかりやすさと読みやすさが重要なポイントとなります。そのためには、難解な専門用語はなるべく使わず、読み手に寄り添った表現を心がけることが大切です。

特に異なる業界で働いている求職者に送る際には、専門用語が多い文面だと内容がよく伝わらないばかりか、余計な不安を与えてしまう可能性があります。業界や社内特有の用語は用いず、できるだけ一般的な表現を意識しましょう。

ただし、専門職の募集などで「最低限この程度の用語は理解しておいてほしい」といった考えがある場合は例外です。また、ネガティブな印象を与える言葉も使わないほうが無難です。

具体的なネガティブキーワードとして、「急募、大量採用、学歴不問、実力主義、稼げる、早期キャリアアップ、社内イベント多数」などが挙げられます。これらの言葉を安易に用いてしまうと、スカウトメールへの反応が悪くなる恐れがあるので気をつけておきましょう。

長文になる場合は分けて送る

スカウトメールでは、伝えたい内容を十分に精査できていないなどの理由から、文面が長くなってしまうこともあります。あまりにも長文になれば、そもそも読んでもらえない確率も高まるので、1回のメールはスマホ1画面に収まる「400~500文字程度」にとどめるのがコツです。

どうしても長文になってしまう場合は、複数回に分けて、間隔を空けて送るようにしましょう。

自社のアピールばかりに終始しない

自社の魅力をアピールすることは大事であるものの、紹介パートはできるだけ短くまとめるのが望ましいといえます。求職者からすれば、たとえどれだけ優れた会社であっても、「自分にどのようなベネフィット (利益や恩恵)があるのか」がわからない状態では興味を持つことができません。

そのため、自社本位の過度なアピールは避け、求職者の視点に立ってどのような魅力があるのかを掘り下げていきましょう。

まとめ

スカウトメールは企業から求職者に直接アプローチできることから、従来の「待ち」の手法では出会えないような人材と接点を築けるチャンスになり得ます。件名や内容にこだわれば、企業の規模や知名度に左右されずに魅力をアピールできるので、中小企業にとっても有効性の高い手法といえるでしょう。

スカウトメールを作成するうえでは、求職者の立場や募集職種に応じて、丁寧に内容を精査していくことが大切です。まずは自社の魅力を客観的に掘り下げるとともに、採用ペルソナを明確化し、相手に合わせた訴求ポイントを探ってみましょう。

(制作協力/株式会社STSデジタル、編集/d’s JOURNAL編集部)

求職者への“口説き方”が分かる!職種別採用DM文例集

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