ストレス耐性を面接で見極めるポイントとは?質問例や特徴を解説

d’s JOURNAL編集部
日々の仕事では、あらゆる立場でさまざまな種類のストレスにさらされます。従業員に本来の実力を発揮してもらうためには、ストレスと上手に向き合い、コントロールできる能力も重要な資質になるといえるでしょう。
この記事では、採用時の面接で、転職希望者のストレス耐性を見極めるために押さえておきたいポイントをご紹介します。ストレス耐性を面接で見極めるポイントや質問例などをまとめましたので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
「ストレスに強い人」を感覚ではなく質問で見極めたい方に向けて、レジリエンスに基づく面接質問集をご用意しました。人事・採用担当者向けに厳選した質問事例を、下記から無料でダウンロードしてご活用いただけます。
ストレス耐性の定義から整理したい方は、下記の記事もチェックしてみてください。
(関連記事:ストレス耐性とは?従業員のストレス耐性を高めるためのポイントと注意点)
ストレス耐性を面接で見極めるためのポイント
それでは早速、面接の場で転職希望者のストレス耐性を見極めるために意識したいポイントを確認しましょう。
【ストレス耐性を見極めるためのポイント】
●質問を掘り下げてアプローチする
●ストレスに強い人材の特徴を理解しておく
●質問ごとに評価基準を設定する
●ケーススタディーの質問で思考を確認する
ここでは具体的なポイントを5つに分けて説明します。
質問を掘り下げてアプローチする
面接では複数の質問をバラバラに行うよりも、一つの話題を丁寧に掘り下げてアプローチするほうが有益な回答を得やすくなります。例えば、過去の失敗経験について尋ねる場合は、出来事の前後にもしっかりと目を向けて質問を重ねてみると良いでしょう。
「どのような経緯でミスが生まれたのか」「どのように対処したのか」「関係者へのフォローや謝罪はどのように行ったのか」などを詳しく尋ねることで、その人がストレスとどのように向き合っていたかを間接的に把握できます。
また、基本的な質問に対しては、転職希望者も前もって回答を用意しているケースがあり、あらかじめ多少の加工が行われている可能性も考えられます。
掘り下げた質問に対しては臨機応変に対応するしかないため、転職希望者の人となりが見えやすくなることも重要な効果です。
ストレスに強い人材の特徴を理解しておく
ストレス耐性について見極めるためには、面接官や人事・採用担当者自身がストレスに強い人材の特徴を押さえておく必要があります。一般的にストレス耐性が高いとされる人材には「周囲の評価に影響されにくい」「集中力がある」「前向き」といった特徴が見られます。
しかし、これらはあくまでも一例に過ぎません。自社で発生するストレスは、業務の内容や業種、置かれるポジションなどによっても異なるので、採用向けにカスタマイズして分析することが大切です。
ストレス耐性の分析には、社内ですでに活躍している人材の特徴や行動特性も参考になるでしょう。
採用活動がスタートする前に、自社なりのストレス耐性チェック項目などを作成しておき、面接時の負担をできるだけ軽減することが大切です。
質問ごとに評価基準を設定する
転職希望者のストレス耐性を正しく把握するために、質問ごとに「どのような観点でストレス耐性を評価するのか」を明確にしておくことも重要です。評価ポイントがあいまいなままでは、面接官が主観で判断してしまい、転職希望者のストレス耐性を客観的に測れなくなるためです。
従って、質問ごとに評価ポイントを明確に設定しておきましょう。
例として、「職場でトラブルがあったとき、どのように対処しましたか?」という質問をする場合の評価ポイントを以下に挙げます。
【評価ポイントの一例】
●冷静に対処できていたか
●関係者へ適切に報告・相談できていたか
●他責思考に陥っていないか
このように質問ごとに評価ポイントを定めておくことで、転職希望者のストレス耐性を客観的に見極められるようになります。
ケーススタディーの質問で思考を確認する
面接で簡単なケーススタディーを行うことも、転職希望者のストレス耐性を見極める有効な方法です。転職希望者にストレスのかかる具体的な状況を提示し、その場での対処法を考えてもらうことで、ストレスとの向き合い方を確認します。
例えば、転職希望者に「同僚が作成した請求書に誤りがあり、クレーム対応をすることとなった場合、あなたはどう対処しますか?」という質問をしたとします。これに対する回答からは、次項で紹介する「回避能力」「経験値」など、ストレス耐性を構成する力がどの程度備わっているのかを推測できます。
実際の業務に即したケーススタディーを用意しておけば、転職希望者が自社の環境下でどのようにストレスを乗り越えていくのかを具体的にイメージしやすくなります。
ストレス耐性に影響を与える6つの要素

転職希望者のストレス耐性を正確に見極める上では、ストレス耐性を複数の側面から捉えて、それぞれの力がどの程度備わっているのかを確認することが大切です。
そこで本項では、ストレス耐性を構成する6つの要素を紹介します。
【ストレス耐性を構成する6つの要素】
1.感知能力
2.回避能力
3.処理能力
4.転換能力
5.経験値
6.容量
1.感知能力
感知能力とは、ストレスの原因に気が付く能力のことを指します。感知能力が高い場合は、ストレスの要因に対してより敏感になり、同じ環境下でも周囲の人よりストレスを感じやすくなります。
反対に、感知能力が低い人はそもそもストレスの要因に気が付かないため、比較的ストレスを受けにくくなる点が特徴です。こうした能力は「鈍感力」とも呼ばれており、ストレス耐性に直結する能力として捉えられることもあります。
感知能力には、本来の性格も大きく関係していると考えられています。例えば、「細かな配慮ができる」「危機管理能力が高い」といった人は、普段から細かな点にも目を向ける傾向が強いため、感知能力も高くなりやすいといえるでしょう。
2.回避能力
回避能力は、その名の通りストレスを回避する能力のことです。ストレスの要因に対して、「そういうこともあるだろう」と割り切って考えられるスキルを指しており、回避能力が高ければストレス耐性も高くなります。
回避能力は本人の資質だけでなくそのときの体調にも関係しているとされており、心身ともに健康な状態であれば、回避能力も高くなると考えられます。
3.処理能力
処理能力とは、ストレスそのものを処理する能力のことです。ストレスの要因を避けたりかわしたりするのではなく、根本的な原因となっているものを処理することで、ストレスに対処する能力を指します。
例えば、業務負荷の多さがストレスにつながっている場合は、事前に調整して業務負荷がかからないような仕組みをつくるといった行動が処理能力に該当します。ストレス要因にはさまざまなものがあるため、物事に対して臨機応変に処理できるかどうかが重要なポイントです。
4.転換能力
転換能力とは、ストレスの要因となる事象を良い方向に捉え、転換できる能力のことです。言い換えれば、物事のプラス面に注目して前向きに受け止められる力のことであり、転換能力が高いほどストレス耐性も高くなります。
例えば、仕事で失敗をしてしまっても、くよくよとマイナス面ばかりを気にするのではなく、学びの機会として捉えられれば本人の成長につながります。
5.経験値
人間には同じようなストレス要因に続けて直面していると、徐々に慣れてストレスを感じにくくなる性質があります。どのような内容によって、あるいはどのくらいの頻度によってストレス耐性が高まるのかには個人差がありますが、基本的にはストレス要因との繰り返しの接点が経験値として積まれていくと考えられます。
つまり、同程度の強度を持つストレス要因であっても、過去に経験をしたことがあるもののほうが、負荷は感じにくくなるということです。ただし、過剰なストレスを継続的に受け続けることで、かえってストレス耐性が低下してしまうケースもあります。
6.容量
ストレス耐性には、どれだけのストレスを受け止められるかという容量も大きく関係しています。ストレス容量が大きい人は、ストレスをため込んでいてもある程度まで耐えることが可能であり、心身にもそれほど大きな影響が表れません。
一方、ストレス容量が小さい人はストレスの蓄積による影響が起こりやすく、心身の不調を来しやすくなります。
ストレス耐性についてより詳細な内容を知りたい方は、下記の記事もチェックしてみてください。
(参考:『ストレス耐性とは?従業員のストレス耐性を高めるためのポイントと注意点』)
面接でストレス耐性を見極める質問例

ストレス耐性を構成する各要素を、面接の場で確認するにはどのようにすれば良いのでしょうか?
以下では、面接でストレス耐性を見極めるために効果的な質問例を要素ごとに紹介します。
【面接でストレス耐性を見極める質問例】
●感知能力を見極める質問例
●回避能力を見極める質問例
●処理能力を見極める質問例
●転換能力を見極める質問例
●経験値を見極める質問例
●容量を見極める質問例
●人間関係のストレス耐性を見極める質問例
レジリエンス(ストレス跳ね返し力)を基礎から整理したい方は、下記の記事もチェックしてみてください。
(関連記事:『レジリエンスとは?ビジネスでの意味や高い人の特徴、高める方法を解説))
感知能力を見極める質問例
転職希望者の感知能力を知るために、次のような質問を投げかけてみましょう。
●仕事ではどのような場面でプレッシャーを感じますか?
●仕事以外ではどのようなときにストレスを感じますか?
●ストレスがたまっていることをどのように認識しますか?
●ストレスで体調に変化があったことはありますか?
●あなたにとって作業に集中しやすい環境はどのような場所・状態ですか?
これらの質問から、転職希望者がどのような場面でストレスを感じやすいかを見極めていきます。
転職希望者がストレスに感じやすい面と、自社で任せる業務内容に一定の関連性がある場合には、入社後にストレス耐性による問題が起きる可能性があります。
回避能力を見極める質問例
転職希望者の回避能力を測る質問としては、以下が挙げられます。
●クレームを受けたときにはどのように対処しますか?
●問題が大きくなることを未然に防いだ経験があれば教えてください
●ストレスを感じたときの気分転換はどのようにしていますか?
●休日はどのように過ごしていますか?
回避能力の高い人は、トラブルを避けたり、ストレスを軽減したりするための選択肢を自身の中で多く用意しています。クレームを受けたときや何らかの問題に直面したときなどのエピソードから、これらを引き出してみましょう。
また、気分転換の方法や休日の過ごし方などから、ストレスをどのように回避しているのか直接的に聞いてみることもお勧めです。自分なりの気分転換方法がある人や気持ちを切り替えるためのルーティンがある人は、回避能力が高いと考えられます。
処理能力を見極める質問例
処理能力は、過去のエピソードを深掘りする中で把握できます。
以下のような質問を、転職希望者にしてみてください。
●社内の人間関係でトラブルに見舞われた際にはどのように対処しましたか?
●高いプレッシャーを感じる業務の中で、どのようにパフォーマンスを保ってきましたか?
●苦手な相手と関わる際に心がけていることはありますか?
●これまでの人生で最も挫折を感じたエピソードと、それをどのように乗り越えたのかを教えてください。
上記の質問から、転職希望者が困難な状況に陥った際にどのように対応してきたかを掘り下げていきましょう。ストレスの大きい環境下でも業務を滞りなく遂行するための向き合い方が確立できている人は、高い処理能力を備えていることが期待できます。
転換能力を見極める質問例
ストレスによる負荷をポジティブに捉える転換能力を見極めるには、以下のアプローチを試してみてください。
●これまで仕事で大きな失敗をしたとき、どのように受け止めましたか?
●失敗をばねに成長できた経験を教えてください
●挫折を感じたとき、そこで得られる学びは何だと思いますか?
●ミスをした同僚や部下にはどのような声をかけますか?
こうした質問から、失敗や挫折を経験した際の受け止め方や捉え方を引き出します。「学びの機会となった」「成長の転換点にできた」など、ポジティブな内容を建設的に回答する転職希望者は、転換能力が高いと判断できるでしょう。
また、転換能力を確認する上では、他者がミスした際の対応を聞いてみることも一つの手です。他者へのアドバイスの内容には、転職希望者本人のストレスに対する姿勢が反映されるので、転換能力を間接的に把握できます。
経験値を見極める質問例
ストレスに対する経験値を確かめるには、以下のことを聞いてみましょう。
●これまではたらいてきた中で、どのような困難に直面しましたか?
●仕事で定められた数値目標をどのようにクリアしましたか?
●プレゼンやコンペなど、プレッシャーのかかる場面にどのように挑んできましたか?
●業務で最もストレスを感じたエピソードを教えてください
これらの質問の目的は、どのような場面や環境でストレスによる負荷を受けていたのかを測ることにあります。単なる出来事や事実を聞くだけでなく、その際の心理状態の変化を深掘りして尋ねることで、より正確にストレスに対する経験値を確認できます。
容量を見極める質問例
転職希望者のストレスの容量は、以下のような質問から把握できます。
●ストレスに耐えきれなくなりそうになった経験はありますか?
●過去に最も忙しかった状況を教えてください
●複数のタスクやプロジェクトを同時に進行したことはありますか?その際はどのようにバランスを取りましたか?
●自分のキャパシティーを超えてしまった経験はありますか?
●どのようなときに眠れなくなりますか?
これらの質問を通じて、転職希望者がどの程度の負荷まで対応できるのか総合的に判断します。最後の質問のように、本人の自覚だけでなく、実際に身体にどのような影響が出ているのかを確認することで、ストレス容量をより正確に把握できるでしょう。
人間関係のストレス耐性を見極める質問例
仕事を円滑に進めていく上では、社内外を問わず良好な人間関係を築くことが特に重要です。しかし、人間関係の構築では、多かれ少なかれストレスが加わることは避けられません。
そのため、転職希望者が人間関係に対するストレス耐性を持っているかどうかを、以下の質問から確認しておきましょう。
●過去に職場で意見が対立した経験はありますか?その際、どのように対応しましたか?
●苦手な上司や同僚と仕事をする際、どのように関係を築いてきましたか?
●チーム内で摩擦が生じた場合、どのように解決に向けて行動しましたか?
●他者のミスやトラブルに直面したとき、どのように受け止めて対応しましたか?
●職場の人間関係が原因でストレスを感じた経験はありますか?そのときどのように対処しましたか?
上記の質問により、転職希望者が職場の人間関係によるストレスに対し、どのように向き合ってきたのかを具体的に把握できます。さらに、転職希望者が自社の職場内でほかの従業員と良好な関係を築けるかどうかも見定められます。
ストレス耐性を面接で確認する際の注意点

ストレス耐性を面接で確認する際には、注意しておきたいポイントがあります。本項でそれらを押さえて、転職希望者のストレス耐性を適切に見抜けるように面接を行いましょう。
【ストレス耐性を面接で確認する際の注意点】
●圧迫面接にならないように注意する
●すべてを把握しようとしない
●合否は総合的な評価で判断する
●評価項目を具体的に設定しておく
圧迫面接にならないように注意する
いくらストレス耐性を見極めたいからといって、厳しい質問などで過度なプレッシャーを転職希望者に与えてしまうと、相手を必要以上に萎縮させてしまいます。そうなれば、本来の能力や人柄も覆い隠され、人物を把握する上でかえってマイナスに働いてしまうでしょう。
そもそも、面接時に不当な圧迫を与えれば、企業イメージそのものが損なわれる可能性もあります。ハラスメントがあったことなどがSNSや口コミで広がれば、企業全体の信用を損なうリスクもあるので、過度に踏み込んだ質問や威圧的な態度は避けましょう。
例えば、次のような質問は転職希望者の人格を否定することにもつながりかねないので注意が必要です。また、厚生労働省の『公正な採用選考の基本』では、就職差別につながるNG項目が規定されているので、それに関連する質問も避けたいところです。
【NG質問の具体例】
●あなたを採用することで当社にはどのようなメリットがありますか?
●自分の生き方についてどう考えていますか?
●あなたの信条としている言葉は何ですか?
(参照:厚生労働省『公正な採用選考の基本』)
圧迫面接にならないためのポイントをより詳しく知りたい場合は、以下の記事もぜひ確認してください。
(参考:『【正攻法付き】“圧迫”と捉えられて辞退につながっているかも…。面接官が気を付けるべき態度と言動』)
すべてを把握しようとしない
前提として、短い時間の面接で全てを把握しようとすることには限界があることを理解しておきましょう。ストレス耐性はさまざまな要素によって決まるものであり、経験によって今後も強化される可能性は十分にあるでしょう。
面接で得られたデータのみを参考にすると、本来は自社と相性が良く、高いパフォーマンスを発揮するはずの人材もはじいてしまう恐れがあります。特に、社内カルチャーとのマッチ度や価値観、思考特性などは、一度の面接で見極めることが難しいといえます。
そのため、面接時の応対は、あくまで参考資料の一つとして捉えることが大切です。
合否は総合的な評価で判断する
転職希望者の採用を決める際は、ストレス耐性だけでなく、自社とのマッチ度や能力なども踏まえて総合的に判断しましょう。ストレス耐性が高い人材に出会えたとしても、自社の風土に合わなければ早期離職につながる可能性があります。
反対に、ストレス耐性に不安のある人材であっても、その懸念点をフォローする体制を整えて迎え入れれば、能力を十分に発揮してくれるかもしれません。
このようにストレス耐性の高さだけでなく、それ以外の面も加味した上で総合的に判断することが適切な採用につながるのです。
(参考:『カルチャーフィットとは?重要性と採用時の見極め方を解説』)
評価項目を具体的に設定しておく
面接では、シートなどを用いながら評価項目を定めて転職希望者の採用判断を行うことも多いでしょう。その場合には、ストレス耐性を評価する項目を具体的に設定しておくことをお勧めします。
例えば、ストレス耐性の評価項目として以下が挙げられます。
【ストレス耐性の評価項目の例】
| 評価項目 | 評価軸の例 |
|---|---|
| 感情のコントロール | ●落ち着いて面接に臨めているか ●表情が硬くないか ●口調は安定しているか |
| 課題への対処力 | ●課題解決のための思考・行動が建設的か |
| 回復力 | ●過去の失敗からどのように立ち直ったのか ●リフレッシュ方法が本人の中で確立されているか |
こうした評価軸を設けることで属人的な評価を防ぐとともに、転職希望者のストレス耐性をより客観的かつ具体的に把握できるようになるでしょう。自社にどのようなストレス耐性がある人が適しているのか検討し、評価項目に取り入れてみてください。
ストレス耐性が高い人の特徴
ストレス耐性が高い人にはそれぞれ特徴があります。本項で両者の特徴を確認し、面接時の判断材料に役立てましょう。
ストレス耐性が高い人の主な特徴は、以下の通りです。
【ストレス耐性が高い人の特徴】
●周囲の評価に過度に影響されない
●集中力が高い
●物事を前向きに捉えられる
周囲の評価に過度に影響されない
ストレス耐性が高い人の特徴として、周りからの評価や周囲の状況に影響されにくく、自分のペースを保ちながら物事を進められる「マイペース」であることが挙げられます。
マイペースな人は、外部の状況に左右されることなく、自己のペースを大切にして仕事に取り組める傾向にあります。不測の事態に遭遇しても、動揺することなく適切に対応できる可能性が高いでしょう。
集中力が高い
集中力が高いことも、ストレス耐性の高い多くの人に備わっている特徴の一つです。
高い集中力により目の前の目標達成に向けて没頭できるため、過去の失敗や未来の不安、周囲の人間関係によるストレスなどから影響を受けにくいのです。ストレスがかかる状況でも、やらなければならないことを見失わず、冷静に業務を遂行できることが考えられます。
物事を前向きに捉えられる
ストレス耐性が高い人は、困難な状況や問題に直面したときにも前向きに物事を捉えようとする傾向にあります。つらい状況も悲観的に考えるのではなく、「成長のチャンスだ」というようにポジティブに考えられるので、精神への負荷が抑えられるわけです。
この考え方があるかどうかは、ストレス耐性だけでなく、失敗から原因を見極めて次に活かせるかという、はたらく上で欠かせない力を判断するためにも重要です。
ストレス耐性が低い人の特徴
続いて、ストレス耐性が低い人の特徴も見ていきましょう。
【ストレス耐性が低い人の特徴】
●真面目で完璧主義
●責任感が強い
●過度に協調性が高い
●マルチタスクが不得意
真面目で完璧主義
ストレス耐性が低い人の特徴として、真面目で完璧主義であることが挙げられます。「完璧にこなしたい」という気持ちが強過ぎるあまり、思うように物事が進まない場面でストレスを感じやすくなってしまいます。
さらに、他者にも同じレベルの完璧さを期待してしまい、人間関係で負担を感じる人もいるでしょう。真面目さ自体は大きな長所であるため、面接では「完璧であることに固執し過ぎていないか?」という面を慎重に見極める必要があります。
責任感が強い
責任感が非常に強いことも、ストレス耐性が低い人に見られる特徴の一つです。
自身に任せられた仕事や役割に対する責任感が強過ぎて、過剰にプレッシャーを感じてしまうのです。仕事でミスをしたときには自身を必要以上に責めて、ストレスをため込んでしまうこともあります。
真面目さと同様に責任感の強さは、はたらく上で重要な要素ではありますが、それが過度なものになると失敗を恐れて業務に支障を来しかねません。
過度に協調性が高い
協調性が高過ぎることが、ストレス耐性の低さにつながる場合もあります。協調性の高い人は、他者のことを思うあまり、自分の気持ちや要望を後回しにしがちな点が特徴です。
その結果、他者からの依頼を断れず、過剰な業務量を抱え込んでしまうことがあります。また、つらい状況であっても周囲を頼ることが苦手で、一人でふさぎ込む人もいます。
このように、協調性の高さ故に、他者に対して自ら何かアクションを起こすことがうまくできないのです。「人に迷惑をかけたくない」という思いが強く、ストレスも自身の中に押しとどめてしまう傾向にあります。
マルチタスクが不得意
マルチタスクが不得意なことも、ストレス耐性が低い人に見られる場合があります。
多くの仕事は、複数の仕事を同時に進めることが求められます。そのような中で、マルチタスクが不得意な人は、「仕事が回らない」「一度に多くの仕事を任せられて混乱する…」というようにストレスを抱えてしまうのです。
特に複数の作業を同時に進めていくことの多い職種で募集するときは、この観点からストレス耐性の高さを重点的に確認しておく必要があるでしょう。
面接以外のストレス耐性を見極める方法
ストレス耐性は面接だけで正確に判断することが難しく、必要に応じて適性検査や過去の経験など、面接以外の情報も組み合わせて総合的に判断することが重要になります。
ここでは、面接と併用することで精度高くストレス耐性を見極められる方法を紹介します。
【面接以外のストレス耐性を見極める方法】
●適性検査の結果を面接判断に活かす
●過去の経験から推測する
それぞれ詳しく解説します。
適性検査の結果を面接判断に活かす
適性検査は、面接で得た情報の裏付けや補完を行うための判断材料として活用することが重要です。転職希望者に回答してもらうことで、性格や価値観、ストレス耐性の傾向を客観的に把握できます。
面接だけでは見えにくい内面的な傾向も確認できるため、面接と併用することで評価の精度が高まります。適性検査の結果を踏まえることで、転職希望者がストレスに直面した際の行動傾向を事前に把握でき、採用後のミスマッチ防止にもつながります。
過去の経験から推測する
転職希望者の履歴書や職務経歴書に記載された経験や実績は、ストレス耐性を把握する上で重要な情報になります。特に、過去に担当した大規模プロジェクト、負荷の大きい業務、組織内で担った役割などから、どのような困難に直面し、どのように対処してきたかを推測できます。
事前に経験内容を整理した上で、面接ではストレスが発生しやすい具体的な場面を質問し、「どのような状況で、どのような行動をして、その結果どうなったか、その経験から学んだことは何か」の流れで深掘りすることで、ストレス下での思考プロセスや行動特性をより正確に把握することができます。
さらに、必要に応じてリファレンスチェックを併用することで、前職での評価や日常的な振る舞いを第三者の視点から確認できます。書類・面接・リファレンスを総合的に分析することで、ストレス耐性や適応力をより立体的に評価することが可能になります。
そもそもストレス耐性とは

ここで改めてストレス耐性の概要を押さえ、面接で転職希望者にその力が備わっているかどうかを確認する重要性を再整理しておきましょう。
ストレス耐性とは、「ストレスとなる要因に対してどの程度耐えられるか?」を示す指標です。ストレスには、身体的な要因と精神的な要因の2つがあり、これらが重なって多様な症状や反応として表れます。
ストレス耐性は、こうしたさまざまなストレスに対する反応の強さや受け止め方、また乗り越え方を総合的に捉えた概念といえるでしょう。
仕事では成果を出さなければならないプレッシャーや新たな環境への適応、また人間関係など、ストレスへとつながる要素が数多く存在します。特に、仕事の内容や立場、職種によっては、通常よりも強いストレスが加わることもあります。
こうした環境で高いパフォーマンスを発揮するためには、ストレスにうまく適応するためのストレス耐性が必要なのです。ストレス耐性は、本人の素質によって決まる部分が大きく、後天的に高めるためには時間がかかります。従って、面接の段階で自社が求めるストレス耐性を備えているかどうかを見極めることが大切です。
なお、ストレス耐性についてより詳しく知りたい場合は以下の記事で解説していますので、参考にしてください。
(参考:『ストレス耐性とは?従業員のストレス耐性を高めるためのポイントと注意点』)
ストレッサーの種類
面接で転職希望者のストレス耐性を見極めるためには、ストレスの要因となる「ストレッサー」についても理解を深めておくことが大切です。
そこで最後に、代表的なストレッサーを紹介します。
【ストレッサーの種類】
●物理的ストレッサー
●生物的ストレッサー
●化学的ストレッサー
●心理的ストレッサー
●社会的ストレッサー
●環境的ストレッサー
物理的ストレッサー
物理的ストレッサーとは、物理的な環境刺激によるストレス要因のことです。例えば、職場の悪臭や騒音、混雑した室内といった外部からの刺激が挙げられます。
また、長時間にわたるVDT作業(ディスプレーやキーボードといった機器を使用した作業)なども代表的な物理的ストレッサーです。それ以外の要因としては、飲酒や喫煙による身体への影響、睡眠不足、病気・けがといったものも該当します。
生物的ストレッサー
生物的ストレッサーとは、生体の免疫反応を引き起こす刺激のことです。
具体的には、ウイルスやほこり、花粉などが生物的ストレッサーに該当します。生物的ストレッサーも、仕事でのパフォーマンスに大きな影響を与える要因です。
例えば、現代では国民の3人に1人がスギ花粉症にかかっているとされており、花粉症による生産性の低下は、1日当たり2215億円もの経済損失を招くと試算されています。
こうした生物的ストレッサーによる労働力の低下を防ぐためには、職場の労務環境の整備も重要な課題となります。
化学的ストレッサー
化学物質から受けるストレスのことであり、たばこの煙や工業で発生する有毒な物質などが挙げられます。特に業務で石綿や鉛、有機溶剤などを用いる場合には、定期的に特殊健康診断を行い、健康被害が生じていないかをチェックする必要があります。
特殊健康診断とは有害な物質を扱う業務に従事する労働者に対して行うものであり、医師による特別な項目が加えられた健康診断です。
心理的ストレッサー
心理的ストレッサーとは、怒りや悲しみ、不安、恐れ、焦りなどの感情によって起こるストレスのことです。一般的にストレスと表現するときには、心理的ストレッサーに起因するものが多く、精神的ストレスと呼ばれることもあります。
日常生活でも比較的身近な要因であり、「物事が思い通りに進まないことによるいら立ち」や「先行きが見えないことによる不安」などは、比較的多くの人に当てはまるストレッサーといえるでしょう。
社会的ストレッサー
社会的ストレッサーとは、人間関係に起因するストレスのことです。プライベートでは、友人関係のトラブルや恋愛の失敗などが代表的な例として挙げられます。
また、仕事では、部署の異動や配置換え、業務への評価、転職、職場の人間関係などが社会的ストレッサーの代表例です。加えて、職場のハラスメントも、重大なストレッサーとしてたびたび問題視されています。
もともと、人間は新しい環境にストレスを感じやすい生き物であり、たとえ変化がポジティブなものであってもストレッサーになる場合は大いにあります。例えば、栄転による職場環境の変化、昇進・昇格、収入の増加などもストレッサーになる可能性があるとされているのです。
そのため、特に仕事の環境が変わりやすい4月や秋ごろなどは、注意が必要なタイミングであるといえるでしょう。
環境的ストレッサー
環境的ストレッサーとは、気候の変化や照明の度合いなど、周囲を取り巻く環境に起因したストレスのことです。また、通勤の満員電車や道路の渋滞などのストレスも、環境的ストレッサーとなります。
労働安全衛生規則では、オフィスで最低限必要な明るさとして「最低照度」が定められています。作業区分によっても具体的な数値は異なりますが、一般的な事務作業であれば300ルクス以上が基準です。
また、「JIS Z9110」では執務スペースごとに推奨照度が示されており、設計・製図などを行う執務スペース、事務室、役員室などは750ルクスとされています。このことからもわかるように、基準値よりも低い照度はストレッサーとなり、生産性を大きく低下させる要因にもなり得ます。
(参照:e-Gov法令検索『労働安全衛生規則 第604条』、厚生労働省『照度基準の見直し案 P7』)
まとめ
人材育成を行う上では、社内の労務環境を改善し、ストレスなくはたらける職場をつくることが重要です。しかし、現実に業務を進める上では、人間関係や外的環境などによってさまざまなストレッサーにさらされる場面もあるでしょう。
そのため、採用活動では、転職希望者の「ストレス耐性」にも目を向けることが大切です。ストレス耐性には大きく分けて6つの要素が関係しているため、まずはそれぞれの特徴を押さえ、ストレス耐性が強いとされる人材はどのような人材なのかを明らかにする必要があります。
その上で、自社の実情に合った見極め方や質問例を導き出し、準備を整えて採用面接を行いましょう。
下記からストレス耐性があるか見抜く面接での質問集を無料ダウンロードできますので、ぜひ活用してください。
なお、質問だけでなく、面接全体の進め方や評価設計を体系的に整理したい方は、面接の進め方を体系的に整える下記の記事もチェックしてみてください。
(関連記事:今日から使える面接官マニュアル【質問事項はこれでOK】)
(制作協力/株式会社eclore、編集/d’s JOURNAL編集部)
「レジリエンス(ストレス跳ね返し力)」を見抜く面接質問集
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