「お願い、辞退しないで!」 入社するまでに必要となる入社承諾前辞退防止の決定策とは【完全マニュアル・資料付き】

d’s JOURNAL編集部

編集記者 鈴政武尊

プロフィール

採用活動を絶賛実施されている企業を悩ますもの、それは「入社承諾前辞退」です。

「せっかく採用条件通知書を出したのにお断りされてしまった」
「入社が決定したのに入社日に来なかった…」

採用ブランディング、書類選考、回数を重ねて実施してきた面接…、さまざまなステップを経てやっと獲得した人材が入社することなく離れていく。雇用側である企業にとってこれほど怖いものはありません。活躍してくれると期待していた人材がいなくなってしまったことにより、企業としては再び採用活動に取り組まなくてはならず、費やした時間やコストは多大なものとなります。

しかし世の中を見ると、求職者が入社を辞退するケースは珍しくありません。ましてやコロナ影響で就職最前線にも影響が出ている昨今ではなおさらです。では、なぜ入社承諾前辞退というケースが起こってしまうのでしょうか。今回はその要因と解決法を探っていきたいと思います。

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なぜ入社承諾前辞退は起こるのか

「せっかく採用して採用条件通知書を出したのに入社日にあの人の姿はなかった…」

なぜ入社承諾前辞退は起こるのでしょうか。それはさまざまな要因が考えられますが、大きく「採用活動前」「採用活動中」「採用決定から入社まで」という3つのフェーズでの躓きがあるから起こるのです。また求職者は就職活動において、同業界あるいは異業界も含め複数社に応募しているケースがほとんどです。常に競合と比べられていることは認識しておきましょう。

1.そもそも魅力的な求人内容ではなかった

入社承諾前辞退を経験されたことのある企業、あるいは人事・採用担当者の方、よ~く思い出してみてください。採用活動に当たって掲げた求人は求職者にとって魅力的な求人でしたか?応募が集まるようなターゲットを設定していなかった、処遇や給与、福利厚生などの募集要項が競合他社と比べて大きく見劣っている、不信感を増長させるような情報しか求人票に記載していなかった、などなど。考えられることは多数あります。まずは自社の求人内容が競合と比べて魅力的であるか、業界の中で妥当なのか、を検討してみましょう。

2.面接辞退など採用中もうまく進まない

これはさまざまなケースが想定されますが、大きくは進行管理上の問題であると言えます。例えば、面接官との事前打ち合わせが不十分、スケジュール管理・情報共有などの不備などが主な原因でしょう。また面接を進めるうちに求職者の意向が下がってしまうという事例も少なくありません。担当した面接官の対応や雰囲気が悪く、求職者が不快に思ってしまったなどが考えられます。人事・採用担当者、配属先部署の管理者、面接担当者間で、今一度スケジュールや情報共有などの不備がないか確認した方がよいでしょう。

3.採用通知・承諾後の対応が悪い

要因は、求職者へのフォロー不足である、これに尽きると思います。求職者は先述の通り複数社に応募しています。それぞれの選考過程と就業条件で常に競合他社と比べられています。ですから入社までの期間で、いかに入社意欲を高められるか、あるいは維持できるかがポイントとなるでしょう。またこの期間内に現職からの引き留めといった外圧的要因も含まれてきますので、入社までの期間で不安いっぱいの求職者のメンタルケアを含めて、いかにコミュニケーションとフォローを密にできるかが重要となってきます。

これらは企業数(求人数)が多いと、求職者側が企業からの採用を多く確保しやすいためと考えられます。今後も労働力人口の減少に伴って人手不足はさらに深刻になると予測されており、入社承諾前辞退もさらに増えていく可能性があります。「入社が承諾されたら、はい終わり」ではなく、その後も入社承諾前辞退を防ぐための対策を取らなくてはなりません。

求める人物像(ターゲット・ペルソナ)の設定については、以下の資料をご活用ください。


入社承諾前辞退で多い理由はこれだ

繰り返しになりますが、現在は買い手市場から売り手市場に変化しています。求職者側から考えると、企業数(求人数)が多ければ、必然的に企業からの採用を多く確保できる確率が上がります。従って雇用側からすると一人の人材を狙ってライバル企業と競合することになります。

今後も労働力人口の減少に伴って人手不足はさらに深刻になると予測されており、求職者の入社承諾前辞退もさらに増えていく可能性があります。ですから「入社を承諾してもらえたからこれでミッション完了」ではなく、入社まで求職者(入社承諾者)のその後も丁寧にフォローする必要があるでしょう。ですから入社承諾前辞退を防ぐための対策が需要となってくるのです。

さて、求職者(入社承諾者)がなぜ入社承諾前辞退をするのでしょうか。パーソルキャリア株式会社doda人材紹介サービスのデータによると以下のような事例が多いことが判明しました。

・併願していた会社から採用通知をもらった(他社の方が条件が良かった)
・入社希望日と会社側の提示日で折り合いが合わなかった
・入社承諾後のフォローが全くなかった
・最終面接前と最終面接時の条件が異なる
・漠然と会社自体に魅力を感じない
・処遇・年収・福利厚生について希望と合わなかった
 など

特に入社承諾前辞退の事例で多いのは「併願していた会社から採用通知をもらった」です。つまり競合他社に負けてしまったケースです。これはさまざまな要因が考えられますが、やはり事前に競合比較などして処遇・年収・福利厚生について希望と合わなかったことが一番の原因でしょう。ということは、そもそも採用活動前の要件定義(募集要項の決定)をしっかりしていなかったことがポイントになりそうです。人材サービス会社の活用や自社の採用の条件をブラッシュアップしていきましょう


人事・採用担当者ができること

では人事・採用担当者ができることをまとめてみましょう。繰り返しになりますが、応募までの前工程も含めて3段階に分けられます。いずれも選考中から入社後までの一連の体験が大事です。求職者の不安を払拭できるようにフォローを重ねることが大きなポイントとなるでしょう。

具体的には、入社承諾前辞退をさせない3つの行動か挙げられます。

1.採用ブランディング実施と募集要項(要件定義)の精査(採用条件と処遇など)
2.入社までの手続き完了を素早く
3.求職者とのコミュニケーションを密にとる

ポイントは、入社通知後も丁寧にフォローすることです。長期間連絡を取らないことで不安を覚えてしまい、結果として入社承諾前辞退に発展します。また同じ職場となるメンバーとのコミュニケーションや職場見学などを通して、会社の雰囲気を体験してもらうことも大事です。いまはオンラインでのやり取りも可能ですので、オンボーディングや研修などの手配をして参加してもらうことでも、入社初日までの安心感は向上するでしょう。採用通知後は採用担当者だけではなく、配属部署にも積極的に協力してもらってください。

さらに入社承諾者の方とのコミュニケーションにおいて一つ気を付けるべきポイントがあります。選考や入社前の各フローにおいて、求職者あるいは入社承諾者間で、処遇・年収・福利厚生などの目線合わせや合意形成が行われると思います。その際、例えば「残業時間」一つをとっても、毎月既定の時間以内で働きたいのか、もしくは残業時間を気にせずバリバリ働きたいのかなど、その捉え方、働き方の志向性などは人それぞれです。そのためコミュニケーションを取るうえでも「どのように働きたいか」などの意向もしっかりと把握しておくことが望ましいでしょう。

求職者の意向は、面接中にも質問としてヒアリングすることは可能ですので、面接担当者と配属先管理者などと求職者の志向性を把握できる質問内容を検討することも一つの手段として有効かと思います。

一方で、利用している人材サービスや人材紹介会社などがあれば、入社承諾前辞退で悩んでいることをすぐに報告と相談をする、あるいは担当してもらっている主事(エージェント)と良好な関係性を築いて、自社のファンになってもらいながら協業性を高めていくなどの手法もとれます。いずれにしても、周囲で活用できるツールやサービス、そして協力者には大いに頼るべきでしょう。

面接時の質問内容や評価のつけ方に困ったら――、こちらから。


まとめ

さて、いかがだったでしょうか。求職者にとって、選考中から入社までの一連の体験が大事であり、その不安を払拭できるようにフォローを重ねていく過程はご理解いただけたでしょうか。特に競合を意識して募集要項や採用に当たっての条件の精査、そして求職者のフォローを考える必要があります。また現職からの引き留め、入社日調整がうまくできなかったなどの要因も入社承諾前辞退に大きく影響していきますので、これらのポイントを一つ一つ丁寧に対応していくことが採用成功につながります。入社承諾前辞退に関する詳細データや採用ノウハウについては、以下の資料やパーソルキャリア株式会社doda人材紹介サービスを活用することでも成果につながります。ぜひご活用ください。

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