出勤簿とは?必要項目や保存期間・作成方法を解説【無料テンプレート付】

出勤簿とは?必要項目や保存期間・作成方法を解説【無料テンプレート付】
寺島戦略社会保険労務士事務所

社会保険労務士 寺島有紀

プロフィール

出勤簿とは、労働基準法で作成が義務付けられている帳簿の一種で、従業員の出勤日や労働日数、出退勤時刻などを記録するために必要となります。

従業員の労働状況を把握し、給与の計算を行ったり、過重労働になっていないかを確認したりする上で不可欠な情報であるため、正確に記録しておかなくてはなりません。

そこで本記事では、出勤簿に必要な項目やその書き方、管理に際しての注意点などを解説します。

出勤簿の基本を押さえつつ、実務で使うフォーマットもあわせて確認しておくと、運用がスムーズになります。計算式入りの出勤簿テンプレート(Excel版)を下記から無料ダウンロードして、記事の内容を自社の管理に当てはめてみてください。

出勤簿が「法定帳簿」とされる理由や、ほかの帳簿との関係を整理したい方は、法定帳簿全体の考え方をまとめた記事もあわせてご覧ください。
(関連記事:法定三帳簿とは?記載項目や作成方法・保存期間を解説【テンプレート付】

出勤簿とは

出勤簿とは

出勤簿とは、企業に所属する従業員の出勤日や労働日数、出勤時刻などを記載した書類のことです。従業員の労働時間を正確に記録し、基本給の算定や時間外労働分の賃金算定、また長時間労働に関する状況把握を行うための、客観的な根拠資料として主に用いられます。

また、出勤簿は労働基準法で作成が義務付けられている労働者名簿、賃金台帳、年次有給休暇管理簿と合わせたいわゆる「法定四帳簿」のうちの一つであり、従業員を雇用する事業者は、これを作成し、保存することが義務付けられています。

(賃金台帳)
第百八条 使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。
(記録の保存)
第百九条 使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない。
(引用:e-Gov法令検索『労働基準法 第108条』、『労働基準法 第109条』)

第五十四条 使用者は、法第百八条の規定によつて、次に掲げる事項を労働者各人別に賃金台帳に記入しなければならない。
一 氏名
二 性別
三 賃金計算期間
四 労働日数
五 労働時間数
六 法第三十三条若しくは法第三十六条第一項の規定によつて労働時間を延長し、若しくは休日に労働させた場合又は午後十時から午前五時(厚生労働大臣が必要であると認める場合には、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時)までの間に労働させた場合には、その延長時間数、休日労働時間数及び深夜労働時間数
七 基本給、手当その他賃金の種類毎にその額
八 法第二十四条第一項の規定によつて賃金の一部を控除した場合には、その額
② 前項第六号の労働時間数は当該事業場の就業規則において法の規定に異なる所定労働時間又は休日の定をした場合には、その就業規則に基いて算定する労働時間数を以てこれに代えることができる。
③ 第一項第七号の賃金の種類中に通貨以外のもので支払われる賃金がある場合には、その評価総額を記入しなければならない。
④ 日々雇い入れられる者(一箇月を超えて引続き使用される者を除く。)については、第一項第三号は記入するを要しない。
⑤ 法第四十一条各号のいずれかに該当する労働者及び法第四十一条の二第一項の規定により労働させる労働者については第一項第五号及び第六号は、これを記入することを要しない。
(引用:e-Gov法令検索『労働基準法施行規則 第54条』)

労働基準監督署の調査が行われる際にも必ず確認されるものであるため、内容に漏れがないように、適切に作成・管理することを徹底しましょう。

出勤簿は法定帳簿の一つ

先ほどお伝えしたとおり、出勤簿は労働基準法で規定された「法定四帳簿」の一つです。

そもそも法定四帳簿とは、「出勤簿」「賃金台帳」「労働者名簿」「年次有給休暇管理簿」の4つの帳簿を指すもので、それぞれ以下の内容を記録するものです。

【法定四帳簿の概要】

法定帳簿 概要
出勤簿 ●従業員の労働時間や出勤日、始業・終業の時刻、日別の労働時間数、時間外労働や休日労働の記録などが記載されたもの
●給与計算や労働時間の状況の把握のために活用される
賃金台帳 ●従業員に支払っている給与の情報を記録する帳簿
●従業員の氏名、性別、賃金計算期間、労働日数、労働時間数、基本給や手当の金額、控除金額などが記録されている
労働者名簿 ●雇用している従業員の基本情報を記録する帳簿
●従業員の氏名、生年月日、住所、業務の種類、雇い入れ日や退職日などが記録されている
年次有給休暇管理簿 ●従業員の年次有給休暇の取得状況を管理するための帳簿
●有給休暇の付与日数や残りの有給休暇日数、有給休暇を取得した日付や時期などが記載されている

この表からもわかるとおり、出勤簿は「従業員の労働時間」を記録することに特化した帳簿となっています。労働時間が間違っていると賃金台帳の内容にも誤りが出てしまうため、出勤簿の内容は正確に記録しておかなくてはなりません。

なお、出勤簿は「事業所ごと」に作成・保管が義務付けられている点に注意しましょう。一定規模の支社や工場を持つ場合は、各事業所で出勤簿を整備する必要があります。

タイムカードとの違い

タイムカードは、従業員の出退勤時刻を正確に把握する上で非常に有用です。

また、2019年に行われた労働安全衛生法の改正により、これまで法律上は明確に義務記載がなかった労働者の労働時間の把握義務が規定され、かつ勤怠管理は客観的な方法等が原則とされたことから、客観的な勤怠の把握ができるという意味でタイムカードは一層有用なものとなりました。

第六十六条の八の三 事業者は、第六十六条の八第一項又は前条第一項の規定による面接指導を実施するため、厚生労働省令で定める方法により、労働者(次条第一項に規定する者を除く。)の労働時間の状況を把握しなければならない。
(引用:e-Gov法令検索『労働安全衛生法 第66条』)

(法第六十六条の八の三の厚生労働省令で定める方法等)
第五十二条の七の三 法第六十六条の八の三の厚生労働省令で定める方法は、タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法とする。
2 事業者は、前項に規定する方法により把握した労働時間の状況の記録を作成し、三年間保存するための必要な措置を講じなければならない。
(引用:e-Gov法令検索『労働安全衛生規則 第52条』)

なお、タイムカードのみでは、場合によって時間外労働時間が正しく把握できないケースもあります。タイムカードに記載はないが、実際は労働をしていたという場合もありえます。

こうした場合には、タイムカードとは別に残業許可証などの補足資料と照らし合わせて、より客観的な労働時間把握を行う必要があります。タイムカードは、出勤簿を作成するための記録の一つとして使うものである、と理解しておきましょう。

出勤簿に記載すべき対象者

出勤簿には、パートやアルバイトなども含めて、雇用契約下にある全ての従業員の勤務状況を記載する必要があります。なお、かつては労働基準法の第41条第2項に規定された「管理監督者」に該当する管理職は、出勤簿に勤怠情報を記載する必要がないとされてきました。

しかし、2019年4月に労働安全衛生法が改正された影響で、安全配慮義務の一環として、管理監督者についても、「労働者」として労働時間を把握することが義務付けられました。

なお、派遣社員の場合は、もともとの雇用先である派遣元が出勤簿の作成・管理を行いますが、派遣先は毎月1回派遣元へ労働時間などの通知を実施する必要があります。

出勤簿を作成する目的


ここで改めて、出勤簿を作成する目的を把握しておきましょう。

【出勤簿を作成する目的】
●労働時間を正確に把握するため
●賃金台帳を正しく作成するため

労働時間を正確に把握するため

出勤簿の直接的な目的は、従業員の労働時間を正確に把握することにあります。労働日数や始業・終業時間、休憩時間、時間外労働、休日出勤などを一元的に管理することで、各従業員がいつ・どれだけはたらき、どのくらい休憩を取ったのかなどをすぐに把握できるようになります。

賃金台帳を正しく作成するため

法定四帳簿の一つである「賃金台帳」には、各従業員の労働日数や労働時間数、時間外労働時間などを正確に記載する必要があります。正確な出勤簿が整備されていれば、そのデータを基にして、円滑に賃金台帳を作成できます。

反対に、出勤簿のデータに誤りがあれば、賃金台帳にも影響が及んでしまうので注意が必要です。なお、賃金台帳について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

(参考:『【テンプレート付】賃金台帳とは?記載事項と書き方、給与明細との違いを解説』)

出勤簿に記載すべき項目と書き方

出勤簿に記載すべき項目としては、以下が挙げられます。

●氏名・出勤日・休日・労働日数・休暇取得日の記載方法
●始業・終業時間・休憩時間・労働時間数の記載方法
●時間外・休日・深夜労働が発生した場合の記載方法
●欠勤・遅刻・早退が発生した場合の記載方法と注意点

それぞれの詳細と記載内容を順番に解説します。

氏名・出勤日・休日・労働日数・休暇取得日の記載方法

出勤簿にはまず、従業員の氏名やその出勤日、休日、労働日数、休暇取得日を記載しましょう。

従業員の氏名については、社員番号や所属部署などと併記することが一般的です。誰の情報であるかを迅速かつ正確に特定できるようになるので、あとから情報を確認する際にも時間がかかりません。

出勤日に関しては、リモートワークか出社かにかかわらず、就業している日は出勤日と見なし、労働日数に加算する必要があります。また、労働法における勤務日数は、原則として「1日単位」で数えることとなっている点に注意が必要です。

時短勤務や午前出勤、また午後出勤であったとしても、その日1日を出勤日としてカウントしなくてはなりません。なお、勤怠をより適切に管理するためにも、実務上は年次有給休暇の取得日や、特別休暇の取得日等は出勤簿に記載しましょう。

始業・終業時間・休憩時間・労働時間数の記載方法

出勤日ごとの始業時間と終業時間、休憩時間、そして労働時間数の記録も必要です。始業時間・終業時間は労働を開始した時間と終了した時間であり、必ずしも事務所や現場に到着した時間、そして出た時間と直結するものではないことに注意しましょう。

また休憩時間の長さは、1日に何時間はたらくかによって変わります。6時間を超え8時間以内の場合は45分、そして8時間を超える場合には1時間の休憩時間を付与することが義務付けられています。

始業時間・終業時間と休憩時間が明確になれば、その日の労働時間数の計算が可能です。始業から終業までの勤務時間を計算し、そこから休憩時間を差し引いた時間が労働時間となります。

始業時刻が9時、そして終業時刻が18時、休憩時間が12~13時の1時間の場合は、労働時間は「9時間―1時間=8時間」と算出できます。

労働時間と勤務時間の違い

出勤簿に労働時間を記録する際は「勤務時間」と間違えることがないように注意してください。両者は似たような意味合いに思えるかもしれませんが、以下に整理したとおり、その性質は異なります。

【労働時間と勤務時間の違い】

労働時間 勤務時間
対象となる時間 勤務時間のうち実際に労働した時間 始業から終業までの時間であり、拘束されている時間
休憩時間を含めるかどうか 含めない 含める

先ほどの例で考えると、労働時間は8時間となりますが、勤務時間は9~18時までの9時間となります。

このように、労働時間と勤務時間を勘違いしてしまうと、従業員が実際にはたらいた時間が大きく変動してしまいます。そうなると給与計算などにも大きな影響が出てしまうので、休憩時間がある場合は、勤務時間から必ずその分を引いて労働時間を算出しましょう。

時間外・休日・深夜労働が発生した場合の記載方法

時間外労働や休日出勤、深夜労働が発生した場合は、それぞれ以下の方針に従い出勤簿への記入を行う必要があります。

時間外労働を行った日付・時刻・時間数

原則として通常の労働時間制の場合、1日8時間以上、または1週間で40時間以上はたらいた場合は、時間外労働となります(フレックスタイム制の場合には時間外労働は月の総労働時間で判断します)。

当該日の日付やその日の始業時間・終業時間を基に、時間外労働が何時間発生したかを正確に計算し出勤簿に反映しなくてはなりません。なお、時間外労働に対する賃金は、通常の25%以上の割増賃金となります(60時間を超える時間外労働に対する賃金は通常の50%以上となります)。

一点、1カ月単位や1年単位等の変形労働時間制を採用している場合は、計算方法がやや複雑になることに注意しましょう。事前に決まっている所定労働時間によっては、1日8時間以上や週40時間以上の所定労働時間が設定されていても時間外労働としてカウントされないケースはあります。

休日労働を行った日付・時刻・時間数

労働基準法では、週1日または4週4日の法定休日が定められており、その法定休日に従業員をはたらかせることは「休日労働」となります。この場合、企業は従業員に対して35%以上の割増賃金を支払わなくてはなりません。

週休2日制で土日が休日となっている会社であれば、土日のどちらかが法定休日となります。どちらが法定休日なのかは一般的に就業規則で定められているため、休日労働について出勤簿に記載する際は、事前にこの点を確認しておきましょう。

なお、法定休日とは別に、企業が独自に定めた「所定休日」と呼ばれるものも存在します。所定休日での労働は休日割増賃金の対象ではありませんが、労働時間が1日8時間または週40時間を超えた場合は、25%以上の割増賃金を支払わなくてはなりません。

このように、休日労働が発生したのが法定休日なのか所定休日なのかによって細かな処理は異なります。そのため、出勤簿にもケースを分けて記録することをお勧めします。

深夜労働を行った日付・時刻・時間数

深夜労働とは、夜22時から翌朝5時までにはたらいたケースを指します。このケースでも、企業は従業員に対して25%以上の割増賃金を支払うことが義務付けられています。

また、時間外労働と深夜労働が重複する場合、22時以降の労働には、時間外労働分の25%と深夜労働分の25%の合計50%の割増賃金が必要です(60時間超えの時間外労働の場合でかつ深夜労働となる場合は合計75%の割増賃金が必要です)。

こうした割増賃金の計算で誤りが出ないようにするためにも、出勤簿に当該日の日付や時刻、時間を正確に記録することを社内で徹底しましょう。

欠勤・遅刻・早退が発生した場合の記載方法と注意点

始業時間・終業時間や残業時間だけではなく、欠勤や遅刻、早退などが発生した場合の勤怠情報も、出勤簿に正確に反映することが求められます。欠勤・有給休暇・特別休暇が発生した場合と、遅刻・早退のケースでの書き方をそれぞれ以下に整理しました。

欠勤・有給休暇・特別休暇の記載方法

欠勤や有給休暇、また特別休暇などで従業員が休んだ場合は、当該日の出勤区分に「欠勤」や「有給休暇」などを明記します。また可能であれば、備考欄などにその詳細な理由や会社への連絡状況なども書いておくと理想的です。

「なぜ従業員が休んだのか」を第三者が確認できるように、透明性の高い状態で出勤簿を管理することが大切です。

遅刻・早退時の記載方法

遅刻や早退の際も同様に、当該日が判別できるように「遅刻」や「早退」といった区分を表示し、可能であればその理由まで記載します。また、当該日の始業時間・終業時間には、実態に即した時間を記録することも徹底してください。

特に、遅刻や早退の処理をあとから行う場合には、その対応が漏れていて勤怠情報に誤りが生じてしまう、ということが起こり得ます。そのような勤怠情報の修正漏れが発生しないように、遅刻や早退の処理は早めに行うことを社内に周知しましょう。

出勤簿とほかの法定帳簿との整合性を確保する方法

出勤簿に記録された内容と、賃金台帳や労働者名簿といったほかの法定帳簿の内容に不整合があると、賃金計算が誤るだけではなく、労働基準監督署の調査(臨検)等でも指摘を受ける恐れがあります。

そのため、法定帳簿間での整合性が損なわれないように、出勤簿や賃金台帳、労働者名簿の内容がお互いに合っていることを、以下の方法で定期的に確認しましょう。

【出勤簿とほかの法定帳簿との整合性を確保する方法】
●賃金台帳との整合性を取るポイント
●労働者名簿との整合性を取るポイント

賃金台帳との整合性を取るポイント

出勤簿と賃金台帳間では、残業時間と残業代の不一致や、休日出勤分の割増賃金の反映忘れといった不備が生じる可能性があります。

こういった不備をなくすためにも、出勤簿の労働時間・出勤日数や残業・休日労働の記録を、賃金台帳の給与計算や手当・控除と逐次照合し、一致させることを徹底しましょう。

また、両書類の変更は常に同時に行うように対応フローを組んでおくなどして、片方への反映忘れが発生しにくい環境を整える、という取り組みも重要です。

労働者名簿との整合性を取るポイント

従業員の離職や課の移動などで情報に変更が生じた際に、労働者名簿だけに記録して出勤簿には反映し忘れてしまう、ということが起こり得ます。この問題も、出勤簿と労働者名簿の内容を定期的に突き合わせることで回避可能です。

氏名の表記や現在の部署などが一致しているかどうかを入念にチェックし、もし内容に不整合があれば、最新の雇用情報で両方の帳簿を統一しましょう。

一般的に出勤簿に記載される項目一覧とチェックポイント

ここまでの内容を踏まえて、一般的な出勤簿に記載される項目を以下に一覧形式で整理しました。出勤簿を作成する際は、これらが網羅できているかどうかを確認しましょう。

【一般的に出勤簿に記載される項目一覧】

項目 チェックのポイント
従業員の氏名 従業員の現在の正しい氏名が反映されているか
出勤日 実際の勤怠状況と乖離(かいり)していないか
始業時間 時短勤務や遅刻などの影響も反映できているか
終業時間 時短勤務や早退などの影響も反映できているか
休憩時間 実際の休憩時間と乖離していないか
労働時間 始業時間・終業時間・休憩時間の計算結果と合っているか
時間外労働 実態に即した時間が記録されているか
深夜労働 実態に即した時間が記録されているか
休日労働 実態に即した時間が記録されているか
備考欄 欠勤や有給休暇、遅刻、早退などの情報が記載されているか
労働日数 実際の労働日数と乖離がないか
有給休暇取得日数 取得済みの有給休暇の日数が正しく反映されているか
欠勤日数 実際の欠勤日数と乖離がないか
休日出勤日数 実際の休日出勤日数と乖離がないか
特別休暇日数 実際の特別休暇日数と乖離がないか
遅刻・早退日数 実際に遅刻・早退した日数と乖離がないか

上記の項目を網羅して実態に即した内容を記録すれば、出勤簿として問題ない状態であるといえるでしょう。

このチェックポイントを満たしているかどうかは、実際の出勤簿フォーマットで確認してこそ意味があります。社労士監修の出勤簿テンプレート(Excel版)を資料ダウンロードし、自社の記録内容をそのまま当てはめて確認してみてください。

残業や休日出勤が発生したときの判断基準については、下記の記事で詳しく整理しています。
(関連記事:【弁護士監修】36協定は違反すると罰則も。時間外労働の上限や特別条項を正しく理解

出勤簿の作成方法と人事・採用担当者の実務上の選択肢


出勤簿を実際に作成するとなった場合、実務上の選択肢としては以下が挙げられます。

●勤怠管理システムを導入して作成する方法
●テンプレートを活用して作成する方法

それぞれの詳細を順に解説します。

勤怠管理システムを導入して作成する方法

ヒューマンエラーを減らし、より効率良く出勤簿を管理したいのであれば、勤怠管理システムを導入しデジタルで労働時間を記録・管理する方法がお勧めです。

出勤簿をデジタル化すれば、始業・終業時刻の記入ミスを自動で検知できるようになるほか、残業時間の上限に到達する従業員に対して、アラートを出すことも可能となります。

それに加えて、給与計算ソフトや人事・会計システムなどとの連携もできるため、情報の反映漏れといったミスも少なくなり、業務効率も向上します。

導入時にコストがかかるほか、システム運用の知識が求められるなどの難点もありますが、それらがクリアできるなら優先的に検討したい方法だといえるでしょう。

テンプレートを活用して作成する方法

効率はそのままに、よりお手軽に出勤簿を管理したいのであれば、ExcelやPDFなどのソフトを使ったテンプレートを活用する手法もあります。

テンプレートを活用すれば、ヒューマンエラーを減らしつつ、勤怠管理システムほどの費用をかけずに業務を効率化できます。Excelの表計算機能やマクロを上手に活用すれば、手動計算の手間もなくなり、作業時間のさらなる短縮も可能です。

テンプレートにもさまざまな種類があるため、自社の状況に合ったものを準備し、活用しましょう。既存のテンプレートをダウンロードして活用し、運用の中で徐々にカスタマイズしていくという方法もあります。

ただし、上述のとおりExcelのように、後からの修正や変更が容易に可能な方法については勤怠管理としては客観性が低いと判断されることが多いです。
どうしてもタイムカードの導入が難しい場合などに限って利用するほうが良いでしょう。

出勤簿のテンプレートを無料ダウンロード

Excelで使える出勤簿のテンプレートをお探しの人事・採用担当者にお勧めしたいテンプレートが、以下の出勤簿テンプレートです。

このテンプレートにはすでに計算式が組み込まれており、個人×月単位でシートをコピーして、必要項目を入力するだけですぐにご利用いただけます。手間をかけずにテンプレートを取り入れて、労務管理を効率化したいのであれば、ぜひ以下からダウンロードしてください。

出勤簿を作成・管理する際の重要な注意点【人事・採用担当者向け】

人事・採用担当者として出勤簿を作成・管理する際は、以下の観点に注意する必要があります。

【出勤簿を作成・管理する際の重要な注意点】
●出勤簿の記録内容を正しく管理するための考え方
●出勤簿の管理方法と社内運用の整理
●法令を踏まえた出勤簿管理の実務対応
●雇用形態や属性に応じた出勤簿管理

それぞれの具体的な対応内容を、以下で解説します。

出勤簿の記録内容を正しく管理するための考え方

従業員の勤怠情報を正確に出勤簿に反映し、管理する上で重要となる考え方が、以下の3つです。

客観的に記録できているかを確認する

出勤簿の情報を第三者が見ても正しいと判断できるようにするためにも、自己申告ではなく、タイムカードやICカードなどを用いて記録することを徹底してください。

なぜなら、従業員の自己申告による勤怠情報の記録は、本当にその時間どおりにはたらいていたのかを客観的に判断できないためです。このような、客観的な確認が不可能な状態での勤怠情報の記録は、違法となる恐れがあります。

なお、諸事情でタイムカードやICカードなどを使うことが難しい場合には、手書きなど自己申告の手法で勤怠情報を管理することも可能です。しかしその際は、厚生労働省の案内に従って勤怠情報の正確性を証明することが求められます。

この点については後ほど詳細に解説しているので、引き続きご覧ください。

労働時間の切り捨てを行わない

出勤簿では、「労働時間の取り扱い」を正確に行っているかどうかも重要な観点となります。労働時間とは、「従業員が会社の指揮命令下に置かれた時間」のことを指しており、業務に必要な準備、業務上必要な更衣の時間、清掃などのあと始末、朝礼なども全て含んだ時間のことです。

まずは労働時間の基本ルールを改めて確認し、適切に管理することが前提となります。その上で、労働時間の管理では、端数の取り扱いについても注意が必要です。

労働基準法第24条第1項では、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」(賃金全額払いの原則)とされています。

この条文はたとえ1分であっても無給での労働は認められないことを示しており、端数の切り捨てが原則として行えないことを意味しているため、分単位の正確な記録を行うことが重要です。

(賃金の支払)
第二十四条 
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。
(後略)
(引用:e-Gov法令検索『労働基準法 第24条』)

ただし、以下のケースについては、例外的に賃金不払いの違反として取り扱わないこととされています。

【労働時間の端数処理が可能なケース】
1カ月における時間外労働、休日労働および深夜労働のそれぞれの時間数の合計に1時間未満の端数がある場合、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げること

つまり、時間外労働や休日労働、深夜労働の労働時間については、「1カ月を通算して」30分未満の端数が出た場合に限り、切り捨て、30分以上の時間を切り上げる場合のみ、端数処理が認められているということです。

それ以外の通常の労働時間については、従業員に不利な形での端数処理は認められていないので注意が必要です(従業員に有利な形で端数処理することは禁止されていません)。

このように、労働時間に関するトラブルを避けるためには、端数処理についてもルールを正しく把握しておくことが大切となります。

実態と乖離した記録になっていないかを確認する

特に自己申告で勤怠情報を登録している場合には、報告された内容と実態に乖離が生じる可能性があります。これは意図していなくとも発生し得るもので、例えば従業員と雇用者側で労働時間に対する認識がずれていると、データと実態で差が出てしまうと考えられます。

また、突発的な欠勤や早退、残業、またシフトの入れ替えが発生した場合にも、勤怠情報と実態が乖離してしまうかもしれません。こういった乖離が発生していないか確認するためにも、勤務状況の実態調査を定期的に実施しましょう。

そこで、記録と実際の労働時間に乖離があると認められた場合は、正確な記録になるように労働時間の補正を行います。

出勤簿の管理方法と社内運用の整理

出勤簿に正確な情報を記録した上で、それを社内でどのように管理し運用するのか、という点も非常に重要となります。そこで意識したいポイントが以下の3つです。

印鑑を押すだけでは不十分である

出勤日に印鑑を押して記録としている企業もあるかもしれませんが、これは労働基準法で定められる要件を満たしておらず、労働時間の記録としては不適切です。

労働基準法108条および労働基準法施行規則第54条に従い、労働日数や労働時間数、また時間外労働時間数、休日労働時間数などもわかるように記録しなくてはなりません。

もし今も印鑑のみでの出勤簿を利用しているなら、至急フォーマットを見直して、上記の情報が記録できる状態にしましょう。また、従業員の押印では客観性が担保できないため、タイムカードや勤怠管理システムを導入し、客観的に始業時間・終業時間を記録できるようにする必要もあります。

管理をどのように行うかを検討する

出勤簿の作成時には、あらかじめ管理方法も明確にしておくことが大切です。用紙に手書きをして作成することも可能ではありますが、5年間の保存期間を考慮すると、特にアルバイトやパートの従業員が多い場合は管理の負担が大きくなってしまいます。

今後の人事計画で、多くの人員データを扱う見通しがある場合は、ソフトウェアや勤怠管理システムなどを利用し、電子データでの保管を検討してみると良いでしょう。また、保管に当たっては、データの紛失や消失を防ぐためにも管理担当者を設けるのが望ましいといえます。

管理ツールやシステムを用いる場合は、トラブルなどに備えて、ある程度のITスキルがあるメンバーを人選するのもポイントです。

従業員に記入ルールを周知する

出勤簿を正しく管理・運用するには、従業員にも記入ルールを把握してもらう必要があります。出勤簿のフォーマットを整備しても、そこに記入される情報に誤りがある、あるいは記入の仕方が違うといった問題がある状態では、正確な情報を記録できないためです。

また記入時のルールだけではなく、記入ミスがあった場合の修正フローなども、マニュアル化して社内での対応を統一しましょう。

法令を踏まえた出勤簿管理の実務対応

人事・採用担当者として出勤簿を実務で管理する際は、労働基準法などの関連法令に順守できているかどうかを、常に注意しなくてはなりません。そのためにも、以下の3つの点を実務の中で意識しましょう。

法定帳簿としての保存義務を理解する

労働基準法第109条により、出勤簿は5年間保存することが義務付けられています。

(記録の保存)
第百九条 使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない。
(引用:e-Gov法令検索『労働基準法 第109条』)

ただし、経過措置として当分の間は3年間でも問題ないと定められています。よって出勤簿を管理する際は、現時点では労務管理上は少なくとも3年保存することを徹底しましょう。今後経過措置の状況に応じ5年保存できるように意識しておきましょう。

(参照:厚生労働省『労働基準法の一部を改正する法律(令和2年法律第13号)の概要』)

法改正や通達への対応体制を整える

労働関連の法律は、社会情勢などの変化に合わせて継続的に改正されています。そうした改正に対応しないまま出勤簿を運用してしまうと、法令違反のリスクを抱えることになります。

法改正への対応を確実に行い、法的リスクを回避するためにも、厚生労働省のウェブサイトや労働局からの案内を定期的にチェックし、常に最新の情報を把握しておきましょう。

特に、労働基準法については、施行規則も含めて細かく内容をチェックしておくことが大切です。自社のメンバーだけでの対応が難しいのであれば、外部の専門家に相談する、また業界団体のセミナーに参加して知見を深める、といった対応を取ることをお勧めします。

労働基準監督署の調査を想定した管理を行う

労働基準監督署の調査を想定して、出勤簿を適切に管理しておくことも大切です。

調査では、出勤簿や賃金台帳といった帳簿の確認や、従業員への聞き取りが行われます。これにより、記録されている情報と実際の労働時間の記録に乖離がないか、また客観的な記録方法・保存期間が順守されているかなどがチェックされます。

ここで不備があることが発覚すると、是正勧告や労働基準監督署による指導、さらには企業名の公表や書類送検といった事態にまで発展してしまうかもしれません。

そのようなトラブルを発生させないためにも、出勤簿を適切に管理することを社内で徹底し、常に正確な情報が記録されている状態を維持しましょう。

雇用形態や属性に応じた出勤簿管理

出勤簿の対象となるのは全ての従業員ですが、その雇用形態や属性に合わせて、より最適な管理方法を検討する必要があります。ここでは、アルバイト・パートの出勤簿管理方法と、学生・外国人労働者の出勤簿管理方法を解説します。

アルバイト・パートの出勤簿管理における留意事項

アルバイトやパートはシフト制で勤務する人が多く、毎日同じ時間に始業し、終業する、というはたらき方ではないことも珍しくありません。また、急なシフトの入れ替えや突発的な出勤、あるいは欠勤も起こり得ます。

そのため、その従業員が実際に何時から何時まではたらいたのかを常に把握し、出勤簿に逐次反映していく必要があります。

また、アルバイト・パートでは、例えば午前と午後で分けて勤務するといったふうに、不規則なはたらき方をする人も少なくありません。この場合、出勤簿の1行にまとめて勤怠情報を記録すると、中抜け時間がわかりにくくなり、実際の労働時間を正確に算出することが難しくなってしまいます。

そのため、午前・午後それぞれの始業・終業時間を、別の行に分けて記録することが、最適な対応となります。あとから確認した際に、実際にはたらいた時間がすぐに判別できるように整理しておくことが重要なのです。

学生・外国人労働者の出勤簿管理に関する留意事項

学生や外国人労働者をアルバイト・パートとして雇っている場合には、出勤簿に正確な情報を記録する以外にも留意が必要な点があります。例えば、18歳未満の高校生は深夜時間帯(22時から翌5時)に勤務することは労基法違反となるため、そのようなシフトを組まないように注意しなくてはなりません。

また留学生は、入管法上「週28時間以内」という就労時間制限が設けられています。この点を理解しないまま制限を超えるシフトを組み、出勤簿上にもその記録が残ってしまった場合には、雇用主の責任問題となる可能性があります。

このような事態を防ぐためにも、企業側が外国人労働者の就労条件をしっかりと把握した上で、対象者にもその内容を理解してもらえるようにサポートを行いましょう。

出勤簿を手書きで管理する場合の可否と実務上の扱い

出勤簿を手書きで管理すること自体は違法ではないものの、客観性の担保が難しいため、推奨できる方法とはいえません。一方で、業務の都合などで、自己申告による勤怠確認を行わざるを得ない場合もあるでしょう。

では、実際にこのような対応が認められるケースとしては、どのようなものがあるのでしょうか。上記に該当するケースについて、その際に人事・採用担当者が対応すべき事項と合わせて解説します。

【手書きの出勤簿に関して把握しておくべき事項】
●手書きによる出勤簿管理が認められるケース
●手書き管理に伴うリスクと人事・採用担当者が対応すべき事項

手書きによる出勤簿管理が認められるケース

営業をはじめとする外勤の仕事では、労働時間の客観的な把握が難しく、手書きや自己申告での勤怠管理が現実的な方法として用いられる場合もあります。

この場合は、厚生労働省が出している以下の案内に従って、勤怠情報が正確であると証明することが求められます。

① 自己申告を行う労働者や、労働時間を管理する者に対しても自己申告制の適正な運用等ガイドラインに基づく措置等について、十分な説明を行うこと
② 自己申告により把握した労働時間と、入退場記録やパソコンの使用時間等から把握した在社時間との間に著しい乖離がある場合には実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること
③ 使用者は労働者が自己申告できる時間数の上限を設ける等適正な自己申告を阻害する措置を設けてはならないこと。さらに36協定の延長することができる時間数を超えて労働しているにもかかわらず、記録上これを守っているようにすることが、労働者等において慣習的に行われていないか確認すること
(引用:厚生労働省『労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン』)

ただし、上記は対応にかかる工数が増える上に、記録の改ざんを完璧に防ぐこともできないため、やはり推奨できる方法とはいえないでしょう。トラブルを避けるためにも、可能であればタイムカードやデジタル打刻などのシステムを導入することをお勧めします。

手書き管理に伴うリスクと人事・採用担当者が対応すべき事項

手書きによる出勤簿管理では、記入漏れや転記ミスといったヒューマンエラーが発生するだけではなく、故意的に記録を改ざんされる可能性もあります。こうした不備が放置されると、残業代の未払いあるいは過払いといった給与トラブルを招きかねません。

さらには、労働時間を適切に管理できていないと判断されて、労働基準監督署から是正勧告や行政指導を受けることにもなるでしょう。そうなれば、管理体制の見直しや修正で負担が生じるだけではなく、自社の社会的な信頼性も損なわれてしまいます。

このようなリスクを避けるためにも、手書き管理せざるを得ないのであれば、まず社内に記入ルールや確認手順を周知して、ミスが発生しないようにサポートしましょう。その上で定期的に実態との乖離が発生していないかの調査を行い、不備があれば適宜修正します。

出勤簿の保存期間・保存方法と法令違反時のリスク

最後に、出勤簿の保存期間と適切な保存方法、そして万が一法令に違反してしまった場合のリスクについて解説します。

【出勤簿の保存に関する事項】
●出勤簿の保存期間
●出勤簿の保存方法
●違反した場合の罰則

出勤簿の保存期間

先述したとおり、労働基準法第109条により、現在は出勤簿を5年間保存することが義務となっています。以前は3年間の保存が義務付けられていましたが、2020年4月に施行された労働基準法の改正により期間が延長されました。

経過措置として当分の間は3年間でも良いとされていますが、経過措置の廃止に備え、今の段階から5年間保存できるように体制を整えておくほうが良いでしょう。

一点、「離職した従業員の出勤簿」も保存の対象になることに注意する必要があります。これは、労働基準法第115条の規定により、離職後5年間は賃金の請求が可能となっているためです(現在は経過措置で3年です)。

(時効)
第百十五条 この法律の規定による賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から二年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。
(引用:e-Gov法令検索『労働基準法 第115条』)

離職した従業員からの問い合わせがあったときに備えて、賃金の根拠となる出勤簿も将来的には5年分保存しておく必要があるわけです。

なお、出勤簿の記録保存期間は、離職者の情報が最後に記載された日、あるいは、それよりも賃金支払期日が遅かった場合にはその日が起算日となります。

出勤簿の保存方法

紙媒体で出勤簿を保存する場合は、帳簿をファイルなどにまとめてキャビネットに保管するという方法を取ることが一般的です。この際、あとから必要な情報をすぐに探せるように、ファイルに採番を行い、決まった場所へ必ず格納させるように取り扱いルールを設定することが重要となります。

システム上のデータやExcelにまとめられた記録を保存するのであれば、USBメモリやハードディスクなどにデータをコピーする方法が最適です。紙媒体のように物理的な場所を取ることがない上に、検索も比較的容易に行えます。

また近年は、クラウドのストレージサービス上にデータを保存する、という方法もあります。サービス側の要件を確認する、また厳しいセキュリティ対策を講じる必要があるなどのハードルはありますが、それらがクリアできるなら有用な案だといえるでしょう。

違反した場合の罰則

保存期間中にもかかわらず出勤簿を廃棄、または紛失してしまった場合は、労働基準法第120条の内容に従って30万円以下の罰金が科される恐れがあります。

第百二十条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 (中略)又は第百六条から第百九条までの規定に違反した者
(後略)
(引用:e-Gov法令検索『労働基準法 第120条』)

また、労働基準法違反として、労働基準監督署からの是正勧告や指導を受けることにもなりかねません。

オペレーションミスで誤って廃棄してしまうことがないように、各出勤簿には「いつから保存しているのか」がわかるようなラベリング、あるいはタグ付けなどを行いましょう。その上で、出勤簿を取り扱う際の作業マニュアルも整備して、万が一のミスが生じないようにすることが大切です。

まとめ

出勤簿は労働基準法によって規定された法定四帳簿の一つであり、従業員を雇用する事業者に作成・保管が義務付けられた書類です。主な目的は従業員の労働時間を正確に把握することにあるため、労働時間や出勤日、休日、休憩といった項目を正しく記載しなければなりません。

また、管理についても、離職した従業員の分も含めて最後に出勤した日から原則として 5年間(現在は経過措置により3年)の保存が義務付けられています。正確な作成を行うためには、さまざまなデータを参照する必要があるため、管理の負担も考慮すると勤怠管理システムや出勤簿ツールを用いるのもお勧めです。

ただし、システムの導入には費用がかかるため、管理すべき人員数を踏まえて自社に合った方法を検討してみましょう。

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管理監督者を出勤簿に記載する必要があるケースについては、下記の記事で詳しく整理しています。
(関連記事:管理監督者とは?残業、休日についてや就業規則の定め方を解説

(制作協力/株式会社eclore、編集/d’s JOURNAL編集部)

【社労士監修】出勤簿テンプレート

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