コンピテンシー面接とは|質問例・評価基準などやり方を解説

2022.07.15
d’s JOURNAL編集部
コンピテンシー面接では応募者の行動特性を評価する
コンピテンシー面接と従来の面接との違い
コンピテンシー面接のメリット
コンピテンシー面接のデメリット
コンピテンシー面接の基本の流れ
コンピテンシー面接の質問例
評価はコンピテンシーレベルを基準にする
コンピテンシー面接に役立つ資料・評価シート
まとめ

コンピテンシー面接とは、「成果につながるか」という視点で応募者の能力を評価する面接手法です。

例えば、応募者にプログラミングのスキルがある場合、過去の経験年数や技術の熟練度だけではなく、そのスキルを活かして社内で活躍する人材になれるかも重要視する。これがコンピテンシー面接での評価基準になります。

従来の面接よりも応募者が企業の求める人材であるかを判断しやすく、採用のミスマッチ防止に効果的であるのも特徴の一つです。近年、人手不足により採用が重要視されることで、この手法を導入する企業も増えてきました。

この記事では、コンピテンシー面接の特徴、メリット・デメリットなどをご紹介します。具体的なやり方の解説や評価シートも掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。

コンピテンシー面接では応募者の行動特性を評価する

コンピテンシー面接とは、「成果につながるか」という視点で応募者を評価する面接手法のこと。

ハイパフォーマーに共通した行動特性を意味する「コンピテンシー」をどれだけ応募者が有しているか(コンピテンシーレベル)を見極め、合否を判定します。コンピテンシーレベルを確認するため、過去の行動を振り返ってもらう質問をするのが、コンピテンシー面接の特徴です。

なお、コンピテンシー面接を導入する際には、職種・役割ごとに社内におけるハイパフォーマーの行動特性データを分析し、面接時に重視する「コンピテンシー項目」を決めることから始めます。導入する際のフローについては、後ほど詳しく紹介します。

<参考記事>
コンピテンシーとは?1分でサクッとわかる!意味や使い方、スキルとの違いを解説
サンプル付き/コンピテンシー評価はまずモデルの作成から~すぐに使える項目例で解説

コンピテンシー面接で「過去の行動」を重視する理由

コンピテンシー面接において「過去の行動」を重視するのは、応募者が「どういった考え・価値観」に基づき、「どういった行動」をしてきたのかを客観的に把握するためです。

「過去の行動」について質問し、質問への回答を基に話を掘り下げて聞いていくことで、「どういう状況・立場で」その行動をしたのかも明確になります。

例えば、「リーダーシップを発揮した経験」について、聞いてみたとしましょう。「過去の行動」について掘り下げて質問することで、「自ら率先して、リーダーシップを発揮したのか」「周囲からの後押しがあり、リーダーシップを発揮したのか」を判断できます。

自主的にリーダーシップを発揮できる人材を必要としている場合には、「自ら率先して、リーダーシップを発揮した」人材を採用すればよいということになります。

このように、応募者の行動特性を客観的に評価できるよう、コンピテンシー面接では「過去の行動」に焦点を当てた質問をするのです。

コンピテンシー面接と従来の面接との違い

「過去の行動」を基に応募者の行動特性を評価する「コンピテンシー面接」と、従来の面接にはどのような違いがあるのでしょうか。コンピテンシー面接と従来の面接との違いを表にまとめました。

コンピテンシー面接と従来の面接との違い

コンピテンシー面接 従来の面接
評価の基準 「再現性」を持つ成果を生む行動ができるか
(過去の行動事実から、客観的に判断)
雰囲気や第一印象、質問への切り返し、学歴・スキルなどから、総合的に判断
応募者への質問 過去の行動を振り返ってもらう「思い出す」質問 応募者の考え方・価値観を確認する「考える」質問
面接官による評価 客観的事実に基づき判断するため、評価はぶれにくい 面接官が応募者に受けた印象によって、評価が変わりやすい
面接のスタイル 共通のマニュアルに沿って、質問・評価を行う 面接官によって、臨機応変に対応するケースが多い

従来の面接とは異なる、コンピテンシー面接の特徴について、見ていきましょう。

雰囲気や第一印象は評価で考慮しない

人は誰でも、相手に対して一度「良い印象」「悪い印象」を受けると、それに合致しない情報は無意識に集めようとしなくなる傾向があるとされています。
従来の面接では、このような無意識の思い込み・偏見である「アンコンシャスバイアス」が働きがちで、相手を客観的に評価することができないのが課題でした。

一方、コンピテンシー面接の場合には、雰囲気や第一印象といった表面的な情報は、評価を決める際の参考とはなりません。あくまで「過去の行動事実」を基に評価するため、表面的な情報に惑わされることなく、客観的に評価できます。

参考記事:アンコンシャスバイアスとは?職場での具体例とともにわかりやすく解説<研修資料付き>

実績は大小よりも再現性を重要視する

仕事で大きな実績があったとしても、それが「再現できないもの」であると、入社後にその経験を活かすことはできません。従来の面接では、職務経歴書に書かれている職務経験が重視され、「再現性」までは評価できないことも少なくありませんでした。

一方、コンピテンシー面接では、「実績の大小」よりも「再現性」を重要視します。

再現性が高いかどうかを把握するため、「チームにおいて、どのような役割を担っていたのか」「どういう理由で、どのような行動を起こしたのか」などを詳しく聞いていくのが、コンピテンシーの特徴です。

『考える』ではなく『思い出す』質問をする

従来の面接では、「入社したら、どのような貢献ができると思いますか?」「入社後、新しい業務・役割を任されることになったら、どうしますか?」といったように、未来志向の「考える」質問をする機会もあります。

しかし、この質問からは「考える」質問の場合、応募者の「入社への意欲」や「発想力」などはわかるものの、応募者の「行動事実」や「実力」を把握することはできません。

一方、コンピテンシー面接では、応募者の「過去の行動事実」を評価できるよう、基本的には「過去の経験」を聞く質問のみをします。このように、「考える」質問ではなく「思い出す」質問をするのも、コンピテンシー面接の特徴です。

具体的には、「過去1~2年で、最も注力したことは何か」「どのような課題があったのか」「課題解決のために、どのようなことをしたのか」といった質問をします。※コンピテンシー面接の質問例については、後ほど詳しく紹介します。

コンピテンシー面接のメリット

応募者の「行動事実」を基に評価するコンピテンシー面接を導入することで、どのような効果が期待できるのでしょうか。コンピテンシー面接のメリットを紹介します。

<コンピテンシー面接のメリット>

・企業と相性が良い採用でミスマッチ防止になる
・応募者の本日を質を見極めやすくなる
・面接官による評価の統一性が図れる

企業と相性が良い採用でミスマッチ防止になる

コンピテンシー面接はそもそも、社内でも特に高い評価を受けるハイパフォーマー社員の行動特性を分析し、その行動特性と一致する人材を採用することを目的としたものです。

実際に活躍している社員をモデルとしているため、「ハイパフォーマー社員と同じ行動特性を有しているか」を確認する質問をすることにより、「入社後の活躍が期待できる人材」を容易に見極められるでしょう。

企業にとって相性の良い人材を採用しやすくなるため、ミスマッチを防止する効果が期待できます。

応募者の本質を見極めやすくなる

先ほど紹介したように、コンピテンシー面接では第一印象や学歴・スキルといった「表面的な情報」ではなく、あくまで「過去の行動事実」に基づいて、評価を決めます。

「思い出す」質問をし、応募者の行動特性や再現性を「事実ベース」で把握することにより、応募者の本質を見極めやすくなる効果が期待できます。

また、「過去の経験」を掘り下げて聞いていくため、「職務経歴書や自己PRの内容」と「過去の経験」に矛盾点がないかも見抜きやすくなるでしょう。

面接官による評価の統一性が図れる

コンピテンシー面接では、共有のマニュアルに沿って質問し、応募者を評価します。評価項目・基準も明確に定まっているため、第一印象や学歴・スキルなどに惑わされずに評価することが可能です。そのため、評価のばらつきを防ぎ、統一性を図る効果が期待できます。

また、評価基準が明確かつ質問がマニュアル化されているため、面接経験が少ないメンバーであっても、適切に応募者を評価できるという点も、コンピテンシー面接のメリットの1つと言えるでしょう。

コンピテンシー面接のデメリット

コンピテンシー面接には、「ミスマッチの防止になる」「応募者の本質を見極めやすい」といったメリットがある一方で、課題もあります。コンピテンシー面接のデメリットについて、紹介します。

<コンピテンシー面接のデメリット>

・社内にモデルとなる社員がいないと成立しない
・制度を導入するのに時間がかかる

社内にモデルとなる社員がいないと成立しない

コンピテンシー面接では、社内に「●●さんのような人を採用したい」というハイパフォーマー社員がいることが大前提となります。社内にモデルとなるような社員がいない場合には、「コンピテンシーモデル」をゼロから設定しなければなりません。

ゼロベースでコンピテンシーモデルを作るのは現実的ではないため、「社内にモデルとなる社員がいないと、コンピテンシー面接は成立しない・実施が難しい」とされています。

制度を導入するのに時間がかかる

コンピテンシー面接では、職種・役割ごとに「コンピテンシーモデル」を設定する必要があります。

また、このあと詳しく紹介しますが、導入前には「ハイパフォーマーの特定および行動特性の分析」「ハイパフォーマーへのヒアリング」「行動特性を基にした質問の作成」といった準備が必要です。

募集する職種・役割ごとに、こうした準備を行う必要があるため、制度導入には多くの時間を要します。そのため、慢性的な人材不足に悩む企業や、急な欠員補充が必要な場合などには、コンピテンシー面接は適していないと考えられます。

これらのデメリットも踏まえた上で、コンピテンシー面接の導入要否を判断するとよいでしょう。

コンピテンシー面接の基本の流れ

コンピテンシー面接は、社内で活躍している社員を分析したのち、面接時に重視する行動特性を決定し、用意した質問に沿って、実際に面接するという流れで進めます。

コンピテンシー面接の基本の流れ

各フローの詳細について、見ていきましょう。
(参考:『サンプル付き/コンピテンシー評価はまずモデルの作成から~すぐに使える項目例で解説』)

社内で活躍している社員の行動特性を分析

コンピテンシー面接を導入する際には、自社で活躍する人がどのような行動特性を持っているかを明確にする必要があります。まずは、部署・役割ごとに社内で活躍している社員を特定することから始めましょう。

ハイパフォーマー社員を特定できたら、一人一人にヒアリングを行い、行動特性データを収集します。ヒアリングの際は、「過去の経験」にフォーカスしたさまざまな質問を行い、行動特性を徹底的に洗い出していくことが大切です。

質問の具体例としては、「困難に直面した際、どういった行動を起こしたか」「何か行動を起こした際、どうしてその行動をする必要があると考えたのか」「何かを決断した際、複数の選択肢を比較検討したか」などが挙げられます。

ハイパフォーマー社員の行動特性データが集まったら、「思考・行動にどのような共通点があるのか」という観点で分析をしましょう。なお、行動特性データの分析も、職種・役割ごとに行う必要があります。

面接時に重視する行動特性を決定

次に、ハイパフォーマー社員の行動特性データの分析結果を基に、コンピテンシー面接の際に重視する行動特性を職種・役割ごとに決めます

ゼロベースで考えようとすると、抜け漏れが発生したり、設定までに多くの時間・手間がかかったりする可能性があります。行動特性に関する一般的なモデルケースを活用し、大まかな領域と項目について洗い出すことをお勧めします。

モデルケースの例としては、8群75項目からなる「コンピテンシーマスター評価項目」、WHOが発表した「WHOグローバル・コンピテンシー・モデル」などがあります。

中でも、世界的に有名なのが、ライルM.スペンサー氏とシグネM.スペンサー氏が考案した「コンピテンシー・ディクショナリー」です。「コンピテンシー・ディクショナリー」は、以下の6領域20項目からなります。

「コンピテンシー・ディクショナリー」の6領域20項目

コンピテンシー領域 コンピテンシー項目
達成行動 達成思考
秩序・品質・正確性への関心
イニシアチブ
情報収集
援助・対人支援 対人理解
顧客支援志向
インパクト・対人影響力 インパクト・影響力
組織感覚
関係構築
管理領域 他者育成
指導
チームワークと協力
チームリーダーシップ
知的領域 分析的志向
概念的志向
技術的・専門職的・管理的専門性
個人の効果 自己管理
自信
柔軟性
組織コミットメント

職種や役割によっては、この他の行動特性が必要となる場合もあります。d’s JOURNALが作成した「コンピテンシー項目一覧サンプル」を参考に、自社社員に必要不可欠な行動特性を明確に定めるとよいでしょう。

「コンピテンシー項目一覧サンプル」はこちらからダウンロードできます。

面接時に重視する行動特性の洗い出しが終わったら、現場のマネージャーやリーダー、ハイパフォーマー社員たちに、洗い出した項目に「抜け漏れがないか」「違和感がないか」を確認してもらいましょう。

現場の社員との擦り合わせが終わったら、企業のミッション・ビジョン・バリューとの乖離がないかを確認します。もし、企業のミッション・ビジョン・バリューに合致しない内容が見つかった場合には、項目から除外し、面接時に重視する行動特性を確定させましょう。

行動特性ごとに質問を用意し、実際に面接を行う

面接時に重視する行動特性が確定したら、その「有無」や「レベル」を判断できるよう、行動特性ごとに質問を用意します。例えば、「リーダーシップ」を重視する場合には、「過去1~2年の間、どういった場面で最もリーダーシップを発揮しましたか?」「チーム内で、特にリーダーシップを発揮できた際の状況をお聞かせください」といった質問を用意しておくとよいでしょう。

併せて、応募者が「どの行動特性を、どの程度まで満たしているか」を確認できるよう、行動特性ごとに5段階のレベルを設けておきます。5段階のレベル分けについては、後ほど詳しく紹介します。

ここまでの準備が完了して初めて、コンピテンシー面接を実施できます。面接では、事前に用意した質問を基に応募者の「過去の行動事実」を把握し、行動特性ごとに5段階のレベルで評価を行い、応募者の合否を決定しましょう。

コンピテンシー面接の質問例

コンピテンシー面接では、「STAR面接」のフローに当てはめながら、応募者に質問をしていきます。

STAR面接とは、「Situation(状況)」「Task(課題)」「Action(行動)」「Result(結果)」の4つの観点から質問を進める面接手法のこと。Google社が導入していることで、知られています。

それぞれ、どのような質問をすればよいのか、具体例を見ていきましょう。

Situation(状況)の質問

まず、応募者に聞く必要があるのが、「Situation(状況)」の質問です。応募者の置かれた状況や組織・チームの体制、そこでの役割、難易度などについて、質問しましょう。

Situation(状況)の質問の例

●ここ1~2年の間に、あなたはどのようなシーンで特に力を発揮しましたか?
●どういったチーム編成で、取り組んでいましたか?
●チームにおいて、あなたはどのような役割を担っていましたか?
●その状況は、あなたやチームにとって、どれくらい困難なものでしたか? など

Task(課題)の質問

「Task(課題)の質問」では、その「状況」において、応募者が見つけた課題や、課題に気付いた理由・きっかけ、課題に対する認識、課題解決のために設定した目標などを尋ねます。

Task(課題)の質問の例

●その状況において、あなたはどのような課題を設定しましたか?
●何がきっかけで、あなたはそれを課題として認識しましたか?
●課題に気付いたとき、あなたはどのようなことを考えましたか?
●課題解決のため、あなたはどのような目標を設定しましたか? など

Action(行動)の質問

「Action(行動)の質問」では、見つけた「課題」を解決するために実際に取った行動や行動の順番、その行動を起こした意図、行動する際に苦労した点・工夫した点などを質問します。

Action(行動)の質問の例

●課題を解決するために、あなたはまず、どのような行動を起こしましたか?
●実際にあなたが行った行動を、時系列順にお聞かせください。
●あなたは、どのような意図でその行動を起こそうと思いましたか?
●行動を進めていく中で、特に苦労したことや工夫したことをお聞かせください。 など

Result(結果)の質問

最後に、「Result(結果)の質問」をします。「行動」の結果・成果や、周囲に与えた影響、周囲からの反応、行動を振り返っての学び・気付きなどについて、質問しましょう。

Result(結果)の質問の例

●行動を起こした結果、最終的にどうなりましたか?
●それにより、周囲にどのような影響を与えましたか?
●あなたの行動について、周囲はどのように評価しましたか?
●行動を振り返って、あなたはどのようなことを学び、今度にどう活かそうとしましたか? など

評価はコンピテンシーレベルを基準にする

コンピテンシー面接では、上述のような質問に基づき応募者の過去の行動事実を把握し、応募者を以下の5段階のレベルで評価します。

コンピテンシーの5段階のレベル

レベル 概要
レベル1:受動行動 仕事に対して、受け身な姿勢を見せる。
レベル2:通常行動 自らに与えられた業務をこなせる。
レベル3:能動・主体的行動 業務遂行や目標達成のために必要なことを自ら考え、行動できる。
レベル4:創造・課題解決行動 状況を打破・変化させるための行動を起こせる。
レベル5:パラダイム転換行動 斬新なアイデアの下、会社全体を巻き込むような行動を起こせる。

それぞれのレベルについて、具体例を交えながら、見ていきましょう。

レベル1:受動行動

「レベル1:受動行動」とは、仕事に対して、受け身な姿勢を見せることを指します。

いわゆる「指示待ち」社員と呼ばれる人たちのコンピテンシーレベルは、「レベル1:受動行動」です。受動行動のレベルにある場合、「面倒なことはしたくない」「責任を負いたくない」といった理由から、創意工夫や改善行動などは見られません。仕事に対する責任感も、低いと言えるでしょう。

具体的には、「上司にやるように言われたので、取りあえず行動した」「やらざるを得ない状況だったので、仕方なく行動した」といった行動が、「受動行動」に該当します。

レベル2:通常行動

「レベル2:通常行動」とは、自らに与えられた業務はきちんとこなせるということ。

通常行動のレベルにある場合、「やるべきことを、やるべきときに確実にやる」という社会人として当たり前のことはできていると言えます。レベル2の場合にも、レベル1と同様、創意工夫や改善行動は見られません。しかし、レベル1とは違い、「任された仕事を、最後まで確実にやり抜く」という仕事への責任感はあります。

具体的には、「マニュアルを基に、業務をミスなく行う」「与えられた業務を、スケジュール厳守で行う」といった行動が、「通常行動」に該当します。

レベル3:能動・主体的行動

「レベル3:能動・主体的行動」とは、業務遂行や目標達成のために必要なことを自ら考え、行動するということ。

自ら判断・行動できるため、創意工夫や改善行動が見られるという点が、レベル1・レベル2との大きな違いです。与えられた業務以上のことをできている人は、「レベル3:能動・主体的行動」に該当すると言えるでしょう。

具体的には、「チーム内で新人教育の担当になったので、自ら資料を用意したり、計画を立てたりする」「選択肢が複数ある場面において、客観的事実や明確な意図を基に、最適解を自ら選択する」といった行動が、「能動・主体的行動」に該当します。

レベル4:創造・課題解決行動

「レベル4:創造・課題解決行動」とは、状況を打破・変化させるための行動を起こすということ。

レベル3とレベル4は、「自ら考え・行動する」という点は同じですが、「行動を起こす範囲」「影響を及ぼす範囲」が異なります。レベル3の場合には「自分がやるべき業務の範囲内」で行動するため影響力は限定的ですが、レベル4の場合には「自分がやるべき業務の範囲」にとらわれず、チーム・組織の問題解決を図る行動を起こすことが可能です。

具体的には、「新人の教育状況を部署内で共有できる仕組みを考え、部署内における新人教育の効率化を図る」「自身の担当業務の範囲を超え、部署全体の業務効率化につながるアイデアを考案・実行する」といった行動が、「創造・課題解決行動」に該当します。

レベル5:パラダイム転換行動

「レベル5:パラダイム転換行動」とは、斬新なアイデアの下、会社全体を巻き込むような行動を起こすということ。

組織の中でリーダーシップを存分に発揮しながら、既成概念やこれまでの常識にとらわれることなく成果を上げることができる人は、「レベル5:パラダイム転換行動」に該当すると言えます。

具体的には、「将来性のある未開発の事業を自ら考え、新規事業を立ち上げる」「これまでの自社のビジネスモデルを根底から覆すような、組織レベルでの大変革を起こす」といった行動が、「パラダイム転換行動」に該当します。

レベル1~5のうち、「どのレベル以上の人材」を必要とするかは、募集する職種によって異なるため、一概に「どのレベル以上の人材を採用すべきだ」と言うことはできません。

なお、「レベル3」までと「レベル4以上」とでは大きな隔たりがあるとされており、日本企業において「優秀な社員」と呼ばれる人材であっても、「レベル3」であることが多いようです。そうしたことを踏まえた上で、職種・役割ごとに「最低でも、どのレベルが必要か」を決めるとよいでしょう。

コンピテンシー面接に役立つ資料・評価シート

これまで紹介したように、コンピテンシー面接を実施するには「導入方法」や「質問例」「レベル分け」など、さまざまなことを意識する必要があります。

そのため、コンピテンシー面接を導入する際には、コンピテンシー面接の進め方や注意点などが書かれた本も参考にするとよいでしょう。弘文堂が出版している『コンピテンシー面接マニュアル』や『まんがでわかるコンピテンシー面接』がお勧めです。

また、行動特性ごとに5段階にレベル分けした「評価シート」を用意しておくと、コンピテンシー面接をより実施しやすくなります。d’s JOURNALが作成した「コンピテンシー評価シート【サンプル】」はこちらからダウンロードできます。

まとめ

コンピテンシー面接には、「ミスマッチの防止」や「評価の統一性」といったメリットが期待できます。導入に当たっては、「ハイパフォーマー社員の分析」や「面接時に重視する行動特性の特定」「質問項目の設定」など準備することも多岐にわたるため、確実に進めていくことが重要です。

コンピテンシー面接を実施し、自社での活躍が期待できる社員の獲得につなげてみてはいかがでしょうか。

(制作協力/株式会社はたらクリエイト、編集/d’s JOURNAL編集部)

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