面接力向上ってどうやるの――⁉全国の人事・採用担当者が参加、パーソルキャリア主催の実践的勉強会&交流会の模様をリポート
d’s JOURNAL編集部
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パーソルキャリアが主催。オフラインによる勉強会&交流会で約50人の人事・採用担当者が参加
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人材研究所の曽和利光氏が登壇。面接力向上のための実践的講演でレベルアップ
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中途採用に関わる全ての方々に「学び&採用成功」「他社との交流」の機会を与えるコミュニティーに
中途採用において、自社が求める人材をどのように見極め、そして引き付けたらいいかわからない――。このようなお悩みをお持ちの人事採用担当者は多いのではないでしょうか?
そこでパーソルキャリア(本社所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:瀬野尾 裕)では、リアルで実効性のある人事コンサルティングや研修、採用アウトソーシングなどを数百社に対して展開している株式会社人材研究所(本社所在地:東京都港区)の代表 曽和利光氏をお迎えし、面接力向上セミナーを開催いたしました。
参加された多くの人事・採用担当者は、プロフェッショナルである曽和氏のお話を伺いながら、ワークショップを通して人材の見抜き方や引き付け方などの採用ノウハウ、これからの時代に必要となる採用面接の考え方、自社社員への面接スキルの落とし込み方などについて学んでいただけたのではないでしょうか。
また、セミナーの後には曽和氏を交えた交流会が開かれ、参加された方々は日々の業務におけるお悩みを共有、そして異業種・異職種のキャリア採用担当者とのつながりをつくっていただく機会も設けています。
このコラムでは当日のイベントの様子をリポートしたいと思います。
【告知】
さまざまな企業の人事・採用担当者が参加し、自社の魅力を発見し、魅力を伝える手法を学ぶ機会になった勉強会。パーソルキャリアでは参加した方々が次へのステップへ進めるように、このようなイベントを今後定期的に開催していく予定です。ぜひ次回以降のご参加をお待ち申し上げております。
勉強会の講演内容をさらに詳しく知りたい方は、こちらのセミナーレポートをご覧ください!
【CHAPTER01】 オープニング&主催パーソルキャリアからごあいさつ
某日。東京都内・大手町ビルディングで、パーソルキャリアが主催する勉強会は開催されました。
オンラインでのセミナーや交流会が主流になる中、パーソルキャリアでは2回目のオフライン(対面)でのイベントとなり、全国から多種多様な業界の50人近い人事・採用担当者にお申し込み・参加をいただくこととなりました。
オープニングでは、イベント主催であるパーソルキャリアから参加された皆さんへごあいさつがあります。
「私たちは普段オンラインセミナーを数多くご提供させていただいておりますが、コロナ以降オフラインでのイベントは長らく開催していませんでした。しかし今年2月に4年ぶりのオフラインでの開催を実現させ、今回が2回目のオフラインでのイベントとなりました。
1回目の開催の際、ご参加いただいた方の中から『こういう企画が定期的にあるといいね』といったお声を多数頂戴したこともあり、現在では定期的な開催企画という運びとなりました。継続的に皆さまとつながりながら、学びの場を提供できたらと考えております。
私自身、人事のキャリアも長く、先進的な事例や取り組みに関しては敏感にアンテナを張り巡らせておりましたが、その際「もっとリアルな情報がほしい」「もっと自社に合った取り組みを学びたい」と思ったものです。そうした皆さまのご期待に応えられるよう、今後の関係構築も含めて、本企画をご活用していただければありがたいなと思います」。(パーソルキャリア 山田芳久)
【CHAPTER02】講義:「求める人材を獲得するための面接力向上セミナー」
中途採用において、
「面接で優秀な人材をどのように見極め・引き付けたらいいかわからない」
「経験が浅く、面接の質問の仕方や掘り下げ方がよくわからない」
「自社の社員に、面接をどのように改善したらいいかレクチャーできない」――。
このようなお悩みをお持ちの人事・採用担当者は多いようです。
今回のメインイベントであるワークショップでは、リクルート、ライフネット生命、オープンハウスの人事責任者を経たのち、2011年に人材研究所を創業され、リアルで実効性のある人事コンサルティングや研修、採用アウトソーシングなどを数百社に対して展開している同社の曽和利光氏をお迎えし、お話をお伺いしました。
テーマは「自社が求める人材を獲得するための面接力向上術について」です。
一般的な面接には、常識と非常識が存在すると曽和氏は説明します。
「人間には誰にでも、無意識の思い込み(アンコンシャスバイアス)があります。面接や人物評価の際に問題になるのは、『初頭効果』『確証バイアス』『ハロー(halo)効果』『類似性効果』『プレッシャー』『相対的に転職希望者をランク付けする』などであり、これらのさまざまなバイアスをなくすことは容易ではありません。一般的な面接の妥当性は低く、さらにパフォーマンスの高さは測れないのです」。(曽和氏)
このように冒頭から刺激的な実践知を披露する曽和氏の講義に、参加者は皆一様に真剣に耳を傾けていました。ほかにも「面接の精度を高める採用基準づくりと落とし穴」や「面接の精度を上げる質問の仕方」などについてもレクチャーされており、明日から実践できるノウハウ満載の内容となりました。
曽和氏は、特に面接力向上において必要な要素に、インタビュー(聞く力)、アセスメント(客観的評価)、ジャッジ(判断)が大事だと強調されていたのが印象的でした。
※このセミナーの詳細がご覧になりたい方はこちらから
【CHAPTER03】ワーク:「グループ内共有」と「面接観察例の提唱」
次に、曽和氏から解説を受けた講義内容について、どんな感想を持ったか、あるいは実践してみたいパート、新たに生まれた質問などを参加者同士で「グループ内共有」を行うシーンがありました。
参加者は1つのテーブルに3~5人単位で座っていただいているので、各テーブルでさまざまな議論が生まれたように感じます。
また、講義の最後のパートでは、面接力向上のトレーニング法として、「客観的にインタビューを見る」手法を提唱されていました。その手法の一つとして、面接シーンを録画しておき、そのデータを基に複数人で「良かった点」と「良さがわかりづらかった点」を上げてもらうといった手法です。
その際、大事になるのは「どんな事実から」「どう見立てて」「どう評価したか」の順番で自分の評価を説明してもらうことなのだとか。
「なんらかの事実情報によって、自分の中のアンコンシャスバイアスを思い知らされることが必要です。実際の面接では、複数の面接官で評価結果をすり合わせるわけですが、残念ながら評価は分かれてしまいます。『同じ人に対する違う結果』はバイアスの影響です。
そこで面接時に録画した動画を使えば、完全に同じ情報からの見立て・評価となるため、フラットな目線で面接力を鍛えることができるのです。ぜひ日々の業務の中で実践してみてください」。(曽和氏)
【CHAPTER04】 質疑応答:参加者からの質問に登壇者が回答
講義の最後には、参加者の皆さんから寄せられた質問に対して曽和氏が答えていく質疑応答の時間も設けられました。質問の中から代表的な3つをご紹介します。
【質問1】もし自社でバックグラウンドチェックを行った場合、転職希望者の入社に関わる重大な不備が見つかったとき、どう対応していけばよいのか、その対処法を教えていただけますか。
曽和氏:バックグラウンドチェックというものは、本来法律的にはグレーゾーンに近いものだと認識しています。転職希望者に伝えていただいた情報そのものに疑って掛かっているわけです。これでは双方の信頼関係を築いていくのは困難だと思いますので、お勧めはできません。
【質問2】自社は面接フローが短めに設定されています。転職希望者に対して何かアトラクトするために気を付けたほうが良いことを教えてください。
曽和氏:転職希望者にとって自社の特徴や魅力がどう刺さるのかは本当にそれぞれです。転職希望者が入社を迷っている、入社意向を高めていない状態であるとき、それは不安要因を抱えているときです。
不安要因をクリアできなかったら基本的には入社いたしません。当たり前ですよね。ですから、面接などの際、面接官から自己開示をして転職希望者からの親近感や信頼感を獲得しておくことが大事です。
そうして親近感や信頼感を高めた状態であれば、不安要因も言いやすくなるでしょうから、入社を阻むポイントを解消できるヒントにつながるかもしれません。
【質問3】そもそも中小企業に対する転職希望者は、志望動機に確たる根っこがないことが往々にしてあります。志望動機や意欲の高さなどはどうやって見極めをしていけばよいでしょうか。
曽和氏:最終的に面接や選考で重視するのは、「能力×モチベーション」だと思っています。特に能力面を見て、それにモチベーションが高い状態であれば合格でしょう。能力を一番見極めたいわけですから、志望動機はそれほど重要視しなくていいということです。また志望動機や入社意向を高めるのが人事・採用担当者の普段の仕事の一つでありますから、やはり日々の活動こそが大事というわけです。
このように参加された皆さんは、自社の事例などに当てはめながら採用に関する悩みや課題について質問されていました。
【CHAPTER05】 懇親・交流会
講演とワークショップが全て終わった後は、いよいよ人事・採用担当者同士の交流会が始まります。
冒頭には本企画の趣旨に対して、企画担当者から簡単な説明がありました。
「近年、中途採用が多様化・多角化・複雑化しています。人事の皆さまのみならず、各社さまざまな方が採用に関わるシチュエーションが増えています。そこで中途採用に関わる全ての方々に「学び&採用成功」「他社との交流」ができる場を提供したいと考え本イベントを企画いたしました。
今後も、継続的に採用関連をテーマとした勉強会や限定イベント、交流・情報交換会などの開催を予定しています。ぜひご参加ください」。(パーソルキャリア 山中かれん)
次に、すっかり恒例となったクイズ大会が行われました。「人事・採用担当者だったらすぐに回答できる」というコンセプトのもといくつかお題が出され、回答は4択形式で行われます。
今回もさすがの回答率。全問正解される猛者も現れ、会場の熱度は大いに高まりました。
そして軽食とお酒などが会場に添えられ、メインの交流会が始まります。ここからは座席についてはフリー。参加された皆さまは思い思いに移動され、さまざまな人事・採用担当者の方々と交流を深めていました。
普段、面接対応をされている方は慣れているのか、非常に高い「聞く力」を発揮されている方も少なくありませんでした。
グループディスカッションで打ち解けていたグループは、どんどん交流の輪を広げていました。
【CHAPTER06】 エンディング
勉強会と交流会は、合わせて21時近くまで続きましたが、ほとんどの方が最後まで残り、交流の時間を大いに楽しんでおられました。そして会場の熱気が最高潮まで高まったところで、今回のイベントは幕を引きます。
なお皆さんの交流の中に、パーソルキャリアのスタッフも加わり、リアルな現場のお話や採用課題、困っていることなど聞かせいただきました。
そして、ご参加くださいました皆さんからはこのような感想をいただきました。
■ まだ経験が浅く、なんとなく決められた質問項目をこなしていく面接しか知らなかったたため、「面接における常識・非常識」についてのお話が大変参考になりました。
■ これまでの自社の慣例に倣って、求める人物像設計や面接評定表作成などを進めてきましたが、今回の講義で新たな視点を持つことができました。
■ 面接における重要なポイントをレクチャーいただいたことはもちろん、他社の人事の方々とも交流ができたため満足しております。
■ 同業種、他業種の中途採用担当者と接点を持つことができ、参加したかいがありました。
■ 自社の採用体制にとらわれすぎることなく、講義の内容や他社事例についてインプットすることができ、非常に有意義な時間を過ごすことができました。
などなど、ほかにもたくさんのコメントをいただきました。本当にありがとうございます。
パーソルキャリアでは、今後も継続的に人事・採用担当者同士でつながることができるコミュニティーイベントを企画・開催していきます。以降のスケジュールについては随時アナウンスいたしますので、どうぞお楽しみに!
[企画・取材・編集/鈴政武尊・d’s JOURNAL編集部、制作協力/シナト・ビジュアルクリエーション]
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