人事担当者は会社の魅力を100%引き出せるか――。Cast a spell青田氏が登壇、50人の申し込み・参加者集う人事勉強会&交流会をパーソルキャリアが開催
d’s JOURNAL編集部
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パーソルキャリアが開催した、4年ぶりのオフラインによる勉強会&交流会。約50人の人事・採用担当者が参加
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Cast a spell青田氏によるワークショップ。「自社の魅力を見つける7 つの切り口」など参加者が実践
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フード&ドリンク付きの交流会。人事担当者同士のコミュニティーができ、情報交換や親睦が深まる
人手不足と採用難に直面する企業では、自社の魅力を正しく把握し、訴求力ある情報を発信する必要性が高まっています。
その中でも「採用に強い会社はどんな活動をしているのか」――。そう気になる方も多いのではないでしょうか。
パーソルキャリア(本社所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:瀬野尾 裕)は、去る2月21日に人事・採用担当者向けの勉強会をオフラインで開催。2部構成となる一つ目はセミナー(ワークショップあり)を実施。Cast a spell合同会社 代表の青田努氏を登壇者にお迎えし、「自社の魅力の見つけ方・伝え方講座」と題して実践型の講演を実施していただきました。
またワークショップの後には、二つ目のメインイベントである青田氏を囲む懇親会が開催されました。参加者の皆さんは、日々の人事・採用業務における悩みや課題を共有できる場として、他企業の担当者とつながり、コミュニケーションを楽しんでおられ、大変盛況のままイベントは終了いたしました。
このコラムでは当日のイベントの様子をリポートしたいと思います。
【告知】
さまざまな企業の人事・採用担当者が参加し、自社の魅力を発見し、魅力を伝える手法を学ぶ機会になったオフライン勉強会。パーソルキャリアでは参加した方々が次へのステップへ進めるように、このようなイベントを今後定期的に開催していく予定です。ぜひ次回以降のご参加をお待ち申し上げております。
勉強会の講演内容をさらに詳しく知りたい方は、こちらのセミナーレポートをご覧ください!
【CHAPTER01】 オープニング&開催主パーソルキャリアからごあいさつ
時折、小雨もぱらつく2024年2月21日、東京都内・丸の内ビルディングでオフライン勉強会は開催されました。
オンラインでのセミナーや交流会が主流になる中、オフライン(対面)での交流とあり、全国から約50人の人事・採用担当者に申し込み・参加をいただきました。所属業界もさまざまで、「IT・通信・メディア」のほか「メーカー」「人材サービス」「建設・プラント・不動産・エネルギー」「金融」「医療系」「商社」「運輸・物流」など多様な方々がいらっしゃいました。
まずオープニングでは、イベント開催主であるパーソルキャリアから参加された皆さんへごあいさつがありました。
「私たちは普段さまざまなお客さまに対し採用支援という形でお手伝いさせていただいております。その中でウェビナーの開催も定期的にさせていただいておりましたが、このようなオフラインでのイベントは実に4年ぶりとなります。
人事関連の情報は、特に外部から収集するには難しいジャンルであります。そこでこのような同業の方と直接お会いできる場を用意いたしましたので、ぜひ懇親・交流いただき、異業界・異業種の採用手法や最新の情報なども持ち帰っていただきたいと思います」(パーソルキャリア 山田芳久)
【CHAPTER02】 講義:「魅力を見つける7 つの切り口」
企業が学生や求職者に向けて自社の魅力を発信するためには、まず、自社の魅力を見つける必要があります。とは言え、「魅力」というキーワードは漠然としており、どのように魅力を認識すればよいかわからないこともあるでしょう。
今回のメインイベントであるワークショップでは、リクルートグループで求人広告の制作ディレクターや自社採用担当を務めた後、アマゾンジャパン、PwC、LINEなどで人事を経て、現在はCast a spell合同会社代表を務める青田努氏をお迎えしました。
ワークショップその1では、青田氏による「自社の魅力を見つけるための7つの切り口」についての講演が実施されました。その7つの切り口とはどのようなものなのか、それは以下となります。
1.納得報酬 2.浪漫報酬 3.成長報酬 4.関係報酬
5.環境報酬 6.金銭報酬 7.安心報酬
これらの詳細について順を追って解説していただきました。
【CHAPTER03】 ワーク:「魅力について考える」
次に、青田氏から解説を受けた「7つの切り口」について、参加者による実践編が行われます。
自社の中で積極的に採用したい職種や、採用が難航しているポジションをイメージして、「このポジションなら何をアピールできるか?」「どんなことを言えそうか?」という考察事項を、7つの切り口に沿って一つ一つリストアップしていくという内容です。
皆さんそれぞれ真剣に考えながら言語化・可視化していきます。
その作業が終わるとそれぞれ座っていただいているテーブルごとにグループディスカッションが始まります。全部で7つのグループに分かれて、お一人お一人魅力化した内容を発表してもらいました。
また、リストアップしてみた時に魅力が弱い点が見つかった場合には、その点を直視し、改善するための機運を作っていく必要があり、そのプロセスも含めて可視化しておくことは大事だと、青田氏はアドバイスを送っています。
【CHAPTER04】 講義:「魅力を伝える5 つのステップ」
2つ目の講義では「魅力を伝える5つのステップ」について解説していただきました。
そのポイントは伝わる言葉で届けること。凝ったキャッチコピーを使う必要はありません。重要なのは、転職希望者や採用候補者にきちんと伝わることです。そのステップとは次のようになります。
■Target… 誰に興味を持ってもらいたいか?(スキル/経験/属性など)
■Insight…「Target」が悩んでいることや、魅力を感じる点は?
■Benefit…「Insight」に対して、自社が提供できる「Benefit」は?
■Fact…「Benefit」を信じてもらえるような「Fact」は?
■Creative…「Benefit」や「Fact」が伝わりやすい伝え方は?
特に「転職希望者が活用している媒体やサービスを選定しながら発信していくことが大事」であると、青田氏は強調されていました。
【CHAPTER05】 ワーク:「伝え方について考える」
再び講演内容を踏まえて、5つのステップに基づいた自社発信のメッセージは何なのかを書き出していく時間です。メッセージ設計の5つのステップにおいて、最も重要なのは「メッセージの一貫性」です。
ターゲットを絞っていないInsight、Insightを踏まえていないBenefit、BenefitがイメージできないFact…。参加者の皆さんがメッセージの一貫性に苦心されながらも、それぞれの言葉で言語化していきました。
【CHAPTER06】 質疑応答:参加者からの質問に登壇者が回答
「自社の魅力の見つけ方・伝え方講座」で、参加者の皆さんから寄せられたQ&Aの時間も設けられました。
【質問その1】「7つの報酬」の話がありましたが、キャリア採用では、求職者に応じてアピールポイントを変えるべきですか?
青田氏:変えるべきです。人によって求めている報酬や、7つの報酬の優先順位が異なります。
会社によって報酬の分布の違いがあるかもしれませんが、面接では、目の前にいる相手の考えを聞いてInsightを探った上で、あらかじめ手元に準備したリストから伝えるメッセージをえり分けると良いでしょう。
【質問その2】メッセージの作り方についてのレクチャーがありましたが、特定の求職者に向けたメッセージの訴求力を高めるには、どうしたらいいですか?
青田氏:オーダーメードのメッセージを作ることだと思います。例えば、スカウトサービスでスカウトしたい人がいたとします。その人のレジュメを読み込んで、魅力の伝え方のフローに沿ってその人に向けたメッセージを設計します。
インサイトとベネフィットの仮説が合っていれば、メッセージの訴求力は高まるでしょう。相手に今すぐに転職するつもりがなくても、カジュアル面談につなげていくことは効果的ですのでお勧めします。
このように参加された皆さんは普段の業務での悩みや課題についてさまざまな形で質問されていました。
【CHAPTER07】 交流会
全ての講演とワークショップが終わった後は、いよいよ人事・採用担当者同士の交流会の始まりです。
まずは会場の空気を温めるべく、パーソルキャリアから参加者の皆さんに、「人事・採用担当者だったらすぐに回答できる」という簡単なクイズ大会が行われました。回答は4択形式で行われましたが、さすが普段携わっておられる業務領域なのか、ほとんど間違えることなく正答されていたのが印象的でした。
そして軽食とお酒などが会場に添えられ、メインの交流会が始まります。
当初は、参加された方の属する業種・業界別に分けて座っていただきましたが、時が進むにつれて、皆さん席を立ち、各々のコミュニケーションで交流を楽しんでおられたようです。
ワークショップとグループディスカッションでお互いに打ち解けていたこともあり、あっという間に場が温まりどんどん交流の輪が広がりました。
【CHAPTER08】 イベント終了
勉強会は、懇親の時間を合わせて21時まで続きましたが、ほとんどの方が最後まで残っていただき、楽しい時間は最高潮のボルテージのままで幕を引くこととなりました。もちろん主催者側であるパーソルキャリアのスタッフたちもおのおのでごあいさつしたり、一緒に交流したりするなど楽しんでいました。
またご参加いただいた皆さんからはこのような感想をいただきました。
■ 今まさに企業のリブランディングを検討しているところだったので、フレームワークを使いながら整理する機会はありがたかったです。
■ 同席の人事担当の皆様ともそれぞれの会社での悩みなどをお話しすることができました。
■ 人事・採用を一人で切り盛りしていましたのでこういった交流の場を作ってもらえて良かったです。
■ その場でワークの形で自社事例に落とし込めたので、ただ受講しているよりも有意義な時間だったと感じます。
■ 日々感じていたことが言語化され可視化されたことにより理解が深まりました。
■ 他社の方の発言なども気付きがありましたし、ご質問をチャット形式でご回答いただけたのも参考になりました。
■ 来年度のキャリア採用をスタートする上で、各ポストの魅力付けの観点について示唆がありました。
本当にありがとうございます。
今回だけでなく、今後継続的に人事担当者同士でつながることができるコミュニティーについては定期的に開催を予定しています。こちらの企画についても随時アナウンスいたしますので、こちらもどうぞお楽しみにしていてください!
[取材・編集/鈴政武尊・d’s JOURNAL編集部、制作協力/シナト・ビジュアルクリエーション]
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